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どうすればスムーズに話し合いができるんだろう……このお悩みへの対処法に詳しい桔梗さんからお話を伺って、以下についてまとめました。
- 離婚の話し合いで取り決めが必要なこと
- 離婚の話し合いをする前に準備するべきこと
- 離婚における話し合いの進め方
- 話し合いによって離婚の合意がとれたあとにするべきこと
- 話し合いで解決できない場合の対処法
できる限りスッキリと別れたい人は、見逃さないでくださいね。
離婚の話し合いで取り決めが必要なこと
離婚の話し合いをする際には、しっかりと取り決めておくべきことがあります。離婚後の生活を充実させるためにも、ここでポイントを整理しておきましょう。
お金に関すること
離婚をする際には財産分与や慰謝料、年金分割など、金銭的なことを取り決めておく必要があります。基本的に夫婦共有の財産は、1/2ずつ受け取ることが可能。財産としてみなされるものは、主に婚姻期間中に購入した家具や家電、車、貯金などです。
金銭面のことに関してはきちんと取り決めておかないと、後々トラブルになるケースが多いので気をつけましょう。
子どもに関すること
子どもがいる場合、親権や面会交流、養育費などの取り決めが必要となります。子どもとの面会交流の頻度はどれくらいにするのか、養育費は子どもが何歳になるまでとするのかなど、後でトラブルにならないよう、よく話し合いましょう。

離婚の話し合いをする前に準備するべきこと
良くも悪くも一人になる離婚。自力で生きていくために必要なことをまとめました。
自立する準備
離婚すると、それまでには2人で助け合ってきたことを1人でやっていかなければなりません。そんなときに大切な、「自立」についてお伝えします。
経済的な自立
専業主婦(主夫)の場合、離婚話を進める前に経済的な自立をするための準備をしておく必要があります。離婚後にひとりで生計を立てるには、収入を得るための仕事が必要。離婚してから仕事を探すようでは遅いので、離婚の話し合いをはじめる前にパート先や在宅業務など、確実に生活できる職を確保しておきましょう。
「離婚したら、もっと状況が悪化した」、「お金が心配で、やっぱり離婚に踏み切れない」なんてことを避けるためにも、しっかりと準備しておきましょう。
生活面での自立
男性が苦手とする傾向がある炊事や洗濯。これらの家事を、離婚後にすべて自分でできるようにしておくことも忘れてはいけません。
新しい生活をはじめても、仕事などに支障をきたさないよう、一通りの家事をこなせるようにしておきましょう。離婚した後は、頼りにできるパートナーはいません。精神的にも自立する必要があることもおさえておきましょう。
住まいの確保
一時的に実家に帰るなど、住むところがあれば良いのですが、そうでなければ暮らしていけません。離婚後の生活はガラリと変わるので、安定したスタートを切れるよう、準備しておきましょう。
また子どもがいる場合は、幼稚園や学校などの転園や転校先を見つけておくことも大切です。できる限り負担をかけないよう配慮することで、子どもの将来を良い方向に導きやすくなります。
離婚における話し合いの進め方
良い形で話し合いをまとめたいなら、適切な手順をふむことが大事。また、状況に応じた対処ができると望ましい結果を得られることもあるので、事前に確認しておきましょう。
自らの希望を明確にする
離婚する際の条件面について自分の希望を決めておくと、話し合いを進めやすくなります。慰謝料や養育費が必要な場合、いくら欲しいのか、財産分与はどのような方法を望むのかなどをはっきりさせておきましょう。

配偶者と離婚について話し合いをする
パートナーと話し合うときには、取り乱さないことが重要。また、相手が離婚を拒否するケースも少なくないので、ここで対処法をおさえておきましょう。
配偶者に離婚の意志を伝える
このときのポイントは感情的にならず、冷静に伝えること。曖昧な表現はせず、どうして離婚したいのかを具体的に話すことで、相手を説得しやすくなります。
そのためにも、「なぜ離婚をしたいのか」や、「関係を修復できない理由はなにか」などについて、事前にまとめておくと良いでしょう。また離婚の話し合いをする際には、子どもがいない時間にすることをおすすめします。
配偶者が離婚を拒否した場合
もし配偶者が離婚に反対してきた場合は、自分の意見を押し付けないことをおすすめします。相手が離婚に合意しない限り離婚は成立しません。そんなときは一旦引き下がって、冷静に考える時間を相手に与えて待ちましょう。
このとき、あなた自身も関係の修復を考えてみると良いですよ。突然離婚を言い渡された方は、すぐにうなずけないケースが多いといえます。なかには離婚すると言われて、ようやく自分が悪かった点に気づいて反省する人も。
そのため相手の離婚したくない理由をよく聞いて、改善されそうなら、今一度考え直すのもいいでしょう。ただし配偶者にDVやモラハラを受けている場合は改善する見込みはないと考えられます。
どんなに謝られたとしても強い気持ちをもって、そのまま離婚話を進めてくださいね。
話し合いによって離婚の合意がとれたあとにするべきこと
うまく話し合いをまとめられたからといって、安心してはいけません。あとになって困らないためのポイントをチェックしておきましょう。
話し合いの結果を記録する
離婚について合意にいたった場合には、必ず取り決めたことを書面に残しましょう。金銭面に関して口約束だけにすると、不払いなどのトラブルにつながりやすくなります。そのため必ず、公正証書に残す必要があるのですす。
公正証書は、調停調書と同じ効力をもつ書類。もし離婚後に慰謝料や養育費が滞ったとしても、強制執行をして給料を差し押さえることができます。離婚で合意できたときには、忘れずに近くの公証役場で公正証書を作成してもらいましょう。

話し合いで解決できない場合の対処法
夫婦関係が悪かったり、取り決めるべき内容が多かったりすると、なかなか話し合いがまとまらないことも…。そんなときの対処法をまとめました。
第三者を交えて話し合う
感情的になってしまうなど、2人きりでの話し合いでは進展が見られない場合には、第三者を入れると良いでしょう。冷静に話し合いを進めやすくなります。また、養育費や慰謝料、財産分与など金銭面で相手が合意しない場合は、弁護士に相談すると良いですよ。
調停離婚
夫婦での話し合いがまとまらない場合、家庭裁判所に調停の申立てをすることもできます。夫婦の間に調停委員が入ってくれるので、直接話し合いをする必要がありません。あなたの主張に説得力があるほど、調停委員も離婚に向けて話し合いを進めてくれる可能性が高まるでしょう。

裁判離婚
調停離婚でも話し合いがまとまらなかった場合、裁判離婚に進むことも可能。ですが裁判離婚は、話し合いがおこなわれないまま判決が下されるため要注意。
また、裁判離婚は時間もお金かかり、精神的な負担も大きくなりがち。もしパートナーの主張に納得できるところがあるなら、少し妥協をして、調停離婚で合意にいたることもひとつの手です。

まとめ
離婚の話し合いは、要所をおさえておかないとうまく進められません。それどころか話がこじれてしまったり、後々のトラブルにつながってしまったりすることも…。
そんなことにならないよう、しっかりと準備をしたうえで話し合いに臨みましょう。また、円滑に話を進めるコツや話し合いが進まなくなったときの対処法も要チェック。あなたの望む未来が手に入れられるよう、最善の策を尽くしてくださいね。