データからみる離婚事情 ~離婚を決断するタイミングとは~

結婚している女性のなかで、さまざまな理由があって離婚を考える方がいると思います。
しかし、実際に離婚するとなると精神的、肉体的な疲労をともないます。
今回は、いろんな観点から、離婚について探っていき、どのようなタイミングで離婚を決断した方が良いのか考えていきましょう。

結婚の数と離婚の数 ~誰もが夫婦円満とは限らない~

結婚とは愛し合った結果にするものだと思います。
いつまでも仲むつまじい夫婦でいられれば良いですが、現実はなかなかうまくいかないこともあるでしょう。
仲の良い夫婦の様子は、「比翼連理」や「おしどり夫婦」とことわざや慣用句などでよく残されています。
古くには、「偕老同穴(かいろうどうけつ)」という言葉があり、意味は「夫婦が年老いるまで仲良く生活する」というものです。
この言葉は、今から2500年以上前の中国で作成された詩集、「詩経」のなかに記されています。
今も昔も、夫婦仲が良好であることは良いこととされていたのですね。
反対に、ことわざや慣用句には夫婦仲が悪いたとえも存在します。
例を挙げると、「悪妻は百年の不作」です。
また似たようなものに、「悪夫は百年の飢饉」というのもあります。

この2つの言葉の意味は、どちらも「悪妻」や「悪夫」と連れ添うと、一生不幸になるという意味です。
夫婦になることは、昔から重要なことだったのですね。

現在の結婚の数と離婚の数は?

昔の話はさておき、今回は結婚の数と離婚の数についてお伝えましょう。
厚生労働省は毎年、人口に関する報告書を発表しており、そのなかには年代別の人口や出生率、そして婚姻数や離婚数についても記載されています。
2018年のデータによると日本の離婚数は20万8,333組となっています。
離婚数を同居期間別に確認してみると、5年未満が64,860組でおおよそ、全体の30パーセントを占めています
次に多い期間が、5年から10年未満で40,863組、全体の約20パーセントです。
10年未満のカップルが離婚全体の50パーセントを占めていることから、比較的に早い時期に離婚する確率が高いということが分かります。
全体の離婚数は、生涯未婚率の上昇や、少子化にともない、緩やかに減少している一方で、同居期間が20年以上の夫婦の離婚率は上昇傾向にあります。
以上が、現在の日本の離婚数についてでした。

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早婚晩婚は関係ない? ~データからみる離婚率について~

年齢が若いうちに結婚したカップルは離婚率が高いというイメージを持っていませんか?
厚生労働省が発表したデータによると、日本の生涯を通じた離婚率は、およそ20パーセントと言われています。
10代で結婚した女性が10代のうちに離婚する割合は、約81.8パーセントと他の年代に比べ突出した数字となっています。
次いで、20歳から24歳の離婚率が51.2パーセント程度で、25歳以降については、10パーセント未満から20パーセントで推移しています。
このデータから考えると、確かに10代や20代前半の離婚率はほかの年代に比べ、高い傾向にありますが、婚姻数の全体の数が少ないこともあるのでしょう。
また、25歳以上については、年齢があまり関係ないのではないかと考えられます。

都道府県別の離婚率 ~離婚率が一番高い県とは~

次に都道府県別の離婚率について考えていきたいと思います。

順位 都道府県名 離婚率(%)
1 富山県 17.9
2 北海道 17.7
3 茨城県 17.3
4 岡山県 16.9
5 高知県 16.3

上記は当社でアンケートを取った結果となります。
離婚数自体は、人口の多い東京や大阪などの大都市が多いですが、離婚率は意外にも大都市ではなく、中都市の方が高い結果でした。
1位は富山県ですが、地域別でみると北海道東北地方が15.3パーセントと他の地域よりも比較的高い割合になりました。
また、ランキング外ではありますが、沖縄を含めた九州地方の離婚率も他の県に比べ、高い水準にありました。
東北地方や九州地方の離婚率が高い原因を推測すると、「授かり婚」が要因のひとつに考えられるかもしれません。
授かり婚の比率は東京や大阪などの大都市では低く、東北地方や州地方がやや高い傾向にあります。

決断をくだすとき ~子どもの年齢と離婚の関係とは~

先ほどは年齢別の離婚率や地域別の離婚率を紹介しました。
今回は、子どもの年齢と離婚の決断時期との関連についてお話していきたいと思います。
離婚を考えている方にとって、実際にいつ離婚を切り出すかという問題は、常につきまとってくるものでしょう。
特に、子どもがいる方は、夫婦二人だけの問題ではないので、更に慎重になることだと思います。
子どもがいない場合の離婚ですと、主に離婚原因がどちらにあるのか、財産分与の問題、また慰謝料などが話し合いの焦点になることが多いです。
しかし子どもがいる場合には、上記に加えて、親権をどちらが持つか、養育費の金額、離婚後の面会についても考えなくてはなりません。
更に、離婚は子どもの精神状態や、今後の発育に大きく影響する恐れがあります

そのため、子どもが物心つく前に決断した方が良いのか、それともある程度大きくなって、離婚について理解できるようになってからの方が良いのか悩む人もいると思います。
では、どのようなタイミングで離婚を切り出した方が良いのでしょうか。

離婚のタイミングとは?

① 子どもが乳幼児であるとき
まず、子どもが物心つく前、大体0歳から3歳くらいでの時期での離婚が挙げられるでしょう。
子どもと一緒に暮らしたいと考えている場合、子どもが乳幼児であると、女性の親権(または、監護権)の取得がかなり有利に働くというメリットがあります。
というのも、親権は子どもの幸福第一を基本としています。
乳幼児にとって母親の愛情は大切なものだと考えられており、親権(もしくは監護権)を母親が持つ方が適当と判断されることが多いです。
また、子どもへの精神的な負担も、物ごころつく前に離婚した方が、比較的ダメージが少ないことも挙げられるでしょう。
ただし、メリットだけでなくデメリットも存在します。
子どもが乳幼児である場合、子育てが大変で働いていない方が多いですが、離婚をした後、自分と子どもが生活していくためには、働かなければならない人も少なくないと思います。
就職活動をするにしても、仕事についてからも、自分がいない間の子どもの預け先が必要になるでしょう。
しかし、職を得る前に離婚をしてしまうと、公立の保育園に入れない場合があります。
なぜなら公立の保育園の入園は、基本的に現在働いている人が優先されるからです。
そのため、離婚を切り出す前に、離婚後の生活を見据え、準備しておくことが大切になるでしょう。
② 子どもの学校の区切りがつくとき
子どもの環境が変わるタイミングに離婚することもまた、切りの良いタイミングといえるでしょう。
具体的に言うと、小学校や中学校、高校や大学の入学のタイミングのことを指します。
婚するにあたって、家庭環境はもちろん、学校の環境も変わる場合があります。
具体例を挙げると、名字が変わることで、離婚するということが周囲に広まり、自分の子どもが他の子どもたちに、からかわれるケースなどが考えられるでしょう。
そこで、学校の入学前に離婚をしておけば、離婚が原因でのからかいやいじめを回避できる可能性が高まるでしょう。
なお、子どもが大きくなるにつれ、夫婦のどちらが親権(もしくは監護権)を持つか、子供の意思が反映されることがあります。
ある程度自分の意思を主張できるのであれば、10歳前後の子どもの意思でも考慮されるケースもあります。その結果、親権が取れない場合もあるということを念頭に入れておいた方がよいかもしれません。

以上が離婚のタイミングのお話でした。
子どもがいる場合の離婚については、暴言や暴力行為などといった、急いで離婚をしなくてはならない理由がない限り、最大限子供に考慮して慎重にことを進めた方が良いでしょう。

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30代・40代の体験談 ~私たちはこうして離婚を決めました~

ここまで、離婚率や、離婚のタイミングなどについてお話をしてきました。
今回は、実際に離婚を決めた方の体験談を紹介していきたいと思います。

ケース①

妻:さちこ(35)職業:事務員 年収:380万円
夫:ゆきひこ(37)職業:教師 年収:520万円
子ども:みらい(6)小学1年生

小学校の教師であるゆきひことは、友人の紹介で知り合い、お互い子ども好きであることもあって、結婚前提に付き合い始めました。
交際期間2年ほどで、結婚しました。
籍を入れる前から同棲をしていたので、違和感なく結婚生活を始められました。
しかし、結婚後1年ほどたって、子どもが生まれると事態は一転しました。
彼は育児に一切協力してくれなかったのです。
彼は娘のおむつの交換やお風呂をいれるといったことなどはもちろん、私が「夕飯を作っている少しの間、見てほしい」とお願いしても、スマホゲームばかりして、ろくに見てくれませんでした。
私が怒って問いただすと、「仕事で子どもを見ているから家ではゆっくりしたい」と自分勝手な返事をして一向に態度をあらためてくれませんでした。
こんな男には付き合いきれないと考え、徐々に離婚準備を進めました。
娘が5歳になったころに、夫へ離婚の意思を伝え、何度も話し合いをおこなって、養育費を月々5万円、共同財産は等分とし、娘の卒園後に離婚することで決着しました。
親権はもちろん私が持ち、2,3か月に1回、父親の面会を取り付けました。
現在は、夫と一緒に住んでいた家から離れ、実家近くのアパートに母娘2人で暮らしています。
思い返すと、夫は体面もあって、強く離婚を拒んでおりましたが、私が意見を変えることがないと思ったのでしょう。
最後は諦めたようで離婚を成立させることが出来ました。

夫への苛立ちから、精神が不安定気味でしたが今はすっきりと、前を見据えられている気がします。
小学生に入学した娘は、毎日楽しそうに学校へ行っています。
これから大変なこともあるでしょうが、娘と2人一緒に頑張っていきたいと思います。

ケース②

妻:なほこ(42)職業:事務アルバイト 年収:102万円
夫:おさむ (38歳)職業:出版社 年収:736万円
子ども:みわこ(12)小学6年生
4歳年下の夫、おさむは私が会社に勤めていたころの後輩で、新入社員として部署に配属されたとき、私が教育係に選ばれました。
物腰がやわらかく、女性受けの良かった彼なのに、なにが良かったのか私に一目ぼれをしたといい、いつもデートに誘ってきました。
顔が良く、また仕事が出来ることもあり、数年の交際期間を経て結婚をしました。
雑誌は違えど、お互い花形である編集部に配属されており、忙しくて2人の時間が取れないとう理由から、私は仕事を辞め、時間に融通の利くパートを始めました。
そのかいあって、2人の時間が増え、ほどなくして子どもも授かりました。
どもが生まれると、当たり前のことですがどうしたって子ども中心の生活になります。
慣れない子育てで大変でしたが、みわこの笑顔を見ると疲れも吹っ飛んでいきました。
そんな私を見て、夫であるおさむはあろうことか、自分の娘でもあるみわこに嫉妬してきたのです。
私がみわこの相手をしていると、対抗するようにひっついてきたり、「もっと構ってほしい」と子供じみたことを言ってきました。
「あなたも父親になったのだから」と繰り返し言い聞かせましたが、彼の子ども返りのような行動は変わらなかったのです。
子どもが2人いるようだと、当初はあきれておりましたが、みわこが年を取るにつれ、夫の態度はどんどんひどくなり、娘である彼女と一言も言葉を交わさなくなったのです。
何度も、「もっと娘を大事にしてよ」と注意しましたが何の効果もなく、むしろ、夫は娘を敵であるとみなし、私への執着を強めるばかりでした。
これまであきれ返っていた私ですが、だんだんと彼に恐怖を覚えるようになったのです。

結局彼の態度は全く改善されず、話し合いにもならなかったので調停の申し立てをし、離婚が成立しました。
娘は父親であるおさむが怖かったと話しており、私も同じく恐怖を覚えていたので離婚してよかったと思います。
現在私は、以前勤めていたところとは別の出版社で働いています。
おさむからは「よりを戻したい」と毎日のようにLINEが届きますが、養育費は全く支払う気がないようです。
お金も大事ですが、彼を娘に近づけたくないので、来月引っ越しし、その際にスマホも新しく変えようと思います。

以上が、2人の離婚の体験談の紹介でした。

まとめ

今回は離婚についてのデータを紹介し、またタイミングについてもお話をしてきました。
離婚だけに限らず、何事にも決断するタイミングは重要です。
とはいえ、子どもがいる場合、自分だけのタイミングで離婚することは出来ません。
夫婦間で協議ができる場合には、しっかりと話し合いをして、意見のすり合わせが大切です。
婦仲が悪い場面や、言い争っている姿、また喧嘩などを子どもに見せると、精神面で大きなトラウマを抱える可能性があります。
子どもへの離婚したことによる影響、離婚しないことで起きる悪影響を考えて、どちらがより子どもにとって良い結果になるのかを決断していけたら良いですね。

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