【子供がほしい】「やっぱり子どもをつくりたい」で離婚は可能?

結婚前、夫から言われたこと。「子どもは欲しくない。子どもを作らないことを条件になら結婚してもいい」内心子どもは欲しかった。結婚して一緒に生活すれば、考え方も変わるだろう…。そう思ったけれど、変わらなかった。

妊娠にはタイムリミットがある。年齢を重ねるにつれて、自分の子どもを産みたいという欲求が強まった。

どうしても子どもが産みたいから、離婚したいんだけれど出来るのかな…。

結婚前の約束を破棄するには原則として同意が必要

「子どもをつくりたい」という理由でも離婚できる

夫婦での話合いで解決しない場合「夫婦関係調整調停(円満)」の利用も検討を

まとめ

結婚前の約束を破棄するには原則として同意が必要

結婚前、相手方から「子どもが苦手なのでいらない」「子どもはお金がかかるから作らなくてもいい」と条件をつけられ結婚する女性は、一定数いると思います。

「夫が好きだから」「夫を愛しているから」「いつか気持ちが変わってくれるかもしれない」

苦渋の決断であれ、楽観的なものであれ、「子供を産みたい」という気持ちを持ちつつ、相手が応じてくれないと、次第に不満がつのっていってしまうこともあるかもしれません。

しかし残念ながら、婚前に夫と約束したことについては、原則として、自分の一存で捨て去ることが出来ません。

基本的に「妊娠」は、夫の協力なしですることが出来ません。また、出産後の生活スタイルも、夫婦二人と子どもがいるとでは大きく違ってきます。

まずは、「子どもを作るかどうか」に関わらず、結婚前の約束、夫婦間の約束の扱いについて考えていきましょう。

婚姻中の夫婦間の契約は取り消しが可能

まず、夫婦間の契約の取り消しがどういう扱いなのかを知っていくことにしましょう。

民法754条では、婚姻中の夫婦間の契約の取り消しについて、以下のように定められています。

 

(夫婦間の契約の取消権)

第七百五十四条 夫婦間でした契約は、婚姻中、いつでも、夫婦の一方からこれを取り消すことができる。ただし、第三者の権利を害することはできない。

要約すると、夫婦の約束や契約は、第三者の権利を侵さない限り、いつでも取り消しできるということになります。

ただし、下記のような状況のケースでは、「取り消し」が利かないという可能性があります。

  • 約束(契約)を交わしてから、長期間経過している場合
  • 婚姻中ではあるが、実質的に夫婦関係が破綻している場合

上記のケースでは、夫婦間の契約の取消権を行使することが出来ない可能性があります。夫婦間の契約の取り消しは、実際の夫婦関係が壊れていないことが前提で適用されると念頭に入れておいた方がよさそうです。

婚姻前の契約の取り消しや変更は相手方の合意が必要

婚姻前の契約の取り消し、および変更については、基本的に相手方の合意が必要です。つまり、勝手に破棄することが出来ないということですね。しかしながら、契約というのは口約束でも成立します。同じ約束でも、口約束か、書面を残したか否かでも、状況が変わってきます。ケース別に説明したいと思いますので、以下をご確認ください。

【書面が無く口約束の場合】

契約が口約束の場合、「契約を交わした」という証明をするのが非常に困難です。また、口約束は、婚前に約束したのか夫婦になって約束したのかの判断も難しいです。というのも、前述のとおり、夫婦である場合、契約の取り消しは相手方の同意なくおこなうことが出来るからです。

約束の可否が証明できないケースでは、現実的に約束は無効であると考えて行動した方が良いかもしれません。

【自作で契約書を作成した場合】

結婚前に自作で契約書を作成した場合でも、法的効力が認められる場合があります。しかしながら、親しい男女間で結ばれる契約は、関係性においても、冷静さを欠くことが多く、法律的に無効な取り決めが多いのも事実です。

したがって、自作した婚前契約書では法的効力は不十分と言えるでしょう。

【婚前契約を公正証書で作成した場合】

公正証書は公証役場で、法律知識を豊富に持つ公証人と話し合っておこなわれるものなので、法的な有効性が認められる確率が高いです。そのため、相手の合意がない場合、金銭を目的とした契約の取り消しや変更はできないと考えたほうがよいでしょう。

「子どもをつくりたい」という理由でも離婚できる

前章では、婚前契約・夫婦間の契約について深く掘り下げていきました。今回は、「子どもをつくりたい」を理由に離婚ができるのかについて確認していきたいと思います。

夫婦のあいだで考え方の違いによって齟齬が発生した場合、相手方の合意を得ることが出来れば、離婚することは可能です。

つまり、離婚協議、もしくは離婚調停で話し合いをおこなうことになります。すでにご存じかもしれませんが、協議離婚と調停離婚を簡単に説明させていただきます。

 

離婚協議…夫婦間の話し合いで離婚を成立させる。

離婚調停…家庭裁判所に申し立てをおこない、調停委員を交えて話し合い、離婚を成立させる。

 

「あれ、裁判でも離婚することが出来るんじゃないの?」と考えた方がいるかもしれません。しかしながら、離婚の可否で裁判するためには、相手方が有責配偶者であることが前提です。

原則、子どもをつくるかどうかの齟齬で離婚裁判をすることはできない

離婚の可否を裁判で争うためには、民法で定められた法定離婚事由に当てはまる必要があります。

【法定離婚事由】

  1. 不貞行為
  2. 悪意の遺棄
  3. 3年以上生死不明
  4. 配偶者が強度の精神病で、回復が見込めない場合
  5. その他婚姻を継続し難い重大な事由

上記が、裁判をすることのできる理由です。「子どもを作るかどうか」の齟齬に関しては、原則として5項目のどれかに当てはまる可能性は低いです。

ただし、子どもを作るかどうかをめぐって夫婦仲が悪くなり、相手方が不倫をしたり、相手方が勝手に別居したときには、不貞行為や悪意の遺棄に当てはまる可能性があります。

子どものできない理由が「不妊」である場合も法定離婚事由にはならない

今までとは少し切り口が異なりますが、相手方の不妊で子どもができない場合、法定離婚事由になるのか、疑問を覚える方もいるかもしれません。

結論を言うと、「不妊」そのものは、法定離婚事由に該当する可能性は低いです。実際、子どもがいなくても良好な夫婦関係を保ち、幸せな生活を送っている方々は多くいます。

子どもが欲しい、欲しくないという考えの違いと同様に、相手方が不妊を原因として、他の法定離婚事由に当たる行動をおこなわなければ、夫婦の話合いで離婚の可否を決めることになります。

夫婦での話合いで解決しない場合「夫婦関係調整調停(円満)」の利用も検討を

今回、全章を通して、「子どもを作るかどうか」に関しては、「夫婦の話合い」が重要であることを、繰り返しお伝えしてきたと思います。

子どもを作るかどうかは、人生の進路を大きく変える事柄です。子どもは、人生を豊かにしてくれる大切な宝物と感じる一方で、大変なこと、苦しいこともたくさんあります。子どものいる喜びと、不利益。どちらを多く感じるかは、ひとによってそれぞれです。

元々夫婦仲が悪くない限り、まずは、夫との子どもが欲しいと考えるひとの方が多いと思います。

「夫との子どもが欲しい。でも、相手がはぐらかして逃げてしまう」

夫を愛しているけれど、子どもに関してどうしても考えの折り合いがつかない場合、離婚よりも前に調停を利用するのも手段のうちです。

調停と言うと、なんとなく離婚に向けての話合いというイメージがありますが、それだけではありません。「夫婦関係調整調停(円満)」を家庭裁判所に申し立てれば、離婚を前提としない話し合いをおこなうこともできるのです。

男女ふたりの調停委員を交えて話し合いがおこなわれます。離婚を前提とした調停と同様、基本的にふたりが同席にならないので、自分の考えを冷静に主張することが出来ます。

また、仮に妥協点が見つけられず、結果「離婚したい」となった場合、そのまま離婚の話し合いをすることも可能です。

夫に愛情を感じており、「彼の子どもがほしい」と強く感じているケースでは、離婚を考える前に調停を検討してみても良いでしょう。

まとめ

今回は、結婚前の夫婦の約束や契約の取り消しについて考えていきました。男女が結婚するにあたって、さまざま条件を付けたくなることがあると思います。

その条件が金銭にかかわるものであれば、事前に婚前契約を公正証書にしておけば、仮に離婚になったとしても争いが少なくすむケースもあります。

しかしながら、子どもに関してはなかなか簡単にはいかないでしょう。一番は、婚前に「子どもを作らない」と約束しないことが一番ですが、すでに取り決めしてしまったのであれば仕方ありません。

夫との子どもが欲しい場合には、夫婦間で真剣に話し合い、それでも埒が明かなくなったら調停、もしくは弁護士に相談してみるのも良いと思います。

調停を申し立てたり、弁護士に相談することにより、和解出来たり、離婚になったとしてもスムーズに成立する可能性が高まると思いますので是非ご検討ください。

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