溺愛系という言葉を知っていますか。
女性向けの恋愛作品のジャンルのひとつのことで、人気なジャンルでもあります。
溺愛系の男性は、言葉や行動で主人公に愛を伝えます。
「愛される」ということは、一見とても良いことのようにみえますが、愛情が独りよがりだと、相手に恐怖感や嫌悪感を与える可能性があります。
今回は夫の愛情が重すぎて離婚したいという女性の相談事例と弁護士の見解を紹介していきたいと思います。
言動が恐怖!溺愛系と勘違いしたストーカー夫がやばい
相談者:やすこ(30歳)
夫:つかさ(30歳)
娘:めぐみ(2歳)
夫のつかさと離婚を考えているので、ご相談させてください。
つかさとは大学のときに合コンで知り合いました。
今までの合コンでは、チャラいひとばかりで下ネタとか、武勇伝自慢とかそんなものしか聞いていなかったので、正直彼氏を探す場ではないと思っていました。
しかしつかさは違いました。
別々の大学ですが、同じ理工学部で、化学を専攻していたこともあり話がかなり盛り上がりました。
話の中で普段は研究室が忙しく、合コンや飲み会にはあまり参加しておらず、今回も半ば強引に参加させられたと聞きました。
あまり合コンに行かないというのを聞き、ますます好印象を持ったので、私の方から連絡先を聞いて、次の約束を取りつけました。
つかさは女性と付き合った経験がないらしく、とても奥手なひとでした。
そのため私の方からデートに誘ったり、帰りの時間を合わせて一緒に帰ったりとさまざまなアプローチをした結果、合コンから半年後に付き合うことになりました。
片思い期間が長いこともあり、つかさの性格は理解していました。
付き合ったらとても大切にしてくれると予想していたとおり、私が不安になることは絶対にしない誠実な彼氏でした。
また、ギャンブルもせず、お酒もたしなむ程度。
少し心配性なところはありましたが、付き合いが長くなっても、社会人になり環境が変わっても私を一番大事に考えてくれるところは変わりませんでした。
付き合って4年、25歳のころ私たちは籍を入れ夫婦になりました。
結婚後の夫婦生活はまさに順風満帆でした。
共働き夫婦なので忙しさはありますが、家事はつかさが多く負担してくれるし、休みの日にはいろいろなところに連れてってくれるし、何より結婚前と変わらず優しいので本当に幸せでした。
まあ、不満があるといえば心配性なところくらいで、それも私を思ってのことだったので、特段気にすることはありませんでした。
私たちの関係が変わったのは、娘のめぐみを妊娠したころからでした。
つかさは親になる自覚がなかなか生まれないようで、妊娠が発覚した当初こそ喜んでくれたのですが、お腹が大きくなっていくにつれ、「まだふたりでもよかったんじゃないかな」というようになりました。
私自身は母親の自覚が芽生えており、「早く生まれてこないかな」と心待ちにしていたのですがつかさはそうではなかったようです。
とはいえ、身重の私に関してはとても心配しており、「仕事はもう産休にしてほしい。なんならやめてもいい」といってきたり、「何かあったら大変だからGPSで位置を確認させてほしい」、「心配だから休みの日にひとりででかけないでほしい」とちょっと過保護になってきました。
心配してくれてるとはいえ、元来行動制限されることが好きでない私は、「ちょっと重い。自分で気を付けてるからやめてよ」と彼の要求を突っぱねました。
その時は、「ごめん」といってくれたつかさだったのですが、私が里帰り出産をすることを告げると猛烈に嫌がり始めました。
その剣幕が本当に異常だったので、ついTwitterで「夫は優しいけど、1か月くらい里帰り出産するといったらめちゃくちゃ否定された。正直ちょっと怖い」とつぶやいたところ、夫から「心配してるのに何で怖いっていうの?」と泣かれました。
Twitterは匿名でやっており、写真など身バレしそうなものも投稿していないのでなぜわかったのかと正直びっくりしました。
「何で知ってるの?」と聞くと、「アカウント名大体似てるし、あたりをつければすぐわかるよ。夫だからね」と言われました。
その答えにぞくっとした私は、「少し頭を冷やしたいし、ストレスはお腹の子どもに良くないから」といって、なんとか説得し里帰り出産を認めてもらいました。
実家に帰って出産までのあいだ、車で2時間の距離にも関わらず2日に一度は必ず様子を見に来ました。
また、LINEで毎日「大丈夫?」とか「僕は君がいなくて寂しい」みたいな内容をけっこうな頻度で送ってきました。
更に、なぜか実家に来た時に手紙まで持参して、私に渡してきました。
手紙の内容は私のことをどれだけ愛しているのかとか、何かあったら子どもより私を優先するとか、こんなに離れる時間があるんだったら一生夫婦ふたりでもよかったとかそんな内容が書いてありました。
子どもを作らなければよかったみたいなニュアンスをいわれるのは我慢なりません。
しかし、母親や友達に愚痴っても、「それだけ愛されているってことだよ」となかなか夫の異常さに気づいてくれませんでした。
出産が無事にすみ、少し落ち着いたころ、つかさから、「そろそろ戻ってこない?」と打診がありました。
正直なところ、あまり戻りたくはありませんでしたが、周囲の説得もあり産後3週間で自宅に戻りました。
つかさは、私がめぐみと帰ってきたことをとても喜びました。
以前と変わらない以前と変わらないつかさに戻っていたので、もしかしたら男性版のマタニティブルーのようなものだったのだろうと思うようにしました。
しかしそんな平穏も2,3週間のあいだだけでした。
というのも、つかさがめぐみに嫉妬し始めたのです。
産まれたばかりのあかちゃんはおっぱいをあげたり、おむつを替えたり、夜泣きがあったりとめぐみにかかりきりになりました。
そんな状態なのに、夫は私に対して「2,3時間おいていっても平気」とか「ふたりででかけよう」とかとにかくふたりきりになりたがるのです。
しかも、まだ産後まもないのに夜の誘いをしてきたりしました。
私は赤ちゃんをひとりにすることはできないこと、夜の誘いも身体が回復するまでは無理なことをはっきり伝えました。
すると、「めぐみにばっかりかかりきりで俺のことをないがしろにするの?」といってきました。
「ふたりの娘でしょ?」と返しましたが、「子どもが生まれたら俺への愛はなくなるの?」「今までさんざん尽くしたのに捨てるの?」とかわけがわからないことをいってきました。
つかさのこれまでの言動ですでに愛情はつきかけていましたが、それでも今までの情や子どものためにも離婚は良くないと思い、我慢していました。
しかし、この前もう無理だと思うことがありました。
というのも夫のスマホの中に私の寝顔や入浴するときの写真、下着姿の写真を発見してしまったからです。
問い詰めて聞いてみると、「夫が妻の写真を撮って何が悪い!」と開き直られました。
もう無理です。
幸いなことに育児休暇も明けるのでこのまま離婚したいと考えております。
できるだけ早く離婚を成立させること、また私のあらぬ姿を撮影した写真のデータもこじれたら悪用されかねないので削除してほしいです。
どうすればよいのでしょうか。

弁護士の見解
今回の相談者のやすこさんは、夫のつかささんに寝顔や下着姿などの写真を盗撮されていることが決め手となって離婚したいと強く思うようになりました。
実際のところ、夫婦間の盗撮は離婚事由になるのでしょうか。
盗撮といっても、寝顔の写真に関しては違法行為に当たる可能性は低いかと思われます。
ただし、下着姿などの写真に関しては、地域によって迷惑防止条例違反になる可能性があります。
とはいえ、盗撮の対象が夫婦の場合、警察に相談しても「夫婦の問題だから」と取り合ってくれない可能性があります。
そのため離婚をするのであれば、まずは夫婦で話し合って成立させることを目指した方が良いでしょう。
お話を聞く限り、つかささんはやすこさんに対して大きな執着心を持っておりますので、夫婦間の話し合いで離婚の合意をとることは難しいと予想されます。
そのため、弁護士に相談し、やすこさんの代わりに離婚の交渉をしてもらうと良いでしょう。
また、とにかくつかささんと離れたいのであれば、まずは別居を検討することもおすすめします。
現段階では、つかささんは執着心が強いとしか判断されないかもしれませんが、別居中につきまといが頻繁にあったり、異常なほどの連絡があったりした場合には警察や自治体に連絡、相談することで裁判所から接見禁止令などを発令してもらうこともできます。
まとめ
今回は、ストーカー気質の夫と離婚したい女性の相談事例と弁護士の見解を紹介していきました。
多少の嫉妬や執着であれば、「愛されている」と感じられる方も多いかもしれませんが、度が過ぎると恐怖しかないかと思います。
そのため、離婚する際にはなるべく相手を逆なでしないように交渉をしたり、ストーカー化した場合、どのような対応をすればいいのかあらかじめ知識として知っておいた方が良いかもしれません。
とはいえ、自力で対応するのは難しいと思いますので、このようなケースにはまずは弁護士に相談することを検討してみましょう。
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