【親権問題】親権は女性が絶対有利?争いになったら調停や訴訟を回避するには?

親権とは、子どもを監護、養育する権利です。

日本では、子どものいる夫婦が離婚する場合、必ず取り決めなければならないことのひとつです。

今回は、親権の取り決め方について詳しく考えていきましょう。

 

夫婦の話し合いなら親権は自由に決められる?

子どもがいる夫婦が離婚する場合、必ず取り決めしなければならないのが親権です。

冒頭でもお伝えしましたが、親権とは子どもを監護し、養育する権利です。

以下のふたつの性質から構成されています。

 

【親権】

■監護権

子どもと一緒に住み、教育やしつけ等を行う権利です。

親権というと、この監護権をイメージする方が多いと思います。

 

 

■財産管理権

成人(※)に満たない子どもの財産を管理する権利となります。

※2022年4月1日から、18歳が成人になります。2002年4月1日~2004年4月1日のあいだに生まれの方は、2022年4月1日に成人となります。

 

 

離婚した場合、通常これらの権利をすべて、片方の親が持つこととなります。

具体的な親権の決め方とはどのようなものなのでしょうか?

 

親権は夫婦双方の合意があれば自由に設定できる

親権は、夫婦間の離婚協議の中で、お互いの合意があれば、父親と母親どちらでも取得することができます。

よく、女性の方が親権を取りやすいと言われますが、夫婦の話し合いで取り決められたならば、有利や不利等関係ありません。

双方の主張が合うならば、父親でも親権を取得できます。

しかしながら、現実的には男性よりも女性の方が、家事や育児へ割く時間が圧倒的に多いです。

したがって、離婚した夫婦の8割以上は妻が親権を取得しています。

 

親権争いになった場合調停や訴訟となる

親権取得に問題が発生するのは、夫婦の話し合いで折り合いがつかなかった時です。

夫婦のうち、どちらが親権を得るのがふさわしいのかという観点から、親権取得の有無を決めることになります。

 

親権の取得が離婚協議でまとまらなかった場合、まず、家庭裁判所で調停を行うこととなります。

申し立てる調停の種類は、夫婦関係調整調停(離婚)というものです。

この調停では、親権以外の養育費の取り決め等も話し合うことができます。

 

申し立て先は、基本的に相手方の住所地を管轄する家庭裁判所となります。

なお、相手方の合意があれば、ご自身の所在地のある家庭裁判所で行うこと等ができますので、別居している場合は、事前に相手方へ相談してみるのも良いかもしれません。

 

調停で親権の取得を目指す場合重要なこと

親権の有無を調停で決める場合、家庭裁判所は次のような点を重視します。

 

  • 子どもへの愛情
  • 今までの養育実績
  • 離婚後予想される育児環境
  • 収入等の経済状況
  • 子どもの意思

 

これらの事情を総合的に考慮して、親権取り決めの話し合いを行います。

親権を調停等で話し合う場合、女性側が心配することとして、④に挙げられる収入等、経済状況のことではないでしょうか。

確かに、雇用形態や、労働時間等の違いにより、女性の収入は男性よりも低いことが多いです。

親権は、必ずしも収入の高さで決まるわけではありません。

むしろ経済状況よりも、①の子どもへの愛情は当然のこととして、②や③の方が大切です。調停での親権の話し合いは、子どもの養育実績や、離婚後子どもといられる時間等がある方が、家庭裁判所の印象が良いです。

したがって、今までの養育実績や離婚後の子どもを中心とした仕事の仕方等を主張することで、親権を取得する可能性が高くなります。

 

調停、審判、訴訟等、すべての裁判所の手続きに言えることですが、裁判所は、子どもの利益を最優先にして考えます。

言い換えると、どちらの親といた方が、子どもにとって幸せなのかを考慮するということです。

そのため、子どもが幼いほど、母親の愛情が必要だとして、女性の方が親権を取得しやすくなります。

子どもがある程度年齢を重ねており、判断能力があるとみなされれば、その子どもの意思も大きく反映されます。

 

親権の有無を話し合う調停では、家庭裁判所調査官が子どもの養育環境を調査する場合があります。

調査官は、親権を主張する双方の養育実績や養育環境等を調査するほか、子どもへの聞き取り調査、面談等を経て、どちらの親が親権を持つべきなのかを裁判官へ報告を行います。

調査官の報告する情報は、家庭裁判所にとってかなり重要視されます。

調査官からの質問は、とても細かく、日常生活に関わるものが多いです。

具体的に、下記のような質問をされる可能性があります。

 

  • 赤ちゃんのときミルクをあげていたのは誰なのか
  • 赤ちゃんのときおむつを替えていたのは誰か
  • 子どもの歯磨きをしているのは誰なのか
  • 子どもの着替えを手伝っているのは誰か
  • 子どもの食事をおもに担っていたのは誰か
  • 保育園の送り迎えをしていたのは誰か
  • 子どもと添い寝をしていたのは誰か

 

これらの質問は、すべて子どもの養育を日常的に行っているかの確認になります。

調査官の行う面談では、ご自身が親権者にふさわしいというアピールをすることが大切です。

調査官の行った報告は、調停が不成立になった場合に発生する審判や裁判でも重要視される大切な資料となりますので、しっかりと準備をして臨むべきでしょう。

 

親権はできる限り協議で取り決めを行うべき

親権の調停、審判、裁判は双方の折り合いがつかず、争いが長期にわたってしまう可能性が高いです。

親権取得の可否が決まらなければ、当然離婚することもできませんし、費用もかさみます。

そして何より、親同士が争っている場合、子どもの精神的負担が大きくなります。

したがって、親権はできる限り協議で取り決めを行うべきでしょう。

相手方にDVや虐待等の問題行為がない場合、面会交流の回数や仕事の働き方についての観点から説得を試みると良いかもしれません。

子どもを育てることは、勢いでどうにかなるものではありません。

離婚した場合、基本的には一緒に暮らしている親がすべてを担うことになります。

したがって、今までの養育経験がとても重要になってきます。

相手方が今まで育児に協力的でなかった、協力的ではあったが仕事を優先させていた等があった場合には、その点を重点的に話し合うと良いかもしれません。

それでも話し合いに折り合いがつかない場合には、調停等を行うのも手段のうちですが、その前に弁護士に相談することも方法のひとつです。

弁護士は交渉のプロですし、依頼者の利益を最大限に考慮してくれるので、調停を行わずに親権を取得できる可能性が高くなります。

まとめ

今回は親権についてお話をしていきました。

親権の争いは、状況によって長期化し、泥沼化する可能性があります。

長期化や泥沼化を防ぐためには、なるべく離婚協議で親権取得を決めることが大切です。

しかしながら、親権の問題はかなりナイーブなものになりがちなので、夫婦で冷静に話し合いが難しい場合には弁護士への依頼を検討した方が良いでしょう。

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