どうやって別れる?~お互いに原因がないときの離婚

離婚する夫婦はいったいどんな理由で離婚に至っているのでしょう。
離婚調停を申し立てる原因(※)として最も多かったのが「性格が合わない」で全体の44.9パーセントでした。

とはいえ「性格が合わない」は離婚事由にはならないため、裁判上では離婚は認められません。
しかし、明確な「離婚事由がない」場合でも、離婚が成立することも多くあります。
今回は、パートナーとの生活に違和感を覚え、離婚がよぎったときの対処法について考えていきたいと思います。

※平成30年度「19婚姻関係事件数 申立ての動機別申立人別 全家庭裁判所

性格が合わないから離婚…?~離婚する前にやっておくべき○○とは?~

「性格が合わないから」と言って、いきなりパートナーへ離婚を切り出すのはNGです。
離婚を切り出す前に、以下2つを試しておくといいでしょう。

具体的に「合わない」部分をはっきりさせ、パートナーに伝える
期間を決めて別居を申し出てみる

①具体的に「合わない」部分をはっきりさせ、パートナーに伝える

言葉にしなくても、相手だって『ズレ』があるって承知しているだろう」と考えるのは危険です。
直接言葉に出すのではなく、「行動」や「態度」で「自分の気持ちを察してほしい」と考える人もいらっしゃるでしょう。

しかし、こちらの意図が全く伝わっていないケースもあります。
そのため、パートナーのこの部分が「許せない」、「我慢できない」と感じた場合には、はっきり相手に伝えることをおすすめします。
ただし、否定するだけではカドが立つので、歩み寄りの姿勢を見せた方が良いでしょう。

②期間限定の別居を申し出る

①で問題を共通認識させても、パートナーの歩み寄りが見られない場合には、短期間の別居を申し出るのも手段のうちです。
パートナーが改善を見せない理由は、事態を甘く見ている可能性があります。

確かに、最初のうちの「ズレ」は些細なことであるかもしれません。
しかし、小さな我慢も積もりに積もれば、「もう一緒にいられない」という結論に至ってしまうこともあります。
パートナーの「改善しよう」という姿勢が無いのならば、はっきりと理由を伝えて、別居の意を伝えてみましょう。

心理学的に物理的な距離は心の距離と比例していると言われています。
したがって夫婦の関係を修復するために、長期間別居してしまうと反対に、関係の破綻が進んでしまうことになりかねません。
そのため、期間は1週間や3週間など短めに設定した方が良いでしょう。

また、「あなたが全然改善しないから」と頭ごなしに別居を伝えるより、以下のような言い方が効果的かもしれません。
「○○が嫌だと伝えた。けれどあなたは歩み寄りを見せてくれない。好きで結婚したあなたと些細な原因で嫌いになることを避けるために、距離を置きたい」
強い調子で伝えると、パートナー側が意地になって、喧嘩になる可能性があります。
出来るだけ、感情的にならぬよう努めることが大切です。

決意≠行動 ~離婚を決める方法とは~

前章の①、②の段階を踏んでも、夫婦仲が改善しない場合、本格的に離婚を決意する段階になると思います。
とはいえ、決意が先立って、パートナーに離婚届をつきつけても、うまく行かないことが多いでしょう。

離婚を決意した場合、以下の順番で進めると、比較的スムーズにいくかもしれません。
1.離婚を切り出す
2.財産分与を取り決める
3.子どもの取り決めをする

1.離婚を切り出す

理由を述べて、はっきり離婚の意を示しましょう。
また、「歩み寄りを提案し、実際におこなってみたけれどうまく行かなかった」ということも伝えると良いと思います。
前章でもお伝えした通り、感情的に離婚を切り出すことは極力避けてください。
相手の温度をあげて喧嘩に発展し、離婚の合意をとりにくくなる恐れがあります。

2.財産分与を取り決める

1で離婚の合意を得られたら、財産分与の話をしましょう。
また、別居を実行した場合には、あわせて婚姻費用についても確認しておくことが大切です。
なお、性格が合わない理由での離婚は、お互いに離婚原因が無いので、共有財産は半分ずつであることが多いです。
加えて、別居時の婚姻費用については、夫婦それぞれの収入や、財産、子どもがいるかなど、状況によって金額が異なると思います。

しかし「一体いくらの請求が相場なのか」、疑問を感じる方もいらっしゃるでしょう。
そういったときには、裁判所から婚姻費用算定表が公表されておりますので、こちらを参考にしていただければと思います。

3.子どもの取り決め

子どものいる夫婦の場合には、共有財産のほか、親権や養育費などを取り決める必要があります。

まず、親権をどちらが取得するかを話し合いましょう。
パートナー側が親権を主張したときには、頭ごなしに否定せず、「今までの養育実績」「離婚後の子どもと暮らす生活の見通し」等を伝えると良いかもしれません。
いくら話し合っても、ラチが明かない場合には家庭裁判所へ調停の申し立てをおこなうのも良いでしょう。
親権が決まったら、離婚後の養育費の話し合いをしておくと良いと思います。

裁判所で発表されている養育費算定表というものがあるので、それを参考にしつつ、支払う側に無理のない金額に設定した方が良いでしょう。
また、お金の取り決め事は書面にして残しておきましょう。
後になって、パートナー側が、「取り決めをしていない」と約束を反故にしようとした場合にも、書面があれば「取り決めがあった」と主張することが出来ます。
加えて、費用はかかりますが、養育費が支払われなくなった場合の取り決めを盛り込んだ公正証書を作成しておくと、なお良いです。
万が一、パートナーが養育費を滞納しても、「給料差し押さえ」等の強制執行がしやすくなります

更に、面会交流についての取り決めも大切です。
具体的な取り決め内容は、どのような頻度で面会交流をするのか、また「子どもの前で互いの悪口をいわない」といったような禁則事項を決めておくと良いと思います。

本当に誰も悪くない?~慰謝料が発生する場合もありますよ!~

性格の不一致とひとくちに言っても、状況はさまざまです。
「性格の不一致」での離婚は、基本的に慰謝料が発生しないケースが多いですが、場合によっては慰謝料の支払いが発生することも有り得ます。
具体的には以下のようなシチュエーションです。

性格の不一致が原因でパートナーが不貞行為などをおこなう

法律で定められている離婚できる理由(法定離婚事由といいます)は、

不貞行為
悪意の遺棄
3年以上生死不明
配偶者が重度の精神病であり、回復を見込めない
その他婚姻を継続し難い事由がある

以上の5つです。
性格が合わないことが原因で、パートナーが「不貞行為」をしたり、「了承もなく勝手に別居する」という行為を取った場合には、慰謝料が発生することもあります。

パートナーが慰謝料の支払いに応じた場合

滅多にないケースですが、性格の不一致でもパートナー側が離婚の責任を感じている場合には、慰謝料の請求に応じてくれることもあります。
妻が歩み寄っているのに、夫側が譲歩の態度を見せなかった」というときに起こりえるでしょう。

離婚の同意が折り合わず、金銭を渡して離婚することを了承してもらう

慰謝料とは意味合いが違いますが、相手側が離婚を拒否した場合に、離婚の同意を得るため、金銭の支払いをすることもあります。
慰謝料というより解決金と呼んだ方が良いかもしれませんね。

体験談

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かずささんのケース

妻:かずさ(29)職業:契約社員 年収:250万円
夫:ようじ(29)職業:システムエンジニア 年収:500万円
子どもの有無:なし 共有財産:100万円程度、婚姻期間:3年

夫のようじとは、旅行先で仲良くなったことで付き合いだしました。
交際期間3年で、私が26歳のときに籍を入れました。
その後、1年ほどは仲良く暮らしていたのですが、子どもについての考えが合わないことから、離婚の2文字がよぎるようになりました。
私は子どもが早く欲しくて、「妊活したい」といいました。
一方で彼は、「子どもが出来るとなると、今の家は手狭だし、まだ早い。もう少し時間が欲しい」と主張しました。

そこで、1か月のあいだ1度は「妊活」をしようという話になったのですが、1年ほど経っても子どもが出来ませんでした。
次第に互いがストレスを感じ、また彼も「妊活」へのプレッシャーで夫婦仲がぎくしゃくしてきました。
少し距離を置いた方が良いのではないかと感じ、まずは1週間、別居に踏み切ることになりました。

しかし1週間たっても、お互いの主張は平行線。
「もう少し時間をおこう」ということで、3週間、1か月と別居期間が増えていきました。
別居期間が3か月になったとき、もう互いの主張は相容れないのだろうと感じ、離婚を切り出しました。
彼も同じことを考えていたようで、離婚に合意してくれました。

共有財産は預貯金の100万円だったので、きっちり半分に分け50万円を取得しました。
また、別居時の婚姻費用が欲しいと伝え、相談したところ1か月4万円、3か月間別居をしていたので計12万円を取得しました。
離婚した今でも彼のことは嫌いにはなれません。
ただ、子どもに関しては、私にとってどうしても譲れないことでした。
他の人と結婚や子どもをつくるといったことは、未だ考えられませんが、頑張っていきたいと思います。

まとめ

今回は、お互いに原因が無い場合の離婚のお話をしました。
離婚する決意とはとても大変なことです。
また、決意ばかりが先行してしまい、感情に走った結果、かえって離婚するのが遅くなるということも考えられます。
したがって、離婚を考えたときには、いきなり踏み込むのではなく、段階を踏んでおいたほうが良いでしょう。
しかし、どうしても離婚の条件や財産分与、養育費、親権などでパートナーと折り合いがつかない場合もあると思います。
そういったときには、家庭裁判所をとおしての話し合いをおこなうことも出来ますので検討してみてください。

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