離婚後に養育費を払わないなんてアリ?正しく対処するための知恵をご紹介

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養育費の取り決めをしても、離婚後には支払わなくなる人もいます。なかには不当な理由で養育費の支払いを拒否する人も……。

養育費の問題について、適切に対処するためにはどうすればいいのか……。今回は、この悩みに対していくつもの事例を見てきた桔梗さんにお話を伺い、

  • 離婚後に養育費の支払いを拒否できるケース
  • 養育費の支払いを拒否できないケース
  • 養育費の支払額を減らす方法
  • 養育費を払わない場合、どうなるのか?
  • 元パートナーが養育費を払わないときの対処法

を紹介します。養育費についてしっかりと把握したうえで対応したい人は、ぜひご覧ください。

離婚後に養育費の支払いを拒否できるケース

状況によって養育費は拒否できることがあります。どんなときに養育費を払わなくて済むのか、確認しておきましょう。

養育費の支払い義務がある人に収入がない場合

無収入の状態では、養育費を払いたくても払えません。そのため、なんらかの事情があって働けないなど、収入がない場合には養育費の支払いを免れられるケースがあります。

これは養育費を払うために最低限の生活費を削ったり、お金を借りたりしなくていいことを意味します。たとえば、生活保護を受けている場合にはお金を受給していますが、これは収入にならないため養育費を払わなくて良いとされるのです。

元パートナーの再婚相手と子どもが養子縁組をした場合

養子縁組は、法的に親子の関係を認める行為。法律によって新しい父親が育ての親として認められると、子どもを養う責任は養親が持つことになります。そのため、元パートナーが新しいパートナーを見つけ、子どもが養子縁組をした場合には、養育費の支払いを免除されることがあるのです。

子どもが大人として認められたとき

養育費は、子どもが大人になるまでのあいだ支払うお金なので、子どもが大人になったと認められれば支払う必要がなくなります。たとえばどんなケースがあるのか、具体的に見ていきましょう。

子どもが20歳になったとき

子どもが大人になったと認められるのは、原則として20歳になったときです。そのため、子どもが成人すると養育費の支払い義務が消えます。

ただし、離婚時の取り決めなどで、子どもが22歳になるまでは養育費を支払うと決めていた場合には、指定した期限まで養育費を支払わなければいけないので注意が必要です。

子どもが結婚したとき

20歳になっていなくても、結婚すると大人になったとみなされます。そのため、未成年の子どもが結婚をしたときは、養育費を払う必要がなくなることに。養育費の支払いを少しでも早く終わらせたい場合は、しっかりと押さえておきましょう。

子どもが就職したとき

未成年であっても就職をすると、基本的には大人になったとみなされます。社会人となり、自立したことで大人になったと考えられるので、養育費の支払いを免れられるのです。

養育費の支払いを拒否できないケース

一見、「支払わなくても良いのではないか」と思える状況でも、養育費の支払い拒否が認められないことがあります。どんな場合にそうなるのか、チェックしておいてください。

生活レベルを落としても生活できる場合

住宅ローンが残っていたり、家賃の高い家に住んでいたりすることを理由にしても、養育費の支払いを免れることはできません。これらは生活レベルを下げることで、養育費を支払えるとみなされるからです。

離婚後に養育費を支払わなければいけない理由は、親には子どもを育てていく義務があるから。これを、子どもに対する親の生活保持義務と呼ばれています。この義務によって親と同じレベルの生活をするために養育費を支払う義務があるので、余裕のある暮らしをしている場合には、生活レベルを下げて養育費を支払わなければいけません。

元パートナーが再婚したものの、子どもとは養子縁組をしていない場合

元妻が再婚しても、再婚相手と子どもが養子縁組していない限り、子どもの養育義務は実の父にあります。そのため、元妻の再婚のみを理由に養育費を支払わないことはできません。このケースでは養育費の免除はおろか、減額も認められないことがあるので注意してください。

子どもと会わせてもらえない場合

子どもと会えないからといって、養育費を払わないことは認められません。なぜなら子どもを養う義務は、子どもと会えるかどうかによって左右されるものではないからです。養育費は元妻に払うものではなく、子どもが親からもらえる権利。

「元妻が子どもと会わせてくれないので、養育費を払いたくない」と主張する人は珍しくありませんが、この理由では養育費の支払いを免れることはできないと、頭に入れておきましょう。

養育費の支払額を減らす方法

養育費の支払いを免れることはできなくても、金額を減らすことはできるかもしれません。どんな方法で養育費の減額ができるのか、ここではまとめました。

元パートナーに相談する

離婚するときには予想していなかったケガや病気に見舞われてしまい、養育費の支払いが困難になるケースがあります。このような場合には、元パートナーに養育費の支払い金額を減らしてもらえないか相談してみましょう。

それに対して相手が了承してくれれば、家庭裁判所に対する手続きは不要です。離婚する際に公正証書をつくっていた場合には、減額したときの内容についても公正証書に残しておくことをおすすめします。

養育費減額請求に関する調停を起こす

元パートナーに相談しても承諾を得られない場合、調停を申し立てることで養育費の支払いが減額されることがあります。養育費減額請求調停を起こす際には、家庭裁判所への手続きが必要。この調停では、元パートナーとのあいだに調停委員が入って話し合いを進めてくれます。

話し合いが難航した場合にはお互いの年収や話し合いの経緯をふまえ、養育費の減額を認めるかどうかについて家庭裁判所が決定を下します。

養育費を払わない場合、どうなるのか?

養育費を払わないと、思った以上の不利益を被ることがあります。安易に養育費を滞納しないためにもリスクを把握しておきましょう。

元パートナーが訴えを起こさなかった場合

相手が家庭裁判所に訴えを提起しなければ、養育費の不払いによる罰則などはありません。養育費は子どものための権利なので、責任を免除されることはないものの、訴えを起こされない限りペナルティはないのです。

元パートナーが訴えを起こした場合

養育費を滞納することによって相手が家庭裁判所に訴えを起こすと、差し押さえ行政罰などの恐れが生じます。詳しく見てみましょう。

給料を差し押さえられる

養育費を払わないことで相手が家庭裁判所へ手続きをすると、給料を差し押さえられます。相手に連絡することなく1回でも養育費の支払いが滞れば、強制執行される恐れが生じるので注意してください。

給料を差し押さえられると、会社側に養育費を支払わなかったことがバレてしまい、仕事に悪影響が生じるかもしれません。この差し押さえは退職金や役員報酬なども対象になるので、リスクを把握しておいてください。

さらに、未払いの養育費を支払い終わったあとも差し押さえは継続されます。基本的には相手が強制執行の手続きを取り下げるか給料を受け取れなくなるまで給料から天引きされ続けるため、リスクが大きいことを把握しておきましょう。

過料・延滞金を取られる

養育費の支払いに応じないと、行政罰が科される恐れがあります。家庭裁判所からの支払命令に背けば、10万円以下の過料を払わなければいけないかもしれません。また、支払いが遅れたことに対する延滞金に該当する遅延損害金を請求されるケースもあるので、気をつけましょう。

元パートナーが養育費を払わないときの対処法

養育費を支払わない人は7割~8割にのぼるといわれています。もしあなたが養育費を払ってもらえない場合にどうすれば良いのか、ここで押さえておきましょう。

養育費の取り決めが証明できる場合

公正証書を残しているなど、家庭裁判所によって養育費に関する取り決めが確認できる場合には、強制執行の申請をしましょう。このときの手続きは難しくなく、必要な書類を準備して家庭裁判所に手続きをすれば執行されます。このときに差し押さえられる金額は、原則として給料の半分までです。

すでに述べたように、一度給料を差し押さえると、滞納分の支払いが終了したあとも差し押さえは継続されます。これは原則として強制執行の取り下げをおこなうか、相手が給料をもらえなくなるまで続くので、その後も安心して暮らすことができるでしょう。

養育費の取り決めが証明できない場合

口頭での約束しか交わしていない場合などは、養育費に関する調停を申し立てることで相手に養育費の支払いをさせることができます。調停で話し合いがまとまらなくても、家庭裁判所によって養育費の相場をふまえて支払いを命じてくれるケースがあるので、諦めないで請求することを検討してください。

まとめ

養育費を払わないと、差し押さえられるリスクが生じます。相手が差し押さえの解除請求をするまで給料から天引きされるほか、会社にいづらくなるなど、大きなデメリットやリスクが考えられるので注意が必要です。

また、離婚する際には家庭裁判所に養育費の請求を認めてもらえなければ、強制執行の手続きができません。ただし、養育費に関する調停を起こすことで、家庭裁判所に認めてもらえるケースもあります。

養育費は、子どものためのお金です。このことをふまえて、適切に養育費について対処しましょう。

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