【体験談】再婚した夫が、兄妹間差別をするので離婚する②

登場人物&前回のあらすじ

【登場人物】

妻(主人公):田中 麻里(38)

夫:田中 大司(42)

息子(前夫との子ども):田中 海斗(12)

娘(現夫との子ども):田中 ルミ(5)

 

【前回までのあらすじ】

主人公の田中麻里は、現夫である大司と再婚した。再婚当初は家族3人で仲良く暮らしていたが、ふたりのあいだにルミさんが産まれたことから、大司の海斗へのあたりが強くなる。

兄妹間の愛情格差をなくそうと、数年間便宜をはかってきた麻里だったが、大司の態度が改善されないことに不満を覚え、離婚を覚悟した。

→【体験談】再婚した夫が、兄妹間差別をするので離婚する①はこちらからご確認ください。

【体験談】再婚した夫が、兄妹間差別をするので離婚する①

親権や養育費で言い争いになる

海斗と話すようになってから、夫の海斗への扱いをどうにか改善しようとして、いろいろ試したけど全然うまくいかなかった。

子どもを平等に愛せないんだったら、どんなに私に優しくても意味ない。海斗もルミも大切な子どもだから。

これ以上、海斗を邪険にするつもりなら、離婚を考えてることを夫に伝えると、

「離婚なんて冗談だろ?」

「冗談なわけないじゃん。大司は海斗が大きくなったから褒める必要とか、会話する必要とか無いと思ってるの?全然口きかないし。海斗はまだ6年生で子どもだよ?ルミばっかりに構って親として恥ずかしくないの?」

口調が荒くなり、きついことを言ってしまったと後悔したけど、次の一言でそんなもの全部吹っ飛んだ。

「海斗は俺の子どもじゃないじゃん。それなのに養子にして養って、暴力も振るってない。ルミと同じように愛せるわけないだろ。そんな海斗はずっと前から知ってる。俺がちゃんと伝えたから。あいつだって俺と仲良くなろうなんてもう思っちゃいないだろ」

いや、そう思ってることは分かってた。でも、聞き捨てならない言葉がある。

「ずっと前って、伝えたってどういうこと?海斗に何言ったのよ!」

「何切れてんだよ。ルミが産まれてしばらくして言ったんだよ。俺にとっての家族は3人だからって。海斗だって分かってたんだろ。だからその時も泣かなかったし、今まで麻里にも言わなかったんだよ」

あまりのひどい言葉に声を失う。そりゃ、反抗的になりたくもなるわ。父親だと思ってたやつにこんなこと言われて。泣かなかったんじゃない、泣けないほどショックだったってことだ。そんなこともわからない男と結婚してしまって、海斗を傷つけて我ながら情けなくなる。

 

「ダメだ。こんなこと言った人と一緒に大事な子ども育てられない。離婚しよう」

もうこのひととはやっていけないと感じ、離婚を切り出すと夫は、離婚は認めないと食い下がってきた。

離婚するにしても、ルミの親権は絶対に渡さないとか、離婚したら養育費は渡さないとか。感情論ばっかりで全然お話にならない。

夫と離婚したい。でも、わかんない。養子解消ってそんなに簡単にできるものなの?養育費を拒否するってそもそもそんなことできるの?

というか、親権とかまで言ってくるけど、大半の育児私がやってるのにそんなの認められるの?てか、このまま離婚拒否され続けたら、私、離婚できないってこと?どうすればいいの?

 

離婚の可否や離婚条件でもめたときの対処法とは?

子どものいる夫婦の離婚は、いない夫婦よりも取り決めが多いので複雑になるケースが少なくありません。

今回の麻里さんの場合、争点となりそうなことは以下の通りです。

 

  • 離婚の合意
  • ルミさんの親権
  • 子どもの養育費

 

離婚の合意

離婚を相手の合意なしに成立させるには、民法770条で定められている「裁判上の離婚」に当てはまるかつ、訴訟を起こし勝訴しなければなりません。

裁判上の離婚原因は、法定離婚事由や有責行為とも呼ばれ、以下のようなものになります。

 

  1. 不貞行為
  2. 悪意の遺棄
  3. 3年以上生死不明
  4. 配偶者が強度の精神病で回復を見込めない場合
  5. その他婚姻を継続し難い重大な事由

 

大司さんの場合、継子である海斗さんへの仕打ちが5に当てはまるかどうかです。幼い子どもに暴言を吐く行為は精神的虐待とも言えます。しかしながら精神的虐待は目に見えるものがなく、非常に立証が難しいものです。

また、訴訟を提起するためには、その前に調停を行い、不成立でなければなりません。

この方法では、仮に勝訴できたとしても、非常に時間がかかってしまいます。そのため、弁護士に相談し、協議離婚を成立させるか、調停で離婚を成立させた方が良いと思われます。

 

また、別の方法として、別居することが挙げられます。別居を長年行うと、夫婦関係が破綻していると判断され離婚が認められやすくなります。

とはいえ、別居期間は夫婦の婚姻期間等さまざまな事情が考慮されるので、離婚を早く成立させたいと考えている方にはお勧めできない方法です。

 

ルミさんの親権

大司さんは、離婚するのであれば娘であるルミさんの親権の取得を主張しています。夫婦の話し合いや調停を行う場合、夫婦の合意があれば、大司さんが親権を取得することができます。

しかしながら、双方が親権を主張した場合には、どちらの親といる方が子供にとって幸せなのか家庭裁判所が調査等を行い、審判を行う場合もあります。

審判でもなお納得がいかない時には、訴訟になることもあります。

 

なお、日本では子どもの親権を取得するのは8割以上が母親です。実際に審判や訴訟等に進んだとしても、養育実績等の観点から、例え収入が低くとも母親が親権を得やすい傾向になります。

今回のケースでも、主に育児を担っているのは麻里さんであるので、虐待や育児放棄等、よほどの理由がない限りは、麻里さんが親権を取得できる可能性は高いと思います。

 

子どもの養育費

養育費の支払いは親の義務であり、受け取るのは子どもの権利です。離婚したとしても法律上親子であることに変わりはないので、非親権者だとしても養育費の支払いの義務を負います。

 

ただし、今回の麻里さんの場合、少し話が複雑です。ルミさんに関しては、大司さんの実子ですので養育費の支払い義務は必ず発生します。

しかしながら、海斗さんの場合、大司さんに養育費の支払い義務が発生するケースと発生しないケースに分かれます。

これは、大司さんが海斗さんとの養子縁組を解消するかで違います。詳しくは以下で説明させていただきます。

 

【養子縁組を解消した場合】

大司さんが海斗さんとの養子縁組を解消した場合、大司さんと海斗さんは法律上の親子関係ではなくなるので、養育費の支払い義務がなくなります。

 

【養子縁組を解消しなかった場合】

大司さんが海斗さんとの養子縁組を解消しなかった場合、法律上での親子関係と認められますので養育費の支払い義務が発生します。

 

再婚で連れ子を養子縁組し、離婚するとき、多くの場合は養子縁組を解消します。しかしながら、養子との関係が良好であるケースでは、養子縁組を解消しないこともあります。

なお、養子縁組を解消せず、養親が亡くなった場合、その養子には相続権が発生する可能性があります。法律上の親子関係は非常に強い意味合いを持つので、継続や解消を考えるのは慎重に行うべきでしょう。

 

また、子どもの養育費は不払い率が非常に高いとされています。養育費を定期的に貰っているシングルマザー家庭は、わずか25パーセント程度です。

離婚後に不払いがあっても給料差し押さえ等の強制執行ができるように、協議離婚で離婚を成立させた場合には、養育費の取り決めを強制執行認諾文言付公正証書にしておくとよいでしょう。

強制執行認諾文言付公正証書とは、夫婦で公証役場に行き、公証人と言うひとに作成してもらう公文書のことです。

この書面にしておくと、相手方が養育費を滞納したときに、裁判所へ強制執行の申立てをすることによって、滞納分の養育費を回収できる可能性が高まります。

なお、調停や訴訟等で離婚が成立した場合には、調停調書や判決書等を利用して強制執行の手続きを行うことが可能です。

 

離婚は切り出した後も大変

大司とは、結局夫婦の話し合いじゃ全然決着がつかなかった。私は、もう埒が明かないと思い、両親にアドバイスをもらい、調停で話し合うことにした。

調停ってなんとなく裁判的なイメージで、誰かが判決的なものを下してくれるのかなと思ったけど、全然違った。

幸いなことに、私の調停を担当してくれた調停委員は、私に好意的だった。4回の調停を経て、親権は海斗とルミ共に私が取得することになった。また、養育費については、海斗は離婚する際に離縁届を出すこととなり取り決めは行わず、ルミについては月々8万円の養育費を支払ってもらうことになった。

また、お金のことで揉めるのはイヤなので、財産分与等も調停で取り決めを行った。

 

離婚を切り出してから成立するまでに、1年強の時間がかかった。それでも、成立しただけ良い。調べたら、2,3年以上調停をしているひとや、裁判までもつれこむひともいるらしい。

それを思えば、予想以上に時間がかかったけど、離婚が成立して良かったと思っている。

海斗は離婚が決まり、ちょっと罪悪感を覚えたみたいだった。俺のせいで離婚したの?と言われたけど、子どもに優劣をつけて、平等に接しなかったのは大司だ。

決して海斗の責任ではないことを伝え、離婚した経緯を説明した。

 

これからは、もう絶対に子どもが傷つかないようにしたいと思ってる。

離婚が成立するまでの間に海斗は中学生となり、家のことをいろいろ手伝ってくれている。ルミのお世話も嫌な顔一つ見せずやってくれて本当に感謝しかない。

 

また、再婚したときに1番目の夫には養育費を支払わなくても良いと伝えていたけど、離婚して、養子縁組も解消したので、支払いを再開してほしいと頼んだところ、運のよいことに快諾して貰えた。

お金の面に関しても海斗やルミには極力負担をかけたくないので、養育費の支払いが再開されたことにほっとした。

シングルマザーは大変だけど、今後は子どものこと第一に考えて幸せになろうと思っている。

 

まとめ

今回は子連れ再婚に失敗してしまった麻里さんの体験談を前後に分けてご紹介しました。子連れ再婚で幸せな家庭を作れる方も多くいますが、一方でさまざまなトラブルによって離婚してしまう可能性もあります。

しかしながら、今回のように養子縁組等の手続きを行っていると、通常の離婚よりややこしくなる可能性があります。

そのような場合には、一人で悩まずに、弁護士等の専門家へ相談することも検討しましょう。

 

 

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