【離婚後のトラブル】元夫が亡くなった!元妻が行うべきことはあるの?

元夫が亡くなったという連絡を受けた。

ケンカ別れだったけれど、やっぱり少し悲しい。

とはいえ、もう赤の他人だから私がやることなんてないよね?

あれ、でも今までもらっていた養育費はもうもらえなくなってしまうの?

元夫が亡くなった場合、養育費の支払いは引き継がれるのか

元夫が亡くなった場合、離婚の経緯等によっていだく感情はそれぞれ違うと思います。

しかし、亡くなった元夫のあいだに子どもがいる場合、不謹慎と思うかもしれませんが、実際に気になるのは「養育費」の問題です。

養育費の支払い義務者である元夫が亡くなってしまったとき、後に支払ってもらう予定だったお金は誰かに引き継いでもらえるのでしょうか。

 

養育費の支払い義務は相続で引き継がれない

養育費の支払い義務は、「一身専属権」なので本人以外の誰かに引き継がれることはありません。つまり、誰にも相続されることが無いので、養育費の支払い義務者が亡くなった場合には、元夫の親族等に養育費を請求することはできません。

相続には、相続人に引き継げる権利と引き継げない一身専属権に分けられます。

一身専属権とは、個人に属する他人に譲れない性質を持つ権利や義務のことを指します。

少し難しいと思いますので、以下をご確認ください。

 

【相続で引き継がれる権利や義務】

 

①預貯金や不動産、株式等の有価証券などプラスの財産に関わる所有権

②借金や連帯保証人等のマイナスの財産を返済する等の義務

③お墓や神棚等祭祀しに関わる道具等を所有する権利や義務

 

【一身専属権】

 

①扶養に関わる義務

②結婚や離婚、養子縁組等を行う権利

③国家資格や検定等個人で取得した資格

 

養育費は、法律で定められている扶養義務によって非監護親が子どもに教育費や生活費等を支払う義務です。そのため、非監護親が死亡した時点で義務を負う者がいなくなるので、支払い義務が消滅します。

不謹慎にも思えてしまいますが、現実問題として養育費の支払いが止まってしまうと生活に支障が生じる可能性が高いです。

何も手立てがないのかといえばそういうわけでもありません。

どういうことなのか、詳しく解説していきたいと思います。

 

元妻に相続権はないが、子どもは相続人になる

元夫が亡くなった場合、相続人は誰になるのでしょう?元妻や、元夫との子どもに相続権は発生するのでしょうか。

結論からいうと、すでに離婚している場合、法律上すでに夫婦関係が解消されているので元妻には相続権はありません。

しかし、子どもの場合特別な事情を除き法律上の親子関係が継続しているので相続する権利があります。

そのため、元夫がプラスの財産を残してさえいれば、その財産を相続することができるのです。

 

再婚相手と普通養子縁組をした場合でも子どもの相続権は消えない

離婚後に再婚した場合、子どもが持つ元夫の相続権は消滅してしまうのではないかと考える方も少なくないかもしれません。

しかし実際のところ再婚して新しい父親と普通養子縁組を行ったとしても子どもが持つ前の父親の相続人になる権利は消えません。というのも普通養子縁組は元々あった親子関係を否定するものではないからです。

普通養子縁組をしたとしても、子どもと前の父親との法律上の親子関係は維持されます。そのため、子どもは前の父親と新しい父親、両方の相続人になることができます。

 

元夫が亡くなった場合、相続で争いになる可能性がある

離婚したとしても元夫と子どもの法律上の親子関係が切れるわけではありません。万が一元夫が亡くなったとしても相続財産がプラスであれば、養育費の代わりになると安心感を覚える方もいるかもしれません。

しかし、子どもが元夫の相続人になるということは、状況によってさまざまなトラブルが生じる可能性があります。

どういうことなのか具体的に確認していきましょう。

元夫の親族ともめる可能性がある

亡くなった元夫に配偶者がいない場合、相続権の優先順位は子ども、親、兄弟姉妹の順番に決まっています。

優先順位の高い子どもが相続放棄をしなければ、両親や兄弟姉妹に相続権が移ることはありません。

しっかり相続の優先順位が決まっているなら、一見すると争いが起きようも無く思えます。

しかし、相続発生が離婚からだいぶ時間が経っていたり、元夫の親族と仲が険悪だったりした場合、「相続放棄」を勧められる可能性があります。

相続放棄とは、文字通り相続人が相続権を放棄し、一切の財産や権利を引き継がせなくする法的手続きです。一度相続放棄を行うとよっぽどの理由が無い限り取り消しがききません。

相続放棄を行うには相続人本人、相続人が18歳未満である場合には親権を持つ法定代理人の意思が必要です。

「養育に必要な分のお金は相続が終わったらちゃんと渡すから」や「離婚してから大分たつのだから相続する資格が無い」、「葬儀は親族でやったんだから相続放棄してよ」等の言葉で説得されるかもしれませんが、相続したいと思っているのであれば、応じないようにしてください。

養育費が必要なら相続権を手放す必要はありませんし、時間の経過とともに相続権が自然に消滅することもありません。

葬儀等にかかった費用については正当性があるように思える理由ですが、相続財産のなかから負担分を支払えば良いわけで相手の要求を鵜呑みにして応じる必要はないです。

相続放棄を勧められた場合には、本当に相続放棄をした方がいいのかをよく考える必要があります。

 

元夫が再婚している場合

元夫が再婚後に亡くなった場合、再婚相手と遺産をめぐりトラブルになる可能性があります。というのも、相続では亡くなったひとの財産形成に貢献したとして配偶者は必ず相続人になるからです。

このようなケースですと、元夫の再婚した妻とご自身の子どもが相続人になります。

更にいえば、再婚した妻とのあいだに子どもがいたり、再婚した妻の連れ子と養子縁組をしていたりすると、その子も相続人になります。

子どもが18歳未満の場合、法律上親権を持つ親が相続の手続きを子どもの代わりに行わなければなりません。

子どもが幼いと元夫の再婚相手と直接話し合わなければなりません。

再婚相手の方とうまく話し合いを行えれば良いですが、元妻と再婚相手という立場上の問題もあるので、ついつい感情的になり冷静に取り決めを行うことができない可能性が高いです。

ましてや、元夫と再婚相手のあいだに子どもがいた場合には、相手も将来の子どものためにできるだけ多くの相続しようと行動する可能性もあります。

このような場合、時間が経つごとに争いが激化すると予想されます。

したがって、比較的冷静に話せているうちに弁護士に相談するなり、遺産分割調停を申し立てたりする等の手を打つべきでしょう。

 

まとめ

今回は元夫が亡くなってしまった場合の養育費と相続について解説していきました。

人の死は突然やってくるもので、誰にも予測がつきません。

そのため、実際に起こってしまった場合かなり困ったことになるわけですが、ご自身の力で進めようとすると、相手方と衝突が起こって争いが激化し長引くことになりかねません。

したがって、このような場合には争いが激しくなる前に弁護士に相談、依頼することをご検討ください。

 

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