妊娠中だけど離婚したい。実行に移す前に知っておきたいこと

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妊娠中に、離婚の2文字が頭をよぎる人は少なくありません。産まれてくる子どもをしっかりと育てていくためには、離婚を選択したほうがいいケースもあるでしょう。

大きな決断をするときに、考えなければいけないことは何か……。この問題に詳しい桔梗さんから、妊娠中の離婚について助言をいただき、

  • 妊娠中の離婚方法
  • 妊娠中に離婚を検討する理由
  • 妊娠中に離婚を考える際の子どもの親権や戸籍の扱い
  • 妊娠中に離婚した場合の養育費支払い義務・面会交流権
  • 妊娠中に離婚をする際の注意点

をまとめました。少しでも良い環境で子どもを育てたい人に役立つ情報をお届けします。

妊娠中の離婚方法

妊娠中に離婚できるのか不安になる人は少なくないですが、結論からいうと大抵は可能です。うまく話し合いが進むかどうかにより、主に以下の3種類の方法があります。

協議離婚

妊娠中に離婚したい場合、まずはパートナーに意思を伝えましょう。離婚するかどうかや、離婚による取り決め(財産分与・慰謝料・養育費など)について話し合い、お互いに納得できれば離婚できます。そのあとは離婚届に必要事項を記入し、ハンコを押して役所に提出すれば離婚成立です。

このように、裁判所を絡めずに夫婦の話し合いで離婚することを協議離婚といいます。

調停離婚

協議離婚が難しい場合には、調停離婚の手続きをとりましょう。調停離婚とは、家庭裁判所に申し立てをして、調停委員をあいだに挟み離婚条件をまとめる方法です。パートナーと直接話さなくても済むので、感情的になったり言い争いになったりする恐れもありません。

落ち着いて離婚を進められるのが、調停離婚のメリットです。

裁判離婚

調停離婚でも話し合いが進まず、相手が条件に合意しなかった場合には、裁判離婚へ発展します。裁判で認められた判決には、強制力がともないます。ただし、裁判離婚は妊娠をしていなくてもストレスが大きいので、妊娠中はとくに気をつけたいところ。

そのため、裁判離婚に進む場合は、離婚に強い弁護士を早めに見つけて相談することをおすすめします。弁護士に依頼すると、必要書類の作成や裁判所への出廷など、依頼者のかわりに手続きを進めてくれるからです。

妊娠中に離婚を検討する理由

心も体も不安定になりがちな妊娠期……。そんな大変な時期に離婚を考える理由には、どんなものがあるのか見てみましょう。

夫の浮気

妊娠すると女性は性欲がなくなり、夫婦の営みが少なくなる傾向があります。しかし、男性は体やホルモンバランスに変化がないため、欲求不満な状況に……。

そのため、妻が妊娠しているときに、ほかの女性に目移りしてしまう男性もいます。また、性欲を満たすことができなくなった男性が風俗へ通うケースも珍しくありません。

このようにして妊娠中に夫の浮気が発覚し、夫婦仲が悪くなって離婚を考える女性は少なくないです。

精神的に不安定になるから

通常でも女性はホルモンの働きが乱れやすいのですが、妊娠中はとくにホルモンバランスが変化します。そのため、いつも以上に情緒が不安定になりがち。ちょっとのことで怒ってしまったり、うつ状態になってふさぎこんでしまったりすることもあります。

これらが原因となって夫との喧嘩が増え、つい離婚を考えてしまうこともあるのです。普段なら気にしないような小さなことでも大きな不安を感じることは珍しくなく、「この人とは一生をともにできない」と思い詰めて、勢いで離婚するケースもあります。

夫からのサポートが得られない

妊娠中はつわりがひどくて辛い人もいますし、お腹が大きくなれば無理もできません。

それでも家事をすべて任されたり、体に負担がかかることをさせられたり……。そんな状態では、これから先のことを考えて、一緒にやっていく自信がなくなってしまいます。

女性は本能で子どもを守ろうとする心理が働くので、一緒に子どもを守れない相手とは離婚を考えてしまうのです。

妊娠中に離婚を考える際の子どもの親権や戸籍の扱い

妊娠中に離婚する場合、子どもの親権はどちらが取ることになるのか、どちらの戸籍に子どもが入るのか……。これには、離婚のタイミングが大きく関わってきます。

親権について

出産前に離婚する場合、母親が親権を持つことになります。ただし、出産間近に離婚に関する話し合いをはじめた場合などは、出産後に離婚成立となることもあるでしょう。この場合、子どもの親権は母親のものになるとは限らないので注意が必要です。

確実に親権を得たい場合には、出産前に離婚届が受理されるように注意しなければいけません。

戸籍について

基本的に、妊娠期間は約10ヶ月。そのため、離婚成立後300日以内(約10ヶ月以内)に出産した場合、子どもは夫の戸籍に入るケースが多いです。理由は、離婚成立前に元夫とのあいだにできた子どもとみなされるから。

この場合、元夫の戸籍ではなく自分の戸籍に入れるには、家庭裁判所に子の氏の変更許可を申し立てるなどの手続きが必要です。

なお、離婚成立後300日を過ぎて出産した場合、子どもは母親の戸籍に入ります

妊娠中に離婚した場合の養育費支払い義務・面会交流権

妊娠中に離婚する場合に、養育費や元夫との面会はどうなるのかと、疑問に感じる人は珍しくありません。離婚後、トラブルにならないように把握しておきましょう。

養育費支払い義務について

妊娠中に離婚した場合には、パートナーに養育費の支払い義務が生じます。これは、法律上の親子関係があるとみなされるからです。

ただし、離婚後300日以内に子どもが生まれた場合に限定されるので気をつけましょう。先述のように、離婚後300日以内に誕生した子どもは、元夫との子どもとみなされるからです。

そのため、離婚後300日が経ったあとには、基本的には元夫に子どもの扶養義務が生じません。

面会交流権について

面会交流権とは、親権を持っていない親が子どもに会うための権利のこと。それと同時に面会交流権は、親に会いたいと願う子どもの意志を守る権利ともいわれています。

面会交流権は、子どもに悪影響を及ぼす恐れがない限り認められるものなので、パートナーと詳細について決めなければなりません。具体的には、面会交流する方法や会う頻度、日時、場所などの取り決めが必要

話し合いがまとまらない場合は、調停や審判で決めることとされています。

妊娠中に離婚をする際の注意点

妊娠中に離婚をする場合、金銭面での不安が大きくのしかかります。これらを軽減するための知識を身につけておきましょう。

離婚後300日を過ぎてする養育費の請求について

この場合、基本的には元夫が子どもを認知しないと養育費を請求できません。なぜなら離婚後300日を過ぎてから出産すると、血縁上では親子であっても元夫の戸籍に入ることはなく、非嫡出子となるからです。

非嫡出子とは、結婚していない男女のあいだで生まれた子どものこと。つまり、子どもと元夫のあいだには法律上の親子関係がないとみなされるのです。

ただし、離婚前に養育費に関する取り決めを交わし、公正証書として残しておけば養育費を請求できます。離婚までに妊娠していることがわかっている場合には念のため、養育費に関する公正証書を作成しておきましょう。

生活費の請求について

離婚成立後は、元夫から生活費をもらうことができなくなります。しかし、妊娠中に離婚する場合には、ひとりで働いて十分に生活費を稼ぐのは難しいでしょう。

もちろん元夫の意向で、お腹の子どものためにも生活費を援助すると決められたなら問題ありません。しかしそれは、極めて稀なケースです。

そのため、離婚後の生活のことをよく考えたうえで財産分与や慰謝料、養育費など、相手に請求できるものについてしっかりと取り決めを交わし、口約束ではなく公正証書を作成しておくことをおすすめします。

まとめ

妊娠中に離婚したくなる理由はさまざま。夫の浮気や妻への労わりのなさ、妻の精神的不安定……。ただ、妊婦だから離婚できないということは多くの場合はありません。

協議離婚が無理であれば調停離婚など、裁判所を絡めた方法があるのも、妊娠していない人の離婚と一緒。ただし、いつ産むか、いつ離婚するかで親権や戸籍、養育費、生活費といった要素に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、出産前に別れるのをめざすなど、できるだけあなたにとって不利益のないタイミング、条件での離婚に向けて動けるようにしましょう。

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