婚姻届を出して夫婦になると、恋人のときとは異なりオフィシャルな関係になります。
オフィシャルというとなんとなくイメージがつかない方もいらっしゃると思いますが、要は男女のあいだに義務や権利が発生することです。
例えば恋人の場合、婚約していることが明らかでない限り、他の女性、男性との浮気を法的に制裁することができませんが、夫婦になったらできるようになります。
今回は婚外恋愛に本気になってしまった男性の妻の相談事例と弁護士の見解を紹介していきたいと思います。
妻が婚外恋愛した記事はコチラ

婚外恋愛はどこからが不倫?夫が自分以外の女性と本気で恋愛するのが許せない!!
相談者:とみえ(29)
夫:葉蔵(32)
夫の葉蔵とは、お見合いで結婚しました。
もともと私の両親と葉蔵の両親が旧知の仲であったこと、また私自身彼の真面目な人柄に好印象を持っていました。
恋愛感情こそありませんでしたが、お互いこれから家族として平穏で幸せな家庭を作ろうと誓い合いました。
しかし、そんな誓いはまったくの無意味でした。
というのも、葉蔵は家庭と恋愛を完全に割り切る男だったからです。
葉蔵の性格がわかったのは、結婚式や新婚旅行を終えたころでした。
家のことをしているとスマホに「今夜○○ホテルで食事をしよう」というメッセージが届きました。
今朝、「残業なので夕食はいらない」といっていたので、不思議に思ったのですが、彼と夜出かけられるのが嬉しく、了承の返信を打とうしていたときのことでした。
食事の誘いは、「送信メッセージが取り消されました」に変わり、その後葉蔵からは「間違えた。予定通り残業」というそっけない連絡がありました。
結婚して3か月。
仲人も立てて両親の援助のもと、盛大な結婚式を挙げたにも関わらず、早々に浮気するはずがないと思ったのですが、ホテルのメッセージがどうにも気になり指定されたホテルのロビーに行くことを決めました。
葉蔵の会社は定時が18時、○○ホテルは彼の会社から2駅いったところにあるので、おおよその時間を計算し、若干の変装もしてロビーのソファに待機していました。
すると18時を30分すぎたころ、明るい茶髪で派手目の服装をした20代前半くらいの女性と葉蔵がホテルに入ってきました。
「まさか」とショックを受けたのですが、このまま見過ごしてはいけないと感じ、気づかれないようスマホのカメラを起動し、彼らがエレベーターに乗り込むところを写真に収めました。
不倫なのか、不倫じゃないのか…。
お見合いで恋愛結婚ではないとはいっても、3か月間一緒に過ごしていたので信頼や居心地のよさは覚えていました。
あんな若い子と2人で食事なんて不倫以外考えられないと個人的には思いましたが、会社の付き合いなどでたまたま食事をすることになった可能性も捨てきれません。
不倫だったとしても、たった1枚の写真で問い詰めたとして、頭のいい葉蔵がそれを認めるとは思えませんでした。
離婚とか慰謝料とかは置いといて、まずは真実を知りたいと思い、自分でいろいろ調べることにしました。
調べる手段としてまず、SNSで葉蔵のアカウントと一緒にいた女性のアカウントを特定することにしました。
葉蔵のSNSで知っているものはInstagramのみでした。
フォロー数は30人以下、フォロワー数は0人で写真投稿は1枚だけの典型的な見る専用アカウントです。
フォローしているアカウントは芸能人や有名なインフルエンサーだったので、このアカウントは本当に情報収集用でしか使っていないようでした。
次にアカウント名の「yozo×××06211123」に着目しました。
アカウント名をそのまま別のSNSで転用するひとは少なくないので、X(旧Twitter)で葉蔵のアカウント名を検索しました。
すると一発でビンゴ。
ポストをみてみると頻繁に動いているので生きているアカウントであることが分かりました。
内容に関してはあたりさわりのない内容で私の悪口はもちろん個人が特定できるようなものはほとんどありませんでした。
ただ内容を確認していく中で、普通はあまりリプライがつかないようなものに対して、同じ女性が反応していたので、そのひとのアカウントに飛ぶことにしました。
すると、具体的なポストはないものの、既婚者との恋愛のポストをリポストしていたり、恋愛に関するものがありました。
私は葉蔵のXのアカウントを見つけた要領で、その女性のアカウント名から他のSNSを利用していないか探しました。
すると彼女のInstagramのアカウントを見つけました。
投稿内容には葉蔵が○○ホテルで女性と食事をした日付で、「彼氏と食事デート」と○○ホテルで出されている食べ物の写真が投稿されていました。
ハッシュタグには「#婚外恋愛」「#出会うのが遅すぎた」といったような不倫を匂わすようなものをつけていました。
彼女のアカウント名や投稿についている返信内容から、彼女が都内の○○大学に通う舞衣子という女性であることが分かりました。
ただ実際肉体関係を持っているかが分かるような生々しいものまでは投稿していなかったので、この情報で夫にカマをかけてみることにしました。
とりあえず、私の親戚が葉蔵を○○ホテルで若い女性といるところを見かけたらしいといってみました。
すると、彼は「ああ、浮気を疑っているのか。別に彼女と性的関係は持っていないよ。婚外恋愛をしているだけだ。お互い本気なんだ。とみえとはお見合いで夫婦になったからお互い恋愛感情を持つことは厳しいだろ。だから、本気で好きなひとは君以外につくるよ。その代わり、家庭は大事にする。本気で恋愛しても一線は守るようにするし、離婚は絶対にしない。本気の純愛なんだ。君に恋愛感情を抱けない以上、恋愛に対する欲は外で発散しないと、生活に支障がでるだろ」といいました。
彼の恋愛観や結婚観に驚きを隠せませんでしたが、私自身もあれだけ盛大に祝われてすぐに別れるということはできないと思いました。
そのため、私は葉蔵に「今すぐに恋愛感情を持つことができなくても、未来のことはわからないと思う。私は夫婦でいる以上、恋愛関係が持てるよう努力していきたい」と伝えました。
葉蔵は、「わかった。ありがとう」といったので、私は彼と恋愛関係になれるよう努力することを決めました。
半年間のあいだ、さまざまなデートを重ねたり、女性として努力をしたり、葉蔵の趣味を一緒に始めたりと実際に行動しました。
私自身は、葉蔵の恋愛観などの価値観が合わない部分はあるとはいえ、とても魅力的なひとだと感じ、結婚当初よりもっと好きになりました。が、葉蔵は違ったようです。
葉蔵との関係改善をはかって以降、婚外恋愛相手である舞衣子さんのInstagramを見ていませんでした。
しかし先日どうしても我慢できなくなり、確認したところ葉蔵が舞衣子さんに対し指輪を贈ったことがわかりました。
私が努力しても無理ということがよくわかりました。
ただこのまま離婚を考えたとしても葉蔵は拒否するだろうし、私も慰謝料も何もないまま別れるのは悔しいです。
現状私が持っているのは、不倫相手女性のSNSアカウントの情報や○○ホテルに2人でいった写真くらいです。
どうすればよいでしょうか。

弁護士の見解
婚外恋愛とは既婚者である男性や女性が配偶者以外のひとと恋愛関係を持つということです。
婚外恋愛が法律上の不倫になる線引きとして、性的行為があったかどうかになります。
今回の相談者であるとみえさんの場合、葉蔵さんが婚外恋愛相手と推定される舞衣子さんと性的関係を持ったかどうかが重要になります。
葉蔵さんと舞衣子さんのあいだに性的関係が推認できる証拠、例えばラブホテルに出入りしている写真や2人がホテルの一室で過ごしたことが分かるものなどを入手できるかがカギになります。
葉蔵さんと舞衣子さんのあいだに性的行為があったことを推認できるようなものがあれば、法律上の離婚事由である不貞行為になるため、離婚交渉を優位に進めやすくなります。
また、その証拠は葉蔵さんと舞衣子さんが、とみえさんの持つ貞操権を侵害していることを立証するものにもなるので、慰謝料を請求することも可能です。
自力で証拠を掴むのが難しいと感じたのであれば、探偵へ不貞行為の調査を依頼することも手段のうちです。
また離婚する意思が固まっているのであれば早い段階で弁護士に相談することも考えてみても良いでしょう。
まとめ
今回は夫である男性の婚外恋愛で悩んでいる女性の相談例と弁護士の見解について紹介していきました。
婚外恋愛というと、一見きれいに聞こえるかもしれませんが、既婚者が配偶者以外のひとと性的関係を結んだらそれは不倫です。
そのため離婚や慰謝料を請求したいという意思を持っているのであれば、ひとりで戦うのではなく弁護士に相談することを検討しましょう。
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