パートナーの両親が嫌い…~味方の味方は私の敵~

「本物の親のように仲良し」「どうしたって価値観が合わない」「犬猿の仲」。
義両親との関係は、夫婦の数だけさまざまです。
良好な関係を築いている方もいれば、関係が良くないという方もいるでしょう。
今回は、義両親との関係が最悪で、離婚を考えている方に向けてお話していきたいと思います。

過干渉な義両親との生活で我慢限界…~義両親との不和を理由に離婚は可能?~

嫁姑(舅)問題は昔から続く根深い問題です。
「姑の仇は嫁で晴らす」と言うことわざがありますが、文字どおりではありません。
姑からうけた嫌がらせなどの数々を、自分の子どもの嫁で晴らすという意味です。
まさに延々と続く負のスパイラルですね。
では、姑(舅)からの嫌がらせや口撃を理由に離婚を成立させることは出来るのでしょうか?

嫁姑問題で離婚できる?

姑の嫌がらせによる離婚はできるかどうか。
結論から言ってしまえば可能です。
ただし、パートナーの同意があるケースに限ります。
嫁姑問題に限らず、明確な理由がなくても、夫婦同士で話し合い、お互い納得のうえならば、離婚は成立します。
なお、こちらの離婚方法を協議離婚といいます。
とはいっても、姑の嫌がらせが、度を超えている場合もありますよね。
パートナーに拒否された場合の離婚の可否は、離婚したい理由が法律で決まった離婚の理由(以下法定離婚事由)にあたるかどうかになります。
つまり、姑の嫌がらせによって夫婦関係が破綻してしまったのかどうかです。
パートナーの親と言えど、婚姻関係は夫と妻の問題であり、姑は当事者ではないので、離婚の直接的原因にはなれません
では、法定離婚事由にあたるには、パートナーのどのような行動であるのか。
次章でくわしくご説明させていただきます。

義両親とのバトル…!~何もしないパートナーに離婚事由はある?~

前章では、義両親を理由にして離婚が成立するかどうかをお話していきました。
今回は、義両親との不和に際したパートナーの態度や行動について掘り下げていきましょう。
結婚したほど信頼している人と、自身の両親の仲が悪かったら、仲裁に気が乗らないのは仕方がないことだと思います。
とはいえ、妻側から考えたら、「なんで相手の肩を持つの!?」と憤りを覚えてもしようがありませんよね。
義両親と不仲であった場合、パートナーが以下のような行動や態度を取っていた場合には、離婚事由として認められる可能性があります。
1. どちらに対しても調子のよいことを言う
2. 「妻側が悪い」と断定する
3. 争いごとにかかわりたくないので、無関心

1.どちらに対しても調子のよいことを言う

その場限りでは、「味方だ」と励ましてくれていたとしても、口ばかりで行動をしてくれないと、信用がなくなりますよね。
また義両親にも同じように良い顔をし、問題解決に非協力的な態度を取っている場合には、離婚事由にあたる可能性があります。
また、この手のタイプの方の傾向として、自分自身ではうまく立ち回っていると考えている方が多く、現状を正しく理解していないことがあります。

2.「妻側が悪い」と断定する

パートナーに相談しても、聞く耳を持ってくれず、「お前が悪い」という一辺倒な態度を取り続けられた場合には、離婚事由にあたることがあります。
このような態度を取る方には、おおまかに分けて2パターンあり、ペアレントコンプレックスであるか、モラルハラスメント気質であるかです。
ペアレントコンプレックスというと耳慣れない言葉ですが、いわゆる「マザコン」「ファザコン」のことです。
母親や父親を「絶対に正しい」と考えてしまうのが特徴です。
また、モラルハラスメントとは言葉や態度による精神的な暴力のことです。
妻の立場を下に見ている男性がおこないがちです。

3. 争いごとにかかわりたくないので、無関心

2のように決めつけられるのも嫌ですが、まったく関与されないのも考えものです。
度合いによっては、夫婦の扶助・協力義務に反し、離婚事由になることもあります。
困って相談をしているのに、パートナーに無視され続けたら余計に精神的な負荷がかかり、疲労が蓄積してしまいますよね。

以上がおもに離婚事由になり得るパートナーの行動でした。
やや横道にそれてしまいますが、理想的なパートナーの行動についても少し触れておきましょう。
① 義両親よりも妻を優先してくれる
② 義両親と別居の場合、頻繁に実家へ行かない
③ 妻の話をちゃんと聞く

上記の3点を満たしていた場合には、離婚問題に発展する可能性はかなり低く抑えられるのではないかと思います。
パートナーが自分の絶対的な味方だと感じられれば、義両親と不和であっても、立ち向かえそうですよね。
パートナーに上記の1~3のどれかが見受けられる場合には、結婚した以上、別家庭であることや、義両親の我慢ならない点を冷静に伝えると夫婦仲が改善するかもしれません。

義両親との不和で別居の末離婚へ~慰謝料や婚姻費用はもらえるの?~

これまで義両親との不和を理由での離婚の可否や、そのパートナーの対応についてお話をしてきました。
今回は、義両親との不和で離婚した場合の慰謝料や婚姻費用について深く考えていきましょう。

義両親に慰謝料を請求できるの?

結論から言うと、義両親に慰謝料を請求することは可能です。
ジャンルは違いますが、パートナーの不倫が発覚した場合、不倫相手にも慰謝料を請求することが出来ますよね。
不倫相手と同じように第三者である義両親が夫婦に介入し、婚姻関係を壊した場合には、その原因をつくった人に慰謝料を請求できるのです。
ただし、慰謝料を得るためには、義両親が夫婦関係を壊した原因であることを証明する必要があります。
例えば、義両親の意向により無理やり別れさせられたり、異常なほどの過干渉をおこなったりといった場合が考えられるでしょう。
例のような状況であっても、ケースによっては慰謝料を貰えないこともあります。
義両親への慰謝料請求はよほどの事情が無いと難しいのが現状です。
なお、パートナーの非協力的な態度によって、夫婦関係が破綻した場合には、パートナーにも慰謝料を請求することが可能です。
しかしこちらも、「非協力的な態度」であったことを証明する必要があり、慰謝料を得るのは至難の技だといえるでしょう。

婚姻費用について

義両親との不和を理由として、パートナーと別居になった場合は、当然婚姻費用を貰う権利は発生します。
とはいえ、自身の収入がパートナーよりも勝っていた時には、貰えません
婚姻費用とは、夫婦が別居などをする際、収入が高い方が低い方に支払う生活費だからです。
なお、婚姻費用は自分都合の別居、例えば「不倫相手と同棲したい」や「なんとなく嫌だから家を出ていった」などの理由のケースですと貰えないのでご注意ください。
婚姻費用は一体どれくらい貰えるのか。
これは、夫婦それぞれの収入状況、子どもの有無によって異なります。
詳細につきましては、裁判所で発表している婚姻費用算定表を参考にしてもらえればと思います。

体験談

ここまで、義両親が原因での離婚についてお話を進めてきました。
今回は、ひとりの女性の相談と、法的な見解をご紹介したいと思います。

姑の嫌がらせ…~距離感ゼロの別居~

相談者:こころ(34)職業:高校教師 年収:451万円
夫:そうた(30)職業:アートディレクター年収:610万円
子ども:無
姑:さきこ(68)職業:専業主婦

夫のそうたは、元同僚で、私が当時勤めていた学校に新規採用で赴任してきた美術教師でした。
私も油絵を趣味としていたので、そのつながりで仲良くなり付き合い出しました。
その後、3年の交際期間を経て、結婚しました。
そうたは結婚を機に教師を辞め、広告会社のアートディレクターに転職しました。
結婚当初は、彼の実家から遠い所に住んでいたため、義両親と会うのはお正月とお盆位で、多少の嫌味を言われても、気にしていませんでした。
私が31歳の頃、義父が病気で亡くなり、義母の一人暮らしを案じたそうたが、「実家の近くに引っ越したい」と提案し、二つ返事で了承しました。

これが不幸の始まりでした。
義母は、とにかく「かまってちゃん」。
かつ、距離感ゼロの「空気が読めない人」でした。
そうたが「緊急用に」と私たちの家の合鍵を渡していたことも、相まって留守中に家に入って、くつろいでいるなんて日常茶飯事です。
また、家にある食べ物や飲み物を飲み、片付けず、鍵をかけないまま帰って行ったり、私たちが留守中に自分の友達を招きいれていたりすることもありました。
「おみやげ」といって、賞味期限が切れた食材や、腐りかけた野菜などを玄関先に置いていったりもします。
そうたに、「お義母さんを注意してほしい」と言っても、めんどうなのか何も言ってくれません
また、孫が欲しくて仕方ないのか、「孫を産んでほしい」としきりに言ってきます。
子どものタイミングは、「夫婦の問題だ」といっても、「本当は産めないんだろ」と侮辱していきます。
味方になってくれるはずの夫も頼りにならず、こんな状態が2年も続いており、もう我慢の限界です。
離婚したいのですが、可能でしょうか。

見解

こちらでもお伝えしましたが、義両親の行動を即離婚に結びつけるのは難しいです。
しかし、こころさんのケースですと、義母のさきこさんがおこなっている嫌がらせを夫のそうたさんに相談しています。
夫婦であれば、夫婦関係を破綻させないよう、さきこさんとの間に入り、便宜をはかるべきですが、そうたさんはそれを怠っています。
そうたさんの態度や行動によって夫婦関係が修復不可能になった場合には離婚事由になり得ると思います。
また、離婚もひとつの手段ですが、根本の原因であるさきこさんの行動を制限するため、合鍵を返してもらい、勝手に家に入らないようにすることは可能でしょうか
そうたさんは、こころさんが離婚を考えるまで追い詰められていると思っていないかもしれません。
そのため、夫婦で話し合っていないときには、義母の件含めお互いの意志を確認し合うことも大切です。

まとめ

今回は義両親と不和の場合の離婚についてお話をしてきました。
特別な事情が無い限り、義両親とは長い付き合いになることが多いでしょう。
また、義両親が元気なうちはいいですが、ある程度時間が経つと介護問題も浮上してきます。
ただでさえ、嫌がらせを受けていて精神的な疲労を感じているのに、身体的にも負荷がかかることもあるのです。
したがって、義両親と不和がある場合には、早い段階でパートナーととことん話し合うことが大切になります。
そこで、向き合ってくれないパートナーならば、他のやっかいごとの時も、あなたに押し付けてくる可能性が高いです。
なお、暴力や度の超えた嫌がらせを受けていた場合には、離婚は別として不法行為として損害賠償を請求、ケースによっては犯罪であることもあるので、困ったときには法律の専門家である弁護士に頼っても良いでしょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。