【離婚できるか考えてみよう】こんな理由でも離婚ができるのか?➂

離婚した夫婦の理由は、それぞれで異なります。夫の原因によって離婚するひともいれば、価値観や生活感の違いなどで離婚することもあります。

今回は、3人の離婚したい女性の相談とそれに対する専門家の見解を紹介したいと思います。

では、さっそく紐解いていきましょう。

 

【ペット問題】どうしても我慢できないから離婚したい

夫:ただし(31)

妻:さえり(29)

夫のただしとは、婚活パーティで意気投合し、結婚しました。交際期間は、およそ半年と、それなりにスピード婚なのかなあと思います。

しかし、今離婚の危機に瀕しています。理由は、夫の趣味。彼は、生き物が大好きです。私と意気投合したのも、動物園や水族館巡りの趣味が合ったのがきっかけでした。

動物が好きな人と結婚したかったので、当時は本当にうれしかったのですが、ここにきてちょっと受け入れられなくなってきました。

それはペットの問題です。彼は、生き物の中でも特に、爬虫類が好きで、結婚前からペットがいることは知っていました。ヘビとトカゲです。結婚を決め、同居する際に、「爬虫類のペット」を連れてきたいと言いました。

爬虫類は正直得意ではないですが、「ケースに入れて飼う」と言うし、世話も自分でするといったので、ふたつ返事で了承しました。

生き物の生態を知らず、返事をしてしまったことをすごく後悔しています。と言うのもエサのことです。ヘビは冷凍マウス、トカゲはなんと生餌(いきえ)だったのです。冷凍マウスは、普段入れる冷凍庫では保管していないので、グロテスクと思いつつ、まだ我慢できますが、問題は生餌です。

夫の飼っているトカゲは昆虫食らしく、ペットショップでコオロギや、ゴキブリを買ってきます。なるべく見ないようにしているのですが、ケースに入っている生餌を見るとおぞましく、気持ち悪いです。

大概の虫は平気ですが、イニシャルGだけは、どうしても受け入れられません。夫に生餌を止めて、ドライフードに切り替えてほしいと伝えましたが、全然意見を聞いてくれません。

数か月我慢しましたが、もし生餌が逃げ出してきたらと思うと、もう本当に無理です。なにか手段を講じてくれないのであれば、離婚すると伝えましたが、夫は「そんなことじゃ離婚できない」とあしらってきます。本当に離婚はできないのでしょうか。

見解

夫婦のどちらかに有責事由が無い場合の離婚は、相手方の合意を得ることが条件となっています。反対に言えば、相手の合意があれば離婚ができるというわけです。

今回のさえりさんのケースでは、夫の飼っているペットの生餌によって離婚のトラブルが発生しています。しかし、ペットの生餌という原因だけでは、相手方の有責事由とは認められない可能性が高いと思います。

有責事由として法的に認められている行為は以下になります。

  1. 不貞行為
  2. 悪意の遺棄
  3. 3年以上生死不明
  4. 配偶者が強度の精神病で回復を見込めない場合
  5. その他婚姻を継続し難い重大な事由

さえりさんの夫の行為が上記に当てはまる可能性は低いと思いますので、離婚を成立させるには、基本的に夫婦の話し合いをおこなうことが必要になります。

離婚協議をおこなうにあたっての、注意点として感情的にならず、冷静に話を進めることです。とはいえ、生餌に対する生理的嫌悪から、なかなか冷静に話合うことが出来ないかもしれませんし、夫のただしさんもペットへの愛情から冷静さを欠いてしまうかもしれません。

そういった場合は、調停で話し合うことも手段のうちです。

調停には離婚を前提する「夫婦関係調整調停(離婚)」と、前提としない「夫婦関係調整調停(円満)」があります。

生餌に関するトラブルが解決すれば、離婚をしなくても良いとお考えのようなので、「夫婦関係調整調停(円満)」を申し立てる方が良いと思います。

なお、円満調停の途中で、双方離婚の意思が固まった場合には、そのまま離婚の条件等に関する話し合いも可能ですのでご検討ください。

【恐怖!】モノに八つ当たりする夫と離婚したい

夫:なおひと(34)

妻:かなみ(30)

娘:くるみ(2)

夫のなおひとは、普段は穏やかな性格で、周囲からはぼやっとしたひとだと言われています。けれど実際は、ひとたび気に入らないことがあると、一気に暴力的な行動をとります。

直接暴力をふられたことはありませんが、モノへの八つ当たりがひどいです。

少し機嫌が悪くなると、壁を殴ったり、ドアを思い切り閉めて大きな音を出します。もっとひどくなると、娘のおもちゃを床にたたきつけて壊したり、グラスを壁に投げて、割ったりします。

暴言こそありませんが、そういった行動をとる度に本当にびくびくしてしまいます。

また、グラスなどガラスをたたきつけると破片が広範囲まで飛び散るので、掃除のとき見落として、娘が怪我してしまうのではないかとひやひやしています。

更に、私たちが住んでいるマンションは、壁がうすく、物音が他の部屋にも聞こえてしまいます。管理会社を通して、何回か注意も受けており、退去勧告が出るのではないかと戦々恐々としています。

恐怖に感じることはさまざまありますが、1番怖いのは、いつ標的が娘や私に変わるかが分からないことです。直接的な暴力や暴言を受けているわけではないので、どうすればいいのかわかりませんが離婚したいです。可能なのでしょうか。

見解

DVというと、暴力といった身体的な暴力をイメージしがちですが、実際にはそれだけではなく、分類することができ、以下のようになります。

  1. 身体的暴力
  2. 精神的暴力
  3. 性的暴力
  4. 経済的暴力
  5. 社会的に隔離する
  6. 子供を利用した暴力

今回、かなみさんが夫のなおひとさんから受けている行為は、2の精神的・心理的暴力に相当する可能性があります。

DVは、身体的であれ、精神的なものであれ、有責行為になりますので、相手方の合意がなくとも離婚することが可能です。

精神的暴力を証明するものとして、主に下記のようなものが考えられます。

  • 大きな音をたたり、モノを壊しているときの動画や音声
  • 壊したモノの写真
  • 精神的なDVを受け精神疾患を患った診断書
  • 精神的DVの内容を記した日記
  • 警察やDV相談センター等に相談した相談記録

精神的暴力を証明する難しさとして、傷やあざなどが残る直接的な暴力とは異なり目に見えない傷であることが考えられます。

また、夫に離婚を切り出そうとしても、過去に受けた精神的な傷によって委縮してしまい、なかなか切り出せないこともあります。

したがって、精神的DV限らず、DVを受けたときには夫婦ふたりで解決しようとするのは避けた方が良いでしょう。

両親などに頼り第三者のもと話し合いを進めたり、裁判所に調停の申し立てを検討したり、場合によっては弁護士に依頼することも考えた方が良いと思います。

他方で、離婚協議中や調停中等に同居していると、暴力を振われる可能性も無きにしもあらずなので、別居先を確保することをおすすめします。

お子さんとご自身の身の安全をはかりつつ、離婚の手続きを進めていただければと思います。

【不倫か遊びか】女性とふたりでデートした夫と離婚したい

夫:ゆう(32)

まりや(27)

夫のゆうは、私が勤めていた会社の先輩でした。私が新人の頃に、たびたび仕事のフォローをしてくれたことがきっかけで付き合いはじめ、結婚に至りました。

私が、彼と結婚した理由は、思いやりがあり、気配りができる部分ももちろんですが、女性付き合いが下手で、不器用なところにも惹かれました。他の女性には、彼の良さが理解できないだろうなとちょっと優越感も感じていました。

しかし、結婚してしばらくして会社の元同僚から、想像もしていなかったことを聞きました。なんでも、夫の働いている部署で、女性からの評判がかなりいいというのです。

ちょっと心配になって、直接夫に聞いたのですが、「全然そんなこと無い」と言って笑うばかりです。思ってみなかった事態に、私はちょっとテンパってしまい、彼が寝ているときにスマホを盗み見してしまいました。

すると、LINEには部署の女性社員とみられるやり取りが並んでいました。内容を見てみると、女性の方にはあきらかに夫に好意を持っているのが見て取れ、ふたりで何回か食事に行っているようでした。

また、休みの日に、会っていたという内容もありました。平日の食事であれば、仕事のいっかんとしてまだ我慢できますが、休みの日に会っているなんていうのは明確な裏切りだと思います。

また、肉体関係こそ持っている描写はありませんでしたが、「手をつないだ」とか「ハグしたとか」の記載がありました。これって浮気ですよね。

まだ、混乱していて考えがまとまりませんが、場合によっては離婚も考えています。離婚は可能でしょうか。また、離婚した場合、夫に慰謝料を請求することは可能でしょうか。

見解

法律で定められている、有責行為のひとつに「不貞行為」と言うものがあります。不貞行為とは、いわゆる不倫のことです。

法律上で定められている、不貞行為とは性行為、もしくはそれに準ずる行為のことを指します。準ずる行為というのは、簡単に言うと挿入していなくとも、射精を伴う行為のことです。

今回のまりやさんのケースでは、現状、夫のゆうさんの行為が不貞行為に該当する可能性はほぼないといっても良いかもしれません。

というのも、LINE上で記載のあった、「手をつなぐ」や「ハグ」は、法律上の不貞行為には該当しないからです。

そのため、不貞行為を証明するには、LINEのやり取りの他、以下のような証拠を得ることが必要だと考えられます。

  1. ラブホテルに出入りしている写真や動画
  2. 性行為中の写真や動画
  3. SNSやメールなどで性行為をにおわすやりとり
  4. ラブホテルのレシートやクレジットカードの明細
  5. 夫もしくは不倫相手からの自白

合意なしに離婚することや、慰謝料の請求は、有責行為があったことを証明しないと基本的に発生しません。そのため、現時点の状況で離婚するには、夫のゆうさんの同意が必要となるでしょう。

まとめ

今回は3人の女性の相談とそれに対する見解をご紹介させていただきました。離婚の有責事由に関しては、DVや不貞行為など同じ行為であっても、それぞれの夫婦の事情や、経緯によって、判断が分かれることが多々あります。

そのため、「離婚したいけれど、具体的に何をすればいいのかわからない」という時には、一度専門家に相談し、アドバイスを受けたり、意見を聞いてみても良いかもしれません。

 

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