他人に自分の意見を伝えることってとても重要ですが、相手との関係によってはなかなか言いづらい状況もあると思います。
しかし、言いづらいことでもなんでも、決断をしなければならないときはあるわけで…。
今回は、重要な決断をすべて他人任せで責任転嫁する夫と離婚したい女性の相談事例と見解について紹介したいと思います。
この夫、逃げ癖が「ヤバい」
主人公:唯(33)職業:メーカー社員(年収:300万円)
夫:玄(34)職業:塾講師(年収450万円)
夫の玄の逃げ癖にうんざりして離婚を考えています。
玄とは社会人サークルの「木曜会」という読書サークルで出会い、結婚しました。
木曜会というのは、夏目漱石という作家が毎週若手作家等と開いていた勉強会のことで、それにちなんだ近現代の小説のサークルです。
趣味が合うひとと結婚出来てよかったと思ったし、サークルの付き合いも長かったこともあり、人間関係を大切にできる優しいひとだと思っていました。
付き合っているときも、「君の好きにして良いよ」と、いってくれ私のことを優先してくれているんだなあととても嬉しかったです。
違和感を覚えたのは、結婚から半年後の結婚式についてでした。
もともと私の方は、結婚式を行うことにこだわりはなく、仲間内でちょっとしたパーティを開ければいいと考えていました。
というのも結婚式はお金がかかるので、そこにお金を割くよりも家具を買い替えたり、新婚旅行をちょっと贅沢にしたりした方が楽しいかなと思ったためでした。
しかし玄の考えは「みんなに祝ってもらいたい」というものだったので、私はその希望を尊重し了承しました。
ただし、結婚式の準備は大変だと聞いていたので、それを含めて言い出しっぺの玄が主体となって行うことを約束しました。
結婚式を行う話は、すぐに親戚や友人たちに伝えられました。
しかし、実際の式場の話や衣装合わせ等、具体的な相談が玄からまったく降りてこなかったので、「結婚式の話どうなってる?式場もすぐに取れるわけないし、招待人数とか席決めとか、当日出す食べ物とか、引き出物とかいろいろ決めないとまずいと思うよ」といいました。
すると、「ごめん、どうすればいいかわからなくて。申し訳ないんだけど、唯の方でサポートしてくれないかな?」
「サポートするのはやぶさかじゃないけど、具体的に何をサポートすればいいのかわからないので教えて」
「わかった。確認する!」
こんな会話があったので、まずは式場をどこにするかパンフとか目ぼしいものを持ってくるのかな?と思ったのですが、1週間経っても2週間経っても結婚式の話題にはなりませんでした。
しびれを切らした私が、再度玄に尋ねると…。
「ごめん!やっぱりわからなくて。引き出物とか招待したいひととか確認はしたんだけど…」
いやいやいや、待て待て待て。人数の把握も引き出物も大切だけど、まずは会場だろ!!
思わず突っ込みそうになる気持ちを抑えて、式場を決めること、下見をした方が良いであろうことも伝えました。
「苦手なんだよね。ホテルとかどう調べればいいかわからないし、女の人の方がこういうの得意だから…」
暗に私にやってほしそうな表情をしてきたので、「ごめん。私仕事忙しいし、玄がやるって決めたんだから大枠は決めてほしい。前もいったけどサポートはするから。自分の希望を伝えてほしい」といいました。
「普通に結婚式できればいいんだけどな…」といわれたので、「他人の思う普通と、玄の思う普通は違うよ」と返しました。
「決めてくれたら動けるんだけど…」
この押し問答に、面倒くささを感じ、結局私が手配をしました。
結婚式自体は良かったのですが、式が終わってホテルに戻ったとき、「和装の方が良かったね」とぼそり一言。
聞かなかったふりをしましたが、いたわりの言葉もなくありがとうもなく、自分の不満だけいうのって何なのと思いました。
結婚生活を送る中で、一番許せないことは子どもの問題と、実家関連でした。
子どもについてまずお話しします。
子どもがほしいということは、もともと結婚前から伝えていました。
玄も子どもが欲しいといっていたので、普通に夜の生活はあるものかと考えていたのですが、「仕事で疲れているから」とにごされます。
帰宅時間は21時前だし、土日祝日出勤があるというわけではありません。
また、「いいよ」といったとしても、布団に入って狸寝入りしてシてくれません。
てか結婚式後、仮にも新婚なのに3か月ハグ以上のことがないって信じられます?
ちなみにキスするのも、「ソノ気になってしまうから」と断られます。
3か月以上ソノ気にならないのにナニいってんだといわざるを得ません。
「したいの?したくないの?」とはっきり聞いたこともありますが、「うーん、確認する…」という意味の分からない返事でした。
確認って何?自分自身の問題なのに、誰に確認するんでしょう?下半身に鎮座している息子さんに、「いかがっすかね?」って確認してみるとでもいうのでしょうか。信じられません。
妊娠は年齢が上がると、それなりにリスクがあります。
大切なことなのに、なんではっきりせず逃げるんでしょうか。
そして、もう一つは義母の件です。
玄は、物事をはっきりいう義母(彼にとっての実母)が苦手なようで、電話やメール等の対応をすべて私に任せます。
それだけならまだどうにか納得できるというものですが、実家に行くときの対応がちょっと信じられません。
正月に彼の実家に行ったのですが、着くなり「ちょっと出てくる」といって、そのまま地元の友達と飲みにいって、深夜まで帰ってきませんでした。
義母との関係が、すでにできていればまだよかったのかもしれません。
しかし、両家の顔合わせや結婚式で顔を合わせる程度で、ほぼ他人なのに自分は友達と飲みに行くというスタンスが信じられません。
深夜帰ってきた玄に、「何で置いてくの!」と不満を伝えると、「ごめん。でも唯は大丈夫だと思ったから」と。
自分で実家に帰らなきゃといって連れてきたくせに、「大丈夫」ってなんだ!!
結婚式もそうだし、子どものことも実家のことも、私がなんとかするだろうというスタンスが信じられません。
この先も自宅を購入したり、育児だったり、大きな決断があるときはすべて私任せで、自分では何にも責任を持たないだろうと思うと、耐えられず離婚を考えています。
離婚自体は、「唯がいうのなら…」とかいってくると思うので、たぶんこちらが断固たる意思を示せば同意を得られると思います。
できれば、結婚式で負担した100万円を返してもらいなと思っているのですが可能でしょうか。
弁護士の見解
今回の唯さんは、離婚するときに結婚式で負担した金額100万円を返還してもらえるかという点でお悩みかと思います。
結婚式代は、特別な事情が無い限り返還されることはありません。
特別な事情とは、相手方が婚約期間中から不貞行為等をしていて、結婚式後に離婚を余儀なくされた等のケースが考えられます。
今回の唯さんの場合、結婚式に乗り気ではないにせよ、お話を聞く限りでは玄さんに不貞行為等の夫婦関係が破綻するような行為をしていないように見受けられます。
また、しぶしぶとはいえ結婚式の段取りに取り組んだ点においても、結婚式に同意していたとみなされるでしょう。
結婚式以外の子どもの件、また実家の件についても、それだけで夫婦関係が破綻する事由にはならない可能性が高いです。
そのため、無理に金銭を要求して離婚を長引かせるよりも、早期の離婚成立を目指し、新しい生活を考えた方が良いかもしれません。
【相談事例】婚姻期間が短い離婚|結納金と結婚式代取り返せる?
まとめ
今回は無責任な夫と離婚を考えている女性が、負担した結婚式代を取り返せるかどうかについて解説していきました。
結婚式代の返還請求は基本的に返還してもらうことは難しいです。
しかし、不貞行為があった等の事情があれば、慰謝料という名目で請求できることもありますので、現在お悩みの方は弁護士に相談してみるのも検討してみてください。
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