【離婚できるか考えてみよう】こんな理由でも離婚ができるのか?⑤

特殊性癖を持った夫と離婚したいけど可能なの?

相談者:ユア(23)

夫:セイヤ(38)

相談させてください。今、夫との離婚を考えています。夫と結婚した理由は、優しいことと、私自身年上の男性が好きだったからです。でも、先日夫の性癖を垣間見てしまい、離婚を考えています。

というのも、夫の性対象に10代前半の女の子が入っていることが分かってしまいました。いや、正直すみません。本当理解が出来ません。

彼の所有している漫画に中学生や、小学校高学年くらいの女の子が男性とソウイウコトをしているジャンルを重点に集めていました。

漫画ながら、少女と成人男性がことに及んでいるシーンは、すみません理解できません。許せなくて、夫に「性癖が気持ち悪い。理解できない」というと、「現実でやってないんだから別にいいだろ」と逆切れされました。

いやいや、モラル的に有り得ないですよね?本当にちょっと無理です。しかも、その漫画、近親相姦ものでした。彼は現実と漫画は違うと言いますが、将来娘が産まれ、成長した場合、そういう風に見ていたらと思うと、生理的嫌悪でいっぱいになります。

私の心が狭すぎなのでしょうか。また離婚する場合、この理由で慰謝料を請求することが出来ますか。

見解

日本では、憲法で以下のように「思想の自由」が保障されています。

第十九条 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。

性癖も思想の一部とされますので、公共の福祉を侵害しない限り、どんな性癖を持っていたとしても、その権利は認められます。

今回のユアさんは夫であるセイヤさんがロリータコンプレックスであることを理由とし、離婚したいと考えていらっしゃると思います。

しかし、その類のアダルト漫画を読むこと自体は、思想の自由内であるとされ、一方的に離婚、また慰謝料を請求することは難しいでしょう。

そのため、ユアさんがセイヤさんと離婚するには、夫婦での話し合い、もしくは調停等を利用し、離婚成立させる必要があるかもしれません。

ただし、セイヤさんが持っているアダルト系の中に児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律に抵触する画像や動画等があった場合には、それを有責事由として離婚や慰謝料を請求できる可能性があります。

夫の整形が発覚したから慰謝料取って別れたい

相談者:フジコ(33)

夫:カイジ(25)

ご相談させてください。私は、去年夫のカイジと結婚しました。理由は顔です。お恥ずかしながら、私は極度の面食いです。不相応と思いながらも、顔面偏差値が高い男性と結婚したいと常々思っていました。

夫のカイジは、まさに私のストライクゾーンで、一瞬にして恋に落ちました。競争率の高い夫と付き合うにはたくさんのハードルがありましたが、なんとか交際にこぎつけ、結婚することが出来ました。

しかし、この前夫の実家でアルバムを確認したところ、子供のころと全然違いました。もはや詐欺レベルです、夫の両親や弟は割と顔が整っていたので全然わかりませんでした。

私も大人なので、その場では取り繕いましたが、家に帰ってから整形について問い詰めたところ、「整形」したと言われました…。

夫に離婚を考えているし、慰謝料も取りたいくらいだと本音を伝えると、「俺の内面は全然見てないのかよ」と言われました。

先ほども申し上げた通り、夫と結婚したのはぶっちゃけ顔です。申し訳ないですが、本当に顔だけで結婚しました。

イケメンだからこそ、彼のかなりのわがままにもいやいや応え、目をつぶってきたわけです。出来ることなら慰謝料とって離婚したいですが可能でしょうか。

見解

民法770条では、「裁判上の離婚」といって、配偶者が以下のような行為をおこなった場合、離婚を請求できると定められています。

 

1.不貞行為

2.悪意の遺棄

3.3年以上生死不明

4.配偶者が強度の精神病で回復を見込めない場合

5.その他婚姻を継続し難い重大な事由

今回のフジコさんは夫カイジさんの整形を理由に、離婚の可否、慰謝料請求を考えていらっしゃるようですが、「整形」は上記の理由にあてはまる可能性はほとんどないでしょう。

というのも、「整形」自体が夫婦関係に重大な亀裂を与えるとは考えられないからです。

つまり、フジコさんがカイジさんと離婚したい場合には、夫婦の話合い等で成立させなければなりません。

整形自体は有責行為に当たりませんが、「カイジさんのわがまま」がどの程度なのかによっては、有責行為に該当する可能性はあります。

考えられるものとしては、以下のような理由が挙げられるでしょう。

  • 夫が家事もせず働かない
  • 夫がギャンブル等遊興目的でお金を使い、生活がひっ迫している
  • 夫が頻繁に性風俗等に通っていた
  • 夫がモラハラ行為やDV行為をしていた

上記等の理由がある場合には、慰謝料の請求できる可能性が高いです。

夫の有責行為によっては、証明が難しいこともあるので、思い当たる節がある場合には一度弁護士に相談した方が良いかもしれません。

夫の義母の介護に耐えられないので離婚したい

相談者:サイコ(45)

夫:タダシ(45)

息子:コウジ(18)

義母:セツコ(73)

ご相談させてください。私と夫は結婚して、今年で20年です。家族3人、そこそこうまくいっていたと思います。

けれど、義母の介護の件で夫婦仲がすっかり冷え込んでしまいました。経緯を説明させていただきます。

私たち家族と夫の両親はいわゆる近距離別居です。嫁姑が仲悪いということもなく、良好な関係を続けていたと思います。

ところが、3年前に義父が亡くなりました。義父は70代を迎えたばかり。かなり元気な人だったので、突然の死に驚き、悲しみました。特に落ち込んだのが義母です。

義父が亡くなって以来、活動的だった義母は家に引きこもりがちになり、別人のようになってしまいました。これは、まずいと感じた私たちは、夫婦で話し合い、今後のことを考え、同居することにしました。

同居してしばらくしても部屋からあまり出てこようとせず、ぼーっと過ごしていました。部屋から出てくるのは、ご飯の時くらいで、同じ家に住んでいるのにほとんど顔を合わせませんでした。

今思えばそれが悪かったのだと思います。しばらくして、義母の言動がおかしくなりました。ぼんやりしていたかと思うと、いきなり怒り出して手が付けられなくなりました。子どものように癇癪を起し、「嫁がいじめる」だの「孫が殴ってくる」だのあることないことを言い始めました。明らかに普通でない様子に、夫と相談し、嫌がる義母を病院に連れていくと、中度のアルツハイマーであることが分かりました。

はじめは訪問介護等を利用しながら、義母の介護を行ってきましたが、次第に虚言や、発作のように暴れ出すことに疲れてしまいました。そこで、夫に義母を介護施設に入れようと相談しましたが、「家族なんだから介護をするのが普通」と言われてしまいました。こんなこと言うくせに、介護をするのは息子と私で、夫は見て見ぬふりをします。

息子と私は、その状況に数か月耐えてきましたが、もう限界です。それに、息子は今年受験生にもかかわらず、義母の対応等によって落ち着いて勉強できる環境にありません。

息子のこと、私自身の体力の限界を理由に、何度か夫へ介護施設の打診をしてみましたが、話をするたび言い争いになってしまい、良好だった夫婦仲もすっかり冷え切ってしまいました。正直、離婚も考えているのですが、大学費用等を考えると、どうすればいいのかわかりません。義母の介護を離婚できるのでしょうか。また、養育費は基本的に成人するまでと聞いていますが、大学進学の場合、二十歳を超えても請求できるものなのでしょうか。ご教示いただける幸いです。

見解

義父母等の介護を理由とする離婚は、夫の態度によって有責行為に該当する可能性があります。今回のサイコさんの場合、夫であるタダシさんが介護に非協力的な態度を理由に離婚を成立させることが出来るかもしれません。

タダシさんは、サイコさんが在宅介護を続けるのが難しく、介護施設への入所を勧めることを拒否しています。拒否するのは良いのですが、タダシさん自身が介護を手伝うわけでもなく、介護の大変さに理解を示していなさそうな態度を取っています。

このタダシさんの態度によって、夫婦関係が破綻したのであれば、裁判で離婚の可否を問うことが可能になります。

また、養育費の支払い義務についてですが、確かに一般的には子どもが成人を迎えるまでと取り決めしている方が多いかもしれません。

しかし、子どもの進学状況や心身の状況等によって経済的自立が出来ない場合には、成人以降も養育費を取り決めることが出来ますのでご安心ください。

まとめ

3つの相談を取り上げ、「このような理由でも離婚できるのか」を考えていきました。離婚の理由自体は、似ているものであっても夫婦の状況や、そこに至るまでの過程によっては、相手方の有責性を問えることもあります。そのため、離婚の決意が固いのであれば、一度専門家に相談した方が良いケースもありますので一度ご検討ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。