【離婚の法律用語】離婚に関するモラハラ知識について知ろう

離婚を考えていた場合、多くの方は、まずインターネットを使って情報収集を行うかと思います。

その中で難しいのは「モラハラ」の問題です。

今回はモラハラとはなんなのか、また慰謝料が発生するか等をわかりやすく解説していきたいと思います。

 

 

【モラハラは線引きが異なる?】いやだと感じたらモラハラっていうのは本当?

モラハラとはモラルハラスメントの略で、モラル、つまり倫理や人道に反した行いをし、相手に精神的苦痛を与える行為のことを指します。

モラハラ行為は、セクハラやパワハラといったハラスメント行為同様、精神的苦痛を感じれば、それはモラハラなのです。

例えば、「お前が全然家事をできないから、あえて厳しく言っているんだ。すべてお前のためを思っているんだよ」という言葉を言われたとします。

この言葉を受け、「自分のことを思ってあえて厳しくしてくれているんだ」とポジティブに解釈する方と、「お前のため、じゃなくて結局自分の思い通りにならないからイラついてるだけでしょ」と不快に思う方等、とらえ方は関係性等によって、さまざまです。

不快と思った場合、また精神的な負担を感じた場合には、言った方の善意・悪意関係なくモラハラです。

 

モラハラの問題は、会社等で起こる労働問題だけではなく、家庭内でも起こりえるトラブルのひとつです。

実際に配偶者のモラハラ行為を原因として、離婚を意識する方は少なくありません。

相手を支配しようとしたり、相手の心を傷つけることを目的に行う言動は、他人の尊厳を傷つけることなので、本来その言動すべてがモラハラ行為に該当するといえます。

しかし、夫婦間のモラハラの難しさは、配偶者の言動が夫婦喧嘩の延長線上にあるものなのか、心の傷は本当に配偶者のモラハラによってついたものなのか等、家庭内のモラハラは、他人の目に触れられる機会が少ないので、線引きが非常に難しい問題があります。

 

モラハラは離婚の原因になるのか?

配偶者のモラハラが原因で離婚を意識した場合、最終的な手段として裁判で離婚の可否を問えるのかどうかの違いは非常に大きいです。

裁判上の離婚は、民法770条で定められている離婚事由にあてはまる必要があります。

モラハラの場合、「その他婚姻に継続し難い事由」にあたるかどうかが焦点となります。

結論からいえば、モラハラ行為によって精神的苦痛を受けたことを立証できれば、最終的に裁判で離婚が認められる可能性は十分にあり得ます。

というのも、モラハラは厳密にいうと精神的DVに位置づけられる行為だからです。

配偶者のモラハラ行為によって、夫婦の信頼関係が失われ、その信頼関係が最早修復できない状態であるとみなされた場合には、離婚することも可能です。

ただし、裁判離婚の前には、前提として家庭裁判所で男女2人の調停委員を交えて、離婚調停を行い、不成立になる必要があります。

 

離婚調停では、調停委員が夫婦双方の事情を聞き、モラハラによって夫婦関係が破綻状態にあるのかを判断し、円満に離婚できる妥協案を提示します。

つまり、調停委員に「配偶者はモラハラを行っているだろう」と推認してもらえるように、調停を進めることができれば、裁判に進まなくても調停で離婚が成立する可能性があるということです。

とはいえ、モラハラの難しさは、調停委員や裁判官等に対し、「配偶者が行った言動は、客観的にみてもモラハラである」ということを認めてもらう点です。

そもそもモラハラは、当事者が「モラハラだ」と感じれば、モラハラであるという、人それぞれの主観によって大きく左右される問題です。

そのため、自分が感じたモラハラという行為を調停委員や裁判官等の第三者が、「彼女(彼)が受けていた行為はモラハラだ」と推認してもらえるような主張をするのは大変難しいことです。

更にいえば、ひとの価値観はそれぞれなので、モラハラ加害者側は、モラハラ行為を自覚しておらず、単なる夫婦喧嘩であると認識していたり、注意を促すための言動だと主張が食い違うケースも少なくありません。

配偶者の言動がモラハラかどうかを決めるのは、ご自身の感じたままに判断すればよいのですが、実際に婚姻関係の破綻になりえるモラハラ行為だったのか、ということを主張するためには、客観的にもモラハラ行為であることが分かる証拠が必要となるのです。

 

モラハラを立証する証拠として、モラハラ行為を書いた日付入りの日記やメモ、LINE等のSNS上でのやり取り、会話を切り取っていない録音データや動画、モラハラによって精神疾患になったという診断書等が考えられます。

どれかひとつの証拠があれば、必ずモラハラが認められるわけではありません。

例えば、精神疾患になった診断書があったとしても、それだけでは精神疾患になったのは配偶者のモラハラが原因であると推認することはできません。

日記やSNS上のやり取り、録音データ等でモラハラ行為を受けたことで精神疾患になったであろうと因果性を証明する必要があるのです。

そのため、モラハラで離婚を意識した場合、当事者同士での話し合いで離婚できるのであれば、それが離婚の早期成立を目指せる有力な方法です。

 

モラハラを理由に離婚を考える方は決して少なくありません。

しかしながら、DV相談等を行っても、身体的DVに比べシェルター等の策を講じることがなかなかできない問題でもあります。

モラハラ加害者である配偶者と生活を続けた場合、心のストレスの許容量を超えてしまい、自殺を意識してしまったり、自己肯定力が低くなり共依存関係に陥ってしまうケースも考えられます。

そのため、金銭的な問題等、夫婦によって事情があるとは思いますが、できるだけ早く別居するといった、物理的に相手と距離をとれる手段を考えることが大切です。

 

 

モラハラで慰謝料をもらうことはできる?

配偶者からモラハラ行為を受けた場合、精神的苦痛の対価として、慰謝料を請求することができます。

というのもモラハラ行為は、他人の身体的、精神的な権利を侵害する不法行為だからです。

しかしながら、慰謝料を請求するためには、モラハラ行為によって精神的苦痛を受けたということを立証する必要があります。

また、立証できたとしても不貞行為等の慰謝料に比べ、モラハラの慰謝料の相場は低いとされています。

婚姻期間やモラハラを受けていた期間、精神疾患にかかってしまった等、状況によって異なりますが、大体10万円~50万円程度と考えられています。

精神的な傷というのは、当事者でないとなかなか図りにくいものです。

ましてや、モラハラによる精神的な傷は、実際の傷の度合いは、当事者の心の中でしかわかりません。

そのため立証することの難しさも相まって、慰謝料の相場が低いのです。

 

自身の心の権利を侵害されたのだから、慰謝料請求したいと思うことは当然ですし、慰謝料請求はモラハラ被害者の正当な権利です。

とはいえ、慰謝料の問題で配偶者ともめてしまった場合、離婚成立までの期間が長引く可能性があります。

そのため、モラハラで離婚を考えた場合には、早期の離婚を目指すのか、ご自身の望み通りの慰謝料を支払ってもらい離婚するのか、自分が本当に優先したい結果は何なのかを考えて行動する必要があります。

どの選択をしても間違いはないので、自分がどのような結果を目指せば後悔を最小限にとどめられるのか、軸になる考えをまとめた方が良いでしょう。

 

まとめ

今回はモラハラによる離婚について解説していきました。

モラハラは心に傷をつけ、状況によってはPTSD等を引き起こす可能性のある許されない行為です。

しかし一方で、心の傷は目で見えるものではないので、本当の苦しみや痛みはご自身にしかわかりません。

また、モラハラで離婚する場合には、苦しみや痛みを感情に訴えるのではなく、論理的に証拠をもって主張しなければならないケースもあります。

このような主張を組み立てるには、法的な専門知識が必要です。

そのため、自力ではどうしようもないと感じたときには弁護士への相談も視野に入れてみてください。

 

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