【国際離婚で気を付けるべきこと】外国人の夫と離婚したい

ドイツ留学中に付き合った彼氏と結婚した。慣れない環境の中、私に親身になってくれた彼と家庭を作れたことは夢のような話。しかし、理想と現実は違う。子どもが出来て、相手の生活スタイルに不信感を覚えた。

子どもはかわいい。でも、夫の私に対する束縛が許せない。離婚したいけれどどうすればいいの。

離婚の制度に違いがある

日本に住んでいると感じる機会はめったにないかと思いますが、日本の離婚制度は世界的に見ても特殊です。

特に民法第763条で定められている、「協議上の離婚」。一般的に協議離婚と言われている離婚方法は、夫婦同士の話合いによって離婚することが可能です。子どもの可否によって取り決め内容は異なりますが、夫婦同士で揉めることが無ければ、役所へ届出を提出して、離婚が成立します。

この協議離婚と類似した制度は、日本のほか、韓国やスウェーデン等が導入していますが、それぞれ離婚が成立する前に話し合いの場を設けたり、審査機関を通す必要があります。したがって、離婚届を提出するだけで離婚が成立する制度は非常に珍しいのです。

欧米諸国で婚姻関係を結び、離婚したい場合には裁判等を行うケースも…

国際離婚をする場合、大切になるのはどこの国の法律によって婚姻が成立しているのかが重要です。

ちょっと難しいと思いますので、まずは国際結婚について考えていきましょう。

国際結婚をするには、次のような方法があります。

  1. 自身の出身国が日本で、日本の方式で外国人と婚姻届を出し結婚する
  2. 相手方の出身国方式の婚姻届を出し結婚する
  3. 双方の出身国ではない第三国に居住しており、その国の婚姻届を出し結婚する

国際結婚の場合、届け出を行った国とは別の国で、その婚姻関係を成立させたい場合には、届け出を出した大使館に婚姻の届け出を行う必要なケースがあります。

少し難しいと思いますので、以下の3つの例をご参考ください。

①夫がイタリア出身で、妻が日本出身。夫婦は、日本に在住しているため、日本で婚姻届を提出した。

→在日イタリア大使館、もしくは領事館に婚姻の報告的届出を行わないと、イタリアでは結婚が成立したことにならない。

②夫がイタリア出身で、妻が日本出身。夫婦は、イタリアに在住しているため、イタリア式で婚姻を成立させた。

→イタリア式で婚姻を成立させた後、在イタリア日本大使館、もしくは領事館に婚姻の報告的届出を行わないと日本で結婚が成立したことにはならない。

➂夫がイタリア出身で、妻が日本出身。夫婦は、ドイツに在住しているため、ドイツ式で婚姻届を提出した。

→ドイツ式で婚姻を成立させた場合、双方の出身国の在ドイツ日本大使館、もしくは領事館に婚姻の報告的届出を提出しないと、双方の国で婚姻が成立したことにならない。

上記のように、国際結婚を双方の国で成立させるには、それぞれ報告を提出しなければならないケースがあります。

離婚するときは、報告的届出を行った国でそれぞれ離婚の手続きをする必要がある

国際離婚を行う場合、婚姻時に届け出をした国、それぞれで離婚を行う必要があるケースもあります。日本で離婚の手続きを行ったとしても、相手方の国で離婚が成立しているとは限らず、別途離婚の手続きを行うこともあるのです。

前述しましたが、協議離婚を採用している国は、世界的に見て数が少ないです。

したがって、相手方の国の法律によっては、裁判所で話し合いを行ったり、ある一定期間別居を行ったうえで、離婚を申請しなければならなかったりと、国によってはかなり面倒な手続きが発生します。

国際離婚をしたいと考えた時には、次のことを確認しておくことが大切です。

  1. どこの国で婚姻の手続きを行ったのか
  2. 日本側に婚姻の報告的届出を提出したか。
  3. 相手方の国に婚姻の報告的届出を行ったか。
  4. 婚姻の手続きを日本で行った場合、日本で離婚の手続きを行えば、相手方の国でもその手続きが反映されるかどうか。

離婚を切り出す前に、上記の事柄をしっかりと確認しておくことが大切です。

なお、婚姻時報告的届出を行わなかった場合には、日本では、事実婚扱いとなり、特に離婚の手続きを行う必要はありません。相手方の国で婚姻が成立しているかどうかは、それぞれの国によって異なりますので、詳細は大使館や領事館等に問い合わせをしておいた方が良いでしょう。

親権の制度に違いがある

日本では、子の夫婦が離婚した場合、単独親権が採用されています。単独親権とは、離婚する夫婦の一方が親権を取得するということです。

一方で、海外には離婚後も共同親権を採用している国があります。共同親権とは、子供の父母が共同で親権を行うことです。アメリカでは43州、ヨーロッパなどで採用されています。

日本では、離婚後母親が親権を取得する割合が8割ほどと言われており、離婚理由によっては、母親によって子どもと父親の面会交流ができていない問題点があります。

面会交流は、本来子どもや、非親権者(非監護者)が行使できる正当な権利です。

また、面会交流は国際条約である子どもの権利条約の9条3項にて以下のように定められています。

 

3.締約国は、児童の最善の利益に反する場合を除くほか、父母の一方又は双方から分離されている児童が定期的に父母のいずれとも人的な関係及び直接の接触を維持する権利を尊重する。

 

簡単に言ってしまえば、DVや虐待行為等、子どもの利益に反する行為が無い限りは、離婚後であっても、定期的に面会等の直接的な交流する権利を尊重するべきということです。

 

国際離婚したい夫婦に子がいた場合、相手方の国が共同親権であると親権の争いになりがちです。居住地が日本である場合は、日本の法律によって協議・調停等を経て親権の可否が決まります。

一方で居住地が相手方の国、もしくは居住地が第三国である場合、その法律によって、親権の可否が決まります、先進国ではかなりの国が共同親権を採用しており、夫婦が離婚に同意していたとしても、子どもの居所や養育費、面会交流については裁判によって決められるケースも少なくありません。

また、離婚後共同親権が採用された場合には、相手方の了承無く子どもを日本に連れ帰ったりすると国際犯罪になりかねないので注意が必要です。

子供の連れ去りについて定められているハーグ条約とは?

ハーグ条約とは、日本人による国境を越えた子の連れ去りを防止するため、2014年に締結した国際条約です。

国境を越える子の連れ去りは、言語や友人関係、親族との関係等が断絶され、また急激な環境の変化により、子供に大きなストレスを与える可能性があります。

したがって、ハーグ条約では、以下の原則が定められています。

 

①子どもを元の居住地に返還する

前述した通り、国を越えた子の連れ去りは、急激な環境の変化によって子どもに悪影響を及ぼす危険性があります。したがって、まずは子どもが元居た居住地に返還し、親権等の問題をその国の司法によって判断することが望ましいと考えられています。

②親子の面会交流の機会を確保する

国を越えた場合、親子の面会交流の機会は、金銭面や、離れている距離によって減ってしまうケースが多いです。そのため、締約国に国を越えた面会交流の支援を促すことで、不法な連れ去り等の抑止力になることを目指しています。

日本がハーグ条約を締結した理由は、国際結婚が年間4万件と増加し、子の連れ去り等の事件が発生したことからです。日本から外国に子どもが連れ去られた場合、連れ去られた側の親が、相手方の国の法律の壁を越えて、自力で子どもの居所を突き止め、その国の司法に訴えを起こさねばなりませんでした。

しかし、ハーグ条約を締結したことによって、双方の国の中央当局が国際協力を行うことで、子どもの連れ戻しや、面会交流の協力を行うことが出来るようになりました。

しかし、一方で日本人による子の連れ去りも規制されることになりました。夫婦関係が切れたとしても、法律上子どもの親であることに変わりはありません。日本に帰って、子どもを育てたいという気持ちは十分に理解できますが、相手方としっかり話し合い、合意のうえで子どもを連れて帰った方が良いでしょう。

また、アメリカなどで相手方の了承なしに、子どもを連れ去ってしまうと、実子誘拐の罪に問われる可能性があります。この罪は、重罪で、再入国したときに逮捕されてしまう可能性もはらんでいます。

したがって、子どもの連れ去りは絶対行わないようにしましょう。

まとめ

今回は、国際離婚を行う上で注意すべき点をお話してきました。法律は、各国で異なります。また、日本で離婚が成立したとしても、相手方の国、居住していた国の法律によっては、更に離婚の手続きが必要になる可能性があります。

したがって、パートナーと離婚したい場合には、国際離婚に精通している専門家に一度相談を検討した方が良いでしょう。

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