離婚をしても元パートナーと連絡するときとは

離婚した後に、元パートナーと話したいことってあるでしょうか。
別れた理由によっては、離婚した直後、衝動的に連絡先を消しちゃうなんてひともいるかもしれません。
けれど、いくらか冷静になってから連絡する必要があったと気づくことも…
今回は、離婚した方にアンケートを取って、元パートナーと連絡するときはどんな状況なのかを考えていきたいと思います。

元パートナーと連絡とる人ってどれくらい?

当社では離婚に関してのアンケートを20代~50代の女性を対象に実施しました。
そこで、離婚経験者の方(再婚者を含めて)に元パートナーやその両親・親族と連絡を取っているかどうかを聞いたところ、こんな結果が出ました。
まず、「元パートナー本人との連絡手段がない」と答えた方は、全体の39.9パーセントでした。
4割近い数字ですね。
また、「元パートナーの両親や親族と連絡手段がない」と答えた方は、なんと全体の半分以上の51.4パーセントの割合でした。
更に、「元パートナー本人との連絡手段がない」と答えた方は、意外にも50代の方が多く、半数の48.1パーセントにのぼっています。
年齢の高い方は、連絡先を残してるといったイメージを持たれる人もいらっしゃるでしょうが、実際は20代のほうが、元パートナーとのつながりを持っている人が多いのです。
理由として考えられるのは、2010年代からLINEなどのアプリが連絡手段として登場し、連絡をとる方法が簡便になったことが挙げられるのではないかと推測されます。
子どものいない夫婦が離婚した場合は、「赤の他人の男女に戻る」という意味では、連絡手段を持たなくても問題がないようにも思います。
しかし、別れたパートナーとの間に子どもがいた場合には、子どもへの面会や、養育費、そのほかさまざまな理由で連絡を必要とする状況が考えられます。
離婚して時が経つにつれて、別れた時には思いもよらなかったことが、起こらないとも限りません。
「転ばぬ先の杖」。別れたパートナー、そのご親族と連絡をとれる手段をぜひ残しておきましょう。
次章では、「元パートナーとの連絡手段がある」と答えた方がどのようなツールを利用しているのかを確認してみたいと思います。

元パートナーとの連絡手段は?

元パートナーと連絡を取っている方は、どのようなツールを利用しているのでしょうか。
連絡手段別に表を作成してみましたので、以下をご確認ください。

固定電話 携帯電話 メール LINE SNS 郵便 訪問 その他
元パートナーとの連絡手段 8.0 44.2 25.0 27.7 4.6 16.6 12.8 2.4
元パートナーの両親や親類との連絡手段 11.1 21.1 9.0 13.6 1.6 9.0 8.6 2.6

※複数回答あり

上記を確認すると、元パートナーとの連絡手段は携帯電話やスマートフォンを利用したものが、他の固定電話や郵便などの手段に比べて圧倒的に多いですね。
また、連絡手段として比較的新しい部類に入るLINEの割合も高くなっています。
一方で、元パートナーの両親や親類への連絡手段も携帯やLINEの割合が高いです。
一昔前だと、元パートナーの親族と連絡を取らなければならないシチュエーションでは、がちがちに緊張しながら、固定電話で連絡して、その後訪問するのが一般的だったと思うのですが、今やパートナーの親族との関係もずいぶんカジュアルになったものです。
総務省が発表した「平成30年通信利用動向調査」によると固定電話の保有率は、平成20年では90.9パーセントであったのに対し、平成30年では64.5パーセントとわずか10年間で、26.4パーセント下がっています。
反対に、平成22年ごろに登場したスマートフォンの保有率は、平成30年では79.2パーセントとなり、急速に普及しています。
固定電話の保有率の低下とスマートフォンの急速な普及が、親族との関係を比較的カジュアルにしているのでしょう。
ここまでは余談でしたが、離婚後に元パートナーやその両親などの親族と連絡をとり合うようなシチュエーションとはどのようなことが考えられるのでしょうか。
次の項目で、詳しく考えていきたいと思います。

そもそも離婚した後、連絡する意味はあるの?

ここまで、離婚後、元パートナーの連絡先を知っているかどうかや、その連絡手段について確認してきました。
今回は、連絡しなければならないケースについて考えていきます。
元パートナーと離婚した後、連絡するシチュエーションとして、まず別れた二人の間に子どもがいるケースが考えられるでしょう
離婚をして、夫ではなくなったとしても、子どもにとっては父親であるし、法律上でも親の扶養義務は消えません
そのため、養育費がとどこおったときや、「子どもの教育費が多くかかるようになった。」、「本人や子どもの健康状態が悪化した。」「本人の収入が減った。逆に元パートナーの収入が増えた。」などの理由で養育費の金額をあげてもらうよう相談するときに連絡が必要になるケースが考えられます。
加えて、たとえ本人が元パートナーに会いたくない理由があったとしても、子どもの方から父親へ面会を希望することもあるかもしれません。
そういった場合に、元パートナーへ連絡手段が必要になってくるのです。
一方で、元パートナーの親族との連絡先はどんなときに必要になるのでしょうか。
考えられるケースとしては、元夫婦のあいだに、子どもがおり、養育費を支払っている父親側に不測の事態が起きたときです。
例を挙げると、元パートナーと音信不通になってしまったときや、病気や不慮の事故で相手が亡くなってしまい、相続の問題が生じた場合などが考えられるでしょう。
相手が亡くなった場合には、離婚した配偶者は相続する権利を持ちませんが、子どもは離婚後であっても、亡くなった相手の子どもという事実に変わりはなく、婚姻中の夫婦の子どもと同様に、相続する権利を持ちます
離婚後の第二の人生は決して短くはありません。
離婚したときには、想像もできないようなことが起こることがむしろ当たり前だと思います。
不測の事態に備えて、元パートナーと親族の連絡先は大切に保存しておいてください。

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ここからは、実際に元パートナーと連絡手段を持っていてよかったケースと、連絡先を知らなかったため、困ってしまったケースを紹介します。

ケース①

妻:あおい(38)職業:フリーカメラマン 年収:300万円
夫:しゅうご(36)職業:広告会社の企画部 年収:650万円
娘:かおるこ(4)

元パートナーのしゅうごは、私が30歳のとき、開いた個展のお客さんでした。
私の写真に感動してくれた彼は、個展が開かれているあいだ、毎日のように通い詰めてくれ、たとえ周りに誰かがいても、私への好意を隠そうともしませんでした。
私も悪い気はしなかったので、彼を食事に誘ってみたら、その席で彼から告白され、付き合い始めました。
その後、交際期間1年を経て、結婚。ウェディングドレスを着るのが気恥ずかしかったので、式こそあげませんでしたが、2人での生活は幸せそのものでした。
3年ほど経ってから、娘のかおるこを妊娠。
初産がやや高齢にさしかかっていることもあって、不安でしたが、彼の献身的なサポートのおかげでとどこおりなく出産することが出来ました。
けれど、次第に彼の仕事が忙しくなり、私ひとりで子育てをする機会が多くなりました。
また、カメラマンの仕事ができないことにも不満が募っていくようになりました。
彼は、私に主婦業へ専念してほしかったようですが、私は仕事に誇りを持っていました。
半年ほど、話し合いを重ねてきましたが、結局折り合いがつかず離婚。
娘の親権は私が持ち、養育費を月々5万円支払ってもらう取り決めをおこない、また娘のことで連絡が取りあえるよう、離婚後の引っ越し先や携帯番号などを確認し合いました。
離婚後、1年ほどはとどこおりなく養育費の支払いがされていたのですが、じょじょに期限に遅れるようになりました。
そこで、彼にLINEで連絡を取ったところ、新しい会社に転職して、年収が下がったため、支払いが遅れてしまったと謝罪されました。
さいわい、私には安定的に仕事を依頼してくれる取引先があったので、生活が落ち着くまでは養育費を4万円に減額するということで約束しました。
このまま連絡をしなかったら、相手の状況が分からず養育費も全く支払われなくなったのでは、ともやもやします。
今後は、収入に変動があった場合は、必ず報告を貰い、都度相談するという取り決めを交わしました。

ケース②

妻:ひより(27) 職業:パート 年収:135万円
夫:たいし(34) 職業:アパレル関係 年収:450万円
息子:たける(4)

元夫であるたいしは、私が大学生のときにアルバイトしていた服屋の店長でした。
ファッションが私の好みで、見た目も私のタイプど真ん中でした。
必死にアピールをして、22歳のときに交際。
交際中に息子のたけるを妊娠したことが発覚したので、大学の卒業を待って結婚しました。
彼との幸せな結婚生活を夢見ていた私ですが、実際は大違い。
子育てのほとんどを私に任せて、彼は自分の着る服や、美容にお金をかけてばかりいました。
私は美容院にすらいけない状態なのに、勝手気ままに行動する彼に嫌気がさし、離婚しました。
離婚した直後に、彼への苛立ちが消えず、勢い余って連絡手段であったLINEや携帯番号を消してしまいました
その後、私は実家に戻り、両親の力を借りて生活をしているのですが、母親から「離婚したとはいえ、2人の子供なのだから養育費を請求した方が良い」と言われました。
そこで、たいしと連絡を取ろうとしたのですが、連絡先が分かりません。
以前勤めていた会社にも問い合わせをしてみましたが、現在退職
しているようでした。
ついつい、腹が立って衝動的に連絡先を消したことを、今では後悔しています。
今後は、このことを教訓にして自分の感情を優先するのではなく、息子のことを第一に考えられるようにしていきたいと思います。

まとめ

今回は、元パートナーとの連絡手段をテーマにお話をさせていただきました。
子どもがいるときには、夫婦であると同時に父親と母親でもあるので、元パートナーと、その親族の連絡手段を把握しておくことが大切です。
離婚後、不測の事態が起こったときに元パートナーとの連絡手段が必要になります。
離婚する前は、なかなか冷静になれないことが多いと思いますが、離婚後の生活を考えて行動していけたらいいですね。

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