【#コロナ離婚】夫とのリモート生活が耐えられないので離婚したい

2020年4月、戦後はじめて緊急事態宣言が発令され、多くの方がリモートワークに…。
結婚して○○年。夜くらいしか顔を合せなかったのに、自粛生活で状況が一変!
今回はコロナ離婚にまつわる体験談をご紹介しつつ、一体○○な理由で離婚できるのかを考えていきたいと思います。

その男、理解不能につき…~結婚5年目の破綻~

相談内容

相談者:かずみ(35)職業:エステティシャン 年収:500万円
夫:せきや(36)職業:ファイナンシャルプランナー 年収:700万円

夫のせきやとは、私が29歳のときに出会い、1年ほど付き合って結婚しました。
彼の美に対する意識がとても素敵だなと感じ、結婚したのですが、美意識が高い反面、周囲を馬鹿にする癖があります
結婚して5年間、「デブ」「センスない」「俺を見習え」の言葉は耳にタコが出来るほど聞かされました
不快に思いつつも、顔を合わせる機会がないので我慢していました。
しかし、状況が一変してしまいました。
新型コロナウイルスが流行のきざしを見せ始めたころ、私が勤めているお店は先手を打ち、休業対応をしました。
夫の職業はパソコンとインターネットの環境があれば仕事が出来るものでしたので、お互いが在宅になりました。
夜しか顔を合わせていなかったので、我慢できていた夫の態度でしたが、毎回顔を合わせるとなると話は別です。
「デブ」「働け」の言葉のほか、私がお店のYouTubeにあげる動画を作成していると、わざとカメラをずらしたり、奇声発したりして邪魔してきます。
相手にしたら、喧嘩になってしまうと思い、ひたすら聞き流し、我慢していました。
しかし、先日撮影に利用していたカメラを壊されてしまい、さすがに文句を言うと、「お前が悪い」の一点張りでした。
このカメラは婚前に友人たちからプレゼントしてもらった大切なものだったので、かなりショックを受けています。
今までもあきれを覚えていましたが、今回の件でもう一緒に居るのは無理だと感じました。
離婚したいと考えているのですが、可能でしょうか。

弁護士の見解

パートナーの行動が原因で離婚する場合、相手方が有責であることを証明しなければなりません。
有責であるかどうかは、相手方の行動が、民法770条で定められている法定離婚事由に当てはまっているのかが重要です。
なお、法定離婚事由は以下の5つになります。

今回のかずみさんのケースでは、⑤のその他婚姻を継続し難い重大な事由に相当する可能性があります
なぜなら、夫であるせきやさんは、日常的にかずみさんへ暴言を吐いていると推測され、モラルハラスメントにあたるかもしれないからです。
とはいえ、モラルハラスメントは、暴言を吐いている音声データや日常的にモラルハラスメントを受けていたとされる、日付入りの日記などがないと証明が困難です。
したがって、かずみさんが日常的にモラルハラスメントを受けていたと証明できるものがないと、相手の同意なしに離婚することは難しいかもしれません
そのため、夫婦間で話し合う協議離婚か、家庭裁判所に申し立てをおこなう調停での離婚どちらかになると考えられます。
離婚を切り出した際、せきやさんが素直に離婚の話し合いに応じた場合には、協議離婚でも良いと思いますが、拒否されたときには調停を検討してみてはいかがでしょうか。
また、婚姻前にプレゼントされたカメラは特有財産にあたります。
夫婦の共同財産は婚姻後に築いた預貯金や、不動産、車などの動産を指しプレゼントや相続財産、婚姻前の預貯金等はカウントされません
特有財産を勝手に売却したり、壊したりすることは不法行為とされ、損害賠償を請求することが可能です。

【離婚の法律用語】離婚に関するモラハラ知識について知ろう

「子どもはお前が見ろ?」~あらぶる夫と離婚届~

相談内容

相談者:かりなさん(41)職業:派遣社員 年収:200万円
夫:けいさん(40)職業:会社員 年収:550万円
息子:じゅん(9)小学4年生
娘:ひかり(5)

夫のけいとは、高校の同窓会で再会し、交際に発展しました。
4年ほど付き合い、息子のじゅんの妊娠が発覚したので、結婚しました。
妊娠と結婚が前後してしまいましたが、元々結婚前提の付き合いだったので、お互いに不満はありませんでした。
共働きですが、私は10時から16時までの時短勤務なので、家事や育児は私中心におこなってきました。
しかし、今回の新型コロナウイルスの流行によって、今までの生活スタンスが崩れてしまいました。
というのも、緊急事態宣言を受け、夫の会社はリモート勤務になったのですが、私の会社は正社員でないとリモート勤務が認められず、従来通り出勤になったからです。
子どもたちも学校や保育園が休校なので、家にいるので、夫に育児や家事を頼みました。
最初こそ快く受け入れてくれたのですが、1週間経つ頃には、「子どもが騒ぐので、仕事にならない」と腹を立てていました。
とはいっても、あらかじめ昼食を用意しているし、掃除や洗濯などの家事も極力夫の負担を減らすようにしています。
「非常事態だから少し我慢してほしい」とお願いし、何とか自粛期間を終えましたが、夫は腹の虫がおさまらないようで、「離婚する」と言い出して困っています。
彼の言い分によると、「家事や育児は妻がすべておこなうもので、出来ない状況なのであれば仕事を辞めるべき」だそうです。
先日、離婚届を取ってきて、「提出するつもりはないが、怒りをおさめるためにサインだけ欲しい」と言われています。
サインだけで、ギスギスした感じが収まるならば、してもいいかなと思っていますが、万が一離婚届をだされた場合、離婚は成立するのでしょうか。
なんとか、離婚は回避したいので対処法などがあれば教えてほしいです。

弁護士の見解

今回のかりなさんの場合、2つの点がポイントになると思います。
まず、1点目は、離婚の可否です。
夫であるけいさんは、離婚を主張していますが、お話を聞いた限り、かりなさんには有責事由はありません
よって、けいさんの一方的な主張によって、離婚できる確率はほとんどないといって良いと思います。
その男、理解不能につき…~結婚5年目の破綻~」の見解でもお伝えしましたが、法定離婚事由がなければ、一方的な離婚は出来ません。
2点目は、離婚届についてです。
離婚届は妻の欄や夫の欄は本人でないと無効だと考えがちですが、実際には本人でなくとも、書くことは可能です
ただし、サインや押印については、原則(※)として本人でないといけません
つまり、サインや押印はとても大切な事項なのです。
けいさんは、かりなさんに対して離婚届にサインと押印を求めていますが、応じない方が良いでしょう。
仮に応じる場合には、勝手に離婚届を提出されることを考えて、役所に「離婚届不受理申出」を出してからの方が良いです。
また、離婚届には親権欄と言うものがあります。
サインや押印に応じ、勝手に離婚届を出された場合、子どもの親権についても勝手に決められてしまう可能性があるのです。
サインや押印をする前に、まずけいさんと話し合いをしてみてはいかがでしょうか。
夫婦ふたりの主張に折り合いがつかない場合には、離婚を前提としない「夫婦関係調整調停(円満)」という手段もありますので検討してみると良いでしょう。
※サインや押印が出来ない状態のときは、本人了承のうえ、代理しておこなうことも出来ます。

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戦慄家族~人の良い夫がはまった罠~

相談内容

相談者:さくらさん(29)職業:専業主婦 年収:無
夫:しゅうごさん(38)職業:大手メーカーの研究員 年収:800万円
娘:ゆかりさん(2)

夫のしゅうごは、私の通っていた大学のOBで、就活の一環であるOB訪問をきっかけに交際をスタートしました。
結局、彼が勤める会社には就職しませんでしたが、付き合いは順調で私が25歳のときにプロポーズされ結婚しました。
2年後には娘のゆかりを妊娠し、それを機に勤めていた会社を辞め、専業主婦になりました。
以来2年間、彼は夫として、父親としてとてもよくしてくれたと思います。
しかし、新型コロナウイルスの影響で勤めていた会社の業績が悪化。
彼がおこなっている研究分野も縮小されることが決定されました。
縮小を受け、入社以来従事してきた研究所を離れ、別の研究所に配属することになりました。
元々繊細であった夫は、大きな衝撃を受け、しばらくふさぎ込んでいました。
しかし、ある日突然明るい様子で家に帰ってきて、新興宗教に入信したというのです。
詳しく話を聞くと、入信料として100万円を支払い、何万円もするあやしげな書籍を購入したとのことでした。
子どももいるのだから、相談なしに大金を払うのは控えてほしい」と伝えましたが、全然理解を示してくれません。
その後から、熱心に「神」に祈るばかりで家のことは何もしてくれなくなりました。
また、事あるごとにその新興宗教のひとにお金を渡しているみたいでした。
入信前であれば休みの日は育児に協力してくれていたのですが、ずっと部屋に閉じこもり、ぶつぶつ念仏のようなものを呟いています。
「カウンセリングに行こう」「気分転換しよう」と、声をかけましたが、もう私の声は聞こえないようでした。
この状態になってしばらく経ちますが、正直言って限界です。
夫婦の共同財産も目減りする一方です。
彼のことは今も嫌いになれませんが、離婚を考えるようになりました。
こんな理由でも離婚は可能でしょうか。
また、専業主婦であっても親権を取得することは出来るのでしょうか
離婚した場合には、私の実家に帰るつもりで、すでに父母に協力をお願いし、了承してもらっています。
ご教示いただけたら幸いです。

弁護士の見解

日本国憲法の第20条では、信教の自由が基本的人権として認められています
したがって、新興宗教の入信や宗教活動自体が法定離婚事由にあたる可能性は低いと思います。
しかしながら、配偶者の了承なしに宗教活動に多額のお金を消費したり、仕事や育児をしなくなったりした場合には話が別です。
加えて、相手方の合意を得られれば、協議離婚することも出来ます。
今回のさくらさんのケースでは、しゅうごさんの宗教活動のために多額のお金を費やしていると推測されます。
したがって、法定離婚事由であるその他婚姻を継続し難い重大な事由に相当する可能性が高いでしょう。
また、親権についてですが、取得できる確率は高いと思います。
というのも、親権の可否は、金銭的な面だけではなく、今までの養育実績や健康面、今後の監護環境などを様々な点が考慮されるからです。
さくらさんは、今までの養育実績や今後の育児の環境の確保もおこなっておりますので、大方親権を取れると思っても良いでしょう。

【弁護士監修】離婚時に必ず取り決めるべき親権について解説!

まとめ

今回は2020年から猛威を振るっている、新型コロナウイルスをきっかけとした離婚についてお話をしてきました。
リモート勤務の拡大によって、家族の関わり方が変わりつつあります。
家族との時間が増え、円満になった方もいれば、反対に悪くなってしまった方もいます。
また、行動制限によって夫婦互いのストレスがたまり、ささいなことで離婚に発展しまう可能性も高くなっています。
このようなときは、まず夫婦同士で話合うことが大切です。
顔を合わせると、喧嘩になってしまいそうな場合には、一度LINEなどのSNSを利用して、自分の考えを伝えてみるというのも良いかもしれません
お互いのすり合わせが足りないだけである可能性もあります。
とはいえ、どうしても自身のパートナーの行動が許せないこともあるでしょう。
そんな時は、自身が冷静になるために、パートナーの了承を得たうえで、別居することも手段のうちです。
ただし、期限なしの別居は、そのまま離婚してしまいかねないので、パートナーと期限を決めたうえでおこなうと良いと思います。

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