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離婚調停期間は長い人だと1年以上になることがあります。ですが、適切に対処すれば少しでも短くでき、早く新しい生活に入れます。
たくさんの時間や労力を割きたくない……このお悩みへの対処法を把握しているAnnalieseさんにお話を伺って、以下についてまとめました。
- 離婚調停とは
- 離婚調停に進む夫婦が直面する問題
- 離婚調停の流れ
- 離婚調停期間の目安
- 離婚調停期間を短くする方法
離婚におけるさまざまな手続き、やっておくべきことがわからない人はぜひご覧ください。
離婚調停とは
離婚についての話し合いがもつれたときにとられることが多い離婚調停…。ここでは、「そもそも離婚調停とはなにか?」についてお答します。
離婚調停とは離婚について調停委員を挟んで話し合う場のこと
離婚調停とは、離婚について双方が合意できる方法を模索するための方法のこと。調停委員が間に入ることで、落ち着いて話し合いを進められたり、夫婦間での話し合いだけでは思いつかない方法に気付けたりする点がメリットです。夫婦だけでは離婚についての話し合いが進まない場合や、何らかの理由で夫婦間のみの協議が難しかったりする場合に離婚調停がされます。
離婚調停で話し合えることは、離婚に関すること全般です。たとえば以下のような内容があげられます。
・養育費
・面会交流
・財産分与
・年金分割
・慰謝料など
離婚調停は強制力をともなわない
離婚調停の際に夫婦の間に入ってくれる人が調停委員。調停委員は裁判所における調停委員会のメンバーですが、裁判官ではありません。そのため、強制的に離婚をさせたり離婚を認めなかったりすることはできません。
あくまで夫婦間の合意にこぎつけることが調停委員の役割。そのため、調停委員は夫婦それぞれの主張を聞き、お互いが納得できる方法を模索するのです。これらのことから離婚調停で合意にこぎつけられなかった場合には、離婚に関する話し合いがまとまらず、最終的にどうするのかも決まりません。
このときに、「それでもやっぱり白黒ハッキリさせたい」という場合にとられるのが離婚訴訟です。裁判で下された判決には強制力がともなうので、否応なしに離婚についての結果が出ます。

離婚調停に進む夫婦が直面する問題
夫婦間での話し合いがまとまらない原因は大きくわけて2つ。そんな状況で離婚調停が選ばれるのか、まとめました。
離婚するかどうかで折り合いがつかない
あなたが離婚をしたいと思っていても、パートナーの同意がなければ夫婦の話し合いによる離婚が難しくなります。たとえば、パートナーの浮気や家庭内暴力などが原因で離婚を決意しても、なかなか離婚してくれないケースがあげられます。
ほかにも、明らかに夫婦関係が破綻しているのに、経済状況を理由に離婚に同意してくれないこともあります。夫の収入が多く、妻が専業主婦の場合、いくら夫が離婚したいと思っても、妻は離婚したくないと思いがち。妻としては離婚してしまうと、自分で働いて生計を立てなければいけないからです。
このように離婚するかどうか自体で折り合いがつかず、離婚調停に進む夫婦は少なくありません。
離婚条件がまとまらない
お互いに離婚したい気持ちは同じでも、離婚に関する取り決めで合意ができないケースです。養育費や財産分与、慰謝料の有無など、金銭面での折り合いがつかない夫婦もいます。
たとえば、夫の浮気が原因で離婚したいと思っても、「月に5万円の養育費ではやっていけない」と感じる妻もいます。その一方で夫は、「ほかにも手当などがもらえるんだから、月に5万円も渡せば充分に育てていけるだろう」と思うかもしれません。
このあたりは夫婦関係や子どもにかける教育費、夫の収入など、さまざまなことが関係するので、いったん話し合いがもつれると、合意にこぎつけにくといえます。そのため、「夫婦でいくら話し合っても解決できないから、離婚調停に進もう」となるのです。
離婚調停の流れと期間
申立て
離婚調停をするためには、まず申立てをする必要があります。基本的には家庭裁判所に申立てをしたあと、裁判所によって申立てが受理されます。その後、担当裁判官と調停委員の決定がおこなわれ、申立てが完了に。
ここまでにかかる期間の目安は、約1ヶ月です。
調停
申立てが完了すると、第1回調停期日が決定し、相手方に通知書が送られます。その後、第1回の調停がおこなわれて不成立の場合には、2回目の調停へと進むことに。次の調停に進むまでの期間は約1ヶ月~1ヶ月半ほど。調停が終わるまで離婚調停が続けられます。
離婚調停期間の目安
離婚調停の約70%は6ヶ月以内に終わるとされています。つまり3~4回の調停で終わるケースが多いといえるでしょう。
期間が短い場合には1ヶ月で終わることもありますが、これは全体の約6%とされています、1回の調停で離婚が成立することは難しいといえるでしょう。
反対に離婚調停が長引く場合、1年以上かかるケースも……。どちらも意見を譲らない場合、5回以上も調停を繰り返すことも珍しくありません。

離婚調停期間を短くする方法
離婚調停期間の長短は、いかにうまく話をまとめるかにかかっています。どんなことに注意すれば良いのか、まとめました。
無茶な要求をしない
無茶な要求を突きつけると、話がまとまりづらくなるので離婚調停が長引いてしまいがち。そのため、相場をふまえて合意を目指すことが効果的です。
たとえば財産分与の場合、お互いの財産について、ある程度把握しているケースが多いといえます。お互いの状況をふまえて折り合いがつきやすいような条件にすると、離婚調停期間を短くしやすくなるでしょう。離婚調停においても妥当な金額が提示されるので、参考にするのもひとつの手です。
これは養育費の場合にも同じです。子どもの人数や相手の年収によって、ある程度の相場が決まっています。この点をふまえて、無茶な要求をしなければ、離婚調停期間を短くできるでしょう。
不倫の証拠をつかんでおく
これは不倫による慰謝料を請求する際に有効な方法です。不倫の証拠をつかんでおくと話がまとまりやすくなります。あとは慰謝料の相場に照らして妥当な金額を請求すれば、離婚調停期間を短縮できるでしょう。
反対に証拠をつかめていないと、泥沼化してしまう恐れがあります。相手が不倫認めない限りは、離婚調停期間が長くなってしまうので注意しましょう。
まとめ
離婚調停期間が長くなるほど、お互いの負担が大きくなるので、双方にとって良くありません。そのため、できる限りスピーディーに終わらせて、新しい生活をスタートさせることが重要です。
離婚調停に1年以上もの月日を費やしてしまうと、その後の人生にも悪影響が出てしまうかもしれません。大きな視点で見て、適度なところで折り合いをつけ、離婚調停期間を短縮してくださいね。