【夫の性的嗜好が無理】性的不一致で夫と離婚したい

結婚後、長く良好な夫婦関係であり続けるためには、お互いの努力がなければ成立しません。

夫婦であっても価値観や育ってきた環境、こだわりたいこと、趣味、すべてが同じなわけがないので、すり合わせをすることが大切です。

しかし、中には相手の行動や価値観の中でどうしても許容できないことってありますよね。

今回は、夫の性嗜好によって離婚したいと考えている女性の相談例を紹介していきたいと思います。

 

夫婦円満だと思っていたのに夫の性嗜好が理解できない

 

妙子(37)

陸(33)

婚姻期間:7年

 

 

私たち夫婦は、結婚してから丸7年が経ったところ。

先日の結婚記念日で夫は、「もう7年経ったのか。でも、まだ7年だね。これから30年も40年も一緒に過ごすんだから」と照れながら伝えてくれて、改めてこのひとの妻でよかったなと思った。

とても優しくて、家事も手伝ってくれて、不満なんか持ったことがなかった。

喧嘩することもあるし、意見が食い違うこともあるけれど、その都度話し合いながら歩み寄っていける関係性に満足していた。

子どもについては、元々私の方が妊娠しにくいこと、また不妊治療はお金がかかるとともに、精神的にもかなりの負担になることを聞き、できてもできなくても成り行きに任せようということをお互い話し合って決めた。

夫の両親は子どもを望んできたようだったけど、夫が「夫婦のことだから」といって、突っぱねてくれていた。

そういうところにも感謝している。

 

夫婦の夜の生活も週1,2回はあって、回数的にも内容的にも満足していた。

私は夫も当然不満がなく、満足しているものだと思ったけど、全然違った。

 

うちは3年前に、東京郊外に3LDKの分譲マンションを購入した。

1部屋は寝室、2部屋はそれぞれの書斎に充て、仕事だったり、趣味に使っていたりしていた。

夫は映画観賞が趣味で、フィンランド映画やスウェーデン映画等、日本で上映されなかったり、上映するにしても単館でやるようなちょっとマニアックなDVDを集めている。

夫の好きな映画は、平坦な感じで淡々とストーリーが進むものが多く、また終わりも後味が悪かったり、結末がよくわからなかったりするので、私には合わず、一緒にDVD鑑賞をすることがなく、夫の書斎にはめったに立ち入らなかった。

しかし、先日会社の同僚からとある映画を勧められ、「そういえば夫が持っていたな」と思い、書斎に入ってDVDを探すことにした。

夫はDVDにはかなりこだわりを持って管理しているので、国別・監督別・公開年度順にきれいに並べられていた。

ふと本棚の3分の1が白いカバーがされているDVDであることに気づいた。

気になってひとつを手に取ってみると、カバーからいやらしい恰好の女性とキャッチフレーズが透けて見えた。

同じようにカバーがかけられているDVDは結構な数がある。

まさか…と思い、確認するとすべてアダルトDVDであることに気づいた。

くだらないことかもしれないが、どれだけアダルトDVDを購入したのかが気になり、枚数を数えてみるとなんと200枚近くあった。

映画鑑賞が趣味じゃなくて、AV鑑賞が趣味じゃないか!とむかついたのですが、それよりもっとやばいと思ったのは、そのDVDの内容だった。

夫との夜の生活はノーマルなものだったので、全然気づかなかったけれど、タイトルとキャッチフレーズ、またいくつか内容を確認する限り、ほとんどが女王様のでてくるハードなSMプレイもの。

もしかして夫はマゾなのか…?DVDの内容にドン引きしながらも気になったので、夫の書斎にあるパソコンを確認しようと電源を付けた。

幸いなことなのか、パスワードは夫の名前と結婚記念日ですぐに開くことができた。

さっそく、ネットの履歴を確認すると某掲示板等に書き込みしていることが判明。

書き込みの内容は、「嫁がある日女王様になって責めてくれないだろうか」とか「責められたい」、「このマゾみに深みを感ずる…」といった被虐願望が書かれていた。

また、色々パソコン内のデータを確認していると、夫の願望を詰め込められたようなポエムがでてきた。

「私は豚になりたい」、「被虐について本気出して考えてみた」「M~愛すべきマゾ~」「鞭、ふるう」。

わざわざWordに日付とタイトルをいれて管理しているポエムの数々は、怒りを通り越し笑いが出てきた。

なにが、『鞭をふるう私のムチっとした女王様。愛をのせた其の鞭を無知な私にふるってください』だよ。

韻踏むのがちょっと上手くて逆に気持ち悪い…。

ひとのパソコンを勝手に見たのはだめかもしれないが、今までの夫のイメージが崩れ去った。

というか、この価値観は申し訳ないけど受け入れられない。

これから夫婦関係を続けるにしても、夫に対して色眼鏡をかけずに見ることはできない。

とはいえ、今まで優しくしてくれ、良い夫であり続けていることには変わりなく、そんなひとに、「あなたの性嗜好が許せないし、ポエムが生理的に受け付けられないから離婚しよう」なんて、真実を告げることは避けたいとも考えている。

どうすればいいのかわからない。

勝手に書斎に入ってDVDを探すんじゃなかったと本当に後悔している。

でも、なるべく円満なかたちで離婚、もしくは別居したいがどうすればいいのか知りたい…。

 

弁護士の見解

今回のご相談者である妙子さんは、夫の陸さんの性嗜好を理由に離婚したいことを挙げています。

ひとは多かれ少なかれ、性嗜好を持っているかと思います。

性嗜好が特殊なものであっても、行動に移さず、個人的に楽しむ範囲であれば、離婚の有責行為にはあたりません。

性嗜好によって、離婚の有責行為になるような行動とは、性行為で相手が嫌がっているのにもかかわらず、自身の性嗜好を押し付けて強要するようなことが挙げられます。

今回の陸さんの場合、妙子さんとの性生活では、ご自身の性嗜好を押し付けるような行為をしていません。

そのため、有責行為とみなされる可能性は低く、双方の話し合いによって離婚の成立を目指した方が良いでしょう。

また、離婚の理由を伏せて、なるべく円満に離婚したいとのことですが、結論からいうとすべてを隠して離婚を成立させることは難しいように思います。

お話を聞く限り、妙子さんと陸さんの夫婦仲は良好な関係だと思われます。

良好な関係を築いているのに前触れもなく離婚を切り出すと、相手方に拒否されてなかなか同意を得られない可能性が高くなります。

離婚の話し合いを円満に進めるためには相手の立場に配慮して進める必要がありますが、離婚したい理由を隠したまま話し合いをすることはお勧めできません。

ただし、妙子さんの知った事実をそのまま告げた場合、陸さんは大きなショックを受けるだろうことは想像に難くないでしょう。

特に創作物といった自身の心情を吐露したものは、必ずしも他人に見せるために創作するのではなく、自己の満足のために創作していた場合、他人にその文章を読まれることに大きな羞恥心を伴うことが少なくありません。

したがってポエムのような創作物を読んだことは伏せて、アダルトDVDを原因として離婚を切り出した方が良いと思います。

また、離婚したい理由を話したとしても、陸さんが離婚に同意するかどうかは別問題です。

円満な離婚を望むのであれば、根気よく相手を説得して離婚に納得してもらえるよう行動する必要があります。

全く同意を得られないからといって感情的になると、かえって問題が大きくなってしまうこともあるので気を付けましょう。

 

もっとも、現在離婚を希望している妙子さんは、陸さんの性嗜好を知って、冷静ではないかもしれません。

冷静でないまま離婚の話し合いを進めてしまうと、離婚成立後に「離婚しなければよかった」と後悔することも少なくありません。

そのため、まずは夫の性嗜好が本当に受け入れられないものなのか、離婚する必要があるのかを考えた方がいいでしょう。

 

まとめ

今回は夫の性嗜好を知ってしまい、離婚を意識した女性の相談事例をもとに弁護士の見解をご紹介しました。

性嗜好が理解できない等の価値観の違いは、その嗜好によって実際に不利益を被っていなくても、心情的に受け付けられず離婚問題に発展することはあり得ることだと思います。

しかしながら、夫婦仲が良好だった場合、相手方を説得するのに苦慮して、離婚成立までに時間がかかる可能性もあります。

離婚の意思がはっきりしているけれど、相手がまったく離婚に同意してくれないような場合には弁護士に相談してみることも検討しましょう。

 

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