話し合いでじょうずに夫と別れるための方法 子供がいない夫婦編

夫のことが憎いとか、大キライとかそういうことじゃない。でもこの人とは、一生を過ごせない。性格が合わない。一緒に住んでから2年と少し。感じていたズレが大きくなって、もう愛せなくなってしまった。

結婚も離婚も紙切れ一枚。意外と簡単に終わらせることができる。これ以上うんざりしてしまう前に、離婚したい。

でも、決めておくべきことって、あると思う。具体的に何をしておけばいいのかわからない。

いったい、私どうすればいいの

 

夫と性格が合わないと理由で離婚は可能なのか

日本の夫婦の約90パーセントは、協議離婚で別れています。協議離婚とは、夫婦間の話合いによって離婚を成立させる方法のことを指します。協議離婚は、世界的にも珍しい法制度です。欧米諸国などは、子どもの有無関わらず、裁判所を介さないと離婚できない国が意外と多いのです。

実際、手続きが面倒で、正式に離婚はしていないけれど、別居をすることによって、「離婚」と認識している外国のひとは少なくありません。

しかし、日本の場合、離婚理由がどういうものであっても、夫婦の話合いで決着がつくのであれば、協議離婚をすることが可能です。離婚届と戸籍謄本、身分証明書等の書類を役所に提出すれば、意外と簡単に離婚することができます。

したがって、「夫との性格が合わない」「夫と価値観が合わない」と言ったような、はっきりしていない離婚理由であっても、当人同士の合意さえあれば、すぐに離婚することができるのです。

ちなみに、夫婦同士の話し合いで決着がつかなかったときには、裁判所に申し立てして、離婚調停をおこなうことができます。

調停というと、なんとなく、ものものしいイメージを持っている方もいるかもしれません。しかし、実際は調停委員が当事者である夫婦の仲を取り持って、話し合いで解決していくということです。意外と思う方もいるかもしれませんが、調停を申し立てるのに、「明確な離婚原因がないといけない」、「離婚したい原因の証明が必須」といった条件はありません。(調停を有利に進めるにあたって、必要になるケースもありますが…)

ただし、調停で折り合いがつかなかった場合におこなわれる、離婚裁判については、明確な離婚原因がないと訴訟を起こすことができません。加えて、「調停をはさむのが面倒だから、一足飛びで裁判を申し立てる」なんてこともできません。

離婚裁判にいたるまでには、まず調停をおこなうこと、それから、離婚原因が以下の理由のどれかに当てはまっていなければなりません。

  • 不貞行為
  • 悪意の遺棄
  • 3年以上生死不明
  • 配偶者が強度の精神病で回復が見込めない場合
  • その他婚姻を継続し難い重大な事由

したがって、今回のテーマである、「夫の性格が自分とは合わない」、「夫と生活リズムが合わない」と言った、双方に原因が無い場合の離婚では、裁判に移行できる可能性はほぼないと言っていいと思います。

つまり、双方に原因がない、もしくは原因があいまい(第三者から見て)の際には、協議、もしくは調停で離婚を成立させる必要があるのです。

とはいえ、実際に離婚の話し合いをするにあたって、具体的にどのようなことを取り決めすればいいのでしょうか。次章で詳しく考えていきたいと思います。

離婚の話し合いで取り決めておくべきことは

「性格が合わない」といった双方に原因が無いことで離婚する場合、おもに以下の3つのことを取り決めて離婚をおこなった方が良いとでしょう。

  1. 財産分与
  2. 婚姻費用
  3. 年金分割

離婚を考えている方には、耳慣れた言葉もしれません。とはいえ、2,3については、請求できるときと、できないときがありますので、それぞれ詳しく確認してきましょう。

1.財産分与

財産分与とは、婚姻してから形成した財産を夫婦で分けることを指します。また、婚姻してから形成した財産のことを共同財産と言います。

通常、財産分与は財産の形成や維持の貢献度によって分けられます。このような財産分与を、清算的財産分与と言います。

一般的には、夫婦の収入の大小関係なく、平等に半分にされることが多いです。形成した共同財産が、不動産や車などの動産を含んでおり。半分にできない場合、夫婦の話合いであれば、双方の合意のうえ割合を自由に取り決めすることが可能です。

清算的財産分与の他にも、以下ふたつの財産分与の方法があります。

扶養的財産分与

離婚した場合、夫婦の一方の生活が困窮するという事情があるときに利用される財産分与の方法です。通常は経済的に余裕の無いひとが、生活に困らないよう、経済的に余裕のある方から、定期的にお金を支払うという手法がとられています。

慰謝料的財産分与

慰謝料と財産分与は、性質が違います。有責配偶者で慰謝料を支払ったとしても、財産の形成および維持の貢献度によってきまる財産分与は全く違う問題なので、別々に考える必要があるのです。

しかしながら、どちらとも金銭の問題には変わりないので、慰謝料と財産分与を区別せずに支払いがおこなわれることもあります。慰謝料分を含んでいるので、慰謝料的財産分与と呼ばれているのです。

なお、婚姻中に得た財産でも、共同財産に含まれない財産もあります。おもなものとして、遺産相続によって得た財産や、プレゼントなど個人的に贈与されたものは対象外となりますのでご注意ください。

2.婚姻費用

婚姻費用とは、別居したときに相手に請求できる生活費のことです。相場は、双方の収入によって異なるので、詳しくは裁判所が公表している婚姻費用算定表をご確認いただければと思います。

とはいえ、婚姻費用は別居すれば絶対に請求できるものではありません。以下のような条件があります。

  1. 相手方より収入が低い
  2. 有責配偶者ではない(※)
  3. 相手方の同意を得て別居している

※経済状況によっては、大幅に減額される可能性はありますが、有責配偶者でも請求できることもあります。

基本的に、上記を満たせば婚姻費用を請求できる見込みがあります。

少し主旨がずれてしまいますが、夫婦が同居しているケースでも、婚姻費用を請求できることがあります。それは、収入の多い方が生活費を十分に支払っていなかったり、まったく支払っていない場合です。いわゆる経済DVを受けている状況ですね。法定離婚事由の悪意の遺棄に相当するので、同居していても婚姻費用を請求することができるのです。

3.年金分割

年金分割とは、夫婦のどちらか一方が、相手方に標準報酬月額(※1)や標準賞与額(※2)から計算された年金を分割できる制度です。とはいえ、年金ならどんな種類でも分割できるわけではありません。

年金分割の対象になるのは、厚生年金のみになります。なお、地方公務員等が加入していた共済年金は2015年に厚生年金に統一されましたので、相手方が共済組合に加入していた場合でも年金分割することが可能です。

一方で、個人事業主やフリーランスなど、相手方が国民年金に加入しているケースでは、年金分割をおこなうことができません。

なお、年金分割の対象期間は、婚姻中、もしくは事実婚しているあいだのみに限ります。

20歳から60歳の方は年金への加入が義務となっているので、多くの方は、年金を支払っていると思います。しかし、万が一支払っておらず受給資格を満たしていない場合は当然受け取れません。なお老齢年金の受給資格は、10年以上年金を支払っていることが条件です。

他方で、年金分割の請求には、期限があります。期限は、婚姻の解消、もしくは事実婚を解消した翌日から、原則として2年間です。

期限をすぎると請求できなくなってしまいますので、ご注意ください。

※1標準報酬月額…毎月の保険料は、基本給や残業手当、通勤手当等を含めた給料額から税引き前の金額のことを指します。金額に応じ年金保険料が差し引かれます。

※2標準賞与額…ボーナスなどの賞与から1,000円未満を切り捨てた金額のことです。金額に応じ年金保険料が差し引かれます。

体験談

今回は、性格の合わない場合の離婚について考えていきました。本章では、性格の不一致で離婚した夫婦の体験談をお送りしたいと思います。

私が夫と離婚した理由

夫:らいた(29)

妻:みずほ(29)

夫のことはキライじゃない。ギャンブルをやるわけじゃないし、散財するわけじゃない。家事も手伝ってくれるし、もちろん不倫とかそういった疑いもない。

2年前に結婚した私は、優しくて頼りになる彼と結婚して本当に幸せだった。しわが増えて、年をとっても、彼と一緒に生活していくんだと信じて疑わなかった。

けど、リアルはそんなうまくいかない。私たちがぎくしゃくし始めたのは、食事のことだった。夫は結構な偏食家で基本的に野菜はトマトとネギしか食べない。お菓子を食べて食事をしないということもしばしばあった。

健康上に問題がある。といっても、必要な栄養素はサプリで補っているからとけむに巻かれてしまう。夫だけの問題ならいいかもしれないが、子どもができたときに、良くないと思った。

だから、偏食家の夫でも食べられるようなメニューを考えて作ってみたけれど、全然食べてくれない。むしろ、「食に関しての価値観を押し付けないでほしい」とケンカになってしまった。

ケンカの後、何か月かは我慢していたけれど、私は食事が大切だ。自分にとって夫婦生活を送るうえで、一緒にご飯を食べるという行為は、かなり重要だった。でも、夫との食事は、料理を残したり、顔をしかめたりするので楽しむことができず、ストレスがたまった。

はたから見たら、くだらない理由と思うかもしれないが、私にとって離婚を考えるに十分なものだった。

私は意を決し、離婚したいことを伝えた。夫は、寝耳に水という顔をして、即座に、「受け入れることができない」と言った。

けれど、私の方も食の価値観に関しては譲ることができない。そのため、夫に、一緒に食事を楽しむことができないのはかなりのストレスであることを伝え続けた。

離婚について話し合ううえで、私たちは冷静に話し合うことをルールにした。食事以外のことには不満が無かったし、ケンカしたくなかったからだ。

お互いが熱くなりそうだったら、一旦冷却期間を置くという手法をとり、1年ほど離婚について話し合ったところ、夫が根負けして、離婚を了承してくれた。

離婚の条件は、共同財産は半分。年金分割についても、合意をもらうことができた。

1年ほどかかったけれど、お互いに禍根を残さず、離婚できたので良かったと思う。

まとめ

今回は性格の不一致で離婚したい場合についてお話させていただきました。性格の不一致が理由での離婚は、日本でかなり多いとされています。

取り決めるべき事柄をしっかり話し合い、後に、悔いを残さぬように行動していただけたらと思います。

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