離婚の原因は性格の不一致?弁護士が解説する有責行為の種類と影響

夫婦が離婚する原因として性格の不一致が挙げられます。

実際に性格の不一致は、裁判所で公表されている離婚調停を申立てする理由の中で最も多いもののひとつです。

今回は、離婚原因の性格の不一致について詳しく解説していきたいと思います。

離婚の原因は性格の不一致?

性格の不一致を理由に離婚する夫婦は少なくありません。

とはいえ、夫婦の性格が違っても折り合いをつけて仲良く生活しているひともいるでしょう。

性格の不一致が原因で離婚に至るケースとは、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。

性格の不一致が離婚の原因となるケース

性格の不一致が原因で離婚する理由として次のようなケースが考えられます。

 

  1. 信念や行動基準の価値観の違い
  2. 対人関係に対する考え方の違い
  3. 趣味や興味の違い
  4. 生活リズムの違い

 

当然ですが、夫婦だからといって価値観や趣味、生活リズムがまったく同じではありません。

性格が違うからこそコミュニケーションをしっかりとって、それぞれの折り合いの付け方を探し、夫婦関係を良好に保とうと双方が努力するのです。

しかし、会話やLINE、電話などでのコミュニケーションが不足している場合や、夫婦の一方だけがもう片方に合わせようと努力していると、次第に不満が生じてきます。

不満を抱えている方が我慢しているうちは離婚を回避できるかもしれません。

しかし夫婦の一方だけが我慢している状態は健全とはいえず、時間を経るごとに歪みが大きくなってしまい最終的に離婚してしまうことは少なくありません。

性格の不一致が有責行為になる場合

有責行為とは、簡単にいうと夫婦関係が破綻する原因となった言動をいいます。

夫婦関係が破綻する原因を作った側を有責配偶者といいます。

有責配偶者は基本的に離婚裁判を起こすことができなかったり、状況によっては相手方から慰藉料を請求されることがあります。

性格の不一致で離婚する場合、有責配偶者になることはあるのでしょうか。

単に「相性が悪い」、「馬が合わない」という理由では有責行為とみなされる可能性は低いと思われます。

有責行為は、夫婦関係を修復不可能にした原因になる行為を指すので、意見の食い違いで起こる夫婦喧嘩では認められることはありません。

とはいえ、性格の不一致が有責行為の原因になる可能性は十分にあり得ます。

例えば次のような場合、有責行為としてみなされる可能性が高いです。

 

  1. 自分の価値観や生活スタイルを認めさせるために暴力をふるう行為
  2. 自分の価値観を一方的に押し付け、相手の言動を制限させるような行為
  3. 育児や家事を一切協力せず、理由もなく別居する行為
  4. 価値観の違いについて話し合おうとせず、他の異性と肉体関係を持つ行為
  5. 性格の不一致で不仲になったことを理由に家計へ一切のお金を入れない行為

 

性格の不一致のトラブルが、暴力行為や過度な行動制限、異性と性的関係を結ぶなどの行為に発展したときには、有責行為になる可能性があります。

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性格の不一致を理由に離婚するときの対応方法とは

性格の不一致を理由に配偶者と離婚したいと考えたときには、まず相手との話し合いで離婚が成立できるかを考えましょう。

離婚を切り出すときには、感情を抑えて自分の主張を伝えることが大切です。

感情任せに離婚を切り出すと、相手の態度がかたくなになったり、その場限りで離婚を口にしていると思われてしまうので、次のポイントを意識して話をしてみると良いでしょう。

ポイント①離婚を意識した原因

配偶者と離婚したいと思った原因をはっきり伝えましょう。

伝える前に、離婚したいと思った原因をメモしておくと良いかもしれません。

複数の原因が重なって離婚を決意したときには、できるだけ詳細に自身が思う離婚原因を箇条書きにしておくと良いでしょう。

ポイント②離婚を回避するために行ったこと

配偶者との夫婦関係を維持するために、自分が行った努力などを伝えると良いでしょう。

少しわかりにくいと思いますので具体例を確認してみてください。

 

【具体例】共働きなのに夫が育児や家事を一切協力しないので離婚したい場合

 

①率直に家事・育児の負担割合が高すぎることを相手に伝えた。

②夫の家事や育児の能力を考え、保育園の送りと風呂掃除を提案した。

③自分の仕事の負担と家事育児の負担について説明し相手に伝えた。

 

上記のように配偶者に対する不満を解消するために、実際に行動したことを伝えましょう。

そのうえで、配偶者がご自身の不満を解消するために歩み寄る言動をとってくれたのかなどについても伝えても良いでしょう。

ポイント③離婚の同意を得るだけではなく離婚条件も取り決める

性格の不一致を理由に離婚を切り出し、相手が同意した場合でもすぐに離婚届を提出するのは避けましょう

離婚する場合は、同意だけでなく次の項目もきちんと取り決めるべきです。

 

  • 財産分与
  • 養育費

 

財産分与は、結婚から離婚するまでの間に協力して築いた夫婦の共有財産を分けることです。

相手方が、「財産は自分が稼いだお金だから」といって財産分与を拒否したとしても、「協力」とは収入などの金銭だけではなく、家事・育児なども含まれるので、あなたにももらえる権利があります。

養育費は離婚して子どもと別居した親に支払い義務のあるお金です。

離婚すると夫婦関係は解消されますが、夫婦のあいだに生まれた子どもとの親子関係はそのまま継続されます。

子どもの養育にとって非常に大切なお金になりますので、離婚前に取り決めておきましょう。

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性格の不一致で離婚を意識した場合に弁護士へ相談するメリット

離婚は基本的に夫婦双方の合意があって成立します。

離婚を切り出したとして、相手方が拒否する場合には、離婚に同意してもらえるよう話し合いを重ねていく必要があります。

また離婚の同意が得られたとしても、親権や財産分与、養育費などで夫婦の意見が合わないこともあります。

夫婦の話し合いでお互いの意見が折り合わない場合には、弁護士への相談を検討してみましょう。

弁護士に離婚問題を相談するメリットとして、次のようなものがあります。

相手との交渉を代理してもらえる

弁護士に依頼した場合、配偶者との交渉を代理してもらうことができます。

当事者同士が話し合うと、お互い感情的になってしまい、なかなか取り決められないこともありますが、弁護士が交渉することによって、取り決めがスムーズにいくこともあります。

弁護士は代理人として依頼者の望む条件で離婚が成立するよう最大限努めてくれます。

離婚協議書を作成してもらえる

弁護士に依頼するメリットとして、法的に有効な離婚協議書を作成してくれる点です。

また、養育費のように離婚後も引き続き支払いがある金銭の取り決めをしたときには、強制執行できる公正証書にするサポートをしてくれます。

離婚協議書を公正証書にする手続き自体は公証役場で行ってくれますが、どのような条項を盛り込むのかは素案を作成しなければならないので、サポートやアドバイスを受けられることは大きなメリットといって良いでしょう。

離婚調停になった場合でも対応してくれる

離婚協議で夫婦の主張に折り合いがつかない場合、離婚調停に進むことになります。

離婚調停は家庭裁判所で調停委員というひとが仲裁して、話し合いで解決を目指す方法ですが、ご自身の主張の正当性を認めてもらい、有利に話し合いを進めるためには準備が必要です。

弁護士に依頼した場合、調停でのふるまいや発言に対するアドバイス、また依頼者の主張を裏付けるための証拠収集などをサポートしてくれます。

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まとめ

今回は、夫婦の離婚原因となる性格の不一致について解説していきました。

性格の不一致の具体的な理由は夫婦によってさまざまで、状況によっては有責行為になる可能性もあります。

当事者同士の話し合いで条件がまとまれば良いのですが、なかなかうまくいかないこともあります。

また話し合いがうまくまとまったとしても、離婚後に引き続き支払いのある金銭の取り決めなどをするときには、不払いに備えて対策を打っておいた方が良いときもあります。

弁護士への依頼というとかなり高額な費用を想像するかもしれませんが、離婚後のトラブル等を考えると、依頼した方が良いケースもあります。

初回相談は無料の事務所も少なくありませんので、一度相談を検討してみると良いかもしれません。

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