【何もしない夫にはもう限界】金ナシ・家事する気ナシの甲斐性ナシ夫と離婚したい

夫婦は、単身赴任等の事情がない限り、一緒に暮らして、協力し合いながら生活をしていくことが基本です。

世の中の多くの夫婦はそれぞれ役割を決めながら、不満があっても折り合いをつけて生活をしています。

しかし、夫婦の中には役割分担の意味を取り違えて、その結果離婚してしまうケースもあります。

今回は、一組の夫婦の体験談をもとに離婚について考えていきたいと思います。

 

 

結婚後の夫の理不尽な態度は離婚原因になるのか

 

主人公:那由(なゆ)32歳

夫:宙(そら)29歳

 

結婚のときの誓いの言葉ってあてにならない。

健やかなるときも病めるときも、喜びのときも悲しみのときも、富めるときも貧しいときも、いついかなるときも敬い、慰め合い、助け合い、人生の伴侶として愛し合うことを誓ったはずなのに、夫は結婚後3か月で仕事を辞めた。

まあ、結婚前も「今の職場は合わない。お客さんとコミュニケーションが取れる仕事がしたい」といってたから、「見通し甘すぎるけど、仕方ないか」と思っていた。

接客業したいっていうから、すぐにアルバイトでもなんでも仕事を見つけてくるだろうと思い早2年。

夫はいまだアルバイトをしておらず、やることといえば自分の飲み代を稼ぐための単発日払いバイトだけ。

夫の目標、「接客業したい」はどこ行った??

てか、家賃も光熱費もスマホ代も私の給料から差し引かれてるんですけど?

パチンコ行きたいからって小遣いねだられるのもイラっとする。

いや、いいんだよ。仕事したくないなら専業主夫という道だってある。

でもさ、掃除も洗濯も食事の用意もしてくれない。

買い物を頼んだら、頼んだものを買ってこないで缶チューハイ買いやがって。

おつりで好きなものを買うのであればいいけれど、そもそも自分の買いたいものしか買わないから、お金を渡したくもない。

そのくせ、「早く子ども欲しいな」といってくる。

え?こいつ何いってんの?子ども育てるのって無料じゃないんだよ。

結婚すれば、喧嘩とかしつつも、なんだかんだで幸せな毎日を送れるのだと思っていた。

だけど、結果はこれ。

てか自分で飲んだビールの缶くらい片付けろ。

ピスタチオの皮を床にばらまいて、ソファで寝るな。

仕事から帰ってきたら、リビングがあれている。

いや、もう疲れた。離婚したいけどこんな理由で離婚できるのだろうか…。

 

弁護士の見解

夫婦には、同居・協力・扶助の義務があります。

簡単にいうと、できる限り一緒に住んで、協力し合って生活していきましょうねということです。

このことは、民法の第752条にも定められています。

つまり夫(妻)が同居・協力・扶助の義務を果たさなかった場合、その妻(夫)は最終的に裁判で離婚請求をできる権利を持つのです。

とはいえ、夫婦が100組あれば100通りの役割分担があります。

例えば、夫が主体となってお金を稼ぎ、妻は働かない代わりに、夫が仕事に精を出せる環境を整えるといった役割分担をしている夫婦もいれば、夫婦が両方とも働き、家事の分担は半分ずつで生活している夫婦もあります。

夫婦が協力しあって生活をすることというのは、スタイルが多岐にわたるので、夫婦が納得していれば、役割分担が多少偏っていたとしても問題はないのです。

では、今回の那由さんと宙さんの場合はどうでしょうか。

那由さんは、家計を支えるため仕事をしており、実際に生活費のほとんどをご自身の給料から捻出しているように見受けられます。

対して、宙さんは単発のアルバイトを自分の支出に応じて行っていますが、その給料は宙さん自身のために使っているので、家計を支えるという点では協力していないとみなされる可能性が高いです。

では、家事についてはどうでしょう。

那由さんのお話を聞く限りでは、家事についてもほとんど協力する姿勢を見せていないということがうかがえます。

宙さんが健康上の問題を抱えておらず、「働かない」「家事をしない」という姿勢をとっていた場合、夫婦の同居・協力・扶助の義務を果たしていないとみなされるでしょう。

そのため、那由さんは宙さんが、「健康上の問題等特別な事情がないにも関わらず、仕事をしない、家事にまったく協力しない」ということを客観的な証拠をもって立証することができれば、裁判で離婚できるでしょう。

ただし、夫婦の同居・協力・扶助の義務違反を立証することは非常に難しいです。

また立証できたとして、裁判で離婚の可否を問うには、その前段階で離婚調停をする必要もあり、実際に離婚が成立するまでに相当数の期間がかかると予想されます。

したがって、裁判で離婚を成立させるというのは最終手段であるということを念頭に、夫婦間の話し合いで宙さんを説得し、双方が合意のうえ離婚することを目指した方が良いかもしれません。

 

夫の行動は慰謝料をもらえる?

いつも飲んだくれて、自分のやりたいことしかやらない夫に対して完全に嫌気がさした私は離婚するために、ネットで情報収集してみた。

すると、夫婦の一方に離婚原因がある場合には、慰謝料が請求できるという記事を発見。

あれ、もしかして夫が健康なのに「仕事しない」「家事をしない」をちゃんと証明できれば、慰謝料を請求できるんじゃない?と思い始めた。

あの人だって、結婚する前は貯金してくれてたんだし、将来のためにと結婚式はスマ婚にして、かなり支出を抑えてた。

以前通帳をみせてくれてた時には200万円ほどの貯金があったことも知っている。

これがあれば、慰謝料請求できるんじゃないだろうかと思った私は、夫がふらふらと家を出ていったタイミングを見計らって、通帳を探してみた。

通帳は、クローゼットに備え付けられている引き出しの中にあり、すんなり見つかった。

だけど長らく記帳がされていなかったので、銀行のATMで記帳をしてみた。

すると…。なんと結婚2年半のあいだにほぼ使い果たされていた…。

残高はわずか632円。

支払えるお金がないんじゃ慰謝料もくそもない。

てか、ほぼ2年のあいだ家計に一銭もいれないで、夫が結婚前に稼いだお金といえど、勝手に200万円を消費して、こいつなんなの?

金はないわ、働かないわ、おまけに買い物すら満足にできない家事能力だわ、夫が私の人生にいる意味ある?

パラサイトされてるだけじゃん!!!

あーどうにか慰謝料とって離婚したい!!

 

弁護士の見解

離婚における慰謝料は、夫婦の一方が離婚原因となる行動をしたことによって、精神的苦痛を受けた場合の損害賠償金のことをいいます。

今回の場合、宙さんが健康上の問題等特別な事情を持たずに、「働かなかった」、「家事をしなかった」ことで、那由さんが精神的苦痛を受けているということを証明する必要があります。

 

慰謝料は、一般的に悪質性が高かったり、離婚原因となる行動を長期間にわたって行ったこと等によって慰謝料の金額が設定されます。

しかし、いくら悪質性が高くとも、相手方が全く財産を持っていない場合には、取り立てようにも取り立てるお金がありません。

そんなときには、那由さん自身の中の優先順位をはっきりさせると良いでしょう。

離婚を夫婦の話し合いで成立しようと思う場合、慰謝料の請求を行ったとしても相手方がその請求に応じない場合には話がこじれ、離婚が成立するまでの時間が長くなる可能性が高いです。

そのため、慰謝料よりも離婚の成立を考えるのであれば、慰謝料をあえて請求しないことで、離婚条件がまとまりやすくなり、早期に離婚が成立する可能性が高くなります。

また、あくまで慰謝料を請求したいというのであれば、慰謝料を請求できる証拠をそろえて、支払い請求に応じるよう交渉する必要があります。

なお宙さんの現在の経済状況では、慰謝料に応じられるだけの余力がないと予想されます。

このような場合には、慰謝料を分割で支払うよう取り決めを行うことも検討してみてください。

また、分割払いの場合離婚後支払いが滞納する可能性もあります。

そのため、離婚協議書を強制執行のできる公正証書にしておくことをおすすめします。

 

夫と離婚が成立!最終的に取り決めた離婚条件とは?

「働かない」「家事をしない」、甲斐性もない。

ないない尽くしの夫との未来はもうないと思い、たとえ慰謝料が請求できなくても離婚しようと意思を固めた。

何かの証拠になるかもしれないと思い、スマホで会話を録音ができるように準備を整えて離婚を切り出した。

夫は寝耳に水だったようで、「離婚なんて絶対に応じない」と断固拒否の姿勢をとった。

そりゃ私と離婚したら、働かなくちゃいけないし、ヒモみたいな生活もできなくなるから拒否するよなあ。

イライラしつつも、私の離婚の意思は変わらないし、夫婦の話し合いで難しい場合には離婚調停も検討していることを告げた。

すると夫は、私の離婚の意思が揺るがないと焦ったのだろう、クソ発言をしてくれた。

「子どもはどうするんだよ!結婚したとき子どもは欲しいっていっただろ。俺と離婚したら相手から探さないといけないんだぞ!いいのかよ。那由の良さがわかるのは俺だけだろ!」

その根拠のない自己肯定力、感服ですわ。

「離婚後の私の人生は私が決めるのであなたにどうこう言われる筋合いはない。大体、ろくに働きもしないし、家事もしないあなたと子どもを育ててくって想像できない。自分が楽したいからといって何にもしないひとのこと信用できると思う?寝言は寝てからいいなよ」

「おまえ、そういう女だったんだな。ちょっと金が無くて働かなかったからといって

俺を見捨てるんだな。いいよ。離婚してやる。俺だってお前にみたいな冷たい女と一生をともにできない。荷物まとめて出てけよ!」

捨てセリフを吐いた夫だけど、案外素直に離婚届に署名をしてくれた。

ただ解せない点がひとつある。

「息巻いてるところ悪いんだけど、この家借りてるの私なんだよね。出て行ってもいいけど、解約手続きするので、住めなくなるよ。名義変えるにも審査もあるし、大丈夫?」

根本的なことを失念していないか聞いてみると、顔真っ赤にして反論してきた。

「お前の血は青いのか!!この鬼!!!バカ!責任もって養え!」

お、おう…。もはや話が通じなさそうなので、義両親に電話をした。

取り込み中であったようだったけど、電話越しに夫のあらぶっている声が聞こえたのか、「すぐ行きます」といってくれた。

 

他の予定をリスケして飛んできてくれた義両親に、今までの経緯を簡単に説明した。

とにかく夫が冷静じゃないので引き取ってほしいと希望を伝えると二つ返事で応じてくれた。

その後、自分の親にも事の経緯を伝え、電話で離婚することを報告した。

署名はもらっているし離婚届を出してもいいと思うんだけど、何となく禍根が残りそうなので、義両親との話し合いが終わった段階で提出することに決めた。

離婚を切り出してから2週間後、義両親と私の両親、夫と私で話し合いの場を持った。

離婚届にはすでに夫の署名も入っているので、説明が終わってから離婚届を出したいことを伝えた。

夫はこの2週間、義両親に相当きつくいわれたのか、改めて離婚することへの同意と、ごめんなさいと謝ってきた。

すべてすっきりするわけじゃないし、慰謝料はもらえなかったけど、切り出してすぐに離婚が成立したので良しとしようと思う。

 

まとめ

今回は1人の女性の体験談から、夫婦の同居・協力・扶助の義務や慰謝料等について確認していきました。

夫婦のかたちは夫婦の数だけあります。

また離婚を検討するにおいても優先事項についてはそれぞれ考え方があります。

今回の主人公である那由さんは、慰謝料の請求をするよりも、早く離婚したいと考え、実際に実現させました。

しかし、夫婦のあいだに子どもがいる場合には、早く離婚を成立させたいという自分自身の考えよりも、子どもの未来に関わる養育費等の取り決めを優先しなければならないケースもあります。

離婚した場合には、自分が一番に望む結果はなんなのか、譲れない条件はなんなのかをしっかり考えたうえ、自力で解決が難しい場合には弁護士への相談を検討しましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。