夫がお金を浪費する~ギャンブル好きと離婚したい~

休日はいつもパチンコに行く旦那…
「たまには家に居て子どもの面倒を見てよ」と言っても、「ストレスたまってんだよ」と逆ギレ。
育児に家事、あんたの稼ぎが少ないからパートに行ってる私の方がストレスたまってるんですけど。
お金に余裕もないんだから、ギャンブルやらないでよ!
もう限界…離婚したいけどギャンブルを理由に離婚できるの?

パチンコやスロットなどギャンブルは必要なお金?遊興費とは…?

ギャンブルと聞くと、パチンコやスロットなどのイメージを持つ方も少なくないのではないでしょうか。
また、世間の風潮としてパチンコやスロットはなんとなくマイナスの印象をいだくことが多いです。
借金や裏社会のつながりなどのイメージが先行して、毛嫌いされているギャンブルですが、実は結構身近です。
具体的にいうと、宝くじやスポーツくじなどもギャンブルに振り分けられます。
夏休みや年末の宝くじを運試しに購入した方も結構いらっしゃるのではないでしょうか。
また、競馬・オートレース・競輪・競艇の4種類は国が運営している公営ギャンブルでもあります。

ひと昔前は、4種類の公営ギャンブルもなんとなく悪印象をもたれがちでしたが、イメージの刷新をはかったことで、次第に悪印象が薄れつつあります。
加えて、現在日本にカジノを誘致する話も出てきていますね。
賛否両論あるかと思いますが、経済面において、ギャンブルは有効な手段のひとつでもあるのです。

ギャンブルは娯楽費?

人が人らしい生活するうえにおいて、楽しみは必要です。
離婚時に請求することもある婚姻費用(※)では、娯楽費の必要性をみとめており、請求することが可能です。
ギャンブルもまた娯楽に含まれるので、制限されることはないのです。
とはいえ、ギャンブルはクスリやお酒などと同様、快楽を求めるあまり依存症になってしまうことがあります。
家計の収支を把握し、生活に支障がない程度におこなうギャンブルは「害」ではありません。家計を圧迫するほどにのめり込んだ場合には、クスリやお酒と同様に「毒」になるのです。

ギャンブル依存症とは…

ギャンブル依存症とは、最近世間に認知された言葉です。
以下のような行動や心境になった場合、ギャンブル依存症の可能性があります。

  1. ギャンブルにのめりこむ
  2. 興奮したいために掛け金を増やす
  3. やめようと思ってもやめられない
  4. ギャンブルをやらないとそわそわする
  5. ギャンブルで損した分をギャンブルで取り返そうとする
  6. ギャンブルをしたいがために借金したり、嘘をつく

上記の症状は、比較的若い男性や自分のストレスとうまく付き合えないひとに起こりやすいです。
加えて、「家からギャンブルの出来る場所が近い」や「ギャンブル依存症のひとが身近にいる」といった環境的な要因も挙げられます。
ギャンブルに限らず、なんの依存症もそうですが、適切な処置をおこなわないと、刺激になれてしまい更にリスクの高いスリルを求めがちになります。
ご自身の夫がギャンブルしており、上記の症状に当てはまる場合には、早めに病院へ行くことをおすすめします。
依存症が改善すれば、関係修復がのぞめるかもしれません。

ギャンブルを理由に離婚はできるの?

前章では、ギャンブルの種類や、依存症についてお話をしてきました。
本章では、いよいよ本題である「ギャンブルを理由に離婚できるのか」を考えていきたいと思います。

ギャンブルを遣っているだけでは離婚理由にはならない

夫婦間での合意を得ずに離婚を成立するには、法定離婚事由が必要です。
法定離婚事由は、以下になります。

  1. 不貞行為
  2. 悪意の遺棄
  3. 3年以上生死不明
  4. 配偶者が重度の精神病で回復を見込めない場合
  5. その他婚姻を継続し難い重大な事由

5つのどの理由をみても、ギャンブルについての記載はありませんね。
ギャンブルを理由に離婚するには、2や5に当てはまる必要があります。
とはいえ、「ギャンブルをしている」だけの理由では、2や5には、当てはまりません。

例えば、夫が自分のお小遣いの範囲内でギャンブルを楽しんでいても、問題ないのです。
いくら妻が夫の趣味を否定し、嫌悪したとしても、ひとの趣味趣向を制限することはできません
これは、日本国憲法の自由権として認められています
自由権とは以下のようなものを指します。

思想及び良心の自由

趣味趣向は、思想及び良心の自由に当てはまります。
夫婦であっても、精神的な自由を制限することは許されません
したがって、妻に実害がない限りは、夫のギャンブル通いを止めることは出来ないのです。
しかしながら、自身の持っている価値観として、「どうしてもギャンブルが許せない」とお考えの方もいるでしょう。
そういったケースでは、まず夫婦同士で話し合うことが大切です。
話しあうことで、お互いの許容できるポイントを確認出来、離婚を回避できるかもしれませんし、離婚するにしても円満なかたちで終わらせられるかもしれません。
ただし、話し合うときには、相手の価値観や思想を「完全拒否」の姿勢にするのはやめましょう
「拒否状態」でのぞむと、相手の態度もかたくなになり、言い争いに発展する可能性が高くなります。
もめそうなときには、家庭裁判所へ「夫婦関係調整調停」を申し立てても良いかもしれません。

ギャンブルを理由に離婚が可能なとき

先ほどまで、ギャンブルを理由に離婚出来ないとお伝えしました。
ただし、以下のような場合は離婚が成立するケースもあります。

  • ギャンブルにハマり仕事を辞めた
  • 生活費をギャンブルで消費し、家計にお金を入れない
  • ギャンブルをするために借金を繰り返し、生活を破綻させた
  • ギャンブルをするために子どもを放置した

上述の理由は先ほどお伝えした法定離婚事由に当てはまり、夫の同意なく離婚できる可能性が高くなります。
さっそくケース別に確認していきましょう。

ギャンブルにハマり仕事を辞めた

夫婦には仕事・家事・育児などを分担し、協力し合いながら生活を維持する義務があります。
夫婦の役割分担は、特に決められておりませんが、一般的に夫が中心となってお金を稼ぎ、妻が家事や育児をおこなうケースが多いと思います。
したがって、夫がギャンブルにハマったことを理由に仕事を辞め、生活が立ちいかなくなったときには、法定離婚事由の「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に当てはまる可能性が高いです。

生活費をギャンブルで消費し、家計にお金を入れない

本来家計にいれるべきお金をギャンブルで消費した場合には、法定離婚事由のひとつである「悪意の遺棄」に該当する恐れがあります。
生活費を入れていないことを証明するものとして、生活費を入れていた預貯金の通帳や、少ないお金でやりくりしていることが解る家計簿等があります。

ギャンブルをするために借金を繰り返し、生活を破綻させた

通常、配偶者の借金だけを理由に離婚することは難しいです。
しかし、妻が「やめてほしい」と制止しているのにもかかわらず、借金を繰り返したり、そのため生活が困窮した場合には話は別です。
ギャンブルのために借金をつくり、生活を困窮させた場合には、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」として離婚が成立する確率が高いと言えるでしょう。

ギャンブルをするために子どもを放置した

幼い子供をギャンブルのために放置した場合には「その他継続し難い重大な事由」にあてはまる可能性があります。
それどころか、「保護責任者遺棄罪」として刑事責任を問われることもあるのです。
以上が、ギャンブルを理由に離婚できるケースでした。

体験談

前章までは、ギャンブルと離婚について深く考えてきました。
本章では、夫のギャンブル依存症を理由に離婚した女性の体験談を紹介したいと思います。

さかながえさばへいったのか~私の就職が決まったとたん夫が浪費家に~

妻:さなり(25)
夫:じゅんや(26)
娘:るちあ(8)

夫のじゅんやは中学校の時の先輩でした。
当時の私は、先生から怒られたり、周りから浮くのが怖くて髪を染めたり、自分の主張をいわない子どもでした。
対してじゅんやは行動的で、「自分のやりたいことをつらぬく」という姿勢がかっこよく見え、恋に落ちました。
彼が中学卒業の時に、思いを伝えた結果付き合うことが出来ました。
その後、別れを繰り返しながらも、高校2年生のときに避妊に失敗し妊娠。

「責任を取る」といってくれ、私は周囲の反対を押し切り、高校を辞め彼と同棲をはじめました。
籍を入れなかったのは、私の両親が結婚に断固反対し、同意を得られなかったためです。
私が20歳になるのを待って、籍を入れ、晴れて夫婦になりました。
結婚するまでの2年間半はつらいこともありましたが、じゅんやがいつも私とるちあを気遣ってくれたので、苦しいながらも幸せでした。

しかし、籍をいれてから3年ほど経った頃からでしょうか。
娘も来年小学校に上がるので、夫の両親に頼み込んで協力してもらい、私は派遣社員としてデータ入力の仕事をすることになりました。
元々細かい作業が好きだった私は、この仕事が性に合い、派遣先から「社員にならないか?」と誘いを受けました。
それが、きっかけだったのかもしれません。

私が社員の誘いを受けたと夫に報告すると、「俺の稼ぎが悪いからってあてつけか」といきなり不機嫌になってしまいました。
その後、「さなりが稼いでいるから俺の給料は俺のために使う」といって、給料をほとんどパチンコに消費するようになりました。
私は何度か彼に話し合いを持ちかけましたが、全く聞く耳を持ってくれません。
勇気を持って彼の両親に相談しましたが、「じゅんやのプライドを傷つけたあんたが悪い」と反対に怒られました
半年くらいはなんとか私の給料でやりくりをしていたのですが、じゅんやが多額の借金を抱えていることが判明しました。

借金の理由をきくと、「パチンコですった」とふてくされた態度で答えました。
限界を感じ、疎遠になっていた私の両親に連絡をしたところ、多少怒られもしましたが、「家に戻ってきなさい」と言われました。
そこで、じゅんやに「離婚したいこと」や「実家に戻ること」を伝え、娘のるちあを連れて出ていきました。
じゅんやは頑として離婚を受け入れてくれなかったので、私の両親の協力のもと、調停をおこない離婚が成立しました。
財産分与はなしで、養育費は月々2万円と言う取り決めもおこないました。

今でも夫だったじゅんやのことを嫌いになれませんが、それよりも娘の方が大切です。
幸いなことに、娘も大きくなり、両親も育児を手伝ってくれているので、仕事も出来ています。
これからは、娘のために頑張ってはたらいていきたいと思います。

まとめ

今回はギャンブルが原因で離婚が出来るかどうかを、深く考えていきました。
冒頭でもお伝えしましたが、収入に見合ったギャンブルは、他の娯楽とそんなに変わりありません
ただし、依存状態になると話が変わってきます
浪費に加え、生活が困窮し、DVやモラルハラスメントの遠因にもなりえます。
夫がギャンブル依存症であった場合、メンタルクリニックや精神科に通院することが一番ですが、なかなか「依存症」を認められるひとは少ないです。
そのため、残酷なようですが、夫に対して見切りをつけることが重要になってきます。
感情に引きずられ、別居や離婚が出来ないでいると、負のスパイラルにハマってしまうこともあります。
こと、子どもがいる場合には、夫婦だけの問題ではなくなるので、決断が必要でしょう。
また、ひとりで抱え込んでいるとご自身が心の病気になってしまうこともありますので、周囲の信頼できる方に相談してください。
相談相手が近くにいない場合には、法テラスなどを利用して、離婚の相談を弁護士にするのもよいかもしれません。

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