離婚するにはお金が必要?~子どもと暮らす生活を得るには~

「離婚したい」と頭の中で思っている方のなかには、「表面上は何事もなく暮らしていますが、一日でも早く今のパートナーと離れて新しい生活を始めたい」という思いが頭から離れない方もいるのではないでしょうか。
離婚しなければならない切羽詰まった理由がなかったとしても、日々のストレスが積み重なっていったん離婚したいと思い立つと、抑えきれないはやる気持ちがわくのは致し方ないことだと思います。
ただ、子どもがいた時には、離婚が夫婦間だけの問題ではなくなります。
今回は、子どもがいる方が実際に離婚を考えた場合に、どんな問題に直面する可能性があるのか考えていきましょう。

シングルマザーは大変!~1人で育児することを選択してでも離婚したい理由とは~

ワンオペ育児」という言葉を聞いたことはありませんか。
「ワンオペ」とは「ワンオペレーション」の略語で、夫婦のどちらかが育児を1人でになうことを指します。
「ワンオペ育児」になる理由は、パートナーの仕事が忙しかったり、単身赴任をしていたりといったやむを得ない事情から、パートナーの育児放棄などさまざまなシチュエーションが考えられます。
共働きしながら家事に育児にとたくましくこなしている方の中には、「夫の帰りが遅いから、平日はワンオペなんて当たり前だよ」という剛毅な方もいるでしょう。
ただ、基本的に家事や育児などは、夫婦が分担し共同でおこなうべきことで、法律でもそのように定められています。
最近は、働き方改革のいっかんで、男性の育児休暇や時短勤務などが認知されてきましたが、まだまだ育児は女性の仕事という風潮がぬぐい切れていないと思います。
パートナーがいてのワンオペ育児もとても大変ですが、離婚してシングルマザーになると実家に戻ってご両親との同居を選択したり、お近くにご両親がお住まいでなければワンオペ育児が当たり前になります。
「離婚してみると、意外と元旦那が子供の面倒をよく見ていたと初めて気がついた。後悔しています」という声を聞くことがあります。
誰の助けも借りずに、ひとりで育児をこなすのは想像以上に大変です。
いきおいにまかせて離婚し、後悔しないように冷静に判断することが大切です。
また、シングルマザーの生活費不足という問題はさらに深刻です。
ご自身と子どもの二人暮らしだと、手取りで15万円以上が必要だと言われています。
給与収入だけの場合で、この額を年収に換算すると220万円程度になります
ところが、内閣府が母子世帯の世帯年収を調査したところ、100万円~200万円未満の家庭がもっとも多く、次いで100万円未満の家庭、200万円~300万円未満の家庭と続きます。
更に、驚くべきことに1位の100万円~200万円未満の家庭で、別れた夫から養育費を貰っていない人は全体の58.9パーセント、2位の100万円未満の家庭にいたっては62.1パーセントと養育費を貰っている人は半数にも届きません
不思議に感じるかもしれませんが、養育費を貰っていない人の割合は、世帯年収が低いほど養育費を貰っていない人の割合が高く、反対に世帯年収が高くなるほど、低くなります。
貧困家庭という言葉があります。お住いの地域や、お子さんの年齢、人数の違いで一概には言えませんが、おおむね年収200万円未満だと貧困家庭と定義されると考えても良いでしょう。
ここでお話したシングルマザーの年収の低さと、養育費が支払われていない問題があいまって半数以上の母子家庭について生活費が不足している状態にあると言えます。
離婚する理由は十人十色で、なかにはDVやモラハラで離婚を選択した方もいるでしょう。
夫を嫌悪していたり、恐怖を覚えていたりすると夫から逃げたい一心で養育費や財産分与にまで考えが及ばないこともあるかもしれません。
しかし、子どもと生活するにはお金はどうしたって必要になります。
離婚をする前に信頼できる第三者をまじえて離婚後の費用の取り決めをしたり、お住いの地域の公共機関で母子家庭を支援する制度がないか等、あらかじめ調べたりしておくことが大切です。

お金ってだいじ!~シングルになる前に進めておくこととは~

前章では、シングルマザーの収入についてお話してきました。
今回は離婚をするまでにやっておきたいことについて考えていきたいと思います。

仕事を決めておくこと

子どもが小さいときに離婚をした場合、自分が仕事しているあいだ、子どもの面倒を見てくれる人が必要になるでしょう。
待機児童の問題が一時期おおきな話題をうみました。
厚生労働省が令和元年9月6日に発表したデータによると、保育施設の受け入れ可能な人数は289万人で、それに対して入所している人数は268万人とされています
一見すると待機児童はすべて解消されそうに思えます。
しかし、実際には1万6,772人の待機児童がいて、特に都市部と地方の中核都市に集中しています
またこのデータには、認可外保育園にかよう子どももふくまれているものと思われますが、認可(認証)保育園の月の利用料が2万~5万円ほどなのに対して認可外保育園の月の利用料は、5万~7万円ほどで、一定以上の所得がないと、認可外保育園にかよわせるのは困難であると思われます。
公立の保育園は働いている人の子どもが優先的に入園できるシステムになっているので、離婚後に就職しようとしても託児できるところが見つからず八方塞がりになる、なんてことも有り得ます。
そのため、離婚する前に就職をしておくことが大切でしょう。

公的支援金や補助金に調べておく

現在、日本ではシングルマザーやシングルファザーに向けての公的な支援制度や、補助金があります。
・児童扶養手当・・・国の制度で、子どもが18歳に到達して、最初の3月31日まで支給される手当です。
この手当は所得によって支給額が決まるもので、所得が限度額を超えている場合は支給されません
2018年現在で、満額支給の場合だと子ども一人で4万2,500円、二人目で1万40円加算され、三人目以降では6,020円が加算されます。
・児童育成手当・・・各自治体に整備されている制度で、児童扶養手当とは別に支給されます
子どもが18歳に到達した、最初の3月31日まで支給されます。支給条件・支給金額は自治体によって異なるので、お住まいの役所で確認しましょう。
・福祉資金貸付・・・自治体(都道府県)の制度で、20歳未満の子どもがいる母子家庭に、無利子または低利子で貸付をおこなうものです。
その他、医療費の助成制度や、一次的に家事などの援助が必要になったときホームヘルパーを派遣してくれる「母子家庭日常生活支援事業」などもあります。
自分がどれに当てはまるか確認し、補助してもらえるかどうかを相談しておくと良いでしょう。

住む場所を決める

生活するうえでの基盤は衣食住です。
離婚をするとなると大半の方が、新しい家を見つけなくてはなりません。
そのため、離婚後、生活する場所を事前に決めておいた方が良いと思います。
多少お金に余裕がありアパートやマンションを借りられる方や、自分の実家に住むことができる方は良いでしょうが、中にはお金がなく実家にも頼れないという人もいるでしょう。
そんな時は、お住まいの自治体に問い合わせをしてみてはどうでしょうか。
自治体の中にはシングルマザーの方を優先して公営住宅に入居出来たり、補助金を出しているところもあります。
住む場所が決まらないと落ち着かず、精神的に不安定になってしまう場合がありますので、補助金などの制度は利用しておくと良いでしょう。

みんなの体験談

これまで、養育費や離婚に向けての準備などをお伝えしました。
今回は、2人の女性の体験談をご紹介したいと思います。

ケース① ゆきえさんの場合

妻:ゆきえ(29)職業:塾の事務アルバイト 年収:100万程度
夫:さくや(27)職業:とび職 年収:275万円
子ども:まり(4)

私と元夫であるさくやは、とあるアプリをとおして知り合いました。
アプリだけのやり取りがしばらく続いておりましたが、当時、大学を卒業し、会社に勤めはじめたばかりで、仕事がうまく行かず、職場の人間関係にも悩んでいた私は彼の底抜けに明るく、ポジティブなところに惹かれました。
どうしても一目彼に会いたくなって、私から二人で会う約束を取り付けました。
高校卒業後から働いているという彼は、2歳年下なのに大人びてみえ、ますます好きになり、交際期間半年を経て結婚しました。
一緒に生活を始めて数か月ほどで妊娠が発覚し、同時に2年ほど勤めていた会社を辞め、家の近くにある塾の事務のアルバイトになりました。
ほどなく娘のまりが産まれ、とても幸せでした。
けれど、初めての育児は想像以上に大変でした。娘は、むずかりやで四六時中泣きっぱなし。
夜泣きもひどくて、近所からたびたび注意をうけていました。
その度に、夫に助けを求めましたが、「なんとかなるよ、頑張れ」となま返事ばかりでした。
それどころか、逃げるように、友達と飲みに行ったり、パチンコに行ったりしてしまう日々が続きました。
私が注意すると、その場では「ごめん」と言うのですが、一度も育児に協力してくれないのです。
徐々に期待することに疲れ、離婚を意識するようになりました。
娘が2歳になるころ私の両親に事情を話して、仕事中の世話を頼み、塾の事務に復帰。
その内アルバイト先の塾長が私を認めてくれ、正式に社員として雇いたいといってくれました。
そのタイミングで夫に離婚を切り出し、あっさり離婚は成立。
夫が遊びのために借金を抱えていたことが発覚したので、財産分与は受けるどころか、共同財産はむしろマイナス。
財産分与はゼロで、養育費は月々2万円で取り決めました。
現在、実家に帰り両親に娘を見てもらいながら、働いています。
いつまでも両親に頼ることは出来ないので、今後は娘を保育園に入れ、母娘2人で暮らせるようになることが目標です。

ケース② かずなさんの場合

妻:かずな(36)職業:企業の秘書 年収:300万円
夫:たもつ(40)職業:議員秘書 年収:600万円
子ども:じゅんいちろう(9)

私と夫だったたもつの出会いは、彼が秘書をつとめる議員の祝賀パーティでした。
その頃、私はまだ新人秘書で、なれないパーティの会場で、あたふたしていたところを助けてくれたことがキッカケで親しくなりました。
仕事上の関係がしばらく続いていましたが、ある日彼から告白され、交際に発展。
1年ほどの期間を経て結婚しました。
仕事ができるのに気取ったところのない彼は、結婚をしても恋人だったときのように接してくれ、ほどなく子供もでき幸せをかみしめていました。
しかし、臨月を迎えたころから、彼の仕事が忙しくなり接待やパーティなどで帰宅が0時を過ぎるのもしばしばとなり、生活がずれてきました。
更に息子のじゅんいちろうが産まれる頃には、帰宅時間はますます遅くなり、出張の頻度も増えてきて、お互いの生活リズムが崩れ始めていったのです。
ひとりでの育児はとても大変でしたが、その頃、彼は第三秘書から、第二秘書に出世したと喜んでいたので、「家族のために頑張ってくれている」と自分をはげまして深く考えないようにしていました。
ところが息子が7歳になる頃、見知らぬ女から突然、連絡が入り、「たもつの子を妊娠しているから別れて」と叫び続けられました。
彼女のあまりのヒステリックな様子に恐怖を感じた私は、子どもを連れて家を出ました。
その後、夫からは誤解だと何度も弁解してきましたが、信用できず離婚を切り出しました。
彼は離婚に対して断固拒否の状態だったので、調停を申立て、3年経ってようやく離婚が成立しました。
夫は育児にはほとんどかかわっていなかったため、息子の親権は私に。
また、不倫に関しての慰謝料は、証拠を集められなかったのでほとんど貰えませんでしたが、共同財産は半分私が取得し、養育費は月々6万円になりました。
彼は、離婚後も「不倫は誤解だ」と復縁を希望していますが、今さら元には戻れません。
現在、会社に事情を説明し彼と関わらない部署へと異動になりました。
慣れない仕事で大変ですが、息子とともに頑張っていきたいと思います。

まとめ

今回は子どもがいて離婚を考えている方へ向けてお話をさせていただきました。
パートナーと別れ、シングルマザーを選択するということは強い決意が必要だと思います。
離婚にいたるまでの過程はさまざまです。
性格や生活が合わず離婚する方もいるでしょうし、相手の行動が原因で、ひどく怒りを覚えている方もいるでしょう。
ただ、どの夫婦にもいえることは、子どものことを第一に離婚の話し合いをおこなうべきだということです。
子どもにとって両親の離婚は少なからず影響を与えるものです。
そのため、精神的なケアはもちろんのこと、金銭的な面でも子どもの選択肢がせばまらないようなかたちで、離婚を進めていけたらよいですね。

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