【電車好きの夫】夫の趣味が理解できなさ過ぎて離婚したい

趣味を持つということは、人生を豊かに過ごせたり、ストレス解消になったりするのでとても良いことです。

しかし、趣味に入れ込みすぎて、周囲が見えなくなってしまうと人間関係が悪くなったり、夫婦の場合離婚のトラブルになることもあります。

今回は、電車好きの夫を持つ女性の相談例と弁護士の見解を紹介していきたいと思います。

 

【新婚旅行は電車旅】夫、鉄男だった

 

主人公:くるみ(仮名)

夫:哲夫(仮名)

 

夫の哲夫とは大学のときに私が所属していた旅行サークルで出会いました。

在学中は、お互い別々に恋人がいたので、特に知り合いから発展することはありませんでした。

交際のきっかけとなったのは、社会人になってからのOB、OGの新年会でした。

ちょうどクリスマス前に3年間付き合っていた彼氏と別れていたので、気の置けない友達もいることだし、しこたま飲んでやろうと参加しました。

新年会の当日、残業があって遅れての参加だったため仲の良いグループと席が離れてしまいました。

偶然同じく残業で遅れた哲夫と席が隣になりました。

大学生時代は、大きな飲み会で顔を知っている程度で、あまり深い話をする機会が無かったのですが、会話してみると波長が合うことに気づきました。

ひとくちに旅行好きといっても海外旅行がメインだったり、ひとり旅が好きだったりと色々傾向が違います。

私は、「車窓から見える風景」というテレビの番組が好きで、鈍行列車に乗って国内旅行をするのが趣味です。

話を聞くと、哲夫も鈍行で旅行するのが好きということで、夏季休暇や冬期休暇は、青春18きっぷを使って、全国一人旅をしているとのことでした。

旅行のスタイルが全く同じだったので、失恋のやけ酒するつもりがデートの約束をしました。

何回かデートを重ね、正式にお付き合いすることになりました。

付き合ってからはとんとん拍子に進み、付き合ってちょうど1年で哲夫からプロポーズされ、結婚しました。

 

新婚旅行は、鈍行で旅行することだったので、お互い仕事の折り合いをつけ、連休併せて10日間行くことになりました。

函館まで新幹線でいって、釧路までの列車旅。

旅行日程は、すべて哲夫が組んでくれ、とても楽しかったのですが、なんだか様子がおかしいと違和感を覚えました。

妙にハイテンションで、「希少種の735~」とか「キハ~」とか、小さく呟いてました。

気になって聞いてみると、「いやこの電車乗れると幸せになれるっていわれているんだよね~」とはぐらかされました。

 

私たち夫婦は、結婚を機にお互いが住んでいたところから、広めのマンションに引っ越しました。

結婚式、新婚旅行も無事終わり、生活が落ち着いたので荷物を片づけようと、哲夫と一緒に荷物の整理をしていました。

段ボールをかたっぱしから開けていくと、鉄道に関する雑誌が出てきました。

「鉄男が行くおすすめ鉄道スポット」、「鉄道エンペラー」のバックナンバー、「鉄男と鉄子が行く日本列島縦断鉄道旅」等、さまざまな種類の雑誌がありました。

これを見て「哲夫って電車好きだったの?」と聞くと、バツの悪そうな顔をして「そうだよ」と返事がありました。

「別に隠すことないのに、私だって列車乗ってどこかに行くの好きだよ」と伝えると、表情が一変して、「それじゃあ一緒に旅行へ行こう!」ととても嬉しそうにいいました。

 

元々私は旅行が好きだったので「もちろん」といいましたが、軽い気持ちでいったことを今では後悔しています。

というのも、電車好きをカミングアウトした哲夫は、デートも旅行もすべて鉄道に関することばかり。

近場の葛西臨海公園にデート行こうとしたら、「葛西駅の地下鉄博物館に行こうよ」とか、浅草でスカイツリーに行きたいと伝えたら「東武博物館」に行きたいとか…。

「京王れーるランド」に「京急ミュージアム」、「ロマンスカーミュージアム」。

博物館だけならまだしも、駅に着いたら普通に電車に乗りたいのに、「後〇分したら、特別列車が通るから待って!といわれ30分とか1時間駅のホームで待ったりと、正直なめてました。

ただ、1回「趣味で引くわけない」といった手前、なかなかいいづらく、3回に1回は普通のデートや旅行にしてほしいと遠慮がちに伝えたところ、

「くるみにも鉄道の魅力を感じてほしいんだ!くるみって名前、久留里線と語感似てるだろ?俺、再会したときにくるみの名前聞いてビビッと来たんだよ。俺の1番好きな路線、久留里線に似てるって!」

正直すみませんちょっと愛情が冷めました。

私の反応が良くないのが悪かったのか、夫は私をほめるときに何かと電車に例えてくるようになりました。

「くるみといると、京急1500形(赤い電車)を見たときみたいにほっとする」とか「E491(JR東日本)みたいにかわいいね」とか…。

電車に例えられてもわからないと伝えても、「長い旅路(夫婦生活のこと)になるから、おいおい覚えていってくれればいいよ。線路はどこまでも続くんだからさ!」といわれました。

 

長い旅路にはならないかも…とちょっと思っていたのですが、私たちの路線が廃線になる決定的な出来事がありました。

いいにくいんですが、夜の営みの誘いまで電車ネタをぶっこんでくるからです。

「お客様、今夜は私にご乗車ください。特急列車で出発いたします」っていってくるんです。

いや、せっかく気分が乗っても、その言葉で乗車したくなくなります。

本当に、会話のほとんどに電車が登場するので、電車アレルギーになりそうです。

安易に「趣味で引くわけない」といった私も悪いのかもしれませんが、これ度を越えていると思います。

離婚したいのですがどうすればいいでしょうか?

正直、哲夫は現在の夫婦関係が良好だと思っているので、私から離婚したいといったとしても応じてくれるかどうかわかりません。

 

 

見解

夫婦ふたりが同意すれば、どんな理由でも離婚することができます。

しかし、相手方が納得していない場合同意を得ることが非常に難しいということもあります。

相手から同意を得られない場合、最終的に裁判で離婚の可否が争われることになります。

離婚裁判は、離婚したい夫婦なら誰でも起こせるわけではなく、夫婦の一方の言動が民法770条で定められている、「裁判上の離婚事由」にあてはまる必要があります。

今回の相談者であるくるみさんの場合、相手が拒否し続けたときに裁判で離婚の可否を決められるのかについて考えていきたいと思います。

 

裁判上の離婚事由は婚姻関係を破綻させるような行為のことを指し、次の5つの項目に分けられています。

  • 不貞行為
  • 悪意の遺棄
  • 3年以上生死不明
  • 配偶者が強度の精神病で回復を見込めない場合
  • その他婚姻を継続し難い重大な事由

 

今回は、哲夫さんの行為が「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に当たるのかどうかについて確認していきたいと思います。

 

まず前提として、くるみさんは哲夫さんが電車好きであることが発覚したとき、彼の趣味を肯定的に受け入れようとしていました。

しかし、生活を続けていく中で、くるみさんは哲夫さんの次の言動によって、次第に彼の価値観をすべて肯定することができなくなりました。

 

  • 夫婦で出かけるときの行先がほぼ鉄道関連の場所であること
  • 哲夫さんが「電車好きである」ことを主張し、くるみさんの提案を聞き入れてくれなかったこと
  • 哲夫さんがくるみさんを鉄道や電車に例えて褒めること
  • 夜の夫婦生活の誘いが電車にちなんだセリフを用いられること

 

残念ながら、哲夫さんの上記の行為は、夫婦生活を破綻させるようなものであるとみなされる可能性は低いです。

趣味が原因として「その他婚姻を継続し難い重大な事由」になる場合、「趣味のために共有財産を使い込んだ」、「趣味のために多額の借金をした」、「趣味を優先してほとんど別居状態である」等が考えられます。

哲夫さんの言動が直ちに夫婦関係を破綻させるものであるとはいえないため、仮にくるみさんが離婚裁判を申し立てたとしても、離婚請求が認められず棄却されてしまう可能性があります。

また、実際問題として離婚裁判を申し立てる前に、原則離婚調停を行わなければなりません。

調停・裁判と進んだ場合、離婚が成立するまでに複数年単位で時間がかかることもあります。

したがって、「離婚したい」と考えたのであれば、まずは夫婦間の協議で離婚の成立を目指した方が良いでしょう。

当事者同士の話し合いだけではまとまらなそうだと感じたときには、一度弁護士に相談することも視野にいれてみましょう。

弁護士に依頼した場合、離婚の可否に関する交渉だけでなく、財産分与や離婚協議書作成等のサポートを受けることも可能です。

また、万が一哲夫さんが「絶対に離婚しない」という強い意思があった場合でも、別居等をアドバイスして、くるみさんの意思ができるだけ反映されるような手立てを講じてくれるので検討してみてください。

 

まとめ

今回は、電車好きの夫の言動が、相談者の許容範囲を超えてしまった場合の、相談例と弁護士の見解について紹介しました。

趣味を持つことは、生活を豊かにしてくれますが、一緒に生活している配偶者に配慮しないでいると、相手が辟易してしまい、離婚の原因になってしまうこともあります。

「たかが趣味」と思わずに、違和感があれば配偶者の方と話し合って、お互いの妥協点を見つけてみてください。

話し合いをしたうえで、相手が応じてくれなかったり、どうしても折り合いがつかない場合には、離婚も視野にいれて今後の夫婦生活を考えてみてみると良いでしょう。

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