【調停離婚】離婚を調停で成立させるメリットとトラブルについて確認しよう

離婚調停とは、夫婦間だけで折り合いがつかない場合、裁判所が仲介となって話し合い、離婚を成立させる方法のことをいいます。今回は、離婚を調停で成立させるメリットとデメリットについて詳しく確認していきましょう。

 

離婚調停とは?簡単に解説!

離婚調停とは、家庭裁判所で調停委員という仲裁役を交えて、離婚問題を解決する方法です。夫婦間の話し合いで解決を目指す離婚協議とは以下のような点が異なります。

 

◆離婚調停と離婚協議の違い◆

離婚調停 離婚協議
事前に申立てが必要か あり なし
費用が発生するかどうか 発生する。収入印紙代等 なし
話し合う場所 原則として申立先の家庭裁判所 なし
仲裁役の有無 あり。男女2人以上の調停委員 夫婦の一方が望んだ場合、親族等が仲裁役になる場合がある。

 

このように、離婚調停と離婚協議では違いがあります。基本的に夫婦間で話し合いを進める離婚協議に対して、離婚調停では調停委員が夫婦それぞれの意見を聞き、妥協点を見出し、話し合いで解決に導こうとします。

調停は、あくまでも話し合いで解決を目指す場ですので、調停委員から提案されたものに対して不満を覚えた場合には、無理に妥協する必要はありません。ただし、調停委員の心証は、その後の調停の流れに大きく関わってくる可能性が高いので、受け答えについては感情的でなく、冷静に対応することが大切です。

 

離婚調停を利用するメリットとは?

離婚調停を利用するメリットは、大きく3つのことが挙げられます。それぞれ確認していきましょう。

 

離婚調停を利用するメリット①ひとりずつ事情を聞いてくれるので言い合いを防げる

離婚調停を利用するメリットとして、調停委員がひとりずつ事情を聞いてくれるので、当事者間で話し合うときよりも、言い合いになるリスクを下げられます。

離婚の話し合いの最大の問題点は、当事者同士が感情的になり話し合いにならない点です。離婚調停では調停委員がそれぞれに事情を聞く場合、基本的に相手は同席しません。実際に顔を合わせて話し合うわけではないので、感情的な言い争いを避けることができます。

 

離婚調停を利用するメリット②事前に申請を行えば相手と顔を合わせなくて済む

離婚調停を利用するメリットとして、事前に申請を行えば相手と顔を合わせなくて済む点が挙げられます。離婚調停を利用するには、事前に「夫婦関係調整調停(離婚)」を提出する必要があります。その申立書と一緒に「進行に関する照会回答書」にある、裁判所に配慮を求める事項の欄に、顔を合わせたくない理由を記載することによって、裁判所が一定の配慮をしてくれます。

また、DVやモラハラ等で相手方に住所を知られたくない場合にも、配慮事項に記載することによって、知られずに済むケースもあります。

 

離婚調停を利用するメリット③強制執行が可能な調停調書が手に入る

離婚調停を利用する大きなメリットのひとつとして、離婚調停が成立した場合、強制執行が可能な調停調書を入手できることが挙げられます。

強制執行とは、養育費等の不払いがあった場合、相手の給料や銀行口座等を差し押さえて強制的に取り立てが行える手続きのことを指します。

調停で養育費等の離婚後も継続して支払うお金を取り決めた場合、強制執行のできる調停調書が発行されます。

夫婦が作成した離婚協議書では、強制執行ができず、強制執行の効力を付けるためには、「強制執行認諾文言付公正証書」を作成する必要があります。しかし、調停調書ならば、初めから強制執行の効力が備わっているので、別途で公正証書を作成する必要が無くなります。したがって、調停では養育費や婚姻費用等お金のことについても話しておくべきです。当然ですが、調停調書は調停で話し合った内容しか記載されません。養育費等について調停で話し合いをせず別途、夫婦間の話し合いで取り決めをした場合には、強制執行の効力は付与されないので注意しましょう。

 

離婚調停を行ううえで準備や認識不足のために生じるトラブルは?

離婚調停を利用すると大きなメリットある一方で、準備が不足していたり、認識がずれていたりすると、トラブルが生じる可能性があります。具体的などのようなトラブルがあるのか確認していきましょう。

 

調停を申し立てたひとの意見が通ると思い込んでしまう

調停の認識の違いで生じるトラブルとして、調停を申し立てたひとの意見が当然通るものと考えがちなところです。裁判官や調停委員は、調停を申し立てた側だからといって味方してくれるわけではありません。あくまで仲裁役なので、フラットな目線で双方の意見を聞き、妥協案を提示します。したがって調停を申し立てた側も調停の準備をしっかり行う必要がありますが、「元々自分の意見は正しいのだから準備する必要はない」と考えて、感情論だけで調停を乗り切ろうとしてしまう方も少なくありません。

調停委員等を味方につけるには、調停の場で、事前準備してきた資料等や客観的な証拠を用いて自分の主張を伝え、信ぴょう性を認めてもらう必要があります。調停を申し立てた側が無条件で有利になることは無いので、認識違いをしないように注意しましょう。

 

調停が1回で終わると勘違いしてしまう

調停の認識の違いで生じるトラブルとして、調停が1回で終わると勘違いしてしまうことです。調停はあくまで話し合いによる解決を目指す方法なので、裁判のように裁判官が判決をくだしてくれるわけではありません。当事者同士の妥協点が見つかるまで、何回かにわたり調停を行うことの方が多く、むしろ調停が1回で終了することはレアケースです。

なお、統計上のデータだと、大体2,3回の調停を経て離婚を成立させる夫婦が多いです。調停日は大体前の回から1か月~2か月ほど空くので、期間にすると半年くらい調停を行うことになります。調停すればすぐに離婚できるとは限らないことを覚えておきましょう。

 

裁判所や調停委員の心証は感情だけでは動かない

調停の認識の違いで生じるトラブルとして、調停委員と話をするときに感情に訴えれば、有利な条件で調停を成立できると思ってしまうことです。

調停を申し立てるくらいですから、相手の配偶者に対して不満を覚えていたり、理不尽さを感じていたりしている方がほとんどだと思います。そのため、調停委員の提案や相手方の主張を聞いたときに、感情的になってしまうこともあるかもしれません。

しかし、ただ感情のままに提案等を否定しても、自分の主張が通るわけではありません。むしろ、論理性の無いただの感情論になると調停委員等の心証を損ねてしまうこともあります。したがって、ご自身の主張を通したい場合には、感情的にではなく論理的に行う必要があります。正当性を主張するのであれば、状況によってその主張を裏付ける証拠も必要となります。論理的に主張することや、証拠書類等については調停の場で臨機応変に対応するのは困難です。したがって、調停前の事前準備がとても重要となってきます。

 

離婚調停を検討するならば、弁護士への依頼を検討しよう

離婚の話し合いが当事者間でうまくいかなかった場合、離婚調停はとても有効な手段となりえます。しかし一方で、何も準備をしないまま調停の場に臨んでしまうと、かえって自分に不利な状況になってしまう可能性があります。

調停の事前準備には、証拠書類や法的知識が必要となるケースがありますので、一般の方が自力で解決するのが難しい場合もあります。そのような時には離婚問題に精通した弁護士に依頼するべきです。

弁護士に依頼すれば、調停に立ち会ってくれるだけでなく、調停の仕組みや事前に準備すべきこと、当日の立ち振る舞い等をアドバイスしてくれます。離婚調停をご検討の方は一度弁護士に相談した方が良いでしょう。

まとめ

今回は離婚調停のメリットと起こりがちなトラブルについて解説させていただきました。弁護士等の専門家でない限り、離婚調停に立ち会うことは生涯のうちあるかないかという方がほとんどでしょう。そのため、離婚調停の知識が不足してしまうのは仕方がないことです。しかし、不足したまま実際に離婚調停に臨んでしまうと不利な条件で調停が成立してしまったり、調停が長引いたり等のリスクが生じます。自分自身の不利益を回避するためにも、一度弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。