【夫の悩み】7年間妻に拒否されてセックスレスに悩む夫は離婚できるのか

日本は世界に比べて年間性行為数が非常に低いといわれています。

実際に、アメリカの大手避妊具メーカーのdurex社が行っている調査によると、最多であるギリシャは年間平均が138回。一方で日本の平均数は45回程度です。

今回は、妻の妊娠をきっかけに、セックスレスになってしまった夫婦の体験談をもとにセックスレスが離婚事由になりえるのかを確認していきましょう。

 

 

7年間セックスレスに悩む夫、離婚を考える

 

主人公:亮(仮名)年齢:40歳

妻:小百合(仮名)年齢:38歳

娘:萌黄(仮名)7歳

 

妻は完ぺきな母親だと思う。家事や育児等、忙しくてなかなか平日家のことをできない僕に代わり、たくさんのことをしてくれるのでとても感謝している。

家族の仲は良好で、週末は一緒に買い物をしたり、近場の大きな公園でピクニックに出かけたりしている。

平日の家事や育児は妻がほとんどやってくれるので、休日の掃除や洗濯、料理等の家事は僕の仕事だ。

お互い「夫婦のコミュニケーションが大事」と思い、何か不満があれば話し合うことにしている。時にはケンカもするけれど、いたって良好な夫婦関係だと思う。

ある一点を除いては。

僕は今、妻とのセックスレスが原因で離婚を考えている。

今までは子どもが幼いこともあり何とか思いとどまっていた。

けれど、7年間のセックスレス状態はかなりきつい。

聖人じゃないんだから、僕だって人並みに性欲はある。

当初は休みの前の日とか記念日とかの夜に「今夜どうかな」と誘っていた。

すると妻は途端に不機嫌になり、「疲れているから」と断ってきた。

仕方なく自分で処理しているが、むなしくて仕方がない。

不満は何でも話し合う夫婦を目指してきているはずなのに、セックスレスに関してはまったく取り合ってくれない。

夫婦のコミュニケーションって、会話も大事だしスキンシップも大事だけど、セックスも大事なんじゃないのか…。

我慢の限界を迎えつつあるのだけれど、こんなことで離婚を考える僕は最低な男なのだろうか…。

 

セックスレスを理由に離婚ができるのか

セックスレス等の性の不一致を理由に離婚を考える夫婦は少なくありません。

法律上、夫婦双方の合意があれば離婚を成立させることが可能です。

現時点での亮さんのお話を聞く限り、妻である小百合さんとしっかり話し合いを行い、了承を得られれば、離婚することができると思います。

ただし、難しい点として、亮さんが「セックスレスに離婚するほど悩んでいる」ということが、小百合さんにきちんと伝わるのかという部分です。

セックスに関わらずあらゆるものに共通することですが、人それぞれ価値観は違います。

例えば、亮さんの場合、性行為も「夫婦のコミュニケーション」であると考えていらっしゃいますが、小百合さんが同様の考えでいるのかどうかはわかりません。

価値観の違いを相手にわかるように説明して理解を得るのは非常に大変で、場合によってはかなり時間がかかることが予想されます。

また、自分自身の価値観を共有し、相手に知ってもらうことで、離婚以外の解決方法が見つかるかもしれません。

 

妻の行動は法律上の離婚原因になりえるのか

離婚を意識したときに娘のことや離婚後の生活のことを色々考えた。

妻のことは変わらず愛しているし、娘のことも愛している。

今の生活もセックスレスの件を除けば満足している。

できることなら、この問題をしっかり解決して3人で暮らしていきたいと改めて思った。

妻がセックスを拒むには何か理由があるのかもしれない。

話をすれば妻が解ってくれると思い、娘が眠ったタイミングを見計らい、セックスレスについて不満を伝えた。

すると、妻はうんざりしたような顔をして怒り出した。

「あのさー。家事に育児に疲れてるのに夫の下の世話までするなんて最悪!」

「平日の家事分担がきついなら、僕も負担するよ。今まで7年間我慢してきた。もう少し、そういう時間が欲しい。嫌なら嫌でちゃんと理由を教えてほしい。理由を知れば、納得できるかもしれないし、このままじゃ僕も辛いんだ」

「我慢って…。高校生じゃあるまいし。今だって自己処理してるんでしょ?それで発散できてるなら何が問題なの?」

「僕が求めていることは夫婦としておかしなことじゃないし、人間として当然の欲求だと思ってる。でも、イヤイヤ応じられてもそれもやっぱりむなしい。せめて拒否するなら理由が知りたい」

「理由なんてないよ。私にとっては時間の無駄なの。あなたとするなんてめんどくさい。あ、でもそれで外で浮気するっていうなら話は別だよ。お店でもだめよ。そっちがそういう気なら慰謝料とって離婚してやるから」

セックスレスを解消するための話し合いをしたかったはずなのに、どうしてこうなった。

浮気も夜の店に行くなんて考えてもなかった。

価値観を全否定されたこと、何より「時間の無駄」と言われたことがきつい。

離婚したくなくて話をしてみたけど、無駄だった。

理由もなくめんどくさいだけで7年も我慢していたなんてあほらしい。

 

理由のないセックスレスは有責行為になりえる

セックスレス自体が直接夫婦関係の破綻を招くわけではありません。

病気や加齢、夫婦の双方が納得して性行為をしないのであれば何ら問題ないのです。

では、夫婦の一方が性行為を求めているのにも関わらず拒否する行為は、法律上の離婚事由になりえるのでしょうか。

 

法律に明記されてはいませんが、婚姻関係にある夫婦には当然に「性生活がある」ということが前提となっています。実際に、「夫婦の性生活は婚姻の基本となるべき重要事項である」という判例もあります。

それを踏まえ今回の亮さんのケースを考えてみましょう。

 

セックスレスは夫婦双方の合意のうえで起きているのか

まず、セックスレスである状態が夫婦双方の合意のもと起きているのかを考える必要があります。

亮さんは7年間のセックスレス期間に小百合さんへ「性行為をしたい」という意思表示をしています。また、今回もセックスレスを解消すべく夫婦で話し合いを行おうとし、小百合さんが性行為に応じてくれるよう、平日の家事負担を引き受けようとする言動がみえます。

対して小百合さんは、7年間セックスレスである理由を明確にせず拒否し続けました。

加えて亮さんがセックスレスの解消のための話し合いを行った際、「めんどうくさい」という理由で話し合いを終わらせています。

このことから、セックスレスの状態は夫婦双方の合意のもと行われていないと思われます。

 

セックスレスになった理由に正当性があるのか

次に亮さんと小百合さんのセックスレスになった理由が正当なものなのかを考えていきましょう。

セックスレスの原因は小百合さんが亮さんの誘いを7年間にわたって拒否し続けたことに起因します。

お話を聞く限り、小百合さんが性行為を拒否した理由は「めんどうである」ことのみです。

セックスレスの理由に正当性があるとは、病気を理由に性行為を行うことが難しいことや、出産の傷が癒えていない状態等が考えられます。

現状の小百合さんの言い分では、性行為を行えない客観的な事由が無く、正当性があるとはいえません。

 

セックスレスが夫婦の合意のうえではないこと、小百合さんの性行為を拒否する理由に正当性がないことを鑑みると、今回のセックスレスは、法律上の離婚事由にある「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当する可能性が高いと思われます。

 

離婚後の子どもの生活を考えて悩む夫

セックスレスを解消するための話し合いで、一気に離婚に傾いてしまった。

ただ、今離婚したら妻や子どもの生活はどうなるんだろうか。

このまま夫婦関係を続けていけないとは決意したが、子どもに関しては別だ。

できるなら僕が親権をとって育てられたらと思うけど、親は遠方に住んでいるし稼ぎは年収700万円程度あるが比例して残業も多い。

とてもじゃないが現状は小学生1年生の萌黄を育てられる環境じゃない。

そうなると、妻が親権を取ることになる。

養育費はもちろん支払うつもりだけど、妻は専業主婦だ。

現実的に養育費だけで親子2人で暮らせるわけが無い。

色々考えた末、まずは別居することにした。とはいえ事前に妻に伝えたらとてもじゃないが許可してくれるとは思えない。妻には別居することを黙って、友人が経営しているアパートに引っ越した。

引っ越しが終わった後、妻にSNSで離婚を前提の別居を敢行したと伝えた。

毎月15万円の婚姻費用を送金すること、セックスレスについて本気で話し合いに応じてくれるなら離婚については考え直すことも視野に入れていること、萌黄が「パパに会いたい」というなら、会う段取りを取るなり、電話するなり尊重してほしいことを伝えた。

かなり長文になったと思うけど、これで妻が僕の悩みが深いことを理解してくれるかもしれないと希望を持ったし、離婚するにしても準備が必要だ。パートでも何でも仕事を見つけるまでの期間として考えていた。

引っ越しの荷物を片付けていると、電話が何度も鳴っていた。手が空いたタイミングでスマホを確認すると、着信が20件。メールが3件ほど来ていた。

メールを確認してみると…1通目は怒りのメール、2通目は離婚してやるという主旨のメール…。ここまでは予想の範囲内だった。

でも3通目の内容は予想外にひどかった。

「ごめん。さっきのは感情任せで送っちゃった…。亮くんがそんなに悩んでいるとは思わなかったの。離婚するなんて困る。離婚したって養育費だけじゃ今までの生活はできない。セックスレスが嫌なら、ヤらせてあげるから帰ってきて」

 

正直、ショックだった。7年間、僕がどんなに誘ってみてもセックスレス状態だったのに、金に困ったらヤるのかと思うと、愛情なんてふっとんだ。

 

とはいえ離婚にするにしても、子どもにはなるべく負担をかけたくない。

自分ではどうしようもないので弁護士に相談することにした。

幸い、アパートを安く貸してくれた友人に弁護士の知り合いがいるとのことで、すぐに相談することができた。

相談してみて真摯に僕の希望を聞いてくれたので信頼し依頼することにした。

妻は僕との離婚を断固拒否していて、なかなか難しい状態ではあるけど自分の未来のためにも頑張ろうと思う。

 

夫婦の一方が拒否している場合離婚成立まで時間がかかる可能性がある

離婚というと相手方に有責行為があればすぐに離婚が成立すると考える方もいるかもしれません。しかし、実際は有責行為があったとしても、相手方と話し合いで離婚が成立するケースの方が多いです。

一方的に離婚するということは、離婚裁判で離婚を認めてもらう必要があります。

離婚裁判となると勝訴を得るための事前準備が必要です。また、1回の口頭弁論で裁判が終決することはレアケースで、通常は原告と被告の主張を繰り返し審理が進んでいきます。

そのため複雑な事情がある場合には、その分だけ判決の言い渡しまでの期間が長くなると予想されます。

更にいえば日本の法制度は、夫婦間の話し合いで折り合いがつかなかったらすぐに離婚裁判を起こせるわけではありません。調停前置主義といって離婚のような家族に関わる法律トラブルは原則として離婚裁判をする前に調停を行う必要があります。

つまり、離婚裁判を起こすまで相当数の時間がかかると予想されます。

 

今回の亮さんの場合、小百合さんが離婚を拒否しているので弁護士を交えた離婚協議で折り合いがつかない場合には、離婚調停に進むことになるでしょう。

離婚調停に関しても話し合いで解決する場なので、小百合さんが離婚を拒否し続けた場合には、不調に終わり、裁判に進んでしまう可能性もあります。

とはいえ、協議における交渉や、調停での主張は弁護士の腕の見せ所でもあります。

弁護士は依頼者の代理人として最大限の利益を追求してくれます。そのため亮さんは、依頼した弁護士を信頼し、自分の希望やこれまでの経緯を包み隠さず話すことが大切です。

 

まとめ

今回は、男性側のセックスレスの体験談を通し、離婚の難しさについて解説していきました。

離婚を決断した場合、「できるだけ早く離婚したい」という方がほとんどだと思います。

しかしながら、相手方が離婚を拒否していた場合、相手の同意を得ないとなかなか難しく、裁判となった場合離婚協議や調停よりも時間がかかる可能性が高いです。

そのため、「離婚したいけどどうしようもない」と思ったときには、今回の亮さんのように弁護士に相談し、依頼を検討してください。

 

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