優しい夫だったのに、宗教にハマる!~すっかり性格が変わった彼と離婚したい~

優しいひとで、思いやりがあって大好きな夫。
今思い返せば「打たれ弱い」ところはあったものの、まさか宗教にハマるとは思わなかった…!
「神さまと私と子どもどっちが大事なの?」と言っても、首をふるばかり。
だめ、無理…仕方ないと思っても限界!
でも、夫が宗教にハマったという理由で離婚できるの?

そもそも宗教って…?

世界では、国教を定めている国は限られていても、実際は、○○教徒といって、どこかの宗教に属しているひとがほとんどです。
その中の多くが、世界で宗教人口が多いのは、キリスト教・イスラム教・ヒンドゥー教です。
世界の多くのひとにとって、神さまを信じることは当たり前のことであり、日常生活に溶け込んでいます。
したがって、むしろ「無宗教」(無神論者)の方が、奇妙な目を向けられることが多いのです。

日本で、「宗教を信仰している!」というと…?

世界の多くの国が、神さまを信じている一方で、日本で「宗教を信仰している」というと、なんとなく「アブないな」と感じを覚える方も少なくないのではないでしょうか。
確かに、日本での「宗教」というと、ネガティブなイメージが先行しがちです。
「勧誘がしつこい」「カルト集団」「マインドコントロール」「テロ」など、入ってくる情報が宗教の悪い側面ばかりであることが要因のひとつに挙げられるかもしれませんね。
とは言っても、日本が世界でいう「無宗教」であるかと言われれば違います。
「はつもうで」は神道ですし、「クリスマス」はキリスト教、「お盆」は仏教の行事になります。
世界では、基本的に信じている宗教以外のお祝いはしないので、日本のようなスタンスは珍しいです。
日本生まれである神道が多神教(※)ですので、多様性が生まれたのかもしれませんね。
※多神教…神さまが1人ではなく複数いる宗教のことで、紹介した宗教の中ではヒンドゥー教が該当します。キリスト教やイスラム教は一神教(神さまは一人しかいない宗教)です。

「宗教」を理由に離婚は難しいのかも!

前章では、世界の宗教や、日本の宗教に対するイメージについてお話しました。
自分の夫が、「神社に参拝しにいく」「日曜日、教会に行き礼拝に行く」程度であったなら、「離婚」を考える方は少ないかもしれません。
加えて、自分の知っている宗教であれば、「祈り」の習慣があったとしても「どうしても許せない」と感じる方は少ないと思います。
新興宗教」のような実態が見えない宗教に入信したケースに不安を覚え、離婚がよぎるのではないでしょうか。
では、夫が実態の見えない宗教に入信した場合、それを理由に離婚出来るのでしょうか?

「宗教」に入信したという理由では、相手の同意なく離婚は出来ない

日本国憲法の20条では、宗教に関して、以下のように定められています。

第二十条 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
2項 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない
3項 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない

上記で、注目すべき部分は、以下の点でしょう。

信教の自由は、何人に対してもこれを保障する

簡単にいうと、どんな宗教を信じるかは個人の自由で、誰にもその自由をおかすことが出来ないという意味です。
相手の同意なしに離婚するには、法定離婚事由がなければなりません
しかし、上述の通り「信教の自由」は憲法で認められていますので、法定離婚事由に該当しません
したがって、いくら相手方の信仰している宗教が嫌であっても、一方的な離婚はできないのです。

「宗教」を理由に離婚出来るときって…?

前章で、宗教を理由に出来ないとお伝えしました。
「え、それじゃあ、夫が宗教にハマってても黙ってみてろってこと?」
「お金を使いこんだり、働かなくなってもこちらからは離婚出来ないの?」
こんな疑問を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ご安心ください。
宗教を理由に離婚は出来ませんがやりすぎた宗教活動は法定離婚事由に該当する可能性があります。
どんなケースが当てはまるのか具体例をあげ、確認していきましょう。

妻に相談や了承無く、多額のお金を宗教団体に寄付した
妻や子どもの意見を聞いてくれず、宗教の教義を押し付けてくる
宗教活動に熱中しすぎて、仕事を辞めてしまった

妻に相談や了承無く、多額のお金を宗教団体に寄付して、生活費をいれてくれない

悪質な宗教団体のなかには、多額の寄付金を強要するところもあります。
生活に支障のない寄付金であれば、法定離婚事由にあたる可能性は低いかもしれませんが、生活費にまで手を出すと話が違ってきます。
配偶者が生活費をいれてくれない場合、法定離婚事由の「悪意の遺棄」に該当し、離婚できる場合があるのです。

妻や子どもの意見を聞いてくれず、宗教の教義を押し付け、強要してくる

「宗教」に入信したという理由では、相手の同意なく離婚は出来ないでお伝えしたとおり、信教の自由は日本国憲法で保障されています。
したがって、夫側の執拗な押し付けや、強要によって夫婦関係が破綻した場合には、法定離婚事由の「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当する可能性があります。

宗教活動に熱中しすぎて、仕事を辞めてしまった

夫婦にはお互いに、扶助義務と言うものがあります。
扶助義務とは、お互いが助け合って、同じ生活水準を保つことです。
妻が育児や家事等を担い、収入が少ないときには、夫が収入面を支えなければなりません。
事を辞めてしまうことは、お金を稼げなくなると同等の行為なので、扶助義務違反にあたる可能性があります。

以上のように、宗教が間接的な原因である場合には、相手の同意を得ないで、離婚することが可能です。
とはいえ、法定離婚事由に該当するようになるまで、時間がかかるケースもあります。
夫婦の話し合いであれば、お互いの合意があれば離婚が成立します。
そのため、相手方に話し合いの余地があるのなら離婚協議や離婚調停をおこなうのも手段のうちです。

体験談

先ほどまで、宗教を理由にした離婚について解説を進めていきました。
今回は、夫が宗教にハマってしまったため、離婚になった体験談を紹介していきたいと思います。

ふしあわせかぞく~夫が宗教にハマって人生変わった~

妻:かなこ(34)職業:パート 年収:100万円
夫:あきら(36)職業:会社員⇒無職 年収:500万円⇒0円
娘:ゆう(5)幼稚園

夫のあきらとは、私が大学を卒業して、入社した企業の教育係の先輩でした。
私が失敗する度に優しくフォローしてくれる彼の人柄に惹かれ、次第にプライベートでも深く付き合うようになりました。
私が27歳のときに、彼からプロポーズされ、結婚。
年後には娘のゆうが産まれ、幸せいっぱいでした。

しかし、娘が1歳になるころから、彼の勤める企業の業績が悪化し、給料が減りました
「申し訳ない」と繰り返す彼に、私も働くから」と娘を保育園に預け、週3でパートとして働くことになりました。
私としては、彼の支えになりたいと考え、行動していたわけですが、彼の気鬱状態は変わらず、2年が過ぎました。
悪いことは重なる物で、娘が3歳になった月、義母が事故で亡くなりました。
家族を大切にするひとだったので、ショックは計り知れず、夫婦の会話もなくなっていきました

メンタルクリニックなどの通院を勧めようか悩んでいたのですが、ある時とても明るい表情で帰宅してきました。
理由を聞けば、「神さまの教えに救われた」と言うのです。
ここ数年、気鬱状態でしたので、どんなものでも彼の救いになっているのであれば、仕方がないと思いました。

しかしこれが間違いだったのです。
状況が状況だけに、夫は「神の教え」を忠実に守り、祈りの時間に使う、道具や像なんかを購入しました。
その額、400万円
かつかつの家計ですので、当然払えるはずもなくローンを組んだことが判明しました。
私が話合おうといっても、「どうせATMにしか見ていないんだろ」と言って、とうとう会社も辞めてしまいました。
心労が重なり、冷静に判断できないのだろうと思い、私が金銭管理をおこない、独身時代の貯金を切り崩しながら、なんとか生活をやりくりしていました。
そんな生活を1年半以上送っていた結果、余裕がないからか娘にきつくあたるようになってしまいました
これではだめだと感じ、夫に改めて話をしたいと伝えましたが、その「神さま」に傾倒し、もはや私や娘の声は届いていないようでした。

夫婦だけで話合える状態ではないと感じ、家庭裁判所に調停を申し立てました。
そこで、親権や養育費、面会交流について取り決め、離婚が成立しました。

今は私の実家で、両親の援助を受けながら働いています。
夫は、娘や私が自分の元から去ったことで、少し現実を見つめられるようになったようで、病院に通いながら、働いていると連絡がありました。
もともとは優しい人なので、これからは娘の父親として付き合っていけたら良いなと考えています。

まとめ

今回は、夫が宗教にハマった場合の離婚についてお話をしてきました。
神さまを信仰するというのは、決して悪いことではありません
しかし、宗教とは、誰かにとっては「救い」であっても、時にそれを巡ってトラブルに発展することがあります。
加えて、宗教の「教義」を優先するあまり、家族をないがしろにしているケースもあります。
そんなときは、一度夫婦で話し合う場をもうけると良いでしょう。
話し合いにならない時には、仲の良い親族に頼り仲裁をお願いしたり、調停をしてみるのも良いと思います。
第三者からの指摘を受け、夫の態度が改善し、離婚を回避できるかもしれません。
とはいえ、宗教関連の話は、デリケートな話なので、なかなか周囲に伝えられない状況の方もいるでしょう。
そんな時は、弁護士などの専門家に相談することも手段のうちですので、一度考えてみてはいかがでしょうか。

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