「失ってはじめて大切なものに気づく」ということを人生で一度は経験したことがある方は少なくないのではないでしょうか。
失ったものが何であるかにもよりますが、人間関係の場合早々修復できるものではありませんし、失い方次第では、相手に大切だと思われてもむしろ迷惑ということもあるでしょう。
今回は元妻が暴走しメンヘラ化した男性の相談例を紹介したいと思います。
元妻からの執拗なアプローチにうんざり!逃げ切る方法はあるのか
主人公:航(仮名)29歳
元妻:まりあ(仮名)27歳
1年前に離婚した元妻まりあの行動があまりにもひどいので相談させてください。
私と元妻のまりあは3年前に結婚し、1年前に離婚しました。
離婚原因は性格の不一致です。
私が26歳、まりあが24歳のときに籍を入れたのですが、結婚するにあたり広いマンションに引っ越したり、自動車を買い替えたりして貯金があまりありませんでした。
また私とまりあの両親も私たちの下に未成年の兄弟がいたため、結婚式の金銭的な支援はできないといいました。
小さな結婚式なら当時の資力でもどうにかなったのですが、まりあは「一生に一度のことだからこだわりたい」とのことだったので、頑張って貯めてまりあの望む結婚式をすることになりました。
結婚後半年くらいまではお互いできる限り節約をし、結婚式資金を貯めていました。
そろそろ結婚式場をどこにするかとか見学にいかなくちゃなと思っていた矢先、まりあがいきなり、「来月で仕事を辞めるから」といいました。
私自身の給料で生活はできるものの、まりあが仕事を辞めてしまうとなかなか貯金にまで手が回りません。
そこで次の就職先の目途がついているのか、またまりあが仕事を辞めると結婚式資金の貯金が少なくなるが良いのかと尋ねました。
すると次の職は失業保険もらいながら探せばいいし、結婚資金は航がどうにかしてよとのたまいました。
離婚までは考えませんでしたが、まりあに感じた初めての違和感でした。
その後、まりあは宣言通りに退職すると、就職活動をするわけでもなく、かといって家事をするわけでもなく家でごろごろしていました。
私はというとあるプロジェクトのリーダーに選ばれ、残業や休日出勤が増えたころでした。出社は7時で帰りは0時過ぎ。
忙しすぎて余裕がなくなっているのにも関わらず、まりあは「最近帰りが遅すぎる」、「休日も仕事なんて嘘。浮気してる」だの勝手なことをいいます。
浮気を疑われてはたまらないので、逐一説明したのですが、プロジェクトメンバーに女性がいることを知り、「やっぱり浮気じゃん!」と。
子どもか、馬鹿か。お前が前に勤めていた会社には男が誰もいなかったのかと、ついいいたくなりましたが、疲れているので喧嘩をするのも面倒くさい。
適当に流していたら、浮気疑惑を義両親や私の両親に話し、誤解は解けたものの、そのまま別居することになりました。
この時点ですでに離婚一択と思っていたのですが、当のまりあは離婚にまで考えが至らなかったらしく、こちらが離婚を切り出しても拒否ばかり。
これは離婚調停も視野に入れなきゃなと思った矢先、「好きな人ができた」といわれ、今まで拒否してきたのが嘘のように記入済の離婚届が送られてきました。
財産分与もそこまでもめず、200万円の貯金を100万円ずつ分け、自動車はまりあがいらないというのでそのまま私のものに。
私とまりあの夫婦生活は別居期間を含め約2年で終止符を打ちました。
結婚生活自体は約1年なのに離婚の同意を得るまで結構な時間がかかったことに精神的に疲れていた私は、夫婦で住んでいたマンションを引き払い、単身用のマンションへ越しました。
バツイチになって独身生活を楽しんでいると、離婚してから3か月経ってからいきなり復縁を希望するメッセージが届きました。
わーくんへ(私のあだ名のようです)
今私は後悔の気持ちでいっぱいです。
あなたの優しさに甘えすぎてしまいました。
別れてから、本当に大切な人が誰なのか分かった気がします。
大切なものは失って初めて気づくというけど、本当だね。
わーくんがいない生活は灰色でひどく寂しく孤独の毎日です。
私の世界が再び色づくには、わーくんあなたが必要です。
縁というのはちぎれそうになって初めて太く強いものになると思うの。
ほら雨降って地固まるっていうじゃない?
もう一度結婚生活をやり直そう。
返事待ってるから。
まず私は、妻だったときのまりあからも「わーくん」といわれたことはありません。
またすでに離婚しているので縁はちぎれそうじゃなく、すでに切れているし、そもそも謝罪のひとつもありません。
すでに妻でもないし、彼女でもないひとに何の情も湧かないので無視しました。
すると次の日から毎日ポエムじみたメッセージが来るようになりました。
メッセージをずっと無視し続けていると、私用のスマホや社用携帯に電話がかかってくるようになりました。
はっきりいって迷惑なので着信拒否設定をしました。
すると今度は私の会社に待ち伏せするようになりました。
週に3,4回は私の退社時間を狙って待ち伏せするので、仕方なく声をかけ、「本当に迷惑だからやめてほしい。復縁する気はないので今後一切連絡しないでほしい」と伝えました。
その時は「迷惑だったかな。でも顔見たかったから。帰るね」と引き下がったので、追い打ちをかけることをしませんでした。
が、社用携帯に電話が来ることはなくなったものの、私用携帯では非通知で電話してきたり、相も変わらず待ち伏せすることを止めてくれません。
ちょっとやばいかもと恐怖を感じた私は、上司に相談のうえほとぼりがさめるまでリモート勤務にしてもらいました。
どうしても出社しなければならないときは、裏口から入るなど対策を打っていました。
リモートのおかげで顔を合わせずに済んだものの、毎日来るメッセージとは別に、「まだ怒ってるの?」、「どうして会ってくれないの?」、「会えない日が続き私は死んでしまいそうです」など大量のメッセージが届くようになりました。
メッセージだけなら無視すればよいと思っていたのですが、先日とうとう家を知られてしまったようで、買い物に出かけようとしたところ、ドアの取っ手に弁当袋が下げられており、「宅配ばっかり使ってたら身体に悪いよ。また来るね❤」というメモがありました。
まりあは私の愛情を取り戻すために行動しているのかもしれませんが、こんなストーカー行為をされたら、余計に嫌いになりました。
引っ越しも考えていますが、また居場所を突き止められたらと思うとなかなか踏み出せません。
どのような対処法があるか教えてください。

弁護士の見解
今回の相談者である航さんは、元妻のまりあさんからストーカー行為を受けています。
大量のメッセージを送られたり、頻繁に待ち伏せされたりという航さんが受けている行為はストーカー規制法違反になります。
また自宅を突き止め無断でマンションの敷地内に侵入する行為も、航さんが告訴すれば建造物侵入罪などの罪に問える可能性があります。
また警察の生活安全課に相談することで、状況によって相手に対し警告をしてもらったり、接見禁止令を発出してもらったりということも可能です。
ただし例は少ないかもしれませんが、担当した警察官によっては、まりあさんが航さんの元配偶者であること、被害者が男性であることを理由になかなか真剣に取り合ってくれない可能性もあります。
このようなときには、弁護士に相談し警察へ同伴してもらうことで、警察にも深刻さが伝わり、真摯な対応をしてもらえるようになる場合もあります。
また航さんはまりあさんのストーカー行為によって精神的苦痛を受けているので慰謝料を請求することも可能だと思います。
慰謝料を請求する場合には、心療内科などで診察を受け、うつ病などを発症していた場合には、診断書を書いてもらうことが大切です。
また告訴をしないことを条件に示談を行うといった手立ても考えられるので、自力での解決が難しいと感じた場合には弁護士への相談を検討しましょう。
まとめ
今回は離婚後に元妻がストーカーになってしまった男性の相談事例と弁護士の見解を紹介しました。
元配偶者からストーカーの被害に遭った場合、なかなか事情を理解してもらえず、周囲からの協力が得られないことがあります。
とはいえ、どんな事情があったとしてもつきまといや迷惑電話、大量のメッセージを送るといった行為は違法行為です。
そのため自力での対処が難しい場合にはお住まいの地域にある法律相談センターや弁護士への相談を検討してみてください。
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