夫との時間が耐えられない!専業主婦が熟年離婚をするときに注意すべきポイントとは?

離婚全体の件数は2002年記録した28万9836件から緩やかに下降傾向にあり、現在では1年の離婚件数が20万件を下回っています。

しかし近年熟年離婚(※)の数は徐々に増えてきています。

今回は専業主婦が熟年離婚をするときに注意すべきポイントについて考えていきたいと思います。

※参考資料:令和4年度「離婚に関する統計」の概況

専業主婦が長年寄り添ってきた夫と熟年離婚を決意するのはなぜ?

熟年離婚とは、一般的に婚姻期間が20年以上の夫婦が離婚することをいいます。

20年前の初婚年齢の平均は男性が29.6歳、女性が27.8歳なので大体50歳以上の方が離婚する場合に使われるケースが多いです。

20年以上連れ添ってきたのに、「今更離婚なんて…」と考える方もいらっしゃるかもしれないですが、長年連れ添ってきたからといって、夫婦生活が順調なひとばかりではありません。

長年にわたり我慢してきた夫への不満が限界を迎えてしまい、離婚を決意する方もいらっしゃいます。

子どもがいる夫婦の場合、夫に不満があるものの子どもがいることを理由に離婚に踏み切れなかった妻が、子どもが独立したことを機に離婚を切り出すことも考えられます。

更に退職するまでなかなか自宅にいることのなかった夫が、定年を迎え一緒にいる時間が増えたことを理由に嫌悪感を覚えてしまい離婚するなんてこともあるでしょう。

50代や60代は、子どもの独立や夫の退職などがあり、専業主婦の方にとって生活リズムがガラリと変わるような出来事が多いです。

人生の節目といえるタイミングともいえるので、今までの夫婦生活を振り返り、この先の人生を共にしたくないという考えを持つ方は少なくありません。

 

専業主婦が熟年離婚をするのは大変?争いになりやすいのは財産分与!

専業主婦が熟年離婚を選択する場合、子どもがすでに成人していたり、経済的に自立していたりするので、争いが激化しがちな親権者の指定や養育費の取り決めをせずにすみます。

子どもに関する取り決めをする必要がなければ、離婚の条件の取り決めはスムーズに進むと感じる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし実際には財産分与を巡って大きな争いになることがあります。

財産分与は、夫婦が婚姻期間中に協力して築いた共有財産を分けることです。

つまり、婚姻期間が長くなるほど夫婦の共有財産となる金額や種類が増えるので取り決めが複雑になります。

熟年離婚増加中|熟年離婚で考えておくべき財産分与とは??

熟年離婚の場合財産分与の対象となる共有財産の種類

熟年離婚をする場合、話し合いの中で次のような財産を誰がどのような割合で取得するのかを決めなければなりません。

  • 夫婦それぞれの名義の貯金
  • 自宅などの不動産
  • 夫婦それぞれの生命保険金
  • 夫の退職金
  • 年金
  • 自動車などの動産
  • 夫婦それぞれの名義で所有している株式などの有価証券

それぞれ確認していきましょう。

夫婦それぞれの名義の貯金

夫婦それぞれの名義の銀行口座にある貯金は、結婚前の貯金や相続や贈与で得た特有財産をのぞき、名義に関係なく基本的に夫婦の共有財産とみなされます。

そのため、それぞれの貯金額を確認し分配する必要があります。

自宅などの不動産

専業主婦の場合、自宅などの不動産は夫の単独名義になっていると思いますので夫のものだと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、夫婦が協力してその不動産を所有することができたと考えられるので財産分与の対象となります。

ただし不動産はケーキやパイのように切り分けることができないので、自宅などを売却し得たお金を分け合うか、不動産を取得する代わりに他の共有財産を取得する割合を低くするといったように分け方を考える必要があります。

夫婦それぞれの生命保険金

意外に思われる方もいらっしゃいますが、夫婦それぞれの名義の生命保険に関しても財産分与の対象となります。

とはいえ生命保険を分けるというのは現実的に難しいので、一度生命保険を解約して得た解約返戻金を分けることになります。

また生命保険を解約したくないときには、解約返戻金相当の金額を別の財産で精算する方法もあります。

夫の退職金

退職金は後払い制の給料であるという性質を持っているので、夫の退職金であっても財産分与の対象となります。

退職金は一般的に婚姻期間と夫が働いている期間が重ねっている部分の請求をすることができます。

年金

専業主婦の場合、年金を3号分割というものを行うことができます。

3号分割とは、婚姻期間中に夫が支払った厚生年金の部分を半分に分けることをいいます。

3号分割については離婚後2年以内であれば、夫の合意が得られていなくても家庭裁判所に請求することで行うことができます

自動車などの動産

離婚して財産分与を行う場合、土地や建物などの不動産だけでなく自動車やバイク、宝石や貴金属、家具なども財産分与の対象となります。

動産も不動産と同様物理的に分けると資産価値が失われてしまうので売却して得た利益を分けるか、取得した者が他の共有財産の取得率を下げるなどして分け合うことになります。

夫婦それぞれの名義で所有している株式などの有価証券

財産分与の対象には価値が変動する株式などの有価証券も対象になります。

財産価値を確定する基準日は、基本的に離婚する日または別居した日になります。

ただし、株式などの場合利益が確定すると所得税がかかってしまうので注意が必要です。

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専業主婦が熟年離婚する場合の注意点

専業主婦が熟年離婚する場合次のような注意点があります。

  • 離婚後の生活に必要な資金を考えておく
  • 財産分与の話し合いは自分が納得するまで同意しない

さっそく確認していきましょう。

離婚後の生活に必要な資金を考えておく

専業主婦が熟年離婚をする場合、離婚後の生活資金について綿密に計画を立てることです。

離婚を決断する前に、資金の確保の目途が立っていない場合、生活が困窮して後悔することになります。

経済力のある夫と生活していた場合、生活水準はある程度下げなければならない覚悟は必要です。

お金がないのであれば働けばいいと考える方もいらっしゃるかもしれません。

しかし厳しいことをいうと、ある程度年齢が高いと正社員としての就職は非常に困難です。

資格や経験があれば再就職できるかもしれませんが、体力や理解度などは加齢と共にどうしても低下してしまいます。

アルバイトであれば働くこともできると思いますが、コンビニやスーパーなど一見すると単純作業にみえるような仕事であっても、覚えることはたくさんあり、力仕事もあります。

そのため、離婚を決意した場合、すぐに切り出すのではなく老後のための資金の確保など離婚後の生活の準備をしてから夫に切り出した方が良いです。

財産分与の話し合いは自分が納得するまで同意しない

専業主婦が熟年離婚するときの注意点として、財産分与の話し合いで夫の主張に納得できないなら、自分が妥協できるラインになるまでは同意しないことです。

財産分与は、特別な事情がない限り収入によらず半分ずつ分けることが基本的な考え方になります。

財産分のトラブルとして、「俺が稼いできた金なんだから当然すべて俺の金だ」と夫が主張してくることが考えられます。

確かに実際に収入を得る役割は夫かもしれませんが、その収入を得られたのは妻が家事や育児などを行い、働ける環境を提供してきたからです。

そのため、相手が財産分与などにおいて理不尽な要求をしてきたとしても、同意しないでください。

夫が声を荒げたり、暴力を振るおうとしたりして、無理やり同意を得ようとする言動を行ってきた場合には、自力での解決は難しいと思いますので弁護士への相談を検討してください。

まとめ

今回は専業主婦が熟年離婚する場合について解説していきました。

熟年離婚の場合、子どもに関する権利などの争いが起こる可能性は低い一方で、財産に関するトラブルが発生する可能性があります。

当事者同士での話し合いが難しい場合には、無理に解決しようとせず弁護士に相談することを考えてみてください。

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