【性の不一致】夫がサド!度を超えている性癖を理由に離婚できる?

性の不一致というと、セックスレスのようなすれ違いを思い浮かべる方も少なくないと思います。

とはいえ、実際にはすれ違いだけでなく性癖や性欲の差などさまざまなものが要因になり得ます。

今回は、夫がサドであることを理由に離婚を考えている女性の相談事例をもとに性癖が法的な離婚事由になり得るのかについて確認していきたいと思います。

夫がドSすぎて離婚したい

妻:まこ(28)

夫:たかし(35)

 

夫のたかしとは、4年ほど前、友人の紹介で出会い、交際に発展しました。

彼の良いところは顔です。

私は男性の理想のタイプの理想が非常に高いです。

理想が高いというか好みのタイプの顔じゃないと、どんなに優しくてもどんなに愛してくれてもどうしても気持ち悪く感じてしまってダメなタイプです。

「人間は顔よりも性格」と考えるべきだとは理解しつつも、私が恋愛感情を抱くにはどうしても「容姿」が外せませんでした。

逆にいえば顔がめちゃくちゃなら、たいていのことには目をつぶることができていました。

たかしに出会ったとき、私は彼の顔にくぎ付けになりました。

「理想がここにいる!脳内で思い浮かべていた理想がここに降臨された!」と拝みたくなるほどタイプでした。

私はたかしとの出会いを逃したら、もう一生こんなひとと出会うことができないと思い決死の覚悟でアプローチを開始し、3か月の攻防戦の末、見事彼女の座を勝ち取りました。

その頃の私は完全に脳内完全お花畑。

付き合いが間もないころにたかしは地方転勤となり、遠距離恋愛になってしまいましたが、それすらも「神は超えられない試練を与えない」の精神でむしろ距離がある種のスパイスとなり、地で愛に生きる女でした。

…今考えると「もっと冷静になれ!」と当時の自分にいってやりたい気持ちでいっぱいです。

たかしの会社は2、3年のスパンで勤務地が変わります。

付き合って2年。

ちょうどたかしが別の勤務地になるタイミングで、彼から「ついてきてほしい。結婚しよう」とプロポーズされたため、脳内は今まさに春を迎える満開のお花畑状態でした。

こういうときって自分が冷静であるつもりでも、実際には全然冷静じゃないですよね。

ぶっちゃけタイミング的には難しいとは思いますが、「1か月」でもいいから同居をすべきだったと今は後悔しています。

頭ゆるふわな状態で結婚生活がスタートした結果、はじめは本当に何もかもが順調でした。

というのも、先ほどもお伝えしましたが私の価値観は、顔が第一、性格とかは諸々二の次という感じです。

こんな価値観を持っているので歴代の彼氏はいわゆる「だめんず」が多かったと思います。

正直顔がいいのでその他に期待していなかったのですが、たかしは思いの他優しいひとでした。

きちんと仕事もしているし、「家事は女の仕事」なんていわずきちんと分担してくれるし、モラハラっぽいことしないし本当に理想的な夫だと思いました。

しかし、やっぱりなんというか問題点もあって…。

普段、夫は優しいひとなのですが、夜になると性格が変わります。

とにかくサド気質というか、嗜虐心が強いんです。

はじめのうちはソフトSMというか、こちらが嫌だと伝えれば、我慢してくれる優しさがありました。

しかし次第に自分の性癖を抑え切れられなくなったようで、叩くのが強くなりました。

また行為中、あざになるくらい首筋をかまれたり、首を絞められたりされたりするようになりました。

私はいたってノーマルな人間なので、本当に苦痛でした。

「痛いし、怖いからやめて」と言うと、その場では謝罪してくれますが、やめてはくれません。

だんだんプレイがハードになっている気がして、このままエスカレートしたら殺されちゃうんじゃないかと恐怖も覚えています。

慰謝料とかそういうお金はいらないので、離婚できるでしょうか。離婚を切り出したら、ひどくされるんじゃないだろうかと怖くていえません。離婚の方法をご教示いただければ幸いです。

弁護士に相談したい方はこちら

弁護士の見解

夫婦間の性の不一致は、程度によって法的な離婚事由の「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に相当する可能性があります。

今回のまこさんの場合、その内容が法的な離婚事由に相当する可能性が高いのではないかと思われます。

そもそも性的指向や性癖は公共の福祉に反しない限り、個人の自由で制限されるべきものではありません。そのため、性的指向・性癖そのものが法的離婚事由にはなりません。

しかしながら、まこさんは、夫のたかしさんの性行為中の「首絞め」や「噛む」等という行為を嫌がっており、また意思を伝えています。

それにも関わらず、たかしさんは、当該の行為を辞めていません。

離婚をお考えであるのならば、「否定している」ことがわかる音声や動画データ、また噛み痕や首絞め等のあざがあるならば、その怪我を撮影したうえで、診断書をとっておいた方がいいでしょう。

また、離婚の切り出しについては、第三者を交えて行った方が良いと思います。周囲の信頼できるひと、居ない場合には弁護士に相談してみたり、家庭裁判所に調停を申し立てても良いかもしれません。

夫婦間の性の問題は、デリケートなものなので、なかなか周囲に相談しにくい話題かもしれません。しかし、我慢しているとエスカレートする可能性があるので、まずは行動を起こすことが大切です。

【離婚できるか考えてみよう】こんな理由でも離婚ができるのか?④

まとめ

今回は離婚したい女性の相談を取り上げ、専門家の見解を確認していきました。しかしながら離婚の理由は一緒でも、そこに至る過程が異なると、見解が違ってくることがあります。

「絶対に離婚したい」「夫から慰謝料をとりたい」と考えた方は、一度弁護士に相談してみても良いかもしれません。

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