【体験談】不倫の告白|アルバイト先の大学生と不倫に落ちた妻

大学生との不倫は遊びのはずだった

 

相談者(仮名):理子(32)

夫(仮名):栄太(32)

不倫相手(仮名):俊哉(20)

 

25歳で栄太と結婚。栄太の意向で勤めていた会社を寿退社した。

結婚して1年は家事をきちんと頑張ろうと掃除に精を出したり、凝った料理を出したりしていたけれど、元来じっとしていられない私は家にいるのが苦痛だった。

一日中家にいたくないことを告げて、栄太へ仕事に復帰したいことを伝えたけれど反対された。

お互い話し合って、「扶養の範囲内で働く」ということで折り合いをつけた。

以来、私は自宅から二駅離れたアンティークカフェで週に3回働いている。

働いているといってもチェーン店みたいに人の出入りは激しくないし、お昼時以外は静かなものだ。

オーナーは優しいし、店や労働条件についてはまったく不満はない。

ただ、つまらない。毎日家事と週何回かのバイト。

子どもができたならまた違うのかもしれないけど、栄太は仕事人間で、性欲より出世欲の方が強い。このまま一生つまらないまま過ごすのかと思うと、ぞっとする。

何か、なんでもいい、私は何かしら自分の人生に刺激を求めていたのだと思う。

 

俊哉がうちのカフェにアルバイトとして雇われたのは、1年半前のことだった。

オーナーが腰を悪くしてしまい、力仕事がきついということで、大学生になったばかりの彼を雇ったとのことだった。

一回りも離れている俊哉だったけれど、性格は穏やかで落ち着いており、成年ながら老成されているような印象を受けた。

接客はやや苦手のようだったけれど、仕事には熱心で一度教えたことはきちんとできる男の子だった。

素直にこちらのいうことを聞く彼に対して、私が悪印象を持つわけがなく、むしろ一生懸命仕事を覚える姿に好印象を持っていた。

つまらない生活を少しだけ豊かにしてくれる、俊哉は私にとってそんな存在だった。

 

栄太との生活には、ほぼ衝突がない。

夜中に帰って朝早く仕事に出かける夫に対してかける言葉は、「いってらっしゃい」と「おかえり」。平日は家にほとんどいないので、会話はあまりない。

とはいえ、栄太も悪いと思っているのか、休日は家族の日として、近所に買い物へ行ったり、ちょっと高級な店に食事へ行ったり、長期休暇は旅行にも連れてってくれるので、夫婦仲はおそらく良好。

夫の会社のひとには、オシドリ夫婦と思われているらしい。

平坦に続く夫婦生活につまらないと感じる私の方がおかしいのかもしれない。

ただ、栄太といてもやっぱりちょっと退屈で、おいしい食事も旅行も友達との飲み会に比べれば、退屈。

贅沢な悩みと思われるかもしれないけれど、それが私にとっての本当だった。

 

「好きです」といわれたのは俊哉がうちの店で働きはじめて半年経ったくらい。

落ち着いた彼らしくなく、顔を真っ赤にして私に好意を伝える彼を私はかわいいと思った。

とはいえ、結婚してるし、相手はこの前20歳になったばかりの男の子。

あり得ないなと思いつつ、魔が差したのは多分刺激が欲しかったからだと思う。

結婚していることを告げて断っても良かった。

私もそのつもりだった。けど、口について出た言葉は、「とりあえず二十歳祝いに飲みに行く?」だった。

「夫は遠方に出張だった」、「毎日ひとりで家にいる時間が空しい」、思うところは色々あったけれど、優越感があったと思う。

若い子に告白された、まだまだ捨てたもんじゃないなみたいな。

俊哉と飲みに行った日、自分からラブホに誘った。

私は結構最低で、「結婚してて離婚するつもりはないけど、それでもいいなら付き合うよ」といった。

俊哉は良心の呵責なのか、会ったことのない栄太への罪悪感からなのか返事をするのに時間がかかったけれど、結局は「よろしくお願いします」といって付き合うようになった。

 

俊哉と付き合うようになってから、それまで感じていた「つまらない」という感情が薄くなった気がした。

はじめのうちは、栄太を裏切っている罪悪感、バレたら終わりというスリル感、それがよくて不倫した。

私が求めているのは刺激なのでこんなこといってはなんだけれど不倫相手は誰でも良かった。

いや、本当にそのはずだった。

だけど、俊哉の不器用な恋愛が案外私に刺さったらしい。

本気ではないと思っていたのに、会える日を心待ちにしていたり、SNSの返事が待ち遠しかったり。

他のひとなら取るに足らないことでも俊哉からであれば、それは重要なことだと思っている自分にびっくりした。

俊哉への恋愛感情を自覚した私は、割り切らないといけないと思いつつ、のめり込んでいった。

平日は夜遅く帰宅する日が増え、栄太のいる休日も何かしら理由をつけて俊哉に会いに行った。

友達と旅行に行くと嘘をついて、1泊2日で箱根へ旅行にも行った。

不倫関係になって1年くらい、栄太よりも俊哉を優先して行動していた。

結婚7年目にして突然行動が変化した私に栄太が不審感を持つのは当然のことだったと思う。

私と俊哉の不倫はあっさりバレた。

 

弁護士の見解

不倫は、配偶者以外の異性と肉体関係を持つことで、不倫された側は慰謝料の請求権や裁判で離婚の可否を求めることが可能です。

では、今回の理子さんのケースが法律上の不倫に当たるのかどうかについて考えていきましょう。

 

結論からいうと、理子さんと俊哉さんの行為は法律上の不貞行為といえます。

まず、理子さんのお話から、二人がとった行動を抜き出して考えてみましょう。

 

  1. 俊哉さんが告白をしたこと
  2. 栄太さんの出張している時に理子さんと俊哉さんが飲みに行ったこと
  3. 栄太さんの出張している時に理子さんが俊哉さんとラブホテルに行ったこと
  4. 理子さんが俊哉さんと複数回ふたりで会ったこと
  5. 理子さんと俊哉さんがSNSで連絡を取り合っていたこと
  6. 理子さんが栄太さんに嘘をついて俊哉さんと旅行に行ったこと

 

上記の6つの行動の中で、確実に法律上の不倫といえる行動は、3と6の行動です。

 

ラブホテルに行くことは肉体関係が前提にあるとみなされる

3のラブホテルに行くということは肉体関係があったとみなされます。

というのも、ラブホテルは風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)で次のように定められている施設だからです。

 

風営法2条6項4号

専ら異性を同伴する客の宿泊(休憩を含む。以下この条において同じ。)の用に供する政令で定める施設(政令で定める構造又は設備を有する個室を設けるものに限る。)を設け、当該施設を当該宿泊に利用させる営業

 

ラブホテルは異性を同伴することが前提の施設なので、たとえ実際には肉体関係が伴わなくても肉体関係があったと推認されます。

 

配偶者以外の異性と旅行に行った場合肉体関係があるとみなされる

配偶者以外の異性とふたりで宿泊を含んだ旅行にいくことは肉体関係があったとみなされる可能性が高いです。

配偶者以外の異性とのふたりで宿泊すること自体が、法律上の不倫とされるからです。

旅行以外にも、理子さんの自宅、もしくは俊哉さんの自宅でふたりきりで長時間一緒にいたり、宿泊したりしているような証拠を栄太さんが持っていた場合には、そちらも法律上の不倫行為があったと推認される可能性が高いです。

 

どんな行為を不倫とするかは、個々の価値観や考え方によって異なりますが、法律上の不倫行為は肉体関係がある、または推認できるような行為がなければなりません。

例えば、理子さんと俊哉さんが不倫関係になるきっかけとなった、俊哉さんの告白は法律上の不法行為にはなりません。

なお、「SNSで連絡を取り合う」については、肉体関係を想起させるようなやりとりがなければ有力な証拠とはいえず、他の証拠がなく単に待ち合わせの日時や場所のやりとりだけでは法律上の不倫とは認められにくいです。

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不倫相手の大学生に制裁を加えたい夫

不倫はスマホの通知からバレた。

「不倫なんてしてない」って一応否定してみたけど、もう確信を持っているようで、「嘘をつくな」と火に油を注いだだけだった。

「なんで不倫なんかしたんだ。よりにもよって20歳のガキと!」と栄太はいった。

いや私が悪いんだけど。

そもそも栄太が刺激のある夫婦生活を提供してくれたら不倫に至らなかったはずで。

つまらない生活にいろどりを与えてくれたのは、「20歳のガキ」なわけで。

夫の怒鳴り声に対してだんだん私もイライラしてきて、「制限ばかり強いる栄太といても全然つまらない。あなたとの夫婦生活は退屈だった」といい返した。

結果は、当然火に油。

「不倫したお前ももちろん、相手の男にも慰謝料を払ってもらう」と鼻息荒く栄太がいった。

「私はともかくとして、俊哉は学生だから。慰謝料なんて支払わせない。夫婦のことなんだから関係ないじゃん」と返すと、

「俺たちの夫婦の仲を壊したんだから当然裁かれるべきだろ。学生っていっても大学生だろ」という。

高圧的な態度を取ってくる栄太にイライラする。

不倫のきっかけは栄太との夫婦生活がつまらないものだったからだし、オシドリ夫婦なんて周囲が勝手にいってただけで、今回の不倫がなくても夫婦の仲は壊れてたんじゃないの?

元々私の我慢で夫婦仲が維持できてたんだから、今回の不倫は栄太にも責任があると思う。

私が間違っているの?

別に不倫自体は悪いこととして、学生の俊哉が慰謝料支払う必要ある?

 

弁護士の見解

不倫関係が露見した結果、栄太さんは理子さんと俊哉さんに「慰謝料を支払ってもらいたい」という主張をしました。

そこで理子さんは以下について不満を持っています。

 

  • 理子さんが不倫した責任の一端は栄太さんにもあるのではないか
  • 大学生の俊哉さんが慰謝料を支払う必要はあるのか

 

それぞれ確認していきましょう。

 

理子さんが不倫した責任の一端は栄太さんにもあるのではないか

理子さんは、不倫より前からご自身の我慢によって栄太さんとの夫婦関係が維持されていたと主張しています。

まず、前提として夫婦にはお互い協力しあって共同生活を送る義務があります。

そのため、仮に栄太さんが一方的に夫婦生活に協力しない態度を取り続けていたのであれば、理子さんと俊哉さんが不倫関係に至る前に、実質上夫婦関係が破綻していたということになります。

夫婦関係が破綻している状態で他の異性と肉体関係を持った場合、関係が破綻している夫婦には法律で保護されるべき利益はないとみなされて、栄太さんには慰謝料請求権が発生しません。

しかし、夫婦関係の破綻とは、もはや修復が見込めないような状態を指します。

例を挙げると単身赴任等、特別な事情をのぞき長期間別居しているような場合等です。

これを踏まえ、理子さんと栄太さんの夫婦関係が破綻しているかどうかを考えていきましょう。

理子さんのお話を聞く限り栄太さんとの夫婦生活は次のようなものでした。

 

  • 同じ家に同居している
  • 平日は栄太さんの仕事が多忙であることを理由に会話は挨拶程度しかない
  • 休日は夫婦で買い物したり、食事にでかけている
  • 長期休暇の際は、夫婦で旅行に行くことがある

 

上記をみると、平日は夫婦のコミュニケーションが少ない状態であるものの、栄太さんは休日を利用して理子さんとの夫婦関係を維持しようとしている努力が見られます。

そのため、栄太さんが夫婦生活を維持するための努力を全くしていないということにはならない可能性が高いでしょう。

また、理子さんは俊哉さんとの不倫を始めたとき、「栄太を裏切っている罪悪感」、「バレたら終わりというスリル感」を持っているとお話されていました。

栄太さん以外の男性と肉体関係を持つことに罪悪感を覚えていること、「バレたら終わり」と感じていたということは、裏を返せば不倫する前、また不倫した直後の段階では理子さんと栄太さんの夫婦関係は壊れていなかったと認識していたと考えられます。

したがって、理子さんと栄太さんの夫婦関係は、理子さんが俊哉さんと肉体関係を持ったことが露見したことで破綻してしまったと考えられます。

 

大学生の俊哉さんが慰謝料を支払う必要はあるのか

法律上の不倫は、共同不法行為といって不倫した配偶者と不倫相手両方に法的な責任が生じます。

そのため、栄太さんは俊哉さんに対して慰謝料を請求する権利があります。

理子さんは、俊哉さんが学生であることを理由に、「慰謝料を請求するのはおかしい」と主張していますが、学生であったとしてもすでに自分で意思決定ができる成人年齢の18歳を超えています。

大学生という身分で経済的には親の庇護下にあったとしても、成人と扱いは変わりません。

親の承諾なしに自由に意思決定ができるということは、意思決定をして生じた結果に対して責任を持つということでもあります。

なお、不倫の慰謝料は俊哉さんの行動によって生じたものなので、俊哉さんの両親は不倫の示談書等で保証人にならない限り、肩代わりして慰謝料を支払う責任は生じません。
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まとめ

今回は夫婦生活をつまらないと感じていた女性が学生と不倫した体験談を紹介しました。

不倫は、不倫したご自身だけでなくその相手も責任を負います。

その責任は、たとえ大学生であっても変わりません。

とはいえ、恋愛感情は倫理的に間違っていると理性でわかっていたとしても超えてしまうこともあります。

その結果配偶者に知られ、不倫の慰謝料を請求されている、もしくは不倫相手の配偶者から慰謝料を請求されている等の状況にある方は一度弁護士に相談してみても良いかもしれません。

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