【離婚したいけどお金が心配!】離婚前や離婚後のお金についてよくある疑問について②

離婚したいと思ったとしても、現実問題として離婚後の生活を成り立たせていくためには、ある程度のお金のめどが無ければなりません。

今回は離婚前や離婚後のお金についてよくある疑問を体験談ベースで解説していきたいと思います。

前回の内容は以下のリンクをご確認ください。

【離婚したいけどお金が心配!】離婚前や離婚後のお金についてよくある疑問について①

 

離婚を考えているけれど子どもの教育費が心配で離婚できない

質問者:イチカさん(44)

 

モラハラする夫と離婚を考えていますが、離婚後の子どもの教育費が心配で離婚を迷っています。現在、私はパート勤務をしており、年収80万円ほどの収入があります。

離婚するため、正社員を目指し転職活動をしていますが、資格もとっていなかったため、中々うまくいきません。

子どもの高校入学を控えているので、離婚したとしてひとりで養っていけるかとても不安です。また、養育費の取り決めをするとして、実際に養育費を支払わないひとが多いと聞き、期待できないと思っています。

離婚するうえで、自分の収入をあげることはマストとして、養育費等をどうにかもらえるような方法ってありますでしょうか?

養育費の不払いのリスク回避の事前策はある

離婚後に子どもと生活していくうえで、養育費の存在はとても重要です。例え離婚して子どもと離れて生活することになっても法律上自分の子どもである以上、親には養育費を支払う義務があります。

親としての義務があるにもかかわらず、質問者のイチカさんがおっしゃる通り、養育費の支払い率は全体の3割程度ととても低いです。ただし、強制執行の効力のある書面で離婚に関する条件を取り決めておけば、養育費の未払いの抑止力になりえます。

加えて、未払いが発生した場合でも、強制執行といって、元配偶者名義の銀行口座や、給料等を差し押さえることもできます。

夫婦同士で取り決めた離婚協議書では強制執行の効力はありません。強制執行の効力のある書面は、主に以下のようなものになります。

 

  • 強制執行認諾文言付き公正証書
  • 調停調書
  • 裁判の判決書

 

公正証書はイチカさんのお住まいの地域を管轄する公証役場というところで、公証人というひとに作成してもらうことができます。

なお、勘違いしがちですが、公正証書であれば必ず強制執行の効力があるわけではありません。

強制執行の効力を付けたいのであれば、公証人に「養育費について強制執行の効力を付けたいです」と希望を伝えましょう。

その他、調停調書や判決書は、裁判所で離婚調停が成立したときや、離婚裁判の判決が下ったときに入手することができます。

 

養育費以外の手立てとして、収入によってはひとり親世帯への助成金等を受給することができます。詳細については、お住まいの地域にある役所へ事前に確認しておきましょう。

 

養育費や財産分与ってどうすればいいの?

質問者:サイコさん(36)

 

離婚の話し合いをする前に、養育費や財産分与について確認したいので教えてください。夫とは性格が合わず、このまま夫婦を続けていても、お互い疲れるだけだなと感じ、離婚を考えています。

しかし、現在子どもが2人おり、年齢もまだ幼いため、フルタイムで働くことが難しく、離婚後のお金が心配です。

そこで質問なのですが、養育費は月々どれくらいの金額を見込めるでしょうか。また、財産分与をしたいのですが、財産とはどの程度の範囲のことをいい、分け方は収入によるのでしょうか。

財産分与が収入によるのであれば、夫の方が多く稼いでいるため、あまり期待できないような気がします。

どれくらいのお金をもらえるのかでこのまま気持ちを押し殺して夫婦を続けるか離婚を切り出すかを考えています。

ご教示いただけると幸いです。

 

養育費の計算は夫婦それぞれの収入によって異なる

養育費の取り決めは、夫婦の話し合いで自由に設定できます。しかし、具体的にどれくらいの金額が妥当なのかの判断はなかなか難しいと思います。

そのため、裁判所では夫婦それぞれの収入、子どもの人数、年齢の区分でどれくらいの金額が妥当なのか確認できる養育費算定表を公表しています。

質問者のサイコさんと夫の年収等がわからないので、具体的な回答はできませんがこちらから算定してみてはいかがでしょうか。

また、お話からお子さんの年齢は低いようですので、養育費を取り決めたならば未払いのリスクを下げるためにも、強制執行ができる公正証書を作成しておきましょう。
【絶対作るべき?】離婚するときに離婚協議書を作成する意味とは?

財産分与の対象は夫婦の共有財産で、分け方は収入だけじゃ判断されない

財産分与とは、離婚時に夫婦の共有財産を分けることをいいます。夫婦の共有財産とは、婚姻期間中に形成された預貯金や株券、自動車、住宅等の不動産等、お金だけではなくあらゆるものが対象です。また、名義が夫名義になっていても、婚姻期間中に取得した財産は名義に関係なく共有財産とみなされます。

ただし、例外もあります。共有財産の対象外になるものとして、婚姻前の預貯金等の財産や、相続や生前贈与によって取得した財産は特有財産となります。その他婚姻指輪等の個人的にプレゼントされたものに関しても対象外です。

 

夫婦の共有財産は、財産形成の寄与分によって分けられます。寄与分とは、単に収入で換算するのではなく、家事や育児等の寄与分も含まれます。したがって、よっぽど相手が高収入でない限り、基本的に半分ずつ分けることになります。

もしも、離婚の話し合いで夫が「俺が多く稼いだ金だから」といって財産分与に応じてくれない場合には、離婚調停や弁護士への相談を検討しましょう。
【共有財産はお金だけじゃない】離婚時にもめる可能性のある財産分与

離婚するなら今後が心配なのでもらえるものはもらいたい!

質問者:マユミ(28)

現在夫とケンカして離婚を考えていますので教えてください。離婚するなら、年金分割や夫の退職金等もらえるものはもらいたいです。現在、夫との間には子どもはおらず、婚姻期間は3年程です。何をもらえるのでしょうか?

年金分割は可能だが年金受給資格を満たすには10年以上保険料を支払う必要がある

離婚する場合、年金分割は可能です。ただし、年金分割をしても年金受給資格を満たさなければ、将来支給されません。年金受給資格は10年以上保険料を支払うことです。

また年金分割の対象は婚姻期間中の記録のみです。そのため、質問者のマユミさんの場合、夫の3年分の年金が分割されるということで、結婚前や離婚後の年金が分割されるわけではないので注意が必要です。

退職金は婚姻期間等が関係あるので状況によっては難しい

退職金は、場合によって財産分与の対象となりえます。しかし退職金が財産分与の対象となるのは婚姻期間中に発生した部分だけです。

今回のケースでは、マユミさんの夫の年齢等がわからないので、具体的な回答は難しいですが、仮に双方が同じ年齢であった場合、退職金が財産分与の対象になる可能性は低いので、あまり期待しすぎない方が良いかもしれません。

まとめ

今回は離婚前や離婚後のお金の疑問について解説させていただきました。養育費や財産分与はとても大切な取り決めです。また、婚姻期間の長さによっては、受け取れる金額が全く異なる場合もあります。具体的にどのような財産が対象になるのか不安な方は一度弁護士に相談してみても良いかもしれません。

弁護士に相談したい方はこちら

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です