【年の差婚】一回り下の妻と価値観が合わないので離婚したい

年の差婚というと大体10歳以上離れている男女が結婚することを指します。

年齢が40歳差、50歳差と離れている夫婦は珍しいかもしれませんが、10歳くらい離れている夫婦は珍しくないと思います。

年齢が離れていると思わぬことに価値観の違いを感じることもあるでしょう。

今回は、元生徒と結婚した男性が価値観の違いによって離婚を考えている相談例とそれに対する弁護士の見解を紹介していきたいと思います。

【価値観が違いすぎる】妻の不満にうんざりしたので離婚したい

主人公:幸也(35)

妻:真子(24)

 

妻の真子は私の受け持っていたクラスの元生徒です。

私は高校教師として、24歳から私立高校で世界史を教えています。

真子は、私が初めてクラス担任で受け持った生徒でした。

私の勤めている高校は、中高一貫の女子校です。

そのため生徒はもちろんのこと、教師も8割が女性だったので、20代の男性教師は珍しさもあって、よく生徒から告白を受けていました。

18歳未満の子どもとの恋愛は、肉体関係がなければ法律的に問題ないことは知っていましたが、高校の規定では当然教師生徒間の恋愛は禁止です。

また、私的には肉体関係がなかろうが、倫理的、社会的に生徒と付き合うことはあり得ないと思っていたので、誤解を招くような行動はせず、極力生徒とは2人だけの場を作らないように心がけていました。

妻の真子からも在学中、告白を受けていましたが、期待を持たせるようなことはせず、「子どもは恋愛の範囲外」と伝えていました。

そんな私が真子と付き合うようになったきっかけは、成人式です。

成人になるとのことで、真子が私の勤める学校に来校しました。

大学生になった彼女は、高校の時分より垢抜け、魅力的な女性になっていました。

「先生、私大人になったでしょ。先生のような教師になりたいから今教職過程頑張ってるんだよ」といわれ、色々進路について相談に乗ってほしいというので、連絡先を交換しました。

連絡先交換後、進路の相談と称して飲みに行ったり、一緒に遊びに行ったりしました。

頻繁に会うことで、改めて真子から告白をされ、私は了承しました。

彼女は結婚願望が非常に強く、「大学卒業したら結婚したい」といいました。

「教師の夢は?」というと、「先生と結婚する方がずっと大事」といわれ若干押された感もありますが、私もそろそろ身を固めたいという気持ちもあり、真子の大学卒業と同時に籍を入れました。

あいにく結婚式や新婚旅行は、新型コロナウイルスの影響で未だできていませんが、新婚生活を楽しんでいるつもりでした。

しかし、結婚から半年くらい経ってからでしょうか。

コロナ禍や専業主婦になったことも相まって、真子は「全然ひとと会ってない!」と不満を漏らすようになりました。

私の職業柄、新型コロナウイルスに感染してしまうと、授業に穴をあけてしまいかねないので、「できるだけ飲み会は避けてほしい」といったことも要因かもしれません。

また、真子の年齢はまだ若く、遊びたい盛りだったこともあったのでしょう。

真子は次第に私への態度がそっけなくなりました。

「今度どっか行こうか?車なら感染リスクも少ないし」

「どうせ近場の温泉とかでしょ。いいー。どうせなら韓国とか台湾行きたい」

「海外に行きたいけど、まとまった休みは授業の兼ね合いもあるから、近々に取ることができないんだ。冬休みとかまで待てないかな?」

「ふーん。つまんない。友達とその彼氏は、色々遊んでるよ?飲みにも行ってるし、クラブにも行ってる」

…正直、部活の顧問をやっていて朝練もあるので6時台には家を出なくちゃいけない。

帰りは、21、22時が基本だ。その生活で飲みに行ったり、クラブに行くのは体力的に難しい。

頭が固いのかもしれないが、そもそもコロナに感染するリスクが高くなることは仕事のためにも、生徒のためにもしたくない。

とはいえ、真子に制限ばかりかけているのも申し訳ない…。

「幸也って本当に先生だよね!私のこと考えてもくれない。いつも仕事ばっかりだし、土日も部活であんま家に居ないし、生徒のことばっか!少しは私との生活考えないの?」

「ごめん。でも、仕事だし。…わかった、行動制限が嫌だったんだよね。申し訳ないんだけど、真子が楽しいと思う遊びには時間的に、体力的についていけないと思う。友達との飲み会、行ってきなよ。ただクラブはナンパもあるしあんまり行かないでほしい。後帰宅時間は常識の範囲内でお願いしたいな。それとは別件だけど、家にひとりでいるのが苦痛なら働くのも一つの手かなと思うのだけどどうかな」

「何?私に働けっていうの?幸也のために掃除したり、ご飯作ったりしてるのに。専業主婦だって暇じゃないんだよ!信じられない」

「働くことを強制するわけではないよ。でも自分で自由にできるお金って重要だし。家事についてはいつもありがとう。ただ、働くんだったら今の配分を考え直すよ。真子に負担をかけたいわけじゃないからね」

「先生、ひどい」

…話にならない。こちらの提案はすべて曲解されます。

こんな話し合いが週2,3あります。

ひどい時には早朝4時とかまで、真子の泣き言を聞かされます。

あるときは、寝ている私を起こしてまで泣きながら、「先生はひどい」と言ってきます。

大学卒業と同時に結婚したので社会人経験がないこともあって、私の事情が理解しにくいのかもしれません。

しかし、生活を維持していくには、自分の仕事をないがしろにすることはできません。

真子に伝えてはいるのですが、どうにも価値観が合いません。

彼女を嫌いになったわけではありませんが、傷が浅いうちに離婚した方が良いのではないかと考えています。

離婚になった場合、財産分与と慰謝料でもめるかもなと思っています。

財産分与は夫婦になって築いた財産を分けることだと聞きました。

結婚してから1年ちょっとですが、私の財産すべてを2分の1にして真子に渡す必要があるのでしょうか。この場合、少し理不尽な気もします…。

また、慰謝料は別段私の言動に問題が無ければ支払わなくても良いと思うのですが、私の言動で慰謝料を請求される恐れのある行為はありますでしょうか。

ご教示いただければ幸いです。

 

弁護士の見解

恋人関係のときに見えていなかった価値観の違いによって離婚する夫婦は少なくありません。

今回の幸也さんは、真子さんと一緒に生活をするなかで、生活スタイルに関するずれを感じ、離婚を意識することになりました。

価値観の違いによって離婚した場合、財産分与や慰謝料はどのように計算するのか確認していきましょう。

 

財産分与について

財産分与とは、幸也さんもおっしゃる通り夫婦が婚姻生活を送る中で築いた共有財産を分配することを指します。

幸也さんの場合、法律上の夫婦になってから1年とのことなので、1年間に築いた財産は、幸也さんと真子さんで半分ずつ分け合うことになります。

一方で、結婚前の預貯金等の財産は、特有財産といい、夫婦が協力のもと形成された財産ではないため、対象外です。

ただし、結婚前に築いた財産と、結婚後に築いた財産が明確にわからないといった場合には、財産分与の対象となる共有財産としてカウントされてしまう可能性があるので、注意が必要です。

基本的に財産分与は半分ずつで分け合うというイメージがあるかもしれませんが、夫婦が話し合いによって双方納得しているのであれば、必ずしも半分ずつ分けなくても問題ありません。

そのため、財産分与を有利に進めるためには、幸也さんの希望が通るよう、真子さんを説得する必要があります。

財産分与については双方の意見が合わず揉めてしまう可能性もあるので弁護士に相談した方が良いかもしれません。
【共有財産はお金だけじゃない】離婚時にもめる可能性のある財産分与

慰謝料について

慰謝料は、夫婦の一方に肉体関係を伴う不倫(不貞行為)等、相手の権利を侵害するような不法行為がなければ請求権は発生しません。

お話を聞く限り、幸也さんの言動は不法行為になる可能性は低いでしょう。

強いていえば、真子さんから「飲み会に参加しないでほしい」「クラブに行くなといわれた」と行動制限を理由に慰謝料請求される可能性はありますが、幸也さんの職業に与える影響や当時のコロナ禍の状況、制限するときの言い方等を考えると、認められにくいと思われます。
【離婚の慰謝料をわかりやすく解説】離婚で慰謝料をもらえるケースを考えよう!

まとめ

今回は価値観の違いによって妻と離婚したい男性の相談例を紹介していきました。

婚姻期間が短いときの財産分与や相手が慰謝料の意味を正確に理解していない場合、正論を伝えたとしても納得してくれないケースがあります。

そのため、「そもそも話し合いの前提条件がかみ合わない」、「感情に訴えてこちらの話を聞いてくれない」といったことでお悩みのときには、これ以上関係が悪化する前に弁護士へ相談することをお勧めします。

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