子どもと一緒に生きていく ~育てるって大変~

お子さんをかかえて離婚の決意をしたならば、まず考えるのは親権のことではないでしょうか。
親権、もしくは子どもと暮らせる監護権は、基本的に母親が取得できることが多いです。
子どもを育てるということは、たくさんの喜びとともに、出費もまたかさみます。
今回は子どもの教育費や養育費について考えていきましょう。

子ども1人を育てるお金はたくさん必要?~成人になるまでの費用とは~

「子どもの教育にはお金がかかるもの」とよく聞きますよね。
高校までの期間に、年間どれくらいの教育費がかかっているのか、平均額を表にまとめてみました。

公立校 教育にかかる費用(年間) 私立校 教育にかかる費用(年間)
公立幼稚園 223,647円 私立幼稚園 527,916円
公立保育園 —- 認可保育園(私立) —-
公立小学校 321,281円 私立小学校 1,598,691円
公立中学校 488,397円 私立中学校 1,406,433円
公立高校 457,380円 私立高校 969,911円

 

上記が、公立、私立の幼稚園から、高校までの年間の平均費用です。
私立校は公立校よりもかなり費用が高いということを確認いただけると思います。
また、保育園の項目に金額の記載がないと不思議に思われた方もいるのではないでしょうか。
保育園と幼稚園、似たような場所だと感じているかたもいらっしゃるでしょうが、実はそれぞれ管轄する省庁が違います。
幼稚園が文部科学省であるのに対して、保育園は厚生労働省が担当しています。
そのため、幼稚園と保育園で適用される法律が違うのです。
また、幼稚園の費用は年収関係なく一律にかかります。
一方で保育園は世帯年収に応じて費用が変わり、また住んでいる自治体によっても異なるので平均額が出しにくいのです。
とはいえ、2019年10月から、保育園と幼稚園の一部無償化の制度が施行されました。
それによって、3歳から5歳の子どもについては公立私立関係なく無料で通えるようになりました。
なお、0歳から2歳の子どもについては住民税非課税世帯にあたる方のみ、無料で通えます。
上記のデータは、2018年に算出されたものになるので、今後幼稚園や保育園にかかる費用が低くなると推測されます。

支払われる養育費と必要な養育費について

前章では、高校までの期間で年間にかかる教育費用を紹介しました。
公立の幼稚園の3年保育を選択し、高校まですべて公立を選ぶと、単純計算で543万5,958円かかる計算になります。
また大学に入った場合には、更に授業料の金額、入学金などが上乗せされます。
パートナーと別れ、シングルマザーになった場合、教育費を含めた養育費がどれくらい支払われているのでしょうか。
また、元パートナーから支払われている養育費と実際に必要な養育費には乖離があるのかも確認していきましょう。
まず、こちらの記事でも紹介しましたが、当社でシングルマザー、また再婚した方に対してアンケートを取ったところ、養育費の支払い率は全体で31パーセントでした。
シングルマザーの方のみですと、およそ49パーセントが元パートナーから養育費を貰っているという結果になりました。
そこで、シングルマザーの方に月々どれくらい支払われているのかをアンケートしたところ、以下のような結果になりました。

上記のグラフを見てみると、どの年齢も養育費を貰っていない割合が高くなっています。
唯一、養育費の未払いよりも支払われている割合が高い年代は末子0歳から6歳です。
他の年代に比べ、0歳から6歳の養育費支払い率が高い理由は、夫婦が離婚してから6年以上経過していないことが考えられるのではないでしょうか。
また、養育費の支払い金額は、0歳から6歳と13歳から18歳までの子どもを持つ方に関しては、3万円台が全体の14.3パーセントをしめ、一方で末子が7歳から12歳の年代については、5万円台が7.5パーセントで、養育費が貰えている中では高い結果になりました。
では次に、シングルマザーが実際必要とする養育費について確認していきましょう。

先ほどのグラフでは、支払われている養育費ではどの世代も0円が多かったのに対し、今回のグラフでは、月々必要な養育費は5万円台と回答された方が最も多いという結果が出ました。
当社でアンケートを取ったところ、シングルマザーの年収は平均で291万円でした。
しかしながら、子どもが乳児や幼児である場合は、育児のためになかなかフルタイムで働くことが出来ず、平均よりも低い金額になることが推測されます。
シングルマザーの方の世帯年収が低い場合、児童扶養手当のほかに「児童手当」「児童育成手当」「住宅手当」といった支援制度があります。
ただし、年収に制限があり、その限度を1円でも超えてしまうと、支給額が少なくなったり、支給してもらえなくなったりするケースもあるのです。
少しでも生活を楽にしようと頑張って働いた結果、少なくなってしまう問題は、現在政府が課題として取り組んでいます。
近い将来、制度が改正されより、シングルマザーが育児をしやすい環境になっていくといいですね。

子どもの年齢でなぜ養育費の相場が違う?

前章までは、シングルマザーの方がもらっている養育費や、実際必要としている養育費についてお話ししました。
今回は、子どもの年齢と養育費の相場との関連について考えていきたいと思います。
養育費の相場は、裁判所から発表された養育費算定表から確認することが可能です。
子どもの年代、人数、また離婚した夫婦それぞれの年収から金額を算出できます。
子どもが多い場合や、親権(もしくは監護権)を持った女性の年収が低かったり、反対に元パートナーの男性の年収が高かったりした場合には、受け取れる養育費の金額が高く設定されています。
では子どもの年代によって、相場が変わるのはなぜなのでしょうか。
裁判所の発表した養育費算定表は、「0歳から14歳」、「15歳以上」の子どもに分けられています。
また「15歳以上」の子供の養育費は「0歳から14歳」に比べて高く設定されています。
理由としては、「15歳以上」の子どもの方が、教育にお金がかかってしまうことが挙げられるでしょう。
小学校や中学校は教育基本法で定められている義務教育なので、公立であれば授業料はかかりません
しかし、高校は義務教育ではないので、授業料や教材費がかかります。
加えて、徒歩や自転車で通える範囲とは限りませんので通学費が別途かかったり、そのほかにも制服代などがかかってきます
公立高校に進めれば、世帯年収が910万円未満の家庭であれば実質授業料が無料になりますが、何かしらの理由で私立高校へ進んだときにはかなりの金額を家計で負担しなければなりません。
現在、日本の高校の進学率は95パーセントを超えているので、よほどの理由がない限り高校に進むことになるでしょう。
さらに高校受験をするにしても受験費用がかかります。
国公立の受験料は2,100円から2,200円ですが、仮に第一志望が国公立だとしても
滑り止めで私立高校を併願するケースも
あるかと思います。
その場合かかる受験料は、15,000円から30,000円程度になります。
このように15歳以上になると、学費などの教育費が増えるため、裁判所の発表している養育費の相場が高く設定されています。
なお、2020年4月より高校の授業料の制度が変わり、私立高校に進んだ家庭に関しても支援額の上限が変わります。
今までは、世帯年収590万円未満の家庭にたいして3年間で534,600円から891,000円の支援金が支給されていました。
新しい制度では、世帯年収590万円未満の家庭に3年間で1,188,000円の支援金が支給されることになりました。
この制度によって、子どもの進学の選択肢が広がるとともに、シングルマザーの方の金銭的負担ももちろんですが、精神的な負担も軽減できるかもしれませんね。

みんなの体験談

これまで、養育費や子供の進学にかかわる教育費についてお伝えしてきました。
今回は、2人のシングルマザーの方のお話をうかがってみましょう。

ケース①

妻:みかこ(34)職業:コールセンターのアルバイト 年収:120万円
夫:いちや(27)職業:IT企業の営業 年収:320万円
娘:にいな(2)

元パートナーであるいちやは、私が大学生のころに家庭教師をしていた時の生徒でした。
当時、彼から告白されましたが、中学生で7歳も年下でしたし、一時的な感情なのだろうとも思ったので相手にしていませんでした。
けれど、彼が高校を卒業し、大学に入学してからも相変わらずアピールしてくるので、彼の熱意に根負けしたかたちで付き合い始めました。
その後、彼が大学を卒業し、私が30歳を迎えるときに入籍しました。
結婚した年に妊娠したため、当時勤めていた会社を辞め、育児に専念しました。
しかし、育児に対して一向に興味を示さない彼に嫌気がさして、話し合いの結果離婚を選択しました。
離婚協議のときに、月々3万円の養育費を口約束で取り決めたのですが離婚後1年ほどして支払われなくなってしまいました。
お金は欲しいけれど、あまり関わりたくないのが本音です。
ただ今後、娘のにいなが大きくになるにつれてお金がかかってくると思います。
現在は独身時代の貯金を切り崩しながら生活をしています。
なにか手立てはないものでしょうか。

解決方法はあるの?

養育費を支払うのは親の義務です。
離婚協議で取り決めた内容は、口約束であっても成立します。
そのため、養育費の支払いが滞った場合には契約不履行として、過去分の養育費を請求することが出来ます
しかし、請求して相手が素直に支払ってくれれば良いのですが、裁判などの手続きを踏まなければならなくなった場合には、養育費を取り決めした客観的な証拠が大切になってきます。
そのため、離婚協議で取り決めた養育費の支払いについて公正証書などの書面で残してあるかどうかが重要です。
今回の口約束のみの場合ですと、残念ながら客観的な証明が欠けるため裁判所を通じて支払われなかった養育費の請求が難しくなるかもしれません。
ただし、今後の養育費については家庭裁判所に調停を申し立てることによって、改めて取り決めをおこなうことが可能です。
また、みかこさんのようにシングルマザーで、前年度の所得が125万円以下、もしくは35万円×(本人+扶養者人数)+21万円(※)の額より所得が低い場合には、住民税非課税世帯にあたります。
住民税非課税世帯にあたると、児童扶養手当や各自治体で整備されている児童手当、住宅手当を受けられる可能性があります。
そのほかにも、国民年金保険料や、健康保険料の全額、もしくは半額免除を受けられたり。所得税を免除されたりすることもありますので、一度お住まいの自治体の役所へ行き相談してみてはいかがでしょうか。
住民税の課税方法については自治体によって誤差があるため、詳細についてはお住いの自治体へ問い合わせ、もしくは相談をおこなった方が良いです。

ケース②

妻:さや(45)職業:派遣社員 年収:200万円
夫:ひとし(52)職業:研究職 年収:600万円
息子:たかのり(15)中学3年生

私と元パートナーのひとしは、私が26の時にお見合いで結婚しました。
当時の私は借金癖や浮気癖のある男性ばかりを好きになり、破局を繰り返していました。
そんな繰り返しに疲れていたのでしょうか。
彼のまじめで穏やかそうな人柄に惹かれたのです。
30歳のときに息子のたかのりが産まれ、彼もとても喜んでくれました。
息子が中学生に上がるまではとても良い父親だったと思います。
しかし、思春期を迎えて反抗期になってから事態が一変しました。
子の夫への態度がとても攻撃的で、喧嘩が絶えなくなり、時には手が出るようなこともありました。
疲れ果ててしまった様子の夫は「これ以上耐えられない」と言い、離婚を切り出してきました。

家庭内のストレスのためなのか、頭が少し寂しくなり、年齢以上に老けてえるようになりました。
息子への説得を試みましたが、なかなか聞き分けてくれませんし、夫のことを考えれば離婚した方が良いのか、と思い悩む日々を送っています。
心情的には彼の言う通りにしてあげたいと思いますが、実際問題としてこれから進学する高校の費用をどう工面するか、さらにその先の将来のことを考えるととても不安です。
どうすれば良いでしょうか。

離婚をするべき?しないべき?

今回のさやさんのケースでは息子のたかのりさんの態度によって離婚の危機に直面しているということですが、すぐに離婚を決めるのではなく、別居を提案してみてはいかがでしょうか。
たかのりさんが父親であるひとしさんにひどい態度をとるのは思春期特有のことかもしれませんし、父親に対する甘えから来ているのかもしれません。
なお、別居期間中の婚姻費用の請求は可能です。
また別居後、冷静になったうえでも離婚という結論に至った場合には、養育費を請求することが出来ます。
ひとしさんの年収と、さやさんの年収を考えて、6万円から8万円が相場でしょう。

まとめ

今回は子どもの教育にかかるお金や、支払われる養育費などのお話をしました。
現在、国は少子化を食い止めるために、高校進学のための補助金制度や幼稚園・保育園の無償化など、子どもを持つ家庭が、より生活しやすくなるような方針を打ち出しています。
また、育児でなかなか働けず、収入が低い家庭の支援制度もあります。
ただ、支援制度は自動的に適用されるわけではなく、自分で申請をおこなわなければなりません。
そのため、「どんな制度があるか」ということを知っておくことが大切なのです。
さまざまな理由でパートナーと別れて、シングルマザーとして子どもと暮らしていくうえで、充実した生活が送れるように、利用できる制度を把握してみてはいかがでしょうか。

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