旦那に望まぬ性交渉をされたので離婚したい

私が寝ているときに旦那から無理やり起こされて、サレた。こんなことが何度も何度もある。本当辛い。準備もなんにもない状態で、セックスされると苦痛なだけだし、実際傷ついた。

夫婦間でレイプなんて言葉使いたくないけれど、こんなのレイプと一緒だ。もう離婚したい。けど、どうすればいいの。

 

レイプに関する法律が改正されたけれど夫婦間のレイプは認められるの?

レイプとは、同意のない性行為のことを指します。夫婦間でもレイプは法的に認められるものなのでしょうか?

以前までは、夫婦は性交渉に応じるものだという考えが基となって、夫婦間のレイプは認められにくいものでした。しかしながら、現在は価値観が変化し、夫婦間であっても、望まない性交渉は違法であると認められるようになってきました。

レイプは刑法と民法の両方で違法行為、不法行為に該当します。どういうことなのか考えていきましょう。

 

夫婦間レイプは懲役刑を科せられる可能性がある

刑法とは、犯罪行為やその罪への罰を定めた法律です。

2017年およそ110年ぶりに、レイプに関する法律が改正されました。また、名称も強姦罪から、強制性交等罪へと変更されました。従来との違いは主に次のようなものが挙げられます。

 

  • 重罰化
  • レイプ行為の明確化
  • 対象性別の拡大
  • 非親告罪化

 

重罰化

改正によって、懲役刑の最低ラインが3年から5年に引き上げられました。これによって、強制性交等罪に処された場合、執行猶予(※)がつかなくなりました。

※執行猶予は、判決によって言い渡された懲役が3年以下の場合に適用されます。

 

レイプ行為の明確化

強制性交等罪では、レイプの行為を明確に記載されています。旧法との条文の違いを以下に記載してみましたので確認しましょう

 

 

強姦罪(改正前)

第177条

暴行又は脅迫を用いて十三歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、三年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。

 

 

 

強制性交等罪(改正後)

第177条

十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

 

強姦罪の場合、姦淫と記載されています。姦淫とは、男女の性交渉のことを指し、判例では膣に挿入行為があったかどうかで判断されていました。

一方で、強制性交等では、その罪に該当する行為を詳細に記載されています。膣だけでなく、肛門、口腔(口の中)内への挿入も認められています。

強制性交等罪では、レイプとされる行為が明確に記載されたほか、罪となる行為についても従来よりも広く定義されました。

 

対象性別の拡大

強制性交等では、女性だけでなく男性もまた、被害者として認められることになりました。従来までは、適用範囲が女性だけだったので、大きな違いと言えるでしょう。

なお、加害者に関しても従来までは、主犯は男性のみ(※)とされていましたが、今回の改正によって女性も主犯になり得るようになりました。

※共犯の場合、女性も罰せられたが、女性は主犯にはなり得ませんでした。

 

非親告罪化

強制性交等罪などの性犯罪は、改正前親告罪でした。親告罪とは、公訴する場合、被害者からの告訴を必要とする罪のことです。親告罪の場合、被害者側の訴えが無ければ、警察などの捜査機関が単独で捜査することができません。

しかしながら、今回の改正によって、非親告罪になり、被害者側が訴えなくても捜査してもらえることになりました。

 

法律の改正によって、レイプは立件されやすくなり、加害者が刑罰を受けやすくなったと言えるでしょう。

また、加害者被害者間の関係性に左右されず、罪として判断されるケースも少なくないです。つまり、夫婦のあいだであっても、刑法に触れる行為があった場合には、有罪になる可能性が高くなったのです。

また、配偶者が強制性交等で有罪になった場合、民法770条で定められている裁判上のその他婚姻を継続し難い重大な事由に該当する可能性が非常に高くなります。

相手方は、有責配偶者となるので離婚協議や調停等で折り合いがつかなかったとしても、離婚訴訟を起こし、離婚の可否を問うことができます。

また、相手方が性犯罪を行った場合、離婚が認められる可能性が高く、自身が被害者となればなおさら、その確率は上がるでしょう。

 

夫婦間レイプは民法上で不法行為に該当する

夫婦間レイプは、刑法だけでなく、民法上でも損害賠償請求できる可能性があります。

民法第709条では、以下のように定められています。

 

第709条

故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

 

レイプは、上記の「他人の権利」を侵害しています。というのもレイプした側は、脅迫や暴力などの手段を用いて、レイプされた側の身体の自由を奪い、性的行為に及んでいるからです。

レイプされた側は、身体的、精神的苦痛を受けたとして、損害賠償を請求できる権利を持つことができます。

刑法では、懲役等の刑罰を与えることができても、慰謝料などの損害賠償は保障してくれません。そのため、身体的苦痛、精神的苦痛を金銭で求めるためには、民事で請求する必要があるのです。

 

例え、夫婦間で合っても、個人の自由を縛り、強要し、性行為を行うことは許されません。

そのため、夫婦間レイプであっても、損害賠償請求を行うことができます。

上述の通り、夫婦間レイプは不法行為です。そのため損害賠償請求を行える他、相手方を有責配偶者として、一方的に離婚(離婚訴訟)できる可能性が高くなります。

 

夫婦間のレイプが認められやすくなったが難しい場合もある

前章では、夫婦間のレイプであっても、刑法で罰せられたり、民事で損害賠償請求を行えたりするとお伝えしました。

しかしながら、夫婦間のレイプは次のような点で、レイプとして認められにくい側面も持っています。

 

  • レイプが可視化しづらい
  • 性交渉の同意の有無

 

レイプが可視化しづらい

夫婦間レイプは自宅内で起こる確率が高いです。夫婦間で望まぬ性交渉があったとしても、周囲に知られにくく、また夫婦と言う間柄と言う点で、被害者自身がレイプと周囲に言えない事情もあります。

性的行為は非常にナイーブな問題なので、レイプされていたとしてもなかなか口にできないケースがあります。

しかしながら、我慢し続けていると、心身的なダメージがひどくなり、うつやPTSDなどの精神障害を患いかねません。最悪の場合、自殺するまでに追い込まれてしまうこともあるのです。

そのため、ご自身が配偶者から性的行為の強要や脅迫などを受けていた時には、まずは誰かに相談することが大切です。

DV相談+(https://soudanplus.jp/)やお住まいの地域にある警察の生活安全課に相談する等の措置を取ってください。

 

性交渉の同意の有無

夫婦間レイプにおける難しさは、性交渉における同意の有無が挙げられます。

例えば、強制性交等罪では、基本的に加害者側に故意性が無いと、罪として認められる可能性が低いです(※)。

また、民事で損害賠償請求を行うにしても、相手方の故意過失がなければ、慰謝料などの損害賠償を得られないこともあります。

したがって、夫婦間レイプがあった場合、性的行為への同意の有無を立証しないといけないケースがあります。

※故意性がなくとも強制わいせつや準強制わいせつなどの罪が成立する場合もあります。

 

性的交渉に至るまでに、相手方が暴力をほのめかす脅迫めいた言葉や無理やり「YES」と言わされる状況もありますので、なかなか相手方に対し強い態度を取れないかもしれません。

また、警察に行っても、夫婦間の問題として取り合ってくれないのではないかと言う不安をお持ちの方もいるでしょう。

酷なことをいうようですが、レイプなどの性犯罪は時間が経つにつれ、立証しにくくなってしまいます。

難しいかもしれませんが、病院行ったり、前述したDV相談+や、女性相談センターに相談したりすることをおすすめします。

レイプなどの性暴力は精神的に非常な傷を負い、そのまま我慢して生活を続けてしまうと、精神的にきつくなってしまいます。我慢は絶対しない、また逃げること、自分の身の安全を一番に行動していただけたらと思います。

 

夫婦間でレイプがあった場合には、別居を検討する

夫婦間レイプがあった場合、一番手っ取り早い方法は別居することです。

別居と言われても、引っ越しにはお金がかかり、躊躇してしまう方もいるかもしれません。

そんな時には、公的・民間シェルターの検討をするとよいかもしれません。

シェルターとは、配偶者などからの暴力(性的なものも含みます)に悩んでいる方を一時的に保護する施設です。

別居やシェルターに保護してもらうなどといった手段を講じると良いと思います。

 

別居を行う場合、以下の点を注意しましょう。

 

DV支援措置の申し出を市区町村に出し、相手方に住民票などを閲覧できないようにする

夫婦間レイプは、性的DVでもあります。別居した場合、加害者ある配偶者は、被害者であるご自身に執着し、居場所を突き止めようとさまざまな手段を講じようとする可能性があります。

別居先を突き止められた場合、暴力を受けたり、またレイプされたりしてしまうことがあります。

そのため、配偶者暴力支援センターと連携を取り、自治体にDV等支援措置の申し出を提出しておくことを強くおすすめします。

 

配偶者の会社の健康保険に加入している場合は、国民健康保険への切り替えを!

配偶者の会社の健康保険に加入している場合、病院で診療を受けると医療費の請求が配偶者側の健康保険組合にきます。

すると、配偶者側にご自身がどこの病院で診療を受けているのかわかってしまい、そこからどこの地域に住んでいるのかバレてしまう可能性があります。

したがって、別居した場合には国民健康保険に切り替えを行った方が良いでしょう。

まとめ

今回は夫婦間レイプについてお話をしてきました。夫婦間レイプは周囲にわかりにくく、また我慢してしまうケースが多いです。

しかし、夫婦間であってもレイプは許されることじゃありません。現在被害に遭われている方は、別居、もしくは離婚を考えた方が良いと思います。

場合によって、強制性交等の罪に問われるものですので、我慢せず公的機関や警察に相談してください。

また離婚についての交渉などは、ご自身の身の安全を考慮し、弁護士に依頼した方が良いかもしれません。

 

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