【別居した場合、すぐに離婚が認められる?】離婚を前提とした別居のメリットと注意点

離婚を切り出してみたけど、相手が全然納得してくれない。

ネットで調べてみたら、別居すると離婚できる確率が上がるらしい…。

早速別居してみたいけど、本当に離婚しやすくなるの?

 

別居すると離婚しやすくなるのは本当なのか?

離婚は、夫婦ふたりの合意があれば、離婚届を役所に提出すれば成立します。

しかし、離婚届を出すまでがとても大変です。

離婚は、夫婦双方に問題のない場合、お互いの同意が無いと離婚することができません。

したがって、いくら一方が離婚したくとも、自分の意思だけではどうにもならないのです。

そこで、有効な方法とされているのが、「別居」です。

よく、「別居しておけば離婚が認められやすくなる」ということを聞きますが、実際のところどうなのでしょうか。

 

別居は法律上の離婚事由となる

別居すると離婚が認められやすくなるのは、事実です。

というのも、民法に次のような条文があるからです。

 

(同居、協力及び扶助の義務)
第七百五十二条 夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。

 

上記のように、夫婦には特別な事情が無い限り同居する義務があります。

特別な事情とは、例えば単身赴任だったり、里帰り出産だったりと止むを得ない事情のことです。

特別な事情なく、別居し、連絡等も頻繁に取っていないような場合、事実上夫婦関係がないものとみなされ、法律上定められている離婚事由に該当する可能性が高いです。

 

離婚できる別居期間は一律に定められていない

別居は法律上の離婚事由に当てはまりますが、具体的に離婚が認められる別居期間とはどれくらいなのでしょうか。

離婚が認められる別居期間は、夫婦によってケースバイケースです。

婚姻期間や別居に至る過程、婚姻中の同居期間と別居期間、夫婦の離婚の意思の固さ等、さまざまなことが考慮されます。

一般的に、5年から10年くらいの別居で、離婚が認められると言われていますが、長いと15年以上別居していても、離婚が認められないケースもあります。

したがって、別居をすれば、すぐに離婚が認められるわけではないことを覚えておきましょう。

また、別居を理由に離婚したい場合、夫婦関係が破綻していることを立証する必要があり、次のような情報を求められることが多いです。

 

  • 別居の理由
  • 離婚を意識して別居に至ったのか
  • 別居後、相手方と連絡をとりあう頻度ややりとりの内容
  • 別居後相手方と会う頻度

 

上記の事柄は夫婦関係が破綻しているかどうかを考えるうえで非常に重要な情報となります。

そのため、記憶だよりではなくきちんと記録を取っておいた方が良いでしょう。

 

別居中の生活費や養育費は請求できる?

夫婦が別居した場合、別居のあいだの生活費や養育費を支払ってもらうことができるのでしょうか。

民法752条では、夫婦の同居の義務とともに、協力と扶助の義務が定められています。

これらの義務を簡単に説明すると、「夫婦は助け合って生活を送ってくださいね」ということです。

夫婦が別居中であっても、夫婦関係が破綻していない限りは、協力と扶助の義務を負います。

具体的に言うと、夫婦の内、収入が高い方が収入の低い方へ生活費等を援助するということです。

このお金を婚姻費用と言います。

婚姻費用の中には、子どもを養育する費用も含まれます。

なお、養育費という呼称は、離婚後から使われる言葉となります。

婚姻費用は、夫婦の年収や子どもの人数等によって計算することができます。

詳細については、裁判所のホームぺージからご確認ください。

 

婚姻費用は場合によって減額されたり、もらえなかったりするケースがある

婚姻費用は、夫婦のうち年収の高い方から低い方に生活費を扶助する仕組みです。

したがって、別居の理由が自分の有責行為である場合には、その額が減額されたり、もらえなかったりすることもあります。

更に相手方よりも自分の年収の方が高いと、最悪の場合、婚姻費用を請求される側に回ることもあります。

有責行為とは、夫婦関係を破綻させるような行為を言い、以下のようなものです。

 

  • 不貞行為(肉体関係を含む不倫)
  • DV行為
  • モラルハラスメント

 

これらの行為をした場合、有責配偶者となります。

有責配偶者は、原則として自分から離婚を請求することができません。

有責配偶者が別居したとしても、夫婦関係の破綻が認められるには、有責行為の無い別居に比べ、更に長期間かかる可能性が高いです。

婚姻費用もさることながら離婚できないケースもあるのでご注意ください。

 

別居するとき、夫や妻に伝えないとだめなの?

夫婦が別居する場合には、相手方に、「別居したい」という意思を伝えてください。

別居の意思を伝えず、勝手に家を出ていくと、「悪意の遺棄」とみなされ、有責配偶者となってしまいます。

悪意の遺棄とは、夫婦関係が破綻するという結果がわかりながらも、その行動をあえて取ることを指します。

前述しましたが、有責配偶者になると、離婚が成立するまでかなり時間がかかってしまう可能性が高くなります。

そのため、特別な事情が無い限りは、別居の意思を相手に伝えましょう。

 

別居することを言わなくても良い特別な事情とは?

先ほど、別居の意思は伝えるようにすることとお話しましたが、特別な事情がある場合には、相手方に理由を言わずに別居しても悪意の遺棄に当たらないケースもあります。

考えられる理由として、配偶者からのDVやモラルハラスメント等があります。

夫婦の同居の義務は、正当性のない別居を禁じているのであって、理由のある別居に関しては、悪意の遺棄にはなりません。

DVやモラルハラスメントを行う配偶者が、「勝手に出て行ったら、お前が不利になるんだからな」とか「別居したらお前に慰謝料請求してやる」と言って、不安をあおってくるケースもあります。

しかし、実際は法的に不利になることは無いので、ご安心ください。

 

別居を行ううえでの注意点とは?

離婚の取り決めの折り合いがつかず、別居する場合の注意点について確認していきましょう。

意識して行うべきことは次の通りです。

 

  1. 別居先を決めておく
  2. 別居時にかかる費用を確認する
  3. 別居中、相手方と連絡が取れるようにしておく

 

1.別居先を決めておく

別居する場合は、別居先を決めておきましょう。

現在の家に住み続けたい場合は、相手方と話し合い、引っ越してもらう必要があります。

ただ、元々相手方が離婚を拒否している場合には、説得するのに時間がかかり、中々別居の合意が取れない可能性が高いです。

したがって、相手方に引っ越してもらうよりも、自分で別居先を見つけた方が早い場合もあります。

相手方と話し合いができるかどうかを見極めて、難しいと感じた時には、別居先を見つけておきましょう。

 

2.別居時にかかる費用を確認する

別居する場合にかかる費用を確認しておきましょう。

費用は引っ越し代等の初期費用と、生活費や子どもにかかる費用等、継続的にかかるものがあります。

自分の収入だけでは、別居できないと感じた場合は、相手方に婚姻費用を捻出してもらう必要があります。

有責配偶者でない場合、婚姻費用は受け取る権利があるので、月々どれくらいの費用がかかるのかを具体的に示し、婚姻費用算定表を参考にしながら相場を伝え、支払ってもらってください。

なお、相手方が婚姻費用の捻出を拒否してくる場合には、婚姻費用請求調停等の手段もあります。

何も取り決めないで別居してしまうと、泣き寝入りになってしまうので、必ずやっておきましょう。

DV等を受けている方の場合は、無理に自分で話し合おうとはせず、上述した調停を申し立てたり、弁護士に依頼し、代理で請求してもらうようにしましょう。

 

3.別居中、相手方と連絡が取れるようにしておく

別居中は、相手方と連絡が取れるようにしてください。

別居するのは、離婚するための手段です。

物理的な距離を取ることによって、夫婦関係を見直したり、冷静に離婚の取り決めするために、行います。

そのため、相手方と連絡が取れない状態にしてしまうと、そもそも離婚の話を進めることができず、困ったことになってしまいます。

また、このような行為は、特別な事情が無い限り、悪意の遺棄に該当する可能性もあります。

そのため、連絡先は伝えてください。

なお、DVやモラルハラスメントを受けている人の場合、別居先の住所等は伝えなくても良いです。

むしろ、逆上した配偶者が家に押しかけてきて、暴力をふるう可能性が高いので、できるだけ隠してください。

また、夫婦の場合、何も手段を講じないと、住民票を見られてしまい、居所を突き止められてしまう可能性があります。

したがって、DVやモラルハラスメントを理由に別居する場合には、役所に事情を伝え、閲覧制限をかけてもらってください。

 

まとめ

今回は離婚を前提とした別居について注意点等を解説しました。

別居は、離婚するにあたって有効な手段となりえますが、やり方を間違えると、有責配偶者になったり、婚姻費用をもらえなかったりとトラブルが発生する可能性があります。

したがって、突発的に別居するのではなく、事前に準備をして別居した方が良いでしょう。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。