【相談事例を弁護士が解説】自分に非があっても謝らない夫と離婚したい!

夫婦関係を円満に保つには、夫婦間のコミュニケーションがとても重要です。

会話をする中で相手の考え方が理解できず、言い争いになったり、けんかになったりしたとしても、きちんと仲直りできれば離婚につながるトラブルに発展しにくいです。

とはいえ、仲直りするに際して大切になる謝罪ができないひとも一定数いらっしゃいます。

今回は非を認めず、謝らない夫と離婚したい女性の相談事例と弁護士の見解を紹介していきたいと思います。

自分の考えを曲げず謝らない夫にうんざり!面倒な夫と離婚したい!

 

妻:綾子(32)

夫:誠(42)

 

夫の誠とは、20歳のときに入った歴史サークルのつながりで付き合いに発展し、結婚しました。

もともと私は大の歴史好きで、大学の専任講師の枠が少ないこと、学内や学者間での派閥争いなどなど、現実に直面し、博士課程の途中で中退し、現在は塾の講師として働いています。

精神的にきつかったときに支えとなってくれたのが誠で、塾に正規雇用された28歳のときにプロポーズされました。

年齢が私よりも10個離れていることを理由に、私の両親が私たちの結婚に反対し、説得に時間がかかりましたが、最終的に了承してくれ30歳のときに籍をいれました。

恋人の期間はおよそ6年とかなり長く、同棲こそしなかったもののお互いのことはきちんと理解できていると考えていました。

一緒に生活しないと知ることができないこともあると冷静に考えればわかるはずなのですが、当時ずっと結婚を反対していた両親が了承してくれたという喜びが大きく、「一緒に生活できることが幸せ」と完全に浮かれていました。

また、ずっと支えてくれていた頃の頼もしさの印象が強く、誠の発言や行動に「あれ?」と思うところがあっても、「こんな私に愛想を尽かさず、ずっと話を聞いてくれているのだから」とすぐに疑問を打ち消していました。

恋愛フィルターやバイアスをかけることなく、誠をみることができたのは結婚して2か月たってからでした。

一緒に生活していく中で誠に疑問を覚えたのは、自分の思い通りにならないと不機嫌になるところです。

例えば、結婚式についてです。

私たちは入籍後、1年たって結婚式を挙げました。

私としては結婚式を盛大にするという希望はなく、親族と友人を招いてちいさな結婚パーティを開ければと考えていたのですが、誠は都内の有名ホテルで親族や友人はもちろん、会社のひとも呼びたいといっていました。

その一方で結婚式にかかる費用は200万円以下で抑えたいといわれました。

実際の想定される人数、希望しているホテルで式をすると400万円はかかります。

予算を抑えたいなら人数も合わせる必要があるし、会場も考えないといけないことを伝えたのですが、「君は最近まで学生だったんだから相場が分からないだけだろ」といわれました。

しかし、その後ウェディングプランナーに2人で相談しに行くと私の考えが正しく、誠の考えは間違いでした。

結局、結婚式自体は予算を優先して執り行ったのですが、このことが原因で誠は「結婚式」と「ウェディングプランナー」の言葉を聞くと不機嫌になり、準備はほとんど私が行いました。

自分が単に認識違いをしていただけなのに、不機嫌になるなんて理不尽だと感じました。

結婚式の話から私は、今まで当たり前すぎて問題視しなかった誠の言動に違和感を覚えるようになりました。

まず目につくようになったのが、「態度が横柄なこと」です。

レストランやスーパー、コンビニの店員に対し見下すような態度をとります。

レストランで自分の意に沿わないことがあると大きな声で店員を呼んで怒鳴ったり、スーパーやコンビニで自分の買いたいものが取り扱ってなかったり、欠品だったりするとわざわざ在庫などを確認してくれた店員にねちねち文句をいったりします。

私が「やめてよ。恥ずかしいし、店員さん悪くないじゃない」と諫めても、「客なのに舐めた態度とってるこいつが悪い」と意味わからないことを言います。

また、結果として誠の勘違いであったときでも、「俺を勘違いさせる表記にした方が悪い」と絶対に謝りません。

結婚前はここまで横柄な態度をとっていなかったと思いましたが、そもそも会うときはお互いの家であることがほとんどだったので、そこまで気にしていなかったことに気づきました。

また、「お礼をいわない」「謝らない」態度は私に対してもとってきます。

例えば前々から誠が欲しがっていたものをプレゼントしても、「ありがとう」はなく、「俺の妻なんだから俺が好きなものを把握し買ってくるのは当然」というような発言をしてきます。

また私たち夫婦はそれぞれ個人でパソコンを持っているのですが、誠が不注意で私のリビングのデスクに置いたパソコンを落として壊しました。

仕事のデータはありませんが、今までの歴史の調査をしたデータや自分で書いた論文、また友達と旅行したときに撮影した画像が入っていました。

かなりショックだったので怒った口調で誠に「気を付けてよ!」というと、「そんなにパソコンが大事ならリビングなんかに置いとくなよ!」と反対に怒鳴られました。

いやいや、落としそうなところに置いたわけではないし、ひとのものを壊したのは誠なんですから一言謝罪があってもいいはずです。

それなのに、「自分は悪くない」の一点張りで、こちらの気持ちを全然考えてくれないのは最低だと思いました。

パソコンの一件で「悪いな」と思ってくれていればよかったのですが、誠はそれからも私の本や友達からもらったプレゼントなどを不注意で汚したり、壊したりしても「俺は悪くない」という態度を変えませんでした。

私は謝らない彼の態度に辟易して、結婚当初にあった愛情が消え、このまま一生このひとといたくないと思うようになりました。

正直離婚したいのですが、夫が自分に非があるのにもかかわらず謝らないという理由で離婚できるのでしょうか。

【相談事例】夫からモラハラを理由に離婚すべき?対処法を弁護士が解説

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弁護士の見解

今回の相談者である綾子さんは、夫の誠さんが謝らないことを理由に離婚を考えていらっしゃいます。

誠さん自身の言動に非があるのにもかかわらず、謝らない態度は法的な離婚事由になりえるのでしょうか。

結論からいうと、誠さんの「非を認めず謝らない」という態度が法的な離婚事由になる可能性は低いです。

というのも、法的な離婚事由とは、最終的に夫婦一方の意思で離婚できるほどの理由である必要があるからです。

法的な離婚事由として認められるには、誠さんの言動によって夫婦関係が破綻したとみなされる必要があります。

綾子さんの所有物を壊したり、汚損させたりしても謝らないという誠さんの行為は、ひととして決して褒められたことではありません。

しかし、わざと綾子さんの所有物に損害を与えたわけではなく、不注意によるものであるのならば、それがただちに夫婦関係の破綻を招くとはいえないと思います。

仮に誠さんが綾子さんの所有物を故意で壊したり汚したりしたようなケースの場合には、モラハラが認められて、法的な離婚事由になることが考えられます。

とはいえモラハラが認められるには、客観性のある証拠が必要であり、収集がかなり困難です。

また、モラハラかどうかで争って、調停や裁判で離婚が成立した場合、夫婦の話し合いで離婚を成立させるよりも時間がかかる可能性が非常に高いです。

そのため、綾子さんが離婚の意思を固めたのであれば、まずは夫婦の話し合いで離婚することを検討してください。

誠さんが離婚に同意してくれないときには、弁護士に相談することも視野に入れてみてください。

まとめ

今回は自分に非があるにもかかわらず、謝らない夫と離婚したい女性の相談事例と弁護士の見解を紹介していきました。

夫や妻の欠点は結婚し、同居して初めて気づくことも少なくありません。

欠点が自分にとって許容できるものであればいいのですが、今回の綾子さんのケースのように我慢ならないこともあると思います。

「一緒に生活できない」と感じた場合には、我慢して結婚生活を送るよりも、離婚した方が良い場合もありますので、選択肢のひとつとして考えてみてください。

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