【離婚後の生活】シングルマザーが利用できる支援制度を紹介(免除編)

【離婚後の生活】シングルマザーが利用できる支援制度を紹介(手当編)では、ひとり親が利用できる補助金制度等について紹介しました。

シングルマザーといったのひとり親を支援する公的制度は、児童扶養手当のようなものだけではありません。

状況によって、税金や国民年金、国民健康保険の支払いが減額されたり、免除されたりする場合もあります。

今回は生活が苦しくなったときに利用できる制度について紹介していきたいと思います。

【生活費だけじゃない】税金・年金・健康保険の支払いは負担が大きい

生活していくうえで、支払いが欠かせないのが税金や年金、健康保険です。

一定の期間、一定の収入があれば、税金や社会保険は給料から天引きされるので延滞することは少ないと思います

しかし、パート、アルバイトとして働いており、所得が低かったり、仕事を複数掛け持ちをしている場合には、自分で支払いを行わなければなりません。

主に支払いが必要なものは、住民税・国民年金・国民健康保険です。

では、一体どれくらいお金がかかるのでしょうか。

 

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住民税

住民税とは、住民票のある地方自治体に支払うお金です。

毎年、前年度の所得の約10パーセントを納める税金です。

細かくみると、住民税には都道府県におさめる都道府県税と市区町村に支払う市区町村税のふたつに分かれています。

なお、税率については基本的に、全国一律ですが神奈川県や名古屋市など、若干税率が異なっている地域もあります。

詳細を確認されたい方は、お住まいの地域の役所に問い合わせたり、ホームページを見るとよいかもしれません。

住民税は前年度の所得(1月1日~12月31日まで)によって、金額が決まります

前年度の所得が高い場合には、当然支払う金額が高くなります

しかしながら、確定から支払いまでにタイムラグが発生するので、仕事を辞めており、請求金額を支払えないケースもあります。

役所に連絡せずに、支払いを滞らせていると追徴金を科され、余計に金額を支払わなければいけません

そのため、支払いが難しいようでしたら、お住まいの(住民票のある)役所に相談をしてみてください。

役所の職員が相談に応じてくれ、分割する金額を低く設定してくれることがあります。

国民年金

日本では、国内に住民票のある20歳~60歳以上の方は、必ず国民年金保険に加入しなければなりません。

「え、じゃあ厚生年金って何?」と疑問に思う方もいらっしゃると思います。

厚生年金や共済組合とは、企業に勤めている方が加入しているものになります。

厚生年金・共済組合の保険料のなかには、国民年金保険料も含まれています。

つまり、厚生年金や共済組合に加入している方も勤めている企業をとおして、国民年金保険を支払っているということです。
しかし、生活が苦しく国民年金を支払っていない方もいらっしゃるでしょう。

どこにも相談をせずに未納のままにしておくと、65歳以上になってから年金をもらうことができなくなります。
また、督促状が届き、最悪の場合、財産を差し押さえされるケースもあります。
事情があって年金を支払えない場合には、お近くの年金事務所に問い合わせておきましょう。

国民健康保険

自分自身やお子さんが病気をしたときに、国民健康保険。

国民健康保険の加入対象者は、個人事業主や働いている職場で社会保険の加入条件を満たしていない方などです。

国民健康保険以外の保険として、各企業や団体で加入している健康保険があります。

健康保険に加入している場合、毎月の給料から保険料が天引きされるので延滞することはありません。

しかし、国民健康保険である場合には、保険料を自分で納めなければなりません

国民健康保険を滞納していると財産を差し押さえされるケースがあります。

なお、国民健康保険から健康保険(社会保険)の切り替えは自動ではありません

就職などで国民健康保険から脱退する場合には、資格喪失届が必要になりますのでご注意ください。

仕事を退職後、国民健康保険の手続きをしておらず、未加入状態の方もいらっしゃると思います。

病気になったとしても、10割負担すれば良いんでしょう」とお考えかもしれませんが、実際は違います。
国民健康保険や健康保険等に加入していない場合の診察料は、各病院の裁量で決定される自由診療になります。
3割負担で3,000円ならば、10,000円支払えばいい」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、自由診療なので、病院側の方針によって金額が20,000円請求されるといったことも考えられます

高額な医療費が支払えないからといって病院に行かず、症状を悪化してしまうケースもあります。

自分自身のことは、自己責任で納めることが出来ますが、お子さんが病気になったときはどうでしょう。

このような事態が考えられるので、公的医療保険には必ず加入しておきましょう。

【離婚したいけどお金が心配!】離婚前や離婚後のお金についてよくある疑問について①

 

収入が低いときに利用できる減免制度とは?

住民税・国民年金・公的医療保険は、生活するにおいて必ず支払うべきお金です。

滞納した場合、状況によっては給料差し押さえ等強制的に徴収される可能性があります。

また、本来すべてのひとが受けられるはずである公的サービスを受けられなくなるリスクもあります。

とはいえ、「自分の収入じゃあ支払いできない」「無い袖は振れない」とお考えの方もいるでしょう。

生活がひっ迫しており税金や年金等が支払えない家庭が利用できるの減免措置についてお話していきたいと思います。

おもな減免措置は以下が考えられます。

①ひとり親控除
②国民健康保険の免除
③国民年金保険の免除

では、早速項目別に確認していきましょう。

①ひとり親控除

ひとり親控除とは、離婚や死別等で子どもをひとりで育てている親が対象となる制度です。

具体的な条件は以下のようになります。

 

1.事実婚や内縁関係等、事実上の配偶者にあたる者がいないこと

2.生計を同一にする子どもがいること(※)

3.対象者の年間の合計所得金額が500万円以下であること

 

※対象となる子どもは、その年の総所得金額等が48万円以下であること、他のひとと婚姻関係になく、扶養親族の対象にならないことが条件です。

ひとり親控除の対象者となった場合、所得に関係なく一律35万円がその年の所得から控除されます。

 

②国民健康保険の減額・免除

国民健康保険では、母子家庭にかかわらず、前年度の所得から大幅に減収した方や、病気や怪我などを理由に生活が困窮した場合に減額されることがあります。

国民健康保険の金額は、地方自治体によって徴収する金額が異なります。

徴収方法には、収入や資産に応じて計算される応能割収入や資産に依らない、応益割などがあります。

各地方自治体は、応能割や応益割などを組み合わせて、保険料を決めていますので、減免する金額は地方自治体によって異なりますが目安として次のような割引率になると考えられます。

 

■世帯の国民健康保険に加入している方の総所得が33万円以下
5割~7割の減額

■世帯の国民健康保険の総所得金額が33万円~33万円+24万5,000円×(世帯主以外の被保険者数)以下
3割~5割の減額

■世帯の国民健康保険の総所得金額が33万円~33万円+35万円×(世帯主以外の被保険者数)以下
免除無し~2割減額

 

 

詳細につきましてはお住まいの地域にある役所に相談してみてください。

 

③国民年金保険の免除

所得が少なかったり、所得が無い場合には国民年金保険の免除を受けることが出来ます。
国民年金保険には、全額免除・4分の3免除・半額免除・4分の1免除の4つの区分があります。
免除区分は以下のような所得の基準で決められます。

前年度の所得
全額免除  

(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円

4分の3免除 78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
半額免除 118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
4分の1免除 158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

 

上記に当てはまっている場合には、国民年金の減免を受けることが可能です。

 

まとめ

 

今回は【離婚後の生活】シングルマザーが利用できる支援制度を紹介(手当編)に続き、シングルマザー等のひとり親の方が利用できる税金や国民健康保険の減免措置についてお伝えしてきました。

税金などの納付を滞納してしまうと、追徴金の発生や財産差し押さえなどの措置が取られてしまうことがあります。

生活が苦しく納付が難しい方は、まずは役所に相談してみてください。

役所の職員の方も鬼ではないので、事情があった場合にはさまざまな提案をしてくれることが多いです。

相談したときに支払いの期日の設定や申請書類の提出期日を決めると思います。

こちらの期日はしっかり守るようにしてください。

守ることが難しくなったときには、必ず事前に連絡しておきましょう。

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