【離婚できるか考えてみよう】こんな理由でも離婚ができるのか?⑧

ひとは、誰一人として同じ考えを持っていることはありません。育った環境が違いますし、性格も異なるので当然と言えば当然でしょう。

夫婦であっても、すべての意見が一緒ということは、ほとんどいないでしょう。今回は夫婦の価値観の違いから離婚を考えている3組の夫婦の相談をご紹介したいと思います。

異性と距離の近すぎる夫と離婚したい

相談者:あいこ(33)

夫:いちや(23)

 

夫のいちやとは、旅行先のユースホステルで出会い、意気投合して結婚しました。多少年齢が離れていましたが、価値観が合うし、年の割にはしっかりしてるし、何より一緒に居て楽しいと思ったので、生涯のパートナーに選びました。

しかし、幸せしかないと思っていた結婚生活は、大きく異なりました。

夫は、かなり活動的な人で、男女問わずかなり友達がいます。私もそれなりに友達がいますが、彼の比ではありません。友達が多いこと自体は特段文句もありませんし、むしろ良いことだと思っています。しかし、異性の友達、つまり女性に対してかなり距離が近いのが不満です。複数人であればいいですが、二人で会ったり、旅行に行ったりします。しかも、まあ物理的にも距離が近い。顔がくっつくんじゃないかってくらい近づくし、ボディータッチも激しいです。

私がそれに文句を言うと、「外国の挨拶みたいに、ハグしたりキスしたりするわけじゃないんだから」と一向に態度を改めてくれません。

しかも、旅行に行くことについても、「いやだ」と言ってるにもかかわらず、「友達だから」といって嫌がっても、旅行に行きます。

本当に友達の関係かもしれませんが、イヤなものはイヤですし、不倫してるのと同じ事じゃないですか?それが原因で最近は顔を合わせればケンカばかり。私ばっかなんでこんなに我慢しなくちゃいけないんでしょう。

夫の行動が変わらないなら、離婚も考えています。夫が原因なので、当然慰謝料もらえますよね。どうなんでしょうか?

見解

離婚で慰謝料を請求するには、相手方の行為が有責行為であるのか、かつあいこさんがその行為によって精神的苦痛を受けていることを立証する必要があります。

あいこさんが夫のいちやさんの行動で不満に思っているのは、

  • 異性の友人と距離が近いこと
  • 異性の友人と旅行へ行くこと
  • 不満を伝えても行動を改善してくれないこと

 

と推察されます。

一般的に不倫と言われる行為は、法律用語で不貞行為と言います。不貞行為は、配偶者以外の相手と肉体関係、またそれに準ずる行為のことを指します。

ボディータッチや異性との距離感が近い、二人で会うといった行為は、基本的に不貞行為には該当しません。

しかし、旅行に行くことについては、状況によって不貞行為の証拠として認められる可能性があります。不貞行為として認められるシチュエーションとして次のようなものが考えられます。

 

  • 旅行先に異性と二人で行っている
  • 宿泊する部屋が異性と一緒

 

上記を立証できる動画や写真等があれば、性行為があったと推認され、慰謝料を請求できる可能性が高くなります。

いちやさんが上記の行動を行っていた場合には、不貞行為として慰謝料をもらって離婚できるかもしれません。

友達に言い寄ったバカ夫と離婚したい

相談者:うみ(32)

夫:えいた(33)

息子:おうた(6)

 

夫があほな行動をしました。私と夫は、大学のころ出会い、共通の友人がたくさんいます。先日、友人のひとりから連絡があり、「夫から口説かれた」と連絡がありました。

夫は、おちゃらけたところもありますが、根は結構真面目な人間です。だから、はじめは悪い冗談だと思って取り合っていませんでした。

しかし、証拠と言われてその友人から、夫とのやり取りをスクショした画像が送られてきました。

「会いたいな」「二人で会えない?」と友人側が拒否しているのにもかかわらず、送りつけていました。

信じられなくて、何回も見てみましたが、アイコンが夫のものでした。他にも、「かわいい」とか「ハグしたい」「キスしたい」みたいな、なんか気持ち悪いメッセージが送られていました。子どももいるのに、こんな行動するなんてありえないし、信じられません。

これって浮気とか不倫願望を持ってるってことですよね。離婚したいです。完全に夫の過失だと思います。夫に離婚したいと言うつもりですが、拒否した場合裁判で白黒はっきりさせたいと思っています。離婚するにはどうすればいいのでしょうか。教えてください。

見解

今回のうみさんの場合、夫であるえいたさんとご友人は肉体関係に至っていないので、不貞行為とすることはできません。そのため、えいたさんの行動が、夫婦関係の破綻に至る理由であったかどうかが焦点になります。

まずは、友人の方が送ったスクリーンショットの内容が事実であるのかを裏付ける証拠が必要です。スクリーンショットの画像は改ざんがしやすく、あまり証拠性が強くありません。また、相手方の女性に対して、過剰に言い寄っているかどうかも焦点になります。

異性との肉体関係がないので、不貞行為は認められません。しかし、言い寄る行為が相手方の女性の恐怖をあおるほどの犯罪性を帯びているものであるとしたら、その他婚姻を継続し難い重大な事由に該当する可能性があります。

とはいえ、現状では、それが認められるのは難しいです。また、女性側が画像を作成し、夫婦関係を壊そうとしている可能性もなくはありません。

そのため、事実関係をしっかり確認することが大切です。そのうえで、えいたさんと話し合いを行ってみるのも良いかもしれません。

話し合いによっては、誤解が解け、夫婦関係が改善されるかもしれません。

理不尽な夫と離婚したい

相談者:かよこ(28)

夫:きよし(30)

娘:くみ(5)

 

夫の態度に限界です…。私たちは共働きです。夫だけの収入ですと、生活が厳しいので、週5で8:00~17:00までフルタイムで働いています。

育児に仕事に家事とかなりきついのですが、夫は「バイトなんだからお前の方が余裕あるだろ」と何もしてくれません。

娘が生まれたときこそ手伝ってくれていたのですが、半年もたたないうちに私がワンオペ状態で、4年以上我慢してきましたが、一緒に生活するのが無理なように思えてきました。

「育児」や「家事」の手伝いをお願いしても、機嫌が悪くなって、「使えない女」「母親失格」とか言われてしまい、一方的に怒鳴られるので、イヤになって、話し合いとかお願いもできない状態です。

離婚するにしても、今後の生活が心配で踏み切れません。私たちにはあまりお金がないので、財産分与なんてあまり期待できないし、夫の収入はそんなに多くないので、養育費の取り決めに応じてくれるどうかも不安です。

この状況から抜け出す手立てはあるのでしょうか。教えていただけると幸いです。

見解

詳しくお話を聞かなければ、断定はできませんが、かよこさんは夫のきよしさんからモラルハラスメントを受けている可能性が高いです。

モラルハラスメントは、心のDVといわれており、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(通称DV防止法)でも精神的暴力として認められています。

モラルハラスメントは、夫婦関係の破綻を招く十分な理由になりますが、一方で立証することがとても難しいものでもあります。

また、育児や家事への非協力は、民法第752条の「夫婦の同居・扶助・協力の義務」に違反している可能性があります。

しかしながら、こちらで相手方を有責配偶者として離婚を請求するのは非常に難しいと言わざるをえません。

そのため、かよこさんの場合、

①実家等に協力を得て夫と別居する

②調停を申し立てて離婚を成立させる

 

上記のいずれか、もしくは両方を実行した方が良いかもしれません。

精神的暴力は長期間に及ぶとご自身の心身の健康を害するのは勿論、子どもの心身にも害を及ぼす可能性が高いです。

したがって、別居が許される状態なのであれば、別居を行った方が良いでしょう。また、別居が長期にわたると、夫婦関係の破綻が認められやすくなることもあります。

そのうえで、相手方に調停を申し立て、離婚の成立を目指してみるのも良いかもしれません。なお、調停では離婚の可否だけではなく、財産分与や養育費等の取り決めも行うこともできます。

調停で養育費が取り決められた場合、不払いが起こったとしても、給料差し押さえ等の強制執行を行うこともできます。養育費は法律上子どもの親であるのなら、支払いは義務です。多少生活を切り詰めてでも支払うべきお金ですので、夫婦間で話し合いにならない場合は、調停の申立てを検討して、しっかり取り決めを行うようにしましょう。

まとめ

今回は3組の夫婦の相談とその見解について紹介しました。

夫婦であってもさまざまな価値観を持ち得ます。したがって、一緒に生活をしていくうちに、ずれが生じることは、かなりあると思います。

そのずれが許容できるかどうかは、本人次第なので許容できなかった場合、離婚という手段を使ってもいいと思います。

しかしながら離婚が「良いこと」になるのか「後悔」になるのかは、それぞれの夫婦によって異なるので、ベストな選択が離婚なのかどうかを良く考えて、決断していただければと思います。

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