知ってますか?~月々支払われる養育費のリアル~

お子さんをお持ちで離婚を考えている方は、親権の取得(もしくは監護権)、養育費、離婚後子どもと暮らすための住まい、仕事などクリアしなければいけない課題がたくさんあるでしょう。

今回は離婚を経験した方に取ったアンケートを取り上げて、養育費やシングルマザーの置かれている状況についてお話していきたいと思います。

離婚したいママは働いている人が多い

「離婚してシングルマザーになる」と決意したら、まずは子どもと生活するためのお金をどのように工面するのかを考える方が多いかと思います。
離婚時に夫婦間の共同財産を多く貰うことが出来た方や、慰謝料などのまとまった金額が手に入った方は、離婚後の新しい生活をはじめるにあたって、ある程度の金銭的余裕を持っているかもしれません。
しかしむしろ、離婚時にまとまったお金を貰い、今後の生活に支障がない方はレアケースだといえます。
ほとんどの方は、「生活のために仕事を始めなければ」とお悩みでしょう。
では、離婚をするにあたってどれくらいの方が「仕事」について意識を持っているのでしょうか。
当社では1年以内に離婚したいという方を対象に「現在どのような職に就いているのか」とアンケートを取ったところ、以下のような結果が出ました。

1位 パート・アルバイト 31.3パーセント
2位 正社員 29.6パーセント
3位 専業主婦 19.6パーセント
※対象者:419人(末子年齢0~18才) 当社調べ
こちらのランキングから雇用形態を問わず、ちかく離婚したいと思っている方の60.9パーセントがなにかしら職に就いていることになります。
また、ランキング外でしたが、契約社員や派遣社員、専門職、自営業の方を含めると、実に76.5パーセントの方が収入を得ている結果も出ました。
総務省(平成26年度労働力調査)によると、25歳から40歳で配偶者のいる女性の就労率は60パーセント程度で、近く離婚したいと思っている方の就労率は、平均的な就労率より高いといえます。
元々働いていた方も多くいるとは思いますが、離婚に向けてパートやアルバイトを始めた方や、正社員に復帰したという方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
離婚は気持ちの面での準備はもちろん、子どもと新しい生活を始めるために、収入の面でも準備をしておくことが大切になるでしょう。

養育費の定期支払率 ~離婚から時間が経つほど支払い率は低下する?~

前章では、離婚後、子どもと生活するにあたってお金が大切になることや、離婚を考えている方が仕事に就いているかどうかの紹介をしました。
今回は、離婚後の養育費の支払い状況についてお話していきたいと思います。
子どものいる夫婦が離婚した場合、親権(もしくは監護権)を持っていない親は、養育費を支払う義務があります。
この義務は、子どもが経済的に自立するまで続くことになるのです。
しかし、当社で離婚経験者を対象に、養育費が定期的に支払われている割合(定期支払率)を、離婚後の経過年数ごとに確認すると、以下のような結果が出ました。

離婚経過年数 定期支払率(%) 離婚経過年数 定期支払率(%)
全体 25.5 6年 23.2
0年 39.7 7年 26.3
1年 43.1 8年 27
2年 34.1 9年 20.4
3年 48 10~14年 21.7
4年 32.4 15年~19年 10.7
5年 30.6 20年以上 4.9

※当社調べ

上記を確認すると、離婚後0年から5年までは、3割から4割の支払い率で推移しています。
しかし離婚から6年程度経過すると3割を切り、年数が長くなるほど定期支払率は下がる傾向にあります。
この結果から、離婚協議や離婚後の話し合いで、養育費の取り決めをしたとしても、途中で滞ってしまう確率の方が高いということです。
離婚の際、もしくは離婚後にした養育費などの取り決めは、口約束でも契約として成立します。
しかし、万が一支払いが滞り、調停や裁判に発展した場合、客観的な証拠としては不十分です。
そのため、養育費を長期間にわたって定期的に支払ってもらうには、元パートナーと取り決めた内容を強制力のある公正証書に残しておくことが大切です。

養育費は子どもが多いほど相場が高くなる? ~相場と実際の支払い金額について~

子どものいる夫婦が離婚し、養育費を取り決めする場合、に「絶対○○円を支払わなければならない」という決まりはありません
しかし、裁判所から夫婦の年収や子どもの人数、年代別に相場が示されている「養育費算定表」が発表されていて、協議や調停において養育費を取り決める際の目安となっています。
こちらの算定表では、夫婦の年収が同じでも、子ども1人である場合と、子ども2人以上の場合では、2人以上の方が金額が高く設定されています
また、当社で養育費を支払われている方を対象に、支払われている金額別、子どもの人数別に統計をとったところ、以下のような結果になりました。

上記のグラフを確認するとわかるとおり、子どもが1人の場合、月々の養育費が3万円台以下である割合は、おおよそ5割を占めます。
子どもが2人以上になると3万円台以下の割合が低くなり、6万円台以上の支払いの割合が高くなります。
また全体の養育費の支払い平均金額は5.2万円という結果がでました。
子どもの人数が増えれば、当然養育する費用も高くなるので、当然といえば当然である結果でしょう。
平成30年度に文部科学省が発表した統計データをもとに、子ども1人の教育にかかる費用を計算すると、少なく見積もっても541万42円程度になります。
これは子どもが、幼稚園から高校まですべて公立を選択したケースのもので、幼稚園や学校などが私立であった時には更に金額が加算されると考えてよいでしょう。
子どもが2人の場合には、単純計算で上記の金額の2倍がかかることになります。
すると、教育費は1,000万円以上となり、金銭面に関してはひとりで育てあげるのが難しいと感じる方も少なくないでしょう。
そこで、元パートナーから支払われる養育費が大切になってくるのです。
離婚の理由や事情はひとそれぞれですが、今後の子どもの将来を見据えて、離婚協議や調停の場で、しっかりと養育費を決めておいた方が良いでしょう。
また、取り決めをより効力のあるものにするには、取り決めた内容を公正証書にすると良いと思います。
公正証書を作成するには、原則としてパートナーと一緒に、公証役場で手続きをしなければなりません。
離婚してから時間が経てば経つほど、元パートナーと公証役場へ行くことの難易度は高くなると思われますので、離婚の際に公正証書をむすぶ話し合いも、あわせておこなうと良いと思います。

体験談 ~子どもと暮らす離婚後の生活~

これまで離婚を考えている方の収入や養育費についてお話してきました。
今回は、離婚を経験した2人の女性の体験談を紹介したいと思います。

ケース①

妻:まり(48)職業:在宅ライター 年収:150万円
夫:ゆきや(43)職業:広告会社 年収:540万円
息子:たいち(13)

元パートナーのゆきやとは、当時私が勤めていた会社に彼がインターンで来たことがきっかけでした。
5歳年下の大学生だった彼の顔は私のタイプど真ん中で、しぐさなんかも妙に可愛く、一瞬で恋に落ちました。
ライバルが多い職場だったので、見た目も性格も良い彼を他の女にとられまいと必死にアピールして、なんとか交際にこぎつけました。
その後、3年ほど付き合い、なかなかプロポーズをしてくれない彼にじれて、逆プロポーズして、成功しました。
男性としては、少し頼りない感のある彼でしたが、長年付き合っても見飽きない顔もさることながら、優しい性格をしているので、良き夫、ひいては父親になってくれるだろうと考えていました。
結婚後3年ほど経ち、息子のたいちを授かりました。
妊娠を機に、勤めていた広告会社を辞め、在宅でできるライターへと転向しました。
彼は実際に良き夫で、たいちが産まれてからも、育児に協力的で息子のおむつの交換や、お風呂などを率先してやってくれる良き父親でした。
本当にとても幸せな日々だったと思います。
しかし、たいちが4歳になったくらいからでしょうか。
ゆきやは離婚したいと愚痴をこぼすようになりました。
彼が言うには、私の強引なところについていけなくなったとのことでした。
確かに彼を頼りないと感じていたので、付き合い出してからというものほとんど私が主導で物事を決めていました。
なんとか離婚を回避しようと彼と話し合いを重ねましたが、長年積み重なった不満を解消することは難しく結局たいちが5歳になる頃に離婚することになりました。
親権は私が取得し、養育費は月々6万円に取り決めました。
また、面会は原則1か月に1回、旅行などの宿泊を伴う場合は、必ず息子の意向を聞くという約束もしました。
さらに、離婚後に養育費が滞った場合を考えて、2人で公証役場へ行き、養育費に関しての取り決めを公正証書にしました。
現在、離婚から8年ほど経過しており、彼は再婚をしましたが、養育費の滞納はありません
息子との面会も続いており、母親と父親としての仲は良好です。
彼の性格を考えて、公正証書に取り決めなくても、養育費の支払いが滞ることはなかったのかもしれませんが、養育費の支払いが無くなるという心配をしなくて良いので、精神的な負担が減ったのではと思っています。
今後も息子の良い父親として付き合ってくれればと願っています。

ケース②

妻:かえで(40)職業:塾講師 年収:300万円
夫:とうま(50)職業:教師(教頭)年収:900万円
娘:ゆい(10)息子:かいと(14)

元夫であるとうまと私は、高校の教師と生徒の関係でした。
在学中、私は担任の彼に恋をして、アプローチを繰り返していましたが、当時はまったく相手にされていませんでした。
ところが、私が大学3年生の時に、教育実習で再会し、あの頃の気持ちがよみがえってきました。
彼も私のことをひとりの大人の女性として認めてくれて、付き合うことが出来ました。
とうまは、結婚をして早く子どもが欲しいという強い願望を持っていたので、大学を卒業してすぐに結婚しました。
それからほどなくして、息子のかいとが、4年後には娘のゆいが産まれました。
子どもふたりの子育ては大変でしたが、目に入れても痛くないほどかわいかったです。
しかし、あれだけ子供が欲しいと願っていた夫は、息子や娘が年齢を重ねるにつれて無関心になりました。
私が、育児に協力してほしいとお願いしても、から返事ばかりで何もしてくれません。
優しく言ったり、怒った口調で問いただしたり、あの手この手を使い、育児に協力するよう説得をこころみましたが、のらりくらりと交わされ、私もそんな態度の彼に嫌気がさし、家庭内別居状態になりました。
息子も難しい時期に入ってきたし、このまま夫婦関係が冷え切ったままは良くないと考え、夫と話し合いをしましたが、結局折り合いがつかず離婚することになりました
親権は、息子と娘の強い希望で私が取得し、養育費は月々14万円の取り決めをしました。
支払われる養育費の金額の大きさを考えて、養育費の取り決めを盛り込んだ離婚協議書を公正証書で作成しました。
ただ、元夫から送られるお金にばかり頼っていられないので、「もっと頑張るね」と息子にいうと、「お母さんを支えられるように俺も頑張る」と言ってくれました。
娘も「お手伝い頑張る」と笑いかけてくれます。
将来に不安がないと言えば嘘ですが、今後は子どもたちの笑顔を消さないよう、生きていこうと思います。

まとめ

今回は主に、養育費の定期支払率や子どもの人数別の養育費についてご説明させていただきました。
そのなかで、繰り返し「公正証書」というワードが出てきていたと思います。
養育費等の取り決めた内容を強制執行認諾文言付公正証書にしておくと、養育費が滞った場合、給料差し押さえなどの強制執行することが比較的容易におこなえます
ただし、公正証書を作成するにはその内容によって金額が異なるので一概には言えませんが、1万円から8万円程度の費用がかかると思います。
具体的な金額については、内容によって異なるので、お住まいの地域にある公証役場へ問い合わせや相談をしてみた方が良いでしょう。
また、公正証書にする内容については、こちら(HPのURLをはる)の日本公証人連合会の「離婚」の項目があるので一度確認してみてください。

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