「離婚を考えている」とひとくちに言ってもそれぞれ段階があります。
現状に不満があって、ぼんやりと離婚を考えている方もいらっしゃると思います。
もっとステージが上がって、すでに決意を固めて、離婚の話し合いをしている方もいらっしゃるでしょう。
今回は、そもそも離婚をどれくらいの方が考えているのか。
また、離婚に際する心がまえについて一緒に確認していきましょう。
- 既婚者が離婚を意識している割合
- 既婚者から意向者へ? ~離婚意向者から実行するひと~
- 離婚に踏み切る理由とは? ~塵も積もればなんとやら~
- ノーモアトゥギャザー ~もう一緒に居られないと思った瞬間~
- まとめ
既婚者が離婚を意識している割合
広辞苑を持ってきて、「離婚」を調べてみると、「夫婦が法律上の婚姻関係を解消すること」と記載されています。
言葉にすると、なんだかとっても簡単なものに見えますね。
実際、離婚の手続きについては非常に簡単なものです。
離婚届一枚書けば、法律上の婚姻関係は終了です。
とはいえ、実際に自分のパートナーと離婚するのは大違いです。
「言うがやすし、おこなうはかたし」と言葉があるとおり、言うのは簡単でも、いざ離婚に向けて話し合い、パートナーから合意をもらうことに苦労する方が多いです。
婚姻期間が極端に短くない限り、夫婦の共同財産の分配方法、場合によっては婚姻費用の請求や、慰謝料、親権の有無、養育費など取り決めをおこなわねばなりません。
20代から50代の女性の既婚者を対象として、およそ3万人にアンケートを取ったところ、実に全体の11.6パーセントの方が離婚を考えているという結果が出ました。
これから推測するに、離婚の想いの濃淡はどうであれ、約9人に1人が離婚を考えているということになります。
余談になりますが、9人に1人という割合は、30代の性交渉の未経験者の割合とほぼ同じです。
一方で、30代は離婚率が1番高いというデータがあります。
このデータをふまえると、現在、「結婚するひと」と「交際未経験のひと」とで二極化しているのかもしれませんね。
既婚者から意向者へ? ~離婚意向者から実行するひと~
前章では離婚を考えている割合についてお話をしました。
今回は、離婚を考えている女性の割合についてもう少し詳しく説明したいと思います。
以下に前出のアンケート結果を年代別、具体的に離婚したい時期別にまとめてみました。
年代 | 離婚協議中(%) | 1年以内に離婚したい(%) | 3年以内に離婚したい(%) | 5年以内に離婚したい(%) | いずれ離婚したい(%) | 離婚を考えていない(%) |
全体 | 0.7 | 0.9 | 0.6 | 0.6 | 8.8 | 88.4 |
20-24 | 2.0 | 1.8 | 1.1 | 0.7 | 7.9 | 86.5 |
25-29 | 0.7 | 1.0 | 0.8 | 0.5 | 4.7 | 92.4 |
30-34 | 0.9 | 1.0 | 0.6 | 0.4 | 6.3 | 90.8 |
35-39 | 1.0 | 0.9 | 0.4 | 0.3 | 8.5 | 89.0 |
40-44 | 0.5 | 1.1 | 0.5 | 0.8 | 10.6 | 86.4 |
45-49 | 0.7 | 0.7 | 0.7 | 0.7 | 11.1 | 86.0 |
50-54 | 0.6 | 0.7 | 0.8 | 0.7 | 10.6 | 86.6 |
55-59 | 0.5 | 0.6 | 0.5 | 0.6 | 7.8 | 90.0 |
※20代から50代の女性300439人を対象
上記の結果から読み取れることは、20代前半の離婚希望率が多いことです。
ただ、20代前半で結婚した方は離婚率も他の年代に比べ、高い傾向にあるデータもありますし、感覚的にも大きな驚きは覚えないのではないでしょうか。
他の年代の数字も確認していくと、意外にも40歳から54歳までの比較的年齢層の高い女性が離婚を考えているということです。
特に45-49歳の方は14パーセントと、20代前半の女性よりも離婚を考えている方多く、40-44歳に関してもそれの同水準です。
確かに2000年代前半に入り、「熟年離婚」という言葉をよく耳にするようになり、またドラマのテーマとして取り上げられました。
現在、少子化や生涯未婚率上昇のため、婚姻数自体が減っているため、離婚の数自体は年々下降傾向にあります。
にもかかわらず、このアンケート結果と符合するように、40代以降の離婚率は右肩上がりなのです。
一体どんな理由で離婚を考える、もしくは離婚をするのでしょうか。
次章で詳しくお話したいと思います。
離婚に踏み切る理由とは? ~塵も積もればなんとやら~
前章で年代別の離婚についてお話をしました。
今回は、離婚に踏み切った理由について考えていきましょう。年齢別で離婚理由のトップ3を紹介したいと思います。
女性の年代別離婚理由
年代 | 離婚理由1位(%) | 離婚理由2位(%) | 離婚理由3位(%) |
全体 | 性格の不一致(40.5) | 浮気・不倫(30.1) | 浪費する(25.7) |
20代 | 浮気・不倫(42.3) | 生活費を渡さない(34.6) | 浪費(26.9)
家族親族と合わない(同上) 育児をしない(同上) |
30代 | 性格の不一致(46.8) | 浮気・不倫(34.3) | 浪費(29.9) |
40代 | 性格の不一致(47.4) | 浮気・不倫(28.2) | 家庭をかえりみない(23.7) |
50代 | 性格の不一致(38.3) | 浪費(27.2) | 家族親族と合わない(24.7) |
※当社調べ
上記を確認すると、20代の女性の離婚理由は2位におよそ8パーセントの差をつけて、浮気・不倫が1位となりました。
他の年代の30代、40代と比べても圧倒的に高い割合です。
一方で30代から50代の離婚理由1位はすべて性格の不一致となっています。
実際に裁判所が発表している、離婚調停や裁判の数も性格の不一致が1位になっています。
夫婦ともに暮らすなかで、お互妥協し合うことは必要だと思います。
ところが、長年つれそっていくと、今まで我慢し続けていたことがある日突然できなくなるケースもあるのです。
「千丈のつづみもありの一穴」と言葉があります。
これは小さなありがあけた小さな穴でも、放置していればやがて頑丈な堤防も壊すだろうという意味になります。
これと同じように小さな我慢でも積もり積もれば、やがて取り返しがつかなくなることもあるのです。
30代から50代の離婚理由が性格の不一致であるのは、ある意味納得できる結果ではないでしょうか。

ノーモア トゥギャザー ~もう一緒に居られない、体験談~
これからするお話は、30代、40代の女性の方の体験談となります。
ケース①、②どちらとも、性格の不一致である価値観の違いで離婚を選択しました。
どんなことが別れのきっかけになったのか確認していきましょう。
ケース①
妻:ともこ(39)職業:アパレル関係 年収:450万円
夫:だいすけ(41)職業:公務員 年収:600万円
子ども:ひろと(10)
私と夫のだいすけは26歳のころ、旅行先のグアムで出会い、趣味のスキューバダイビングを通じて交際に発展。
そのまま1年間ほど付き合い、出会ったグアムで挙式をし、念願のゴールインをしました。
その後、1年ほどで長男のだいすけを産みました。
育児は大変であるけれど、夫も育児に協力的で、理想的な結婚生活を送っていたと思います。
しかし、そんな幸せな日々も長くは続かなかったのです。
ひろとが6歳になるころ、夫は急に育児をおろそかにし始めました。
結婚してから今まで、休日出勤などしたことが無かったのに、いきなり休日出勤しはじめ、いきなり「土日は子供の面倒を見れない」と言い出しました。
私は仕事上、平日休みであることが多かったので、困ってしまいました。
けれど「仕事ならば仕方ない」とベビーシッターや一時保育で、なんとかその場をしのいでいました。
しかし、ある時、夫が土日に仕事をしていないことに気づいてしまいました。
浮気ではありません。私に内緒で毎週スキューバダイビングに出かけていたのです。
お互いの出会いがスキューバダイビングでしたので、彼が海を愛しているのはよく理解できます。
しかし、自分の子どもの世話もしないで、自分勝手に遊んでいるなんて許せないと思いました。
何度も注意をしたのに、「俺は海人だから」ふざけたことを言って、むしろ開き直った態度で決して海に行く回数を減らしてくれませんでした。
これはさすがにと、離婚の二文字が頭をよぎりました。
それから4年間におよぶ話し合いの末、親権は私。養育費は月6万円と取り決め、財産分与は70パーセントが私の取り分となりました。
良き夫であり、良き父親であるはずだった彼は、どこでタガが外れてしまったのでしょう。
いろんな「タラ」「レバ」がぐるぐる頭の中でめぐり、避けられなかったのだろうかと思いました。
けれど、子どもが出来ても未だ自分優先の夫の行動をずっと我慢できるかと言えば出来ませんでした。
夫婦仲が悪くなる前に離婚できたことは不幸中の幸いでした。
今後は、ひろとの父親と母親としてつながっていきたいと思います。
ケース②
妻:ようこ(45)職業:教師 年収:650万円
夫:まこと(45)職業:大学専任講師(准教授)年収:900万円
子ども:さくら(18歳)
夫だったまことと出会ったのは大学のキャンパスでした。
私は、大学で日本文学を専攻し、彼は歴史学を専攻していました。
就職を控えた大学4年生の頃、彼から告白され、そのまま27歳の時、結婚しました。
その頃、は修士課程を経て博士課程に入るところで、まだ学生でした。
私たちは学生結婚を選択したのでした。
そのうち1年ほどして子どもにも恵まれました。
歴史学の研究者の夢を捨てきれず、博士課程が修了した後も、大学に残り研究を続ける彼は、私やさくらのことを一番に考えられなかったのだと思います。
研究者と言えば聞こえはいいですが、教授になれるのはひと握り。
その後も彼は一向に定職に就かず、ただただ研究に明け暮れました。
何度か就職するようすすめましたが、聞く耳を持たず、その間子育てと稼ぎは私の持ち分でした。
さいわい、38になって研究論文がみとめられ、大学の専任講師となりました。
定職についてからというもの、お金の心配はなくなりましたが、彼は一貫してさくらには興味を持ちませんでした。
ついに、価値観の違いに耐え切れず私は離婚を切り出しました。
まことは、「すまなかった」と共同財産のほとんどすべてと、娘の大学費用として、年間200万円支払うことを約束し、その内容を公正証書にもしました。
どうしても頭から離れないのは、離婚してマンションを引き払うとき、娘がさみしそうにぽつりとこぼした言葉です。
「きっと、お父さんは歴史以上に私を好きになれかったんだね」
これから母娘二人暮らしになりますが、お金のこと以上に娘のことが心配です。
夫は悪い人でありませんでしたが、父親として最悪でした。
今後は娘のメンタルケアを一番に考えていくつもりです。
以上が、体験談の紹介でした。
まとめ
今回は離婚を考えている方の割合や、踏み切る理由を年代別に確認していきました。
アンケートの結果を見て、みなさんはどう思いましたか。
離婚を考えている方の割合は11.6パーセントですので、言い方を変えると既婚者のおよそ100人に10人以上が離婚を考えていると言えます。
離婚を考えていても状況や環境もあって、なかなか踏み出せない方もいるのでしょう。
しかしながら、離婚を考えたことがきっかけで、夫婦間で生活の見直しや価値観のすり合わせをおこなった結果、仲が改善され離婚を回避できるかもしれません。
夫婦の歴史ともいえる結婚生活を進めるのか、ピリオドを打つのかは自分次第です。
どんな選択をしてもある程度の後悔は残ってしまうことでしょう。
残るとしてもその後悔が時間とともに薄くなっていくような最良の選択ができるといいですね。
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