【離婚の知識】離婚を意識したときに知っておくべき法律用語を解説

離婚を意識して、色々調べてみるとさまざまな法律用語が出てくると思います。

まったく聞き覚えのない言葉や聞いたことはあるけど意味が分からない言葉等があると思います。

今回は離婚を意識したときに知っておくべき法律用語を解説していきたいと思います。

 

目次

【いきなり裁判はできない】離婚の種類を知ろう

離婚を意識した場合、「早く離婚したい!」、「相手が悪いんだから、裁判で決着をつけたい」と考える方もいるでしょう。

しかし、日本の離婚制度では離婚するかどうかをいきなり裁判で決めることはできません。

というのも、離婚のような家庭内の問題については、なるべく話し合いで解決するべきという考えがあるからです。

 

離婚の種類は大きく次の3つにわけることができます。

 

  • 協議離婚
  • 調停離婚
  • 裁判離婚

 

それぞれ詳しく解説していきましょう。

 

協議離婚

協議離婚とは当事者である夫婦間の話し合いで離婚が成立することをいいます。

夫婦双方が離婚に同意すれば、離婚届を役所に提出して成立します。

実際に2020年のデータによると、協議で離婚を成立させた夫婦は全体の88.3パーセントでした。

協議離婚は夫婦がきちんと話し合いができる状態であれば、早期の離婚成立が期待できる方法です。

一方で、お互い主張を譲れない場合には、かえって長引くこともあります。

離婚協議は、「離婚するかどうか」だけでなく、具体的な離婚条件を決める話し合いです。

双方が離婚に同意したからといって、すぐに離婚届を提出してしまうと、後になってトラブルになるリスクがあるのでご注意ください。

 

調停離婚

調停離婚とは、夫婦間の話し合いで折り合いがつかなかったときに利用する方法です。

離婚協議では、夫婦の当事者だけで話し合いが行われますが、調停離婚では、相手の配偶者住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てをして調停委員という仲裁役がおかれます。

調停委員は、男女2人で構成されており、調停でかなり重要な役目を負います。

裁判所というと「法廷で争う」というイメージが強いかもしれませんが、離婚調停は法廷ではなく、会議室のような場所で行います。

また、調停委員は基本的に、夫婦のそれぞれの主張を1人ずつ聞くので、調停の場で感情的になり、けんかに発展するといったリスクを避けられます。

また、DV等が原因で離婚したい場合、事前に家庭裁判所へ知らせておくことによって、顔を合わせないよう配慮してくれることもあります。

当事者同士で折り合いがつかない場合、離婚調停は非常に有用な手段ですが、一方で1度の調停で離婚が成立するケースは少ないです。

離婚成立までには、半年から1年程度かかると考えておいた方が良いでしょう。

さらに言えば、調停日は裁判所が開かれている平日に限ります。

したがって、自分のペースで話し合いができないというデメリットがあります。

 

裁判離婚

裁判離婚は、調停してもお互いの意見に折り合いがつかない場合に利用する方法です。

まず、離婚裁判を起こすには、次の2つの条件を満たす必要があります。

 

  • 離婚調停が不成立で終わっていること
  • 法律上定められている離婚事由であること

 

離婚裁判ができる条件として、離婚調停が不成立であることが挙げられます。

つまり、離婚協議や離婚調停を経ても、互いの主張に折り合いがつかなかったときに行うことができます。

もう1つの条件として、民法770条で定められている法律上の離婚事由に当てはまるかどうかが挙げられます。

法律上で定められている離婚事由はさまざまありますが、重要なポイントとしては、「夫婦関係が破綻している」状態であることです。

夫婦関係が破綻している状態とは、修復ができないほど夫婦関係が壊れている状態を指します。

裁判離婚では離婚するかどうかだけではなく、慰謝料や養育費、親権等、離婚に関するさまざまなことについて可否を問うことができます。

離婚するための最終手段として用いられますが、離婚裁判にもつれこむ夫婦はそれほど多くなく、2020年のデータでは、和解を含め全体の2.2パーセントです。

 

【慰謝料の請求には条件がある】離婚の慰謝料を請求できるケースを知ろう

離婚したいと思ったきっかけが、相手の配偶者にある場合、離婚の慰謝料請求を考える方も少なくないでしょう。

しかし、離婚の慰謝料を相手に請求するには、条件があります。

慰謝料を請求する条件とは、相手方に有責行為があったかどうかです。

有責行為とは、夫婦関係が破綻した理由のことで、有責行為をしたひとのことを有責配偶者と呼びます。

相手の有責行為を理由として慰謝料を請求できるようなケースとは具体的にどのようなものがあるのでしょうか。

 

  • 性行為を伴う不倫
  • DVや虐待
  • モラルハラスメント

 

有責行為といえる主な行為は上記のようなものを指します。

 

性行為を伴う不倫

性行為を伴う不倫は有責行為とみなされ、慰謝料を請求することができます。

意外に思われるかもしれませんが、特別な事情を除き、「性行為」がなければ、法律上の不倫行為とは認められません。

なお、性行為を伴う不倫の場合、ご自身の配偶者だけでなく不倫相手に対しても慰謝料を請求することが可能です。

 

DVや虐待

配偶者がDVをしていたり、子どもに対して虐待を行っていた場合には慰謝料請求することができます。

ただし、DVや虐待は状況によってご自身やお子さんの生命に危険が及ぶケースがありますので、暴力行為を受けている場合には、DV相談センター等に連絡して、一刻も早くご自身の安全を確保することが先決です。

慰謝料も重要ですが、慰謝料を取りたいがため、DV行為を動画で撮ろうとして見つかってしまうと、相手が逆上して、激しい暴力を受けることになりかねません。

したがって、ご自身やお子さんの安全を第一に考えてください。

 

モラルハラスメント

モラルハラスメントとは、配偶者から言葉の暴力を受けていたり、直接的な暴力でなくても壁を殴ったり、物を壊したりして畏怖させるような行為、また過度に行動を制限して監視したりするような行為をいいます。

モラルハラスメントは、精神的な暴力として慰謝料を請求することが可能です。

ただし、精神的な暴力行為は証明が困難なケースが少なくありません。

夫婦の会話を切り取ったものだけでは、「夫婦げんか」の延長としてみなされ、有責行為としてみなされないこともあります。

そのため、日常的にモラルハラスメントをされているのか、客観的にみて耐え難い程度なのか等推認できるような証拠が重要となります。

 

【財産分与って何?】離婚するときにすべき財産分与の意味を知ろう

離婚した場合、押さえておくべきこととして、財産分与が挙げられます。

財産分与とは、婚姻期間中に夫婦が協力して築き上げた財産を、貢献度に応じて分け合うことをいいます。

財産分与の対象となる「夫婦が協力して形成した財産」のことを夫婦の共有財産といいます。

夫婦の共有財産は、名義関係なく預貯金・有価証券・不動産・生命保険金・年金・退職金・住宅ローン等さまざまなものが考えられます。

貢献度に応じて分け合うといいますが、財産分与の貢献度は収入面だけでなく家事や育児への貢献度も含まれるので、夫婦が半分ずつ分け合うのが基本です。

なお、共有財産が明らかにマイナスの場合には、あえて財産分与をしないときがあります。

財産分与をしないときには、それぞれの名義に応じてプラスの財産を取得します。また借金等の債務についても名義人が今後の返済義務を負います。

 

基本的に婚姻期間中に取得した財産は、夫婦の共有財産としてみなされます。

ただし、以下のような理由で取得した財産は、夫婦の共有財産ではなく、個人の財産である、特有財産になるので、財産分与の対象になりません。

 

  • 相続により取得した財産
  • 個人的に贈与してもらった財産

 

相続や贈与で得た財産は夫婦として取得した財産ではないので、そのひと個人のものになります。

この他にも、結婚前の預貯金についても夫婦の協力によって築かれた財産ではないので、財産分与の対象外です。

とはいえ、相続した財産や贈与してもらった財産等を夫婦生活で利用する口座で一緒に管理している場合もあるかと思います。

このようなケースではどのように判断するべきなのでしょうか。

特有財産なのか共有財産なのか明確に判断がつきかねる財産については、共有財産としてカウントされます。

はじめから離婚を前提に考える必要はありませんが、万が一のときのため、ご自身の特有財産と共有財産はしっかりわかるようなかたちで管理しておくことをおすすめします。

 

【養育費とは?】離婚後元配偶者に請求できる養育費について確認しよう

養育費とは、離婚後子どもと離れて暮らす非親権者(非監護親)が子どもに対して支払うお金のことをいいます。

離婚後、子どもと離れて暮らすことになったとしても、法律上の親としての立場は変わりません。

したがって親として養育費を支払う扶養義務があるのです。

養育費は、経済的に自立していない子どもに対して支払われます。

そのため、離婚時の子供の年齢や、子どもの進路、障害の有無等によって支払いが必要な期間は異なります。

例えば成人年齢である18歳の時点で、子どもが経済的に自立していれば養育費の支払いが終わる場合もありますし、子どもが4年制の大学に進学した場合には22歳まで支払うこともあります。

 

養育費に相場はありません。

極端な話、月々100万円と取り決めても良いのです。

ただし、非親権者側に取り決めた金額を支払う能力がない場合、滞納されかねないので、通常は裁判所から公表されている養育費算定表を使って月々の養育費を決めます。

養育費算定表は、元夫婦それぞれの年収、子どもの人数、子どもの年代等によって異なります。

したがって離婚したい場合にはあらかじめ親権を持ったとき、相手からどれくらい養育費を支払ってもらえるのか確認しておいた方が良いでしょう。

なお、日本の養育費の支払い率は非常に低く、全体の30パーセントにも達していません。

養育費は子どもの将来に関わる大切なお金ですので、滞納があった場合、最終的に給料差し押さえ等、強制執行できるような書面で契約を取り交わしておきましょう。

まとめ

今回は、離婚を意識したときに知っておくべき法律用語について解説していきました。

一口に離婚の問題といっても夫婦の状況や子どもの有無によって悩んでいることはさまざまです。

そのため、ご自身が最終的にどのように離婚したいのか、譲れない条件は何なのかをまず考えてみると良いかもしれません。

そのうえで、「どうしたらいいのかわからない」と感じたり、「自身の望む結果に近づくための方法がわからない」と思ったりした時には弁護士への相談を検討してみてください。

 

 

 

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