ボランティア活動に熱心な夫。
社会貢献したいという夫が好きで結婚したけど、子どもができて状況が変わった。
家庭とボランティア活動どっちが大事なの!
改善されないなら離婚したいけど、こんな理由で離婚できるのかな。
ボランティア活動を理由に離婚する場合には、夫婦の合意が必要
ボランティア活動は地域貢献や社会貢献などとても大切な行為です。
配偶者がボランティア活動に熱心であることは、一見してとても素敵な人格者と捉えられるでしょう。
しかしながら、ボランティア活動は、社会貢献になる反面、ボランティア活動者やその家族に対して、大きな負担となる場合があります。
というのも、ボランティアは原則、交通費や食費、宿泊費等の費用は自己負担です。
また、ボランティア活動の内容にもよりますが、活動を行っている方たちは、休日や就業後の時間を充てています。
ボランティア活動に熱心であると頻度によっては決して安くないお金がかかると予想されますし、本来なら家族と過ごせる時間を充てているわけですから、家族が不満を覚えるのは当たり前と言えば当たり前でしょう。
とはいえ、ボランティア活動を理由として離婚することはできるのでしょうか?
価値観の違い等は基本的に夫婦の合意で離婚が成立する
ボランティア活動を理由として離婚したい場合、ボランティアに対する考えや価値観が異なるというのがそもそもの原因だと思います。
このように相手方の行動に明らかな問題が見られない場合、夫婦の話し合いによって離婚を成立させるのがもっとも手っ取り早い方法です。
離婚する方法は、大きく分けて次の3つがあります。
- 離婚協議
- 離婚調停
- 離婚裁判(離婚訴訟)
前述した、手っ取り早い方法とは、離婚協議のことを指します。
離婚協議で、離婚を成立させるには、感情的にならず、なるべく論理的に離婚したい理由を述べ、条件について折り合いをつけることが大切です。
ただし、離婚の話し合いで感情的にならず、論理的に自分の考えを主張することはかなり難しいです。
夫婦の情や、相手方に対する不満、怒り等でなかなか建設的な話し合いをすることができないかもしれません。
そんな時には、まず、自分の主張したいことをスマホや紙にメモしておくと良いかもしれません。
あわせて、相手方がボランティア活動に割いた日にちや時間、費やしたお金等、事前に調べられるのであれば、そちらのデータも用意しておくと良いかもしれません。
具体的な時間やかかったお金を示すことによって、自分の行動を客観視することができ、話し合いに応じてくれるかもしれません。
それでもなお、相手方が話し合いに応じなかったり、「自分に非が無い」というような態度を取ったりした場合には、離婚調停を考えてみても良いかもしれません。
離婚調停とは、家庭裁判所を仲介して、離婚の可否や、離婚条件について話し合いを行うことを指します。
夫婦同士での話し合いが完全に平行線になった時や、離婚の同意自体はとれているが離婚条件についてもめているといった場合には、離婚調停の方が良い場合もあるので、検討してみてください。
【調停離婚】離婚を調停で成立させるメリットとトラブルについて確認しよう
一方的に離婚には法律上で定められた離婚事由が必須
ボランティア活動そのものを相手方の問題行動として、一方的に離婚することはできません。
というのも、一方的に離婚できる理由は、民法で次のように定められているからです。
- 不貞行為
- 悪意の遺棄
- 3年以上生死不明
- 配偶者が強度の精神病で回復を見込めない場合
- その他婚姻を継続し難い重大な事由
上記は、有責行為や法定離婚事由という名称で呼ばれます。
一方的な離婚というのは、簡単に言ってしまえば、離婚の可否について裁判を起こし、勝訴することです。
ボランティア活動に熱心であることそのものは、これらの理由に当てはまらないので、一方的に離婚することはできないのです。
但し、ボランティア活動を理由に相手方が有責行為を行ったケースは別です。
どのようなシチュエーションが考えられるのか確認していきましょう。
ボランティア活動が理由で一方的に離婚ができるケース
ボランティア活動を理由に、相手の同意を得ずに離婚できるケースとしては、次のようなシチュエーションが考えられます。
- ボランティア活動を理由にお金を入れなくなった
- ボランティア活動を理由に勝手に家を出て行かれた
- ボランティア活動中に不貞行為を行った
ボランティア活動を理由にお金を入れなくなった
ボランティア活動を理由に家庭へお金を入れなくなった場合、相手の同意を得ずに離婚できる可能性が高いです。
夫婦には同居・協力・扶助の義務があり、民法でも定められています。
お金を入れなくなった方が家計を担っている場合、生活を維持することができなくなります。
生活が破綻とすると分かっていて、家計にお金を入れないという行為は、「悪意の遺棄」に該当する可能性が高いです。
夫婦になると、自分の稼いだ給料であっても、夫婦の共有財産とみなされます。
したがって、いくら自分の働きで得たお金であっても、好き勝手に使っていいものではないのです。
ボランティア活動を理由に勝手に家を出て行かれた
ボランティア活動を理由に、配偶者の了承を得ず、勝手に家を出ていった場合には、有責行為である悪意の遺棄に該当する可能性があります。
前述しましたが、夫婦には生活を営むにあたって、特別な事情がない限り同居・協力・扶助の義務があります。
配偶者の合意を得ず、勝手に家を出る行為は夫婦関係を破綻させる行為といえ、一方的に離婚できる確率が上がります。
ボランティア活動中に不貞行為を行った
ボランティア活動中に不貞行為を行った場合、一方的に離婚できる可能性が高いです。
不貞行為とは、配偶者以外との異性と性的行為(挿入以外も含む)をすることを指します。
ボランティアと不貞行為は、一見つながりがなさそうに見えます。
しかし、地域ボランティアや宿泊のあるボランティア等、活動場所には目的が合った人間同士が集まります。
同じ活動をし、同じ目的を持つことで一体感が生まれ、不倫関係に発展する可能性もなくはありません。
不貞行為の場合、離婚の可否や慰謝料の増減などは、その不貞行為の証拠があるかで大きく左右されます。
不倫を知るにあたって、直感というのは大切ですが、勘や直感だけでは相手方に言い逃れされてしまう可能性が高くなりますし、信憑性に欠けます。
そのため、不貞行為の証明が大切になってくるのです。
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まとめ
今回は、配偶者のボランティア活動を理由に離婚ができるかどうかについて確認していきました。
冒頭でお伝えしましたが、社会貢献のために行うボランティア活動はとても尊いことです。
しかしながら、奉仕活動は、やりすぎると家族間でのあつれきを生む可能性があります。
ご自身の配偶者がボランティアを理由に家庭をないがしろにしていると不満を感じた場合には、まず夫婦間での話し合いを行いましょう。
話し合いをするときには、感情的になるのではなく、家事や育児への負担の割合等をデータとして書き出して、論理的に進めるのも良いかもしれません。
話し合いを行ってもなお、相手方の行動に改善が見られず、離婚をお考えの場合には弁護士への相談を検討してみてください。
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