ひとり親のリアル ~離婚後一番困っていることとは~

ひとりで子どもを育てるということは、喜びもさることながら、時には孤独も付きまといます。
今回は、ひとり親の方がどんなことで悩んでいるのかにスポットを当ててお話していきたいと思います。

ひとり親になって困っていることとは…?

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離婚して、親権(もしくは監護権)を取得したならば、おもにひとりで子育てをしなくてはなりません。
子どもを育てることは、楽しいことやうれしいことだけではなく苦しみもまた伴います。
ましてや、シングルマザーで子どもを育てるのは、とても大変です。
平成28年度に厚生労働省がひとり親の世帯の「困っていること」の統計をとったところ、以下のような結果が出ました。

悩み 住居 仕事 家計 家事 自分の健康 親族の健康・介護 その他
割合(%) 6.5 6.5 22.6 3.2 38.7 19.4 3.2

※平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告

上記の結果を確認すると、「自分の健康」に不安を覚える方が、全体の4割近くを占めました。
続いて「家計」についてが、22.6パーセントで2割以上でした。
確かに、ひとり親にとって自分の健康状態が悪くなった場合、仕事ができなくなり、生活が立ちいかなくなるので、死活問題です。
また、「家計」についてもお金が無ければ、生活できないので、こちらも重要な問題だといえます。
実際に、シングルマザーの家庭では、児童扶養手当の受給率が73.1パーセントで、うち全部支給は42.2パーセント、一部支給は57.8パーセントという結果です。
全部支給、一部支給の所得制限は、毎年のように基準が改定されますが、母親と、子ども1人の二人世帯であれば大体年収300万円未満の世帯が対象になると思われます。

どんな悩みをかかえているの? ~子どもを育てる不安~

前章ではひとり親の困っていることについて紹介しました。
今回は、子どもに関する悩みにスポットを当ててお話していきたいと思います。

子どもに関する悩み しつけ 教育・進学 就職 非行・交友関係 その他
割合(%) 30 45 10 5 10

※平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告
※「特に悩みはない」の回答をのぞいた割合です。

上記の表を確認すると、「教育・進学」は45パーセントで、他の悩みにくらべ、高い割合になっています。
続いて、「しつけ」が30パーセントで、この2つの悩みだけで全体の7割以上を占めています。
「教育・進学」の悩みについては、前章家計の問題ともつながりがあるように思えます。
どもは年齢が高くなるにつれて、教育にかかる費用がかさんでくるので、収入と子どもの希望する進学先とで、悩んでいる方が多いのではないでしょうか。
2020年4月1日より、「高等学校等就学支援制度」の枠が広がり、世帯年収が590万円未満の家庭の私立高校の学費の給付金が増額されます。
しかし、子どもの教育費の問題、まだまだ課題があるというのが現状でしょう。
また、「しつけ」に関しても、多くの親が直面する悩みであると思います。
ひとり親で子育てをしている方の多くが仕事を持っていて、両親そろっている家庭と比べて、相対的に子どもと接する時間がみじかい傾向にあります。
また、片親しかいないということで、子どもに対してひけ目を感じている方も多くいらっしゃり、余計に不安を覚えるのかもしれません。
経験上、シングルになると、家に引きこもりがちです。
悩みを打ち明けられる信頼できる人を探したり、思い切ってシングルマザー協会などに参加してみるのもよいのではないでしょうか。

誰に相談? ~ひとり親が相談するひととは~

これまでは、ひとり親の困っていることや悩みについて確認をしてきました。
今回は、ひとり親の方が、困ったことや悩みを相談できているのかを考えていきたいと思います。
厚生労働省が発表している「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」によると、ひとり親の方の相談相手がいる割合は、73.3パーセントでした。
反対に「いない」と回答された方は26.7パーセント
です。
また、相談相手がいると回答された方に対して誰に相談をしているのかを確認したところ、以下の結果になりました。

相談相手別 親族 知人・隣人 公的機関 任意団体
割合(%) 46.7 13.3 6.7 2.2

※不詳をのぞいた割合なので、100パーセントの割合にはなりません。
※公的機関とは、母子・父子福祉センター、福祉事務所等のことを指します。

上記の結果を見ると圧倒的に親族の割合が高いですね。
両親や兄弟姉妹といった関係は、「ひとり親」にいたった経緯を知っていることが多いので比較的相談しやすいのではないかと考えられます。
また、「親族」の次に割合が高い「知人・隣人」についても同じ理由が挙げられるでしょう。
公的機関や民間の任意団体と回答した方は、「親族」と疎遠であったり、友人や知人に話にくい状況であったりということが推測されます。
子どもをひとりで育てるということは、想像以上のプレッシャーと、不安が付きまとうことでしょう。
したがって、育児に関することや、自分を取り巻く環境への不安を口に出せることはとても大切です。
しかしながら、「ひとり親」の方のなかの3割近くの方は、悩みを誰にも言えず、ひとりで抱えているというデータもあります。
パートナーとの別れの理由によっては、誰かに相談することが出来ない方もいるでしょう。
しかし、悩みを抱えすぎると、心が疲れて、限界を迎えてしまいます。
本人が気づいていなくても、はためからみると精神的に病んでいる状態やそれに近い状態の方をお見受けします。
ういった状態で子育てにのぞんだ結果、「過剰なしつけ」「育児放棄」などのように、子どもの養育に支障が出たら、本末転倒です。
場合によっては、近しい間柄の親族や友人には話しにくいことでも、顔の知らない支援団体の方には素直に話せることもあります。
そのため、限界を迎える前に誰かに相談することをおすすめします。

みんなの体験談

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これまで「ひとり親の悩み事」などについてお話をしてきました。
今回は、あるシングルマザーの体験談をご紹介したいと思います。

りこさんの場合

妻:りこ(30)職業:高校の非常勤講師 200万円
夫:はじめ(32)職業:ゲーム会社の制作部 600万円
娘:さつき(2)
夫のはじめとの出会いは大学時代の文芸サークルでした。
彼は博学で、私の知らない知識をたくさん知っていました。
また、それを鼻にかけることなく、話を合わせてくれる、そんな彼を好きになりました。
逆に彼は、彼に釣り合うよう、努力する私を見て、彼も魅力的に感じるところがあったようで、出会いから数か月後、、彼から告白され交際をはじめました。
その後順調に付き合いを続け、私が大学を卒業する年にプロポーズされ、ほどなくして入籍しました。
結婚から5年ほどは二人の生活を満喫しました。
ところが、28歳のときに娘のさつきが産まれると生活が一変しました。
彼の仕事はかなり忙しくて、午前0時を回るのは当たり前。
ひどいと一週間くらい、泊まり込みで制作に追われるといった激務だったので、育児や家事は私の役割となりました。
しかし、慣れない育児は、私にとって彼と同じくらいの激務に感じ、ささいなことがきっかけで喧嘩に発展することが多くなりました
日ごとに険悪になっていく私たちでしたが、私はまだ彼を好きという気持ちが残っていたので離婚を考えてはいませんでした。
しかし、彼の考えは違っていたようで、「これ以上嫌いになる前に別れたい」と言いだしました。
その一言がきっかけで、私は関係の修復を諦め、離婚に向けて話し合いをはじめました
親権は私が取得し、養育費は月6万円を条件に離婚しました。
離婚した当初、私は娘と二人、アパートで暮らしていました。
生活自体は、養育費もあり、なんとか暮らせていましたが、今後のことや、子どものしつけを考えるととても不安を覚えました。
自分一人で育てると決めたものの、いざとなると、怖くて仕方がありませんでした。
けれど、家族が親身になって悩みを聞いてくれ、相談した結果、さつきが小学校に入るまでは、私の実家で暮らすことになりました。
今でも不安は尽きませんが、一緒に両親と暮らしているので、孤独感を覚えることが少なくなりました。
今後は娘のためにも母としてつよくなり、再び2人で暮らせるようになることが目標です。

まとめ

今回は「ひとり親」の悩みや困りごとについてお話をしてきました。
シングルマザーで、子どもを育てていくことはとても大変なことでしょう。
ただ、ひとりで悩みを抱え込んでしまうと、自身はもちろん、子どもにも悪影響が及ぶ場合があります。
子どもとは想像以上に親のことに敏感です。
まだ幼いから伝わらないと思っていても、言葉こそわからなくても不安は伝染するのです
そのため、ため込む前に誰かに相談することが大切です。

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