配偶者が前科アリ?犯罪者だった夫と離婚したい

愛していると思ったから、結婚した。どんなことがあっても、家族になるなら乗り越えると思っていた。でも、それって無理だった。犯罪は許せない。今後のことを考えて離婚したいけど、夫の犯罪歴を理由に離婚することが出来るの?

 

配偶者の結婚前の前科が発覚!離婚の理由になる?

結婚後、配偶者が犯罪者に!離婚できる?

まとめ

 

配偶者の結婚前の前科が発覚!離婚の理由になる?

前科や前歴という言葉を聞いたことがあるでしょうか。前科とは、起訴され、実際に有罪判決を受けた人のことを指し、前歴とは犯罪の被疑者として対象になり、不起訴になった人のことを言います。

日本の警察では、個人で犯罪歴を調べることはできません。また、前科、前歴にともに、本人でも情報開示をしてもらうことが出来なくなっています。

しかしながら、インターネットでその犯罪がニュースになっている場合は別です。結婚後、ふとしたことからご自身の配偶者が過去罪を犯したと発覚する可能性はゼロではないのです。

過去、ご自身の配偶者が罪を犯していた場合、それを理由に離婚することは可能なのでしょうか。結論から言えば、過去の犯罪を隠していたことを有責行為として、離婚を請求することは難しいです。

通常、相手の同意を得ないで一方的に離婚するには、有責行為が無ければなりません。有責行為とは、相手方の行動によって夫婦関係の破綻を招いたとする行為を指します。

過去の犯罪が有責行為に当たるかと言えば、難しいケースが多いです。確かに、犯罪歴を隠していたことで、夫婦関係が悪くなることはあるでしょう。

しかしながら、犯罪歴自体だけでは、夫婦関係の破綻に足る事由だと認められない可能性が高いのです。

とはいえ、ひとくちに犯罪と言っても、その種類はさまざまです。隠していた犯罪歴が殺人や放火、性犯罪などの重大なものである場合には、民法770条で定義されている、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に当てはまる可能性があり、離婚できる可能性が高いです。

しかしながら、「万引き」などの比較的軽微な罪の前科であるときには、離婚できる可能性が低いでしょう。

犯罪歴が許せず離婚したい場合の対処法

人の価値観はそれぞれです。したがって、罪を犯した人がどうしても許せないと感じる方もいるでしょう。しかしながら、前述のとおり、犯罪歴を理由に離婚を成立させることが難しいケースもあります。

そのような時には、次のような対応を考えると良いかもしれません。

  • 協議、もしくは調停で離婚を成立させる
  • 別居して、夫婦関係が破綻している実績を作る

 

協議、もしくは調停で離婚を成立させる

相手の同意を得ず離婚を請求するには、相手方に有責行為がなければいけません。しかしながら、相手方の同意を得られるのであれば、有責行為がなくとも離婚が成立します。

つまり、犯罪歴が夫婦関係の破綻の理由と認められなかったとしても、夫婦間の話合いや裁判所での夫婦関係調整調停(離婚)で離婚が成立するケースもあるのです。

しかしながら、離婚の話合いは、その理由が前科の有無に関わらず、感情的になり、話し合いにならないケースがあります。また、逆上して暴力や脅迫めいた言動を行う方も少なからずいらっしゃいます。

そのため、ご自身で身の危険が感じた時や、感情論ばかりで話し合いにならない時には、弁護士に依頼したり、調停を申し立てることをおすすめします。

 

別居して、夫婦関係が破綻している実績を作る

相手方に前科が発覚した場合、別居を行うことも離婚成立の確率を上げる手段の一つです。民法第752条では、夫婦には「同居・扶助・協力」の義務を定めています。つまり、単身赴任等、特別な事情や理由がない限り、通常、夫婦は同居を行うべきなのです。

言い換えれば、特別な事情なく長期間にわたって、夫婦が別居を行っている場合、夫婦関係が破綻していると判断される可能性が高くなります。

相手方の犯罪歴が、有責行為に足らない場合には、別居をして「夫婦関係が破綻している」と判断されるであろう実績を作るのも手段のうちです。

夫婦関係の破綻が認められる別居期間は大体3年から5年くらいが目安になると思います。

 

配偶者の前科が発覚した場合には、上記のような方法を試みるのも良いでしょう。

ただし、前科について注意していただきたいこともあります。良くニュースで「○○容疑者が逮捕された」とか「○○容疑で逮捕される」と耳にすると思います。

前科は、警察に逮捕されるだけではつきません。検察によって起訴されて有罪判決を経て初めて、前科が残るのです。

そのため、逮捕されたというニュースだけでは、本当にご自身の配偶者が犯罪をしたのかはわかりません。嫌疑なしや嫌疑不十分であることも考えられます。

したがって、本当に罪を犯したのか、事実確認することも大切です。配偶者の言い分を聞けるのであれば、直接聞いてみても良いかもしれません。

結婚後、配偶者が犯罪者に!離婚できる?

警察から、「あなたの夫が○○の容疑で逮捕された」と連絡が来たらとてもびっくりしますよね。ご自身の配偶者が逮捕された場合、前科が無ければ、「なにかの間違いなのではないか」と考えると思います。

警察からの連絡が間違いではなく、真実であったとしたらその犯罪の内容によって、離婚を考えることもあるでしょう。

配偶者が犯罪者になった場合、それを理由に離婚できるのでしょうか。

配偶者が罪を犯したこと自体が、裁判上の離婚事由になるわけではありません。配偶者の犯罪行為によって、ご自身の名誉や生活が脅かされ、夫婦関係が破綻したときに認められるのです。

つまり犯罪歴のケースと同じようにその犯罪の内容が、家族やご自身にどのように作用されたのかが有責行為にあたるかどうかの焦点となるケースが多いと思います。

ただし、配偶者の罪が次のようなものに当たる場合は、有責行為と判断される可能性が高いです。

  1. 繰り返し犯罪行為を行う
  2. 殺人や放火などの重大な犯罪
  3. 強制性交、強制わいせつ等の性犯罪

1.繰り返し犯罪行為を行う

配偶者が犯罪を繰り返し行った場合、有責行為に該当する可能性が高いです。万引きなどの比較的軽微な罪であっても、繰り返し行うことで反省がみられていないと判断されることが多いです。

これは刑事上でも同じで、罪を繰り返すことによって罰金刑が懲役刑になったり、執行猶予がつかなくなることもあります。

2.殺人や放火などの重大な犯罪

殺人や放火は重大犯罪で、刑事上でも執行猶予等は認められません。また、その犯罪行為の余波は家族に及び、加害者に対する憤りが加害者家族への中傷等につながる可能性があります。

そのため、殺人や放火を犯した場合は、理由や状況にもよりますが、有責行為として認められる可能性が高いでしょう。

3.強制性交、強制わいせつ等の性犯罪

配偶者が性犯罪をおこなった場合、貞操義務違反に当たる可能性があります。貞操義務とは、配偶者以外の異性と性行為等を行わない義務のことを指します。

法律に明記されているわけではありませんが、夫婦であるなら当然守るべき義務とされることが多いです。

強制わいせつや強制性交は、性行為やそれに準ずる行為であるので、貞操義務違反として離婚を請求できる可能性が高いです。

貞操義務違反は、相手方との同意のうえの性交だけでなく、無理やり性交等を行った場合でも該当します。

性犯罪が被害者側との示談が成立し、不起訴になったとしても、貞操義務違反であることには変わりがないので、有責行為に該当する可能性が高いです。

これらの行為があった場合、夫婦関係の破綻を招く行為として、相手方の同意を得ず離婚できる確率が高いでしょう。

なお、貞操義務違反は、性犯罪の被害者になった場合は、当然適用されません。性行為を行うという意思があるうえで成立するものです。

 

上記のようなシチュエーションの場合、有責配偶者になる可能性が非常に高いです。

一方で、上記に当てはまったとしても、相手方と再構築を選択し、その後しばらく経ってやっぱり許せず、離婚を選択…と言ったようなケースでは、状況によって有責性を問えなくなる可能性があります。

■再構築をおこなって長期間経っての離婚の申出

■再構築をおこなった後子どもをもうけた

 

上記に該当した場合、有責行為を宥恕(ゆうじょ)したと判断され、有責行為に該当しなくなる可能性が高いです。宥恕とは、寛大な心で許すことを言います。つまり、時間や子どもをもうけることなどによって、有責行為があった後でも夫婦関係が破綻していないとみなされるという意味です。

宥恕とみなされるまでの具体的な期間はケースバイケースですが、犯罪行為から時間が経てば経つほど宥恕とみなされる可能性は高くなります。

まとめ

今回は、配偶者の前科や犯罪が有責行為にあたるのかどうかを焦点に解説していきました。

犯罪は許されるものではありません。ご自身の配偶者が罪を犯すことによって、必ず不利益を被る人がいます。

人はそれぞれ価値観が違いますし、許せることと許せないことのラインも違います。

相手方の前科や罪が発覚した場合、話し合い、そこに至った動機を聞き、離婚の可否を考えても良いかもしれません。

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