勝手に離婚届を出しても許される? ~絶対にやってはいけない○○なこと~

「早く離婚したい」、「一刻も早くパートナーと別れたい」「彼の顔も見たくない」
現在、離婚の話合いの最中の方で、パートナーに原因があった場合には、早急に離婚したいとお考えの方がほとんどだと思います。
とはいえ、お金の面、感情の面、今後の生活の面。
どれをとっても慎重に考えなければならないことです。
今回は離婚を進めるうえで、注意すべき点をお話していきたいと思います。

離婚届に注意 ~パートナーに内緒で出したら無効?~

離婚には、協議離婚・調停離婚・裁判離婚とありますが、実際に離婚するには、役所に離婚届を提出することが必須です。
調停離婚や裁判離婚で離婚届を提出するときには、すでに調停や裁判で離婚の可否が決まっているので、特に問題はないかもしれません。
ただし話し合いによる協議離婚では、なかなか双方の主張がまとまらず、うんざりなんてこともあるでしょう。
とはいえ、相手の合意を得ずして、離婚届を出してしまうと大変なことになります。

協議離婚では相手の合意が必須…

協議離婚は、法律で決まっている離婚事由(以下法定離婚事由)に該当しなくても、相手の同意があれば離婚が可能です。
例えば、「結婚に向いていないから」、「価値観が合わないから」といったあいまいな理由でも、離婚が成立します。
ただし、「あいまいな理由」で離婚を成立させるには「相手の合意」が必要です。

合意を得ていないのに、相手の署名や印鑑の部分を勝手に書いて提出してしまうと、有印私文書偽造罪にあたり、懲役3か月以上5年以下が科される可能性があります。
加えて、戸籍に虚偽の情報を載せることになるので、電磁的公正証書原本不実記録罪に該当し、5年以下の懲役、もしくは50万円以下の罰金を科されることもあります。
また、相手の合意を得ず提出した離婚届は無効になる確率が高いです。

具体的にどのような場合、離婚が無効になる?

離婚届の相手の欄は、すべて本人が記載しなければいけないわけではありません
離婚届には相手の署名や印鑑を押す箇所があるのですが、その項目以外は記載してもらっても問題ありません
また署名については、相手の同意があれば代筆が可能です。
代筆が有効なパターンと、無効になるパターンは以下になります。

有効
相手の合意を得て、署名を代筆し、押印してもらう
相手の合意を得て、署名を代筆し、拇印をもらう

無効
×相手の合意を得ず署名を代筆し、押印する。

以上が離婚の有効・無効のパターンでした。
なお、上記以外にも、いくつかパターンがあります。

例えば、パートナーが離婚に同意をしているけれど、署名・押印は自分でやるといった場合に、待ちきれず署名・押印をしてしまったケースです。
こういった時は、離婚後にパートナーが改めて離婚に同意すれば追認と言うかたちで離婚が成立します。
また、相手に脅迫行為などをおこない、無理やり同意させた場合には、後に離婚無効の調停を家庭裁判所に申し立てられる危険性がありますので注意しましょう。

離婚届を提出されそうな場合には…?

テレビやドラマなどで、「提出しないから離婚届に署名と判だけちょうだい」なんてセリフを耳にすることがあると思います。
この離婚届は、本人が署名・押印しているので、役所に提出すると「離婚に同意した」とされ、成立する可能性が高いです。
このように、自身が離婚を望んでおらず、反対にパートナーが離婚を望んでおり離婚届を提出される危険がある場合には、「離婚不受理申出」を提出しておきましょう。

離婚不受理申出とは、役所で手続をおこなうことで、無断での離婚届出を防止出来ます。
不受理申出には離婚関連の他にも、いくつか種類があるので「協議離婚届」が必要であることを伝えましょう。
詳細につきましては、各自治体で異なる場合もありますので、お住いの(住民票のある)役所に確認しておくことが大切です。

なんてたって子どもが一番 ~どうして離婚前に養育費を決めるべきなの?~

離婚するパートナーとのあいだにお子さんがいらっしゃる場合、気になるのは親権や養育費についてです。
もっとも、親権、もしくは監護権については育児放棄や虐待などが無い限り、母親側が親権取得(※)に有利であるのが実情です。

しかし養育費については、離婚した女性の半分以上が貰えていない、もしくは貰っていないのが現状になっています。
また驚くべきことに、養育費を取り決めずに離婚し、不払い状態になっている方が多いです。
確かに、一刻も早く離婚を成立させたいがため、細かなことを決めずに別れることは、まま起こりえることです。
こと、パートナー側に離婚の原因があった場合には、「早く離れたい」という心情も理解できます。

しかし、ひとりの子どもを育てるにはたくさんのお金がかかります
養育費を貰わなかった結果、お子さんの未来の選択肢をせばめてしまう可能性も否定できません
どうして離婚前?養育費の取り決めはいつでも決められるでしょ?」と疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。
おっしゃる通り、離婚後でも養育費の取り決めは可能です。
ただし、離婚前に決めることにはメリットがあるのです

養育費って…?

そもそも養育費は貰うかどうかの選択権は、親ではなくお子さんにあります
また、養育にかかる費用を支払うことは、親の義務として法律でも定められています。
したがって、本来非親権者(非監護者)である親は、多少無理してでも支払わなければならないのです。
とはいえ、いくら子どもが決めることだからと言って、お子さんが小さく判断がつかない場合には、親が代理して養育費について決めることになるのです。

離婚前に養育費を決めるメリットとは…?

離婚前に養育費を決めるメリットとしては、主に以下の2点が挙げられます。
①養育費を貰えない期間が無い
②話し合いがしやすい

①養育費を貰えない期間が無い
先ほどもお話しましたが、養育費は離婚後にも取り決めることが出来ます
しかし離婚後に決めると、離婚成立~養育費の取り決めまでの期間の養育費を貰うことが出来ません
対して、離婚前に養育費の取り決めをしておけば、離婚後から貰えることが出来、養育費が支払われない空白期間を生みません
したがって、離婚前の取り決めすることが推奨されるのです。

②話し合いがしやすい
離婚が成立する前であれば、多くの方がパートナーと同居しているでしょう。
そのため、養育費の金額、支払い方法などについて詳細に決めることが出来ます
また、別居している場合でも、婚姻関係にあるので比較的連絡が取りやすく相手の動向をつかみやすいメリットもあるでしょう。
しかし、離婚後の話し合いになると、相手が忙しかったり、応じてくれなかったりするケースが多くなります。
なかには、離婚したことに「これ幸い」と感じ、音信不通になり足取りがつかめず、泣き寝入りなんてこともあるのです。
このような状況を事前に防ぐためにも、離婚前に養育費の取り決めをしておくことが大切なのです。

音信不通になったら養育費は絶対にもらえない…?

なお、離婚後元パートナーと連絡が取れず、養育費が不払いになると、取り返しがつかないのかというと決してそうではありません。
戸籍の除票の履歴を追って元パートナーの所在を確認できるケースもあります。
そのため、すぐに諦めず専門家や役所などに相談することも大切です。

まとめ

今回は、離婚届や養育費に関する注意点についてお話してきました。
どちらも離婚を成立させるため、また離婚後の生活のためにとても大切なことです。
多くの方にとって、離婚の経験は一生に一度あるかないかの大きなトラブルでしょう。
また恋愛や家族の情などが絡み、なかなか冷静に向き合えない問題でもあります。
「感情的にならない」と頭では理解していても、ついつい感情が全面に出てしまうなんてこともあるかもしれません
そんな時には、友人や家族、弁護士などの第三者を間に入れることも手段のうちです。
また、弁護士は自身が熱くなってしまい、見えていない部分を指摘してくれることもありますので、予算を決めて検討してみても良いのではないでしょうか。

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