【体験談】2次元男子と恋愛したら離婚されそうなんだが有責配偶者になるの?

スマホが普及したことで、さまざまな娯楽が簡単に利用できるようになりました。

アニメはサブスクで時間に関係なく観られるようになりましたし、小説や漫画は紙の書籍でなく電子書籍で購入したり、制限はかかりますが合法に無料で気になった書籍を見ることができます。

ゲームも、専用のゲーム機を持っていなくても、スマホでアプリを落とせば簡単に始めることができるようになりました。

しかし娯楽を気軽に楽しめるようになった一方で、ハマりすぎのリスクもあります。

今回は、乙女ゲームにハマり夫から離婚を切り出された女性の体験談を紹介したいと思います。

 

 

仕事の合間に乙女ゲームをしたら見事にはまった!

 

妻:乙子(29)職業:コールセンター(派遣社員) 年収:250万円

夫:卓也(29)職業:システムエンジニア(正社員)年収:500万円

 

 

私は某大手スーパーのカスタマーセンターで受電業務をしています。

カスタマーセンターって聞こえはいいですが、要はほぼほぼクレーム対応をする業務です。

「これはうちの会社の落ち度だな」と思えるようなクレームなら良いのですが、中には「いちゃもんじゃねーか!」と思えるようなクレームもあり…。

業務的に結構ストレスが溜まります。

愚痴を夫の卓也に言えればいいのですが、彼もサーバーの保守をしている業務についているので、ばらつきはありますがかなり多忙です。

疲れている卓也に愚痴をいうのも気が引けて、我慢していました。

ストレスが溜まりまくってもうどうしようもないと思ったとき、ふと目にとまった広告に…

 

『―泡沫(うたかた)の恋では終わらない 個性あふれる江戸の絵師と時空を超えた愛を育む―UKIYOEUTA』

 

広告には、キャッチフレーズの通り少し癖のありそうなイケメンの絵がずらりと描かれていた。

いつもだったら、足を止めない乙女ゲームの広告。

でも広告に描かれていた、ひとりの男性が好みのど真ん中で胸がドキドキした。

これはヤバい。

ゲームの中の登場人物に対して、こんな言い方おかしいのかもしれないけど、運命を感じた。心臓をぎゅっと掴まれたこの感じ。

UKIYOEUTAことウキウタ沼にハマった瞬間だった…。

 

ウキウタは5人の浮世絵師と恋愛するゲームで選択肢を選んで会話し、好感度を上げてハッピーエンドを目指すスマホゲームだ。

ウキウタを始めた当初は、課金は1か月1000円までと決めて、ゲームをしていた。

無課金だと1日で進められるストーリーに限りがあり、各登場人物のエンディングを見るのに、かなりの時間がかかってしまう。

月1000円くらいなら、音楽や動画のサブスクと同じくらいだし、許容範囲だと思った。

とはいえ1000円でおさめられたのは初月だけで、沼にハマる度、課金が増えてきた。

課金額は2か月目で8000円、3か月目で2万円、現在はとうとう給料の半分を突っ込むくらいの課金額になっている。

 

でも、ウキウタは私の精神安定のために必要不可欠だし、スマホの中の恋人なら別に結婚していたって問題ない。

と思っているんだけど、卓也はスマホばかり見ている私に不満を覚えたみたいで、「またゲームしてるの?なかなか時間が合わないんだからさ、一緒にいるときくらい会話しようよ。最近全然話してないじゃん。それに、こんなこと言いたくないけどさ、最近家事とかいい加減じゃない?」なんていってきた。

いやいやゲームを始める前も「夫婦の会話」なんてほとんどなかったじゃん。

一緒に食事しててもテレビ見てたり、スマホいじくってたじゃん。

 

最低限の家事、食事も用意してるし、掃除も洗濯もやってる。

生活費のノルマである月々3万円も口座には入れてるし。

卓也に話しかけられたらゲームをやりながらだけど返事はしてる。

卓也から文句をいわれても、こんなことで離婚を考えるわけないし私は生活態度を改めようとは思えなかった。

だって、もうウキウタのない生活には戻れない。

推しの広重(※1)がいなかったら、毎日の活力源が無くなってしまう。

広重エンディングの「私の青(※2)は君を表した色だ。浮世で生きる私のよすが。共に在ろう」は私の人生で一番胸に来た言葉だ。

もちろん現実には存在しないひとだってわかってるけど、好きなんだから仕方ないじゃん!

※1歌川広重…江戸中期から後期にかけて活躍した実在の浮世絵師。代表作は『東海道五十三次』

※2歌川広重の作品の青はヒロシゲブルーと呼ばれておりゴッホやモネ等の印象派に影響を与えたとされている

 

弁護士の見解

乙子さんが恋愛シミュレーションゲームに夢中になったことで、夫の卓也さんは「夫婦の会話が無くなった」「家事がいい加減になった」と不満を持っています。

乙子さんは卓也さんがご自身の行動に不満を持っていたとしても、「離婚を考えているわけではない」と思っていらっしゃいますが、ひとの価値観や考えはそのひとにしかわからないことなので、卓也さんが離婚を切り出す可能性は十分にあり得ます。

とはいえ、卓也さんが離婚を切り出したら乙子さんは離婚に応じなければいけないのかといえばそういう決まりはありません。

離婚は基本的に夫婦が話し合い、双方の合意があって成立するものだからです。

ただし、夫婦間の不満を放置しておくと、夫婦仲が悪くなり、後々離婚の争いに発展する可能性があるので、お互い話し合って折り合いをつけていくことはとても大切です。

 

2次元男子と恋愛したら不倫になるの?

卓也の夫婦の会話が無い不満、家事が疎かになった不満を聞いても、右から左に受け流して、私はウキウタ道を突っ走っていた。

ウキウタは人気の動画クリエイターとタイアップしたことがきっかけで、爆発的に人気が出た。

ウキウタはコンビニや製菓会社、アパレル会社等とコラボ企画が多くなり、バーチャルを飛び出して、現実世界のあちらこちらで推しのご尊顔を拝めるようになった。

広重の尊い笑顔やさまざまな表情を普段の生活でも見られるようになったことに舞い上がった私は、ゲーム課金と共にタイアップ商品も買い漁るようになった。

元々私がウキウタにハマっているのを良く思っていなかった卓也は、私がタイアップ商品を購入する度に、文句を言う。

大概の文句は聞き流していたけど、広重を馬鹿にするような発言は許せず、喧嘩することが増えた。

そしてとうとう決定的な出来事が起きた。

私がウキウタに給料の大半をつぎ込んだことがバレてしまったのだ。

ウキウタ人気が高まってから、コラボ商品を購入しなければならないこともあり、ウキウタにつぎ込むお金は、月10万円くらいになっていた。

元々私たち夫婦は別会計で、家賃や光熱費等は夫負担、生活に必要となる食費や日用品等は、別口座を作ってそれぞれ決められた金額を給料日に振り込んでいた。生活費以外の給料は、半分貯金に回して、後は好きに使って良いというルールがあった。

ウキウタにハマるまでは、ルールを守っていたけれど、ヌマってからは貯金に回す金額は1万円くらいになっていた。

卓也が貯金用口座の通帳を記帳してきたことで、発覚した。

完全にぶっちぎれた卓也は、今までの鬱憤を晴らすかのようにまくし立ててきた。

「夫婦でルール決めて将来のために貯金をするって決めたのに、一方的に破るっておかしくない?年末とかお祝いとかが重なって、一時貯金に回せる額が少なくなるのはわかる。でも、乙子はウキなんとかってゲームにハマってからほとんどルールを守ってない。広重とかどれだけかっこいいと思ってるかしらんけど、明らかに異常だろ。不倫して男に貢いでるのと同じってわかる?毎日毎日広重のことばっかりで、バーチャル不倫じゃん。あいつのグッズ集めるために、コンビニで大量買いしたり、同じ菓子をやたら買ってきてまじで理解できない。実生活に支障きたしているんだから、そんなゲーム削除しろよ。大体夫より画面から出て来れない男の何がいいんだよ!!」

「貯金の件については悪いと思ってる。でも広重は関係ないでしょ!別に広重がゲームの課金しろといったわけでもないし、コラボ商品だって私が欲しいからお金を使った。私のことは責めてもいいけど、広重のことは悪く言わないで!」

「何なの?まじで、乙子、お前異常だよ。バーチャルだよ?ゲームの人物だよ?なんでそんなに入れ込んでんの?」

「直接触れ合うことはできないけど、広重は私にとって大切な人なの!なんでわかんないの?」

「いやわかるわけないから。てか、それが原因で俺たちの関係が壊れても優先するものなの?それってマジで不倫じゃん。俺との生活を大切に思うんだったら、ゲームを削除してよ」

「無理。むしろ卓也が許容して。私は、広重に会って世界が変わったの。そうやって私と彼を引き離そうとしないで!貯金はともかくとして生活費もいれてるし、家事だってやってる」

「あくまで広重を取るんだな。それならもう夫婦としていられない。仮想の人物だとしても、男と恋愛してたんだから不倫だろ。離婚の原因を作ったんだから、それなりの慰謝料を請求するから」

「わかった。私も広重のこと理解してくれない卓也とはもう夫婦ではいられない。でも、不倫じゃないから。純愛だから!!」

 

卓也はこれ以上何を言っても無駄といったような態度で自室に戻っていった。

私も広重の重要性がわからない男とは一緒に居られないから離婚してもいい。

でも慰謝料っておかしくない?

このまま離婚したら、不倫の慰謝料を支払わなくちゃいけないの?

 

弁護士の見解

乙子さんは卓也さんから離婚を切り出され、またゲームの登場人物との恋愛を不倫として卓也さんから慰謝料を請求されました。

乙子さんは慰謝料を支払う必要があるのでしょうか。確認していきましょう。

 

ゲーム上の登場人物との恋愛は法律上の不倫にはならない

法律上の不倫とは不貞行為といって、配偶者以外の異性と肉体関係があることを指します。

今回の乙子さんは、『広重』というゲーム上の登場人物と恋愛をしました。

まず法律で定められている人間の定義は、「法律上の権利能力が有すること」が挙げられます。

つまり自分の意思を持って行動できる能力が必要です。

ゲームの『広重』は製作者によって作られた人物で、自由に意思決定することはできません。

不貞行為は、人間の異性と肉体関係があることによって成立するので、乙子さんと『広重』の恋愛関係は不貞行為にあたりません。

仮に仮想空間で肉体関係を結ぶようなことがあったとしても不貞行為にはあたらないと思われます。

したがって、卓也さんが乙子さんに対して不倫の慰謝料を請求したとしても、そもそも請求権が生じないので、請求に応じなくても問題ありません。

 

乙子さんは不倫以外の理由で慰謝料を請求される恐れがあるのか

乙子さんがゲームの登場人物である『広重』と恋愛をしても、法律上の不倫には当たりません。

しかし他にも卓也さんは乙子さんが夫婦のルールを守らず乙子さんの給料の大部分をゲーム課金やグッズ購入費にあてたことも離婚したい理由のひとつだと考えられます。

給料は働いたひとの労働の対価として貰えるお金なので、働いたひとだけが自由に使えるというイメージをお持ちの方が多いかもしれません。

しかし婚姻期間中に形成された財産は、名義に関わらず夫婦の共有財産とみなされます。

自身が働いて得た給料であっても、共有財産とみなされます。

乙子さんはご自身の給料を使ってゲームの課金やグッズ購入を行いましたが、給料は夫婦の共有財産なので使い込んだということになります。

共有財産の使い込みは、場合によって慰謝料を請求することができます。

具体的に慰謝料を請求できるケースは、夫婦一方の浪費によって家計が圧迫された時等が考えられます。

乙子さんの場合、課金やグッズ購入等で家計が圧迫されたとはいえないので、慰謝料を支払わなくても良い可能性が高いです。

ただし、離婚時の財産分与の際に、使い込み分を相殺されて分け合うことになると思われますので、取得する財産が低くなる恐れがあります。

 

【結末】別居後、離婚へ…

ウキウタ沼にハマった結果、私と卓也は離婚することになった。

「頭を冷やして冷静に話し合おう」と卓也にいわれたので、争った次の日に私はマンションを出て、実家に帰った。

1か月ほど離れて暮らし、再度話し合いをしたけれど卓也は私のウキウタへの愛を全く理解してくれなかった。

卓也の方ももう離婚は仕方がないと考えたんだと思う。「慰謝料は請求しないから一刻も早く離婚したい。乙子の顔をもう見たくない」といわれた。

私はその言葉にかっとなって、「いいよ!私もあんたみたいなケツの穴の小さい男はごめんだわ!!」といい、離婚届にサインした。

 

―――――――

離婚して1年経った。

離婚の原因となったウキウタは、運営元の会社のごたごたで来月サービスが終了する。

私のウキウタ熱は、広重を担当する声優が変更になったり、運営の拝金主義になったりでかなり冷めている。

お金だけたくさん使って、人生のすべてだと思っていたゲームもサービス終了。

なんで、あの時離婚しちゃったんだろう。

卓也のことを思い出すと胸が痛む。

この前連絡を取ろうとしたけど、「この電話は現在使われていません」のアナウンスが流れた。

ヨリは戻せないとしても、財産分与とかもうちょっときっちりして離婚すれば良かったな…。

 

まとめ

恋愛ゲームにハマってしまい、夫から離婚を切り出された女性の体験談を紹介しました。

今回の体験談では、女性が慰謝料を支払う可能性は低いと解説しましたが、状況によっては有責行為となり、慰謝料請求が認められることもあります。

慰謝料請求は認められるかどうかは夫婦の状況等によって異なりますのでご注意ください。

 

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